27回目の再処理工場延期と青森県の悪あがき
核燃料サイクル「確認を」 青森県知事が要請、再処理工場延期で朝日新聞社核燃料サイクルの中核を担う使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成が大幅に遅れていることについて、宮下宗一郎知事が9日に経済産業省を訪れ、関係閣僚を集めた会議を開いて対応を協議するよう求めた。宮下知事は工場を建設する日本原燃の経営責任も追及する構えだ。 再処理工場では、全国の原発で使った核燃料からウランとプルトニウムを取り出し、隣につくる別の工場でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料として使えるようにする。当初1997年の完成をめざしていたが、工事や試験運転でトラブルが相次ぎ、そのたびに完成を延期してきた。先月29日には、原子力規制委員会の審査などに期間がかかるとして、27回目の延期を発表。完成時期を約2年半遅らせ、2026年度末にするとした。この日、宮下知事は資源エネルギー庁の村瀬佳史長官と面会し、「核燃料サイクル全体への県民の信頼が揺るぎかねない事態だ。重要な節目と受け止め、政府一体の取り組みを確認する必要がある」と訴えた。そのうえで、県と関係閣僚らが意見交換する「核燃料サイクル協議会」の開催を求めた。村瀬氏は「度重なる見直しにより、不安が生じていることは誠に遺憾だ。国としても実行性のある進捗(しんちょく)管理を徹底するよう、強く指導していきたい」と応じた。協議会の開催は、新政権の発足後になる見通しだ。核燃料サイクル「確認を」 青森県知事が要請、再処理工場延期で (msn.com) 1997年の完成予定が2026年度末(2027年)と30年も延期です。今回は27回目の延期、もはやこの事業の恒例行事でしょう。1993年の着工から今年で31年です。当初はビジネスチャンスをねらって優秀な人材を出向させていた企業も、いまや熱が冷めているとも聞きます。親方日の丸で潰れないというのでは、危機感も薄いことでしょう。宮下知事は工場を建設する日本原燃の経営責任も追及する構えのようですが、問題点を指摘して責任を問えるのでしょうか。安全に操業できず、もんじゅの破綻により経済性もない事業ですから、ここは事業終了を提案すべきです。無理に稼働させれば大量の放射性物質を生み出す事業です。やめても後始末に100~200年はかかると言われています。地震もあり、この夏の調子だとスーパー台風直撃も心配です。決断の潮時はとうに過ぎていますが、今からでも遅くないと思います。余談ながら、このブログでは再処理工場問題を何度も取り上げていますが、そのたびにネット右翼から訳知りなコメントをいただいていました。やはりこの惨状では、頭のかたい?彼らでも思うところがあるのでしょう。青森県ももう悪あがきをやめた方がよいと思います。参考:現在各国で採用されている核燃料の再処理方法はピューレックス(PUREX)法と呼ばれるもので、大まかに言えば、酸に溶かした燃料棒からウランとプルトニウムをリン酸トリブチル(TBP)にて抽出・分離する方法である。最初に使用済み燃料を燃料棒の状態のまま細かく切断し6規定の濃硝酸に溶かす(水相)。酸に溶けない燃料被覆管(ハルと呼ばれる)と不溶残渣(モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、パラジウム、ジルコニウム等)を取りだした水相の硝酸濃度を3規定に調整し、ミキサー・セトラー (mixer-settler)型抽出槽やパルスカラム(pulse column)型抽出塔でドデカンにリン酸トリブチル(TBP)30%を溶かした有機溶媒(油相)と混合・接触させると、硝酸とイオン対を生成したウラン及びプルトニウムがTBPに抽出され、油相に移動する。次に油相を還元剤(硫酸ヒドロキシルアミン等)を含む別の水相と接触させると、プルトニウムだけが水相に移動する。燃料被覆管は低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物)として、不溶残渣と各種放射性物質の混合体である硝酸系廃液は、蒸発缶等で濃縮した後、高レベル放射性廃棄物として処分される。なお、プルトニウムは容易に核兵器に転用可能なため、それのみを保有することは核拡散防止条約で禁止されている。そのためプルトニウムとウランと混ぜた溶液を作り、これをマイクロ波で脱硝酸して混合酸化物MOXとして保管している。ウランについても流動床で脱硝して酸化物(回収ウラン)として保管している。 日本の再処理工場は茨城県東海村の旧動燃東海事業所にあるが、実験的な工場であるため規模が小さく、年間200トンU程度の処理能力しかない。現在青森県六ヶ所村に建設中の日本原燃の再処理工場は、年間800トンUの処理を見込んでいるが、溶接不良に起因する不具合・構造上の不具合によって試験計画が何度も延期されている。2005年12月現在、劣化ウランを使用したウラン試験がほぼ終了しており、2006年には実際の使用済み核燃料を使用したアクティブ試験が開始される見込みであったが、ガラス固化体を作るガラス溶融炉のある小部屋で3回にもわたって高濃度レベル廃液が漏れていた[2]。よって、日本で発生する使用済み核燃料の再処理はその大部分をフランス(COGEMA社)やイギリス(BNFL社)に委託している。その後も同工場の完成は延期を繰り返し、2024年8月時点においていまだ未完成。完成時期についてはこれまでに27回の延期を行っている[3]。 (再処理工場)建設費用も当初発表されていた7600億円だったものが、2011年2月で2兆1,930億円[8]、2017年7月で約2兆9,500億円[9]と膨れ上がっている。2021年6月25日、日本原燃の六ケ所再処理工場の総事業費が、約5千億円増えて約14兆4千億円に膨らむことがわかった。新規制基準への対応や工場の完成の遅れが影響した[11]。(ウィキ)最終の総事業費は、いくらになるのでしょう。このお金を再生エネルギーや蓄電技術の投入していたら、日本は今や世界に冠たる再エネ大国になっていたでしょう。昔は、大学にも原子力学科というのがありましたが、今ではその名前も消えてしまいました。危険な斜陽産業です。