カテゴリ:律
坂東眞理子氏の 『女性の品格』 が一世を風靡したせいか、 巷でよく 「品格」 という言葉を耳にするようになった。 昨年私もこの本を読んだ。 確かに頷きはしたものの、 一般人がする、この言葉の意味の捉え方については、 どこか腑に落ちない部分があり、漠然とではあるが、 人が忘れかけているかも知れない常識的な姿勢だと感じた。 本来 「品格」 とは、当人の価値観や立ち位置により まったく異なるのではないかと個人的には感じる。 むしろ、自らが確立していないからこそ、 その 「品格」 という言葉が無性に気になってしまうのではないかと。 * ちょうどそんなことを考えていた矢先、 偶然にもブラウン管の向こうに、ひときわ輝く人がいた。 某局の独占インタビュー、貴乃花親方である。 彼は、自らが抱く 「品格」 についてこう述べた。 「 やさしさをあわせ持つ 強さこそが 品格である 」 私はこの言葉の奥に潜む、意味の深さに感銘した。 それは先日、相撲協会で役員待遇に昇格した際、 口上さながらに四文字熟語で意気込みを語った、 貴乃花親方の、その 「虚心坦懐」 という言葉の重みを、 自らの心にしっかりと焼き付けては離さなかったから。 また、彼は時津風部屋の事件後、数日間ひとり考えたらしい。 そして、こう思った。 「叱り方を学ぼう」 叱られ方を知らない弟子への、叱り方である。 悉く深い。 彼にとっての大相撲とは何か― それは、“生き方”である。 品格とは、言葉にならない、こういうものなのかも知れない。 ― 心になんのわだかまりもなく、気持ちがさっぱりしていること。 平静に事に望むこと。また、そうしたさま。 虚心=心に先入観やわだかまりがなく、ありのままを素直に受け入れることのできる心の状態。 坦懐=わだかまりがなく、さっぱりとした心。平静な心境。 * 私はスポーツ選手の中で特に、貴乃花親方とイチロー選手を尊敬している。 二人とも少し年上だけど同年代で、ずっと前から見てきた。 両者ともに、それこそ 「品格」 を感じる存在である。 進む勇気と、あきらめない強さ。 なんのわだかまりもなく、平静な心で真っ直ぐ突き進む姿勢。 むかし、イチロー選手が言っていた言葉がある。 夢を叶えるには、小さなことを続けることだ。 大きさや強さに対する憧れが大きすぎて、 自分自身の可能性をつぶさないで欲しい。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 21, 2008 07:33:59 PM
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