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2006.10.11
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カテゴリ:トルコの古代遺跡

Danjoseの花歳時記(外国編)-トルコに咲く花々(6)

ベルガマのイチジクの木

ベルガマ(Bergama)は
アレキサンダー大王が、ギリシャ・エジプト・ペルシャにまたがる大帝国を建設し、
東西文化の融合による古代文化が
一段と円熟し、花ひらいた時代に
築かれた古代都市、
ベルガモン王国が繁栄した町。
(紀元前241~前133)

ベルガマ・アクロポリス劇場
(現在のベルガマの町を見おろすようにある、古代ベルガモン王国のアクロポリス・
急斜面を利用して造られた1万人を収容できる、劇場跡)


ヘレニズム文化の中心都市として繁栄したベルガモン王国
エジプトのアレキサンドリアと劣らぬ文化が栄えたベルガモン。

ヘレニズム文化は
古代ギリシャ文化をを継承し、
さらに世界市民的な視野で発展させた文化
とりわけ自然科学の発展はめざましい。

数学や物理学の祖はこの時代に生きた人々なのである。
アルキメデスやユークリッドなど、など、

ベルガモン王国には、
城砦ともいうべきアクロポリスに、
華麗なコリント式の列柱の立ち並ぶ壮麗な神殿があり、
世界的な文化、学術の都、アレキサンドリアに劣らぬ大図書館があり、
アスクレピオンという一大医療センターを備えた都市であった。
その規模は、現代の近代的な都市にも劣らぬものである。

ベルガマ・アクロポリス野花
(アクロポリスの丘の瓦礫から、サルビアのような紫色の花々が咲き乱れる)

紀元前200年ごろに、このような文化をもった人々がいた。
2千年前に、このような都市で暮らしていた人々がいた。
そして、その文化を担っていた人々の暮らしは
地下に埋もれ眠ったまま
2000年の時間が流れいる。

ベルガマ・アクロポリスに咲く花
アクロポリスの丘の瓦礫から、ハーブの一種、アニスのたぐいの花がけなげに咲いている。)


そのアスクレピオンの丘の回廊の大理石の列柱は
ニ千年の風雨に晒されても、なお白く
エーゲ海の乾いた何処までも青い空に、溶け込むように華麗に立つ。
その青と白を背景に溶け込んで自生しているイチジクの木々。

ベルガマ・アスクレピオンの無花果

イチジクは
紀元前3000年にすでに栽培されていたという。
紀元前2000年には、小アジアから地中海沿岸に広く行き渡っていた。

ホメロスの「イリアス」や「オデュッセイア」にも、
イチジクは数回、登場するという。
さらに聖書にも
アダムとイブが禁断の実を食べて裸身に羞恥を抱き、
イチジクの葉をつづって腰に巻いたという「創世記」の説話以外にも、
数多くイチジクが登場するという。
そして、禁断の実は
イチジクであるという説さえある。

イチジクは、地中海沿岸に住んだ人々にとっては、
古くから重要な食物でもあった。

イチジクはかくも深く人々の暮らしの中で
数千年の悠久の時間を生き続けてきた。

そして、今も野の草花に混ざって、
古代の人々が暮らし、滅んでいった大地に根を張って、
イチジクはいのちを紡ぎ続けている。

ベルガマ・アスクレピオン野花
(アスクレピオンの遺構の土手に咲く、野の花々。
トルコの4月は、花々が溢れるように咲く季節・
風化して瓦礫となった地面からも野花が咲きこぼれる)

 

《花の名一口メモ》

イチジク(無花果)

秋のイチジク
(イチジクの断面、白い小花の集まりが外側からは果実のように見える)

クワ科の落葉小高木。
葉は互生し、肉厚く、枝や葉を切ると白い乳液を出す。
葉腋(ヨウエキ)に花托(カタク)が壷状に肥大し、
内壁に多数の白色小花を密生したいちじく花序をつける。
外部から花は見えず、果実のように見えるので、
イチジクに無花果の字をあてる。

果実の成熟する時期が年に2回あり、
前年に着生した幼果が越冬して、7月ごろ熟した夏果、
新しい枝に着生して、その年の8~10月に熟したもの秋果という。

イチジク(秋果)
(たわわに実る秋果)

日本への導入は、寛永年間、ポルトガル人により、
「蓬莱柿」(ホウライシ)の名で伝えられ、今日の在来種となった。
名の由来は「和漢三才図絵」に
「俗に唐柿という。一月にして熟すゆえに一熟と名づく」によるという。

西洋では、イチジクは数千の長きに渡り、親しまれ、生活の中で結構なものとして祝福されてきたが、日本では、庭木にすると病人が絶えぬという迷信があって、嫌われてきた。






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最終更新日  2006.10.11 16:01:41
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日陰になって病人が出ると・・   ミーシャ1225 さん
私の祖父母の家が新宿にあって、庭の奥に大きなイチジクの木がありました。毎年蟻とに食べられながらも収穫しジャムにしていたのを覚えています。祖父が病人がでるから切ると毎年言っていて、いつだったか大きくなりすぎて切られてしまいました。あのころの新宿の家並みにはいちじく、ざくろ、びわ、柿と多くの家に果樹があって通るのが楽しみでした。今はすべてマンションになっています。最初のブルーのはベロニカかと。
遺跡に横たわるイチジクが化石になる日も来るのでしょうね。 (2006.10.11 19:34:11)

Re:日陰になって病人が出ると・・(10/11)   冨士子婆 さん
ミーシャ1225さん
>私の祖父母の家が新宿にあって、庭の奥に大きなイチジクの木がありました。
----
私もイチジクには幼い時の思い出が色々あります。初夏になると、今でも、イチジクの木の側を通るとあの独特の香りとイチジクの食感が蘇ります。秋果があるとは、最近はじめて知りました。スーパーに売っていましたので、買って食べて見ましたが。
>最初のブルーのはベロニカかと。
あの地中海の野花の図鑑で調べて見ましたが、ベロイカの花のイメージとはかなり違うと思いました。日本に咲いているベロイカとはかなり印象が異なる絵です。むしろ、生育場所や花期、その他の特徴で一番近いのは、Saiviaの仲間ではと思うのですが、wild clary,whorled claryあたりではと思うのですが、この写真だけでは特定できませんね。
(2006.10.12 11:03:17)

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