トルコの古代遺跡に咲くハーブの花々
Danjoseの花歳時記(外国編)-トルコの花々(番外編)トルコ古代遺跡に咲くハーブの花々西洋では古代から、治療のために用いられてきた薬用植物、ハーブ(herb)の歴史は、紀元前にまで遡り、ハーブを神々への捧げ物、貴重な薬草として崇めてきた。16世紀後半までは、西洋医療の中で、大きな地位を占めていた。トプカプ宮殿のカモミールの絨毯(オスマントルコ時代に創設されたトプカプ宮殿(イスタンブール)カモミールの花が満開)学名:Anthemis tomentosa(Woolly chamomile)乾いた丘陵地や岩や砂地の海岸地に咲く、花期は3月から6月。カモミールのハーブとしての効用は日本でも明治に遡り古い。イギリスではチュダー王朝のころから、芝生として楽しむことが流行、現在でもバッキンガム宮殿を始め、古い庭園に残されている。古代エジプト時代の人々は、その花の形が太陽に似ていることから、太陽神に捧げる花として崇めていた。ヨーロッパでは、ハーブティーといえば、カモミールの花というほどにその薬効には、鎮静作用や発汗作用があり、不眠や風邪のひき始めに飲んだり芳香性の苦味が消化不良に効いたりと各家庭の常備薬として親しまれてきたカモミール。生活のなかに深く溶け込んで、何千年もの時間を生きてきた。(ベルガマのアクロポリスの丘の瓦礫に咲くカモミール)地中海地方や西南アジアを主な原産地とするハーブは多く聖書の中に出てくる数々のハーブ、ミント、コリアンダー、ディル、アロエ、カモミール、オリーブ、ゲッケイジュなどなど、2000年の時空を超えて、野原や市街地に生き続けている。エフェソスの古代遺跡に咲くジャンヤントフェネル 3月から4月にかけて、地中海地方の痩せた低い開けた低地や乾いた岩肌の大地に咲く花GIANT FENNEL茎が乾き木質化した幹は家具材とする地方もあるという。髄は乾くとゆっくりと燃えるので、灯かりとなり、オリンピック・トーチの原初となったという茎。ベルガマの古代遺跡岩肌の大地に咲くディル(ベルガモンの巨大な総合医療センターの遺跡に自生しているディル)学名:Peucedanum anisumトルコでは花期は4月から7月。現在では、ヨーロッパは勿論のこと世界各地の庭で栽培されている。そのハーブとしての、効用は、料理の香辛料として大活躍。神経を穏やかにする催眠作用まであるという。聖書にはアニス(anise)という名で登場する。数千年をの時空を超えて、今、尚この瓦礫から花を咲かせている。 エフェソスの古代遺跡の公衆浴場跡の石壁に咲き乱れるキンギョソウ 古代遺跡の瓦礫の丘陵地や、朽ちかけた石壁から咲き乱れるSnap Dragon学名:Antirrhinum majus 花期は4月から11月、花の色はピンクやパープル。岩場、崖、古い壁や家屋に自生。庭に栽培も。地中海沿岸に広く分布しているが、帰化しているのは、東部海岸地帯のみ。地震で海底に沈み、廃墟となったミュラの遺跡の瓦礫に咲くアルテェディア(Artedia)学名:Artedia squamata 花期は4月から7月。地中海沿岸地方の痩せた開けた低地や未開墾の荒地に自生。セリ科のコリアンダーの仲間か?コリアンダーは「旧約聖書」の出エジプト記に登場するほど古くからあるハーブ。香味料として古くから使用されてきた。墳墓遺跡の崖の瓦礫に咲くキョウチクトウ 学名:Nerium oleander 花期は5月から8月、薬用として強心薬の原料。「旧約聖書」に登場するイエリコ(ジェリコ)のバラをセイヨウキョウチクトウとする説さえある。何千もの時を越えて人々の暮らしの中でいき続けてきたキョウチクトウ今も、照りつく日照りの瓦礫の大地に、その花を咲かせている。(『トルコの花々1~7』で扱わなかった花や、名前が定かでなかった花を(番外編)として、再度取り上げてみましたが、まだ、花の名前が確定できないもの、間違っているものもあると思いますので、その都度、訂正を試みたいと思っています。間違いあらばどうぞご指摘ください)