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三鷹、聞いたか、吉祥寺、二子玉川 and Shibata

2021.05.04
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カテゴリ:原発

(世界発2021)原発ごみ「我が町に」真意は 「脱原発」のイタリア、終わらぬ廃炉
5月4日

34年前、イタリア国民投票で「脱原発」を決めた。すべての原発は止まったが、解体で出る放射性廃棄物の処分先が決まらず、廃炉作業の終わりが見えない。そんな中、小さな町の町長が言い出した。「我が町に処分場をつくっては」(トリーノベルチェレーゼ〈イタリア北部〉=河原田慎一)

■見込める交付金と地元雇用

北部の中心都市トリノの東約50キロに、トリーノベルチェレーゼという小さな町がある。国内有数の米作地帯で、2月末に訪れると、稲刈りが終わった田んぼが一面に広がっていた。町外れの川沿いには、1960年代に建設された元原発の建物が見える。廃炉作業が今も続き、敷地内で放射性廃棄物を保管している。

今すでにある廃棄物からの汚染が心配だ。国営の処分場をここにつくることで、安全性がより高まるのなら、検討してもいいのでは」。ダニエレ・パーネ町長(34)は、町長室のスクリーンに町の地図を映しながら、そう話した。

きっかけは、今年1月5日、政府が処分場の候補地67カ所のリストを突然発表したことだ。

計画では処分場は約150ヘクタールの敷地に、中・低レベルの放射性廃棄物を全国から集め、300年以上保管する。放射能漏れを防ぐため、廃棄物をドラム缶の中でコンクリート詰めにし、さらにドラム缶をコンクリート製のコンテナに納める。このコンテナごと、コンクリートで覆われた建物に入れて盛り土で覆う三重構造で、安全性を保つという。総工費は約9億ユーロ(約1180億円)。建設予定地に決まれば国からの交付金が出るほか、地元に4千人の雇用も見込めるという。

町では今のところ、廃棄物による住民の健康問題などは起きていない。だが、今ある廃棄物はドラム缶に詰めただけの「一重の安全対策」しかなく、放射能漏れを防ぐには不十分だと感じてきたという。

町は政府の候補地リストに入ったわけではない。廃炉作業を担うイタリアの公共企業SOGINによると、海や川からの距離や、地震リスクなどを考慮した消去法で、原発立地とは無関係に67カ所を選んだ。同町は近くにポー川が流れていることなどから、外されたとみられる。

それでも町長は、候補地が処分場を受け入れることは期待薄だと確信している。「自分の家の前にゴミ捨て場ができるのは、だれでも嫌だ。でも、イタリアが出した放射性廃棄物をどうするのか、判断するための時間は限られている。これはイタリアが長年抱えてきた宿題」と力説する。

町長はソーシャルメディアを使って住民に自分の意見を発信した。「国からの押しつけではなく、すでに廃棄物のある自治体で受け入れた方が合理的では」という町長の発想には「責任ある態度だ」と称賛の声が上がる一方、「カネのために町を売り渡すのか」という批判も起きた。

■候補地の自治体「寝耳に水」

パーネ町長の予想通り、候補地リストに名前が挙がった自治体はどこも「寝耳に水」と反発した。

「ここは、町の守護聖人が水をわき出させる奇跡を起こした水源地。そんな町の歴史と文化に反するような放射性廃棄物を絶対に置くわけにはいかない」。ローマの北50キロにあるガッレーゼのダニロ・ピエルサンティ町長(53)は3月、候補地となった牧草地でそう憤った。

すぐそばにはブドウ畑も広がる。ワイン醸造所を営むアウグスト・オリビエーリさんは「『放射性廃棄物処分場のワイン』と言われて、ワイン造りができるだろうか」と風評被害を心配した。

国は候補地がある自治体に対し、住民説明会を開いて180日以内に手を挙げるかどうか判断するよう求めているが、南部プーリア州の知事が「州で受け入れることは絶対にない」と早々に断言するなど、すんなり進む雰囲気はない。

政府が処分場建設を急ぐ背景には、1986年のチェルノブイリ原発事故を受けて行われた87年の国民投票で、すべての原発の廃止が決まったにもかかわらず、廃炉作業が大幅に遅れている事情がある。

2036年までに国内に4カ所ある原発すべての廃炉を終える計画だが、その前提となる廃棄物処分場の候補地リストの公表が、すでに計画よりも約5年遅れていた。

欧州連合(EU)は「放射性廃棄物の最終処分は、それを出した国で行う」と定めており、環境保護や安全保障の面から、国ごとに集中して管理できる施設の建設が求められていた。

使用済み核燃料など高レベルの廃棄物を再処理のために英国やフランスに送っているが、EUの方針に従えば、処理済みの高レベル廃棄物が今後、英仏からイタリアに戻ってくる可能性もあるという。

脱原発を決めたとはいえ、イタリアは隣国フランススイスの原発から電力を輸入している。2019年時点で電力消費の約3・7%を占める。イタリア脱原発の本気度に各国が注目している。





なかなか興味深い記事です。
日本同様火山国・地震国のイタリアですが、いま原発があるところあたりは安定した岩盤なのでしょう。

中低レベルの廃棄物でも300年以上の保管。
核のゴミは嫌というのはどこの国も同じですね。

日本でも運転停止後廃墟になりそうな自治体が、カネと雇用目当てに手をあげるかもしれません。

核のごみ処理を
積極的に進めているようには見えない日本政府は、そんな自治体が出てくるのを気長に待っているのかも知れません。

再稼働しても、いずれ原発には頼れなくなります。
原発立地自治体は、いまから考えておいた方がよいですね。







Last updated  2021.05.04 15:48:17
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