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日々草

2008.03.14
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カテゴリ:老いを生きる

               姥捨ての国、ニッポン

 「後期高齢者医療制度」が4月から実施されようとしている。
 「後期高齢者医療制度」とは何か・この仕組みが目指しているものは何か。

 「後期高齢者医療制度」とは、2006年6月「医療構造改革」の名で、小泉内閣と自民公明が強行実施した制度である。この制度によれば75歳以上の人は機械的に「後期」高齢者と区分され、現在の医療保険から追い出して、高齢者だけの別枠の医療制度を確立するものである。そして、高齢者たちに「負担増と治療制限」を強制する。

 この制度のしくみの主なる点は次のようである。
まづ第一は、 保険料を年金から天引きする。
   年金が年18万円(月1万5千円)以上の人からは、強制的に保険料を天引きして徴収する。すでに介護保険料は天引きされている。

月1万5千円の年金しかない人が、医療保険と介護保険料の両方を支払うと、大阪府の場合、合計が4千4百円となり、年金の3割にもなる。合計が5割になる人は、介護保険料だけ徴収され、医療保険料は免除されるという。いずれにしても、年金の5割までは、自分で支払えということである。
 まともに暮らせる年金も支払われていないのに、更に、そこから強制的に天引きするとは。あんまりだ。もっとも天引きしなと、誰も支払わない恐れがあるので、弱いものから手っ取り早く、天引きしようとしているのだろうけれど。
 さらに、保険料を払えない75歳以上高齢者から保険証を取り上げるしくみが導入された。(現在は75歳以上の高齢者は保険証の取り上げが禁止されている。)
保険料を1年以上滞納すると「悪質滞納者」とみなされ、保険証が取り上げられ、代わりに「資格証明者」が発行される。その場合は、病院の窓口で医療費の全額(10割)支払うことになる。(全額払える人なら保険料滞納していない。)
 しかも、保険料は2年ごとに改定される。その時、高齢者の医療費が増えたり、75歳以上の人口が増加したりすると、自動的に保険料が上がる仕組みになっている。
患者数の増加や医療技術の進歩などで医療費が増えると、それが75歳以上の保険料に跳ね返ってくるという仕組みである。
しかも、新制度は「後期高齢者が払う保険料10%」「健保・国保なだ他の医療保険からの支援金40%」「国・自治体負担約50%」という財源割合でスタートする。しかし、後期高齢者の負担割合を12%、15%、…というように引き上げていくことが決められている。

では、75歳以上が受けられる医療はどうなるか。

 75歳以上の診療報酬をそれ以外の世代と別立てにした。

 後期高齢者診療料は、検査、画像診断、処置、医学管理全てを含んで「月1回6千円」の定額制を導入。複数の病気を抱える75歳以上の患者を担当する医師を一人に限る方向に誘導し、複数の医療機関を受診しないようにすることをめざしている。

要するに、診療においても、75歳以上の老人は、受診をひかえろ。高度な医療は受ける必要がない、と言っている。
 
 厚生労働省は「後期高齢者医療のあり方に関する特別部会」で「診療報酬体系の骨子」を07年10月にまとめた。その中で、後期高齢者の特性を次のように規定している。

1) 老化に伴う生理的機能の低下により、治療の長期化、複数疾患への罹患、特に慢性疾患が見られる。
2) 多くの高齢者に、症状の軽重は別として、認知症の問題が見られる。
3) 新制度の被保険者である後期高齢者は、この制度のなかで、いづれ避けることのできない死を迎えることになる。

 このように高齢者の特性を規定し、もう死ぬ時期なのだから、お前達には、お金も手間もかける事は出来ないので、患っている者は、早く死んでくれといっているといっていい。これこそが、今回の新制度のめざすものである。

何とひどい国家だろう。何とひどい経済システムであろう。
人生の果にこんな仕打ちを受けるとは。
75歳からは、「生きるな」と言っていると変わらない。

 そして、彼らの口癖、「財源がない、財政の危機だ」と言い、国民を脅すのが彼らの手口である。
財源など、今のままの政治・経済システムでは、どうやっても出てくるわけがない。根底のところの社会のあり方、暮らし方そのものの変革なしに、財源などでてくるわけがない。その根底を変えることなしにありえないのに、その社会変革は、出来ないと国民に思い込ませ、洗脳し、脅し続けている。

 この新制度は4月から実施されるのであるが、余りのひどさに憤っている国民の世論に押されて、政府・与党は、保険料徴収の一部先送りする「凍結」策を打ち出した。

公明党は「負担増凍結」「公明の主張を大きく反映」とポスターで大々的に宣伝して自慢している。
 「凍結」といっても。75歳以上の対象者約1300万人のうち、子どもなどの扶養者だった約200万人だけ。国民保険に入っている大部分の人は4月から強制徴収をされることには変わりない。
 しかも、この新制度は、2006年、自民・公明の与党が国会で強行した医療改革法によって決められたもの。
自分で決めておいて、「凍結」させたと、あたかも自分の手柄であるかのように国民に宣伝をしている公明党、「自作自演」とはまさにこのこと。あたかも国民の利益の守り手は公明党といわんばかりに演じて見せている政党・公明党。

 際限なく消費をし続けなければ、好景気が維持できないような経済システムが続く限り、財源など捻出できない。どこかで破綻するのは自明のこと。そのような経済システムの追従者であるかぎり、財政再建などない。

 若者と老人が、人間らしく生きていくことを許さない国。
 それが、今の日本である。
 この理不尽に老人パワーを炸裂させるとき。
 老人を甘くみるな。
 財政危機をあおって、「お前らが無駄をしている、おまえらが無駄を省くよう我慢しろ」と、威勢よくまくし立てる政治家たち。そして、この政治家たちこそが、その背後にいる「巨悪」には沈黙し、そのおこぼれで権力を振りかざして威張っている。
 
 長い人生の果に、病と闘い懸命に生きる老人達も多い。
 いのちの尊さを若者達に身を持って示している老人や病人は多々いる。
 
 それを許さない国、日本。そんな国に未来があるか。
 財政の帳尻が合えばいいなど、わめき、どなり息巻く政治家たち。

財源など、今の政治の仕組みを変えてしまえば、どうにでもなること。ただ、みなその変革を恐れているか、出来ないこととあきらめているだけだ。

過去の人間の歴史を見れば、変革し、改革して、権力の交代を絶えずしながら、継続させてきたのだ。質的に転換する時は、混乱や闇はつきもの。粘り強くその闇を突き破る、庶民の自覚や力が必要なときが今ではないだろうか。
 「アメリカににおける高齢者医療」の現実について書いた記事も併せて一読を。







最終更新日  2008.04.14 07:36:19
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