-MT's web 3.1----

僕はいつも海岸近くの家の庭に放し飼いされていて
自由に走り回っている。
今日は時々来るガス屋のはやみもこみちに似てるオヤジが
来た。
このガス屋のおじさんは餌はくれないけど、頭とか身体を撫でてくれる。
撫でられて嬉しそうな顔をすると、やはりうれしそうにもっと頑張って
撫でてくれる単純な人だ。たぶん人間の身体も撫でるのが好きなんだな。

おじさんがスケベそうな顔をしてやって来たが、後ろを見ると
いつもはキッチリと閉める門を開けたままにしてた。
お～！これはチャンスと思い、頭を撫でようと伸ばした手をフェイントして
逃れて一目散に開いていた門から飛び出した！！

僕は自由だ！！隣のアパートからその隣のマンションの工事現場を思い切り
走り回った。
その間、ガス屋のおじさんは必死で追いかけて来たので、僕は頭を撫でられる振りを
して一旦は寄って行ったけど、まだ行きたいところがあったので又走り、今度は
129号線を車がバンバン来てるのに一気に渡った。
ガス屋のおじさんはさすがに4車線の国道を追いかけてこれずにに諦めたようで
トボトボと帰って行くのが見えた。「フン、おじさん足が遅すぎるな」

僕は走って走って自由を満喫してたけど、だんだん疲れて来たので
自分の家に戻った。



ガス屋のおじさんは庭で待っていてくれた。
僕を見るとウルウルした目でいつもの数十倍も撫でてくれて抱きしめて
「良く帰って来たな～」と褒めてくれた。
「餌はくれないけど結構良い奴だな」って思った