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カテゴリ:時事問題
日本が「ウクライナ感謝国リスト落ち」していた理由、“千羽鶴カルチャー”で空回り (msn.com) からの続きです。 ある団体がウクライナに千羽鶴を送る計画を公表したところ、「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏(西村博之氏)が自身のTwitterでこんな問題提起をしたのである。 <千羽鶴とか『無駄な行為をして、良い事をした気分になるのは恥ずかしい事である。』というのをそろそろ理解してもらいたいと思ってるのは、おいらだけですかね?>(4月16日) これを受けて、「戦争で逃げ回っている人たちが千羽鶴もらっても困るだけ」「相手の立場に立って、お金を送るのが一番」と共感する声も多くあった。筆者も東日本大震災の時に、避難所へ物資を届けにいったことがあるが、千羽鶴が山積みで放置されていたのを見たことがある。被災者の方たちが「気持ちはありがたいけど正直、迷惑」と困惑していたのをよく覚えているので、ひろゆき氏の言わんとしていることはよくわかる。 その一方で、ひろゆき氏の意見に異を唱える人たちもいた。ワイドショーのコメンテーターの中には、「お金を送れというが、お金のない人でも何かしてあげたいと思ってはいけないのか」とか「平和を祈る気持ちは尊いものなので、それを否定するのはいかがなものか」などと擁護する人たちもいた。 わかりやすく言うと、これが“千羽鶴カルチャー”である。日本には相手が何を欲しがっているとか、どんなことに困っているとかよりも、自分たちの「思い」を尊重しがちな文化がある。「もらう側」ではなく、完全に「あげる側」の論理が強いのだ。 そんな“千羽鶴カルチャー”こそが、日本の国際貢献がイマイチ相手に伝わらない理由のひとつではないか。 今回、千羽鶴を送るべき相手は、ウクライナの人々ではなく、ロシアのプーチン大統領だからだ。 東日本大震災でのイメージが広く伝わったことから、千羽鶴というのは「過酷な目にあった人たちへのエール」のような役割だと勘違いをしている人が多いが、実は国際社会では、千羽鶴はもともと「核兵器への抗議」という明確なメッセージがあった。 千羽鶴は、1955年に原爆症で亡くなった佐々木禎子さんという12歳の少女が、自身の病の回復を願って死の直前まで鶴を折っていたことで「平和の象徴」として国際社会に広まった。広島平和記念公園にある「原爆の子の像」が金色の折り鶴を捧げているのは、禎子さんの逸話からだ。 こういうルーツなので、「千羽鶴」は戦後、核開発競争にのめりこむ米ソを中心にさまざまな国で、「もうこんな悲劇を繰り返すのはやめましょう」というメッセージに用いられるようになった。 例えば、1958年、禎子さんをモデルにした児童劇映画「千羽鶴」が制作された。実はこの作品には、原爆病院を撮影に訪れていたソ連の記録映画作家も飛び入り出演して、原爆症に苦しむ人々を助ける基金にカンパする姿がおさめられている。 また、プーチン大統領がKGB(旧ソ連国家保安委員会)の諜報員として旧東ドイツに駐在していた1986年には、ソビエト連邦共産党中央委員会に付属する「世界の子供に平和を」委員会が、アンネ・フランクなどとともに佐々木禎子さんの名前を冠した「4人の少女記念賞」というものも制定した。 千羽鶴が持つメッセージは80年を経た今も色褪せていない。それを象徴するのが21年、アメリカでNPO「オリヅル基金」を設立して、真珠湾の戦艦アリゾナの追悼施設に、「サダコの折鶴」を展示するために尽力した、クリフトン・トルーマン・ダニエルさんだ。原爆投下を命じたトルーマン大統領の孫であるダニエルさんは、「原爆は戦争終結のために必要なこと」という教育をずっと受けてきたが、1999年に考えが変わるようなことがあった。 <広島で被爆後、白血病が治ると信じて千羽鶴を折り、12歳で亡くなった佐々木禎子さんの物語を、10歳だった息子が学校から持って帰ってきたことがきっかけだった>(朝日新聞デジタル2016年5月28日) つまり、国際社会で千羽鶴というのは「核兵器の恐ろしさ」をあらためて思い出すために使われることが一般的なのだ。実際、オバマ元大統領も広島を訪問した際には、鶴を折ってきて原爆資料館に手渡すというサプライズをしている。 ここまで言えば、なぜ筆者が千羽鶴をウクライナではなく、ロシアのプーチン大統領に送るべきだということが、ご理解いただけたのではないか。 プーチン大統領はロシアを守るためには核の使用も辞さないと述べて、世界中に衝撃を与えた。 これに真っ向から抗議をして、平和の象徴である千羽鶴を用いてロシアを説き伏せる国として、国際社会に期待されていたのが唯一の被爆国である日本だった。 なぜなら、岸田文雄首相は、被爆地・広島の選出であり、これまでも「核なき世界」を訴え、一般社団法人千羽鶴未来プロジェクトの会員も務めているからだ。 個人的にはこちらの方が、ウクライナの「感謝国リスト」に入れてもらえたのではないかと思っている。 「核の恐ろしさ」を訴えていた千羽鶴は、いつの間にやら「必勝成就」という真逆の意味をもってそれが主流になってきた。きっかけの一つが、高校野球。甲子園を目指すナインのため、女子マネージャーが予選にひとつでも生き残れるようにと願をかけて千羽鶴を折った。 こういうことを言うと、高校野球ファンに怒られるが、やっていることは戦時中、銃後の女性たちの間で大ブームとなった「千人針」とまったく同じではないか。これは戦場で弾をよけて、生きて帰ってこれるようにと願いを込めて、千人の女性が一針ずつ縫う白木綿の布のことだ。千羽鶴は、「球児たちに甲子園まで生き延びてほしい」と願う、女子マネージャーたちの「千人針」なのだ。 こういう「思い」を日本では何よりも尊いものだと考えてきた。だから高校野球では、負けたチームが勝ったチームに千羽鶴を渡していくという奇妙な風習が生まれた。近年は相手チームが迷惑だということで禁止されることも多くなった。被災地で迷惑がられる千羽鶴もこれと同じ構造である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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