367)男性が求めているもの
シニフィアン研究所(埼玉県上尾市&和歌山県和歌山市)の真道満喜(しんどうまき)です。精神分析という対話療法で自己(無意識)を知り、必要に応じて書き換えませんか。そうすれば、不安は安心に変わり、生きる希望が湧き、しあわせ入れ放題・つかみ放題だと実感することでしょう。今日は、「男性が求めているもの」 について考えてみます。男性が求めているものは何でしょう。それは「母なるもの」だといいたいと思います。すべての人は母から生まれるがゆえに、最初の愛着の対象は母だといわれます。女性と違って男性は母とは異性の関係にあるので、女性よりも厳しく禁止される対象となります。その代表が「我が親と交わってはならない」という太古からの掟ともいうべきタブーです。ところが、女性は母とは同性なので、その禁止は男性と比べてゆるいものとなります。せいぜい、「もう大人なんだから」くらいでしょうか。この禁止により母を希求する欲望は、女性よりも男性の方が強いと考えられます。なぜなら、禁止されればされるほど、欲望はより強くなるものですから。ではここで、母自体を禁止された男性を考えてみましょう。母を諦め、自立(分離)することを求められます。自立には3つあります。空間的・経済的・精神的に自立(分離)していることをもって、自立(分離)していると見なします。この観点からみたとき、はたしてどれくらいの人が自立(分離)しているでしょうか。それはとまれ、母からの自立(分離)が私という個の確立の第一歩だといわれます。そして、それが男性においてより求められてきたようです。だからこそ、男性は母の似姿を思わせる母以外の女性を求めるしかない。その女性の向こう側にわが母を想い描くことができる女性に魅かれるのでしょう。母の姿を想い描ければその対象は人でなくてもいいし、ある部分だけでいいのです。例えば、顔かたち、声、しぐさ、匂い、行動、色、髪、感触などなど。そして、その対象はあくまでもその男性固有のものですから、時には他者からは理解できないものとなる可能性もあるでしょう。しかし、それは母自身ではないので、永遠に満足できないものとなります。がゆえに、永遠に求め続けることとなるのです。男性は浮気なものだといわれるのも、このことが関係しているのかもしれません。最後に、フロイトの言葉を引用したいと思います。「女とは産む者であり、伴侶であり、滅ぼす者である。あるいは母の肖像が一生のうちに変化していく三形態、すなわち、母それ自身、ついで男が母の似像に従って選択する愛人、最後に男を再び受け容れる母なる大地である。」「年老いた男は、人生の初めに母から受け取った愛を、女から得ようと手を差し伸ばすがむなしい。運命の女性のうちただ三番目の者だけが、口を閉ざす死の女神だけが、彼をその腕のなかに抱き取るだろう。」(フロイト全集 岩波書店)自分が母の何を求めているのか、なぜその人(そのもの)に魅かれるのかを知りたいと思ったなら、精神分析がお役にたてることでしょう。余談ですが、この観点から男性を自分に振り向かせるにはどうしたらよいか、男性から愛されるにはどのようにすればよいかも見えてくるでしょう。興味を持たれた方は、シニフィアン研究所のHPを参照ください。http://signifiant-lab.com/各種講座、教室も随時開催しています。やさしい精神分析講座 オールOK子育て教室、夫婦・対人関係教室