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2006.09.25
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カテゴリ:トルコの古代遺跡

Danjoseの花歳時記(外国編)-トルコの花々(その5)

キリムとトルコ絨毯

遊牧の民が、その暮らしのなかで、
紡ぎ、染め、織り、
生活の道具として造り上げてきた織物。
                                                                                              

カッパドキア・壺と奇岩(トルコ)


カッパドキアの奇岩
何千年にも及ぶ
膨大な時間の
自然の営みが
人間の営みが
この大地を造り
上げている。

この地では
トルコ絨毯工場を見学。

 

 

 

ケコム(地震で崩壊した遺跡) 地震で水没都市と
なった遺跡のある
ケコム島
両岸の山全体が
まるで大仏さまの
頭髪のように
丸みを帯びた
岩の集合で
覆われ、
その隙間から、
潅木が生え、
エニシダの
黄色い花が
咲き乱れていた。


この地ではオールドキリムの店に出合った。       

キリムとは
その起源を7000年前にまで遡るとも言われている。
乾燥地帯や草原地帯の遊牧民の手による平織りの織物である。

オルード・キリム(ケコワ)
(オールド・キリムの店:古いものほど高価である
キリムは毛足のない平織りのカーペットとして現代では使われる)

キリムには
さまざまなモチーフ
(羊の角、川の流れ、狼の口、櫛、花、など)の
幾何学的な文様が織り込まれている。

そして、それは織り手の女たちの
願いや怨念が込められている。

厳しい自然のなかで、
自然とある時は一体となり、和んで、
ある時は自然の脅威におののき、ひれ伏して、
厳しい労働の日々を送ったであろう
女たちの喜びや悲しみが
一目一目に織り込まれている。

羊やラクダの毛から糸を紡ぎ
草木から染料を抽出して糸を染め、
何ヶ月もかけて、根気強く織られた
平織りの織物キリム。

この織物の工程の一つ一つに、人々の心が込められ、
丹念におおらかに出来上がっていった昔のキリム。

その織物は、
穀物袋や、ラクダの背にかける収納袋や、
クッションや赤ちゃんを背負う袋となって
暮らしの中で使う道具となった。

今は、女たちの暮らしのなかで活きる道具としてではなく
手仕事の賃仕事として織られているキリム。
古いものほど高価である意味が肯ける。

トルコ絨毯

トルコ絨毯(カッパドキア)
(花をモチーフとした幾何学文様のトルコ絨毯:豪華さのなかにもやわらかな落ち着きがある)


絨毯もキリムと同様に
寒さや湿気から身を守る為に、
狩猟や農耕牧畜の生活の転変の歴史のなかで
毛から糸を紡ぎ織物へと発展させてきたもの。

トルコ絨毯は2本の縦糸に色糸を結びつける
ダブルノットという結び方を作り出した。
ペルシャ絨毯が1本の縦糸に色糸を
巻きつけるシングルノット対して
二本結びのトルコ絨毯は丈夫で耐久性があるという。
1日に7~8ミリしか織れない
計り知れない根気仕事である。

この手仕事は現代がなくしてしまったもの、
その生活から、
自然の摂理そのものの粘り強い時間を
私たちは喪失した。

カッパドキア・トルコ絨毯
(ベージュを基調にした、花をモチーフにしたトルコ絨毯:華やかであるが色使いがシックである)

この色使い、この幾何学文様、
このやわらかさ、やさしさを私たちは失った。

ごく普通の女たちが
生活の一端として織っていた織物
日本でも私の祖母の時代には、
自らで、紡ぎ、織って、縫い物をしていた。
つつましく粘り強く暮らしていた。

今を生きる私たちは
それらを創りだす
生活の智恵さえ喪失しつつあるのではないか。
その根気さえ必要でなくなっている私たち。

過去の歴史から
過去の人々から私たちが今、
学ぶべきものは何かを
この織物たちは私たちに静かに語りかけている。
                                                                         






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最終更新日  2006.09.25 23:28:02
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キリム   ミーシャ1225 さん
小さい子供のころから、祖母や母と織り続けて伝え継がれたものだと聞きます。1日黙々と織り続けるのでしょうね。古くからの模様だけでなく、最後から2枚目の画像のようにまるでパッチワークのような模様も取り入れ、また色彩もパステルっぽいものもあって、新しいものも上手に取り入れている、そんな風にみえます。糸をつむいでから機織をする・・そういう場所が近くにあって、前から行きたいと思っているのですが、きっと病みつきになる・・と判っているのでいかれません。ツルの恩返しのように1日バタンコトンと織物をし始めちゃいそうで・・私は単純にそういうことを黙々とすることが好きです。不器用ですが好き!
最後の柄は、布の柄としては、シノワズリーと言われる柄ですね。ステキな色合いです。 (2006.09.26 10:47:15)

Re:キリム(09/25)   冨士子婆 さん
ミーシャ1225さん
>小さい子供のころから、祖母や母と織り続けて伝え継がれたものだと聞きます。1日黙々と織り続けるのでしょうね。
-----
絨毯工場で少女が織手として織っているのを写真などで見かけますが、トルコ絨毯は結び目が小さいほうが上等で、女の小さい繊細な手のほうがいいのですって。幼い時から見よう見まねで受け継がれてきているのはそんな理由もあるのでしょうね。
でも、私も小さい時から祖母の縫い物を見よう見真似ででやっていました。生活の中の必需品は暮らしの中で磨かれ、受け継がれる。このような生活様式が現代は大幅にくずれなくなっていますね。
今を時めく安倍とかが、「美しい国」とか言っていますが、過去の優れた伝統や習慣を受け継ぐのは、どのような社会であればできるかを無視して、美しい国などありませんよね。
私も、もくもくと機を織り布を紡ぎだして、暮らすの意外と好きかも。この絨毯を見た時、物作りの情熱みたいなもの湧いてきました。
過去の優れたモノを、現代的に受け継ぎ発展させることのこれは優れた見本ですね。
(2006.09.27 08:38:04)

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