― 虚 室 生 白 ―

昨夜、なにかの番組でやっていた。

それは、若い女性が乳癌で亡くなる前の映像。

亡くなる１カ月前、友人たちがしてくれた、

愛する人との、憧れの挙式。


そこには、笑顔があった。


病室で何気に聞く取材人。

「いつもここで何してるの？」

彼女はひとこと、こう言った。


生 き て る 。



　　*　　　　*　 ・



生きたくても、生きられない人がいる。

愛する人と、抱き合うことすらできない。

泣くことも、笑うこともできなくなるんだ。


生きてることが、どんだけすごいことかって、

思えよ、死ぬなよ、、

どうして身投げとかするんだよ、って、

なんかそんな気持ちになった。


「生きてる」って、

普通に生きてると気づかない。

どんなにすごいことなのかって、

気づけないのかも知れない。


見つめ合うということ

分かり合うということ

涙が零れるということ

深く、想うということ


この世の中の何もかもが

見えなくなるということ

愛するということ・・


生きるということ。



　　*　　　　*　 ・



何でもないようなことが

幸せだったと思う

何でもない夜のこと

二度とは戻れない夜


ロード。

歌詞の一節を思い出した。

この、何でもないような日々に、

改めて感謝したい。




Point of living..