Danjoseの花歳時記(外国編)-秋のサンティアゴ巡礼街道(2)
スベインの野ばら
古都ブルゴスの巡礼道は、
川の近くで水も豊富、緑もまだ豊かである。
歩き始めてすぐに出合った
背丈ほどもある濃い緑の潅木。
愛らしい赤い実がたわわに垂れて
旅立ちを見送ってくれているかのようである。
歩いて行く途上で、ずっと見かけた赤い実、
スペインの野ばら
晩春から初夏、この野ばらの道は、
野バラの可憐な花が咲き競い
あたり一面はバラのかおり満ち、
虫たちが密を求めて飛交うに違いない。
そして今、秋は、
濃きグリーンの葉っぱを背景に
赤い実がこんなにもたわわに実っている。
赤の力強さ
その緑と赤のコントラストの絶妙さ、
野の花だけがもつ美しさ。
夏の厳しい暑さや、雨風に耐えて
自らの旺盛なエネルギーで、
生き抜いてきたものの持つ
色の深さ、すがすがしさ。
野に咲くバラの美しさが
そこにはみなぎっている。
害虫にも病気にも
物ともせずに生きぬく
野のバラの力がみなぎっている。
スペインのセネキオ
(学名:Senecio gallicus ・キク科、Senecio属。
フランスでは「フランスのセネキオ」という別名を持って、広く分布。
それに倣って、スペインのセネキオと呼んでみた。日本なら野菊か?)
まだ青き草むらに
ディジーのような小さな黄色い花を
まさに枯れんとするその一瞬まで、
健気に咲ききっているセネキオ
その旺盛な繁殖力で
綿毛を飛ばして
荒地でもどこでもすぐに増えていくセネキオ。
そして、こんなにも澄んだ明るいブルーの
可愛らしい花を咲かせる野の花が
咲いている。
(この花の名前、科、属はいまだ手がかりがありません)
ブルゴスの秋の巡礼道は
枯れようとする野の草花が
朝晩の冷え込む気温で、
その色を一層深い味わいにして、
可憐に咲いている。
《花の名一口メモ》
スペインの野ばら
バラは写真だけから名前を特定する事は難しく、
この赤い実のなるバラの名前は定かでありませんが、
スペインに咲く野バラで、花のつき方、葉の形、その他の特徴などから、
よく似た野バラがこんな美しい花を咲かせますので紹介します。
学名:Rosa sempervirens 別名(evergreen rose)
春の終わりから初夏にかけて、
写真のような3~5cm の花を咲かせる。
蕾は白で、咲くと淡いピンクとなる。
香りもよい。
南西ヨーロッパ、地中海沿岸域に自生しているバラの原種。つる性で常緑。
野生の状態では、バラは古枝の上に新梢がそれを覆うように伸張し、
やがて古枝は枯死するというサイクルを繰り返し、ブッシュを形成する。
(バラの花の写真は、University of Cantaniaから借用。
Rosa sempervirensは,次のサイトを参照しています。
http://www.plantencyclo.com
植物の名前には苦労しています。間違いあればどうぞご指摘ください。