テーマ:感じたこと(2896)
カテゴリ:白
少し前に美しいと感じていたものが、 今は何とも思わなくなることがある。 その時、 懸命に愛したこと、無我夢中だった事象、 自分のすべてを賭けてまで守り続けたことが、 ある日突然どうでもいいことになったりする。 人ってある意味、とても身勝手で、 結局のところ、利己的なのかもね。 それをなんらの言葉を並べて、 正当化しようとするのだけど、 自分の心はとても正直だから、 そんな自分をも守らなくちゃいけなくて。 * 過去の自分が納得してやってきたことが、 現在の自分にとっては不要になったり、 どーでもいいことになったり。 でもそれって、 自然のなりゆきだと思うんだ。 そして明らかに言えることは、 その時は、その瞬間にすべてを置いていたってこと。 そんな自分がいたからこそ、今の自分がある。 * すべての結果は、 自分自身が、その瞬間を生きたから。 いまアホくさく思えることだって、 その時を生きた自分にとっては、とても大きなことで。 懸命に生きたからこそ、壁にぶちあたったり、 泣き叫んだり、悩み苦しんだり、喜んだり、 たくさんの感動を胸に抱き続けていく。 そして、何かを得るんだ。 ![]() 私は昨年の夏、人生最大の方向転換をした。 それを機に、人は何かを貫こうとしたならば、 何かを犠牲にしなければならないことが分かった。 何かを得るためには、何かを捨てなければならない。 (人によっては捨てる必要のないことだってあるけどね) 例えば私の場合、それが築き上げてきた仕事や名誉だった。 でも、今から思えば何故あんなにもガムシャラだったのか、 どうしてあんなにも上司や会社や世間の評価を求めていたのか、 冷静に、穏やかな気持ちで眺めてしまう自分がいる。 今はとても謙虚で、静かな自分が、自分らしいと思える。 見えなかった、見ようとしなかった大切なものが、見えるから。 地位や名誉なんかいらないの。 * でもね、人ってとても弱い生き物だから、 それがいけないことで、捨てなければならないと分かっていても、 故意に捨てられなかったり、引きずってしまったりすることがある。 それが自分の中から無くなれば、 楽に進める、もっと幸せになれるって、 心の中では分かっているくせに、 どうしても放つ決断ができなかったり。 それはきっと、その 「毒」 が必要なんだろうね。 そのトキを生きる自分にとって、必要だから捨てられない。 執着しているつもりじゃなくても、どこかで求めてしまう。 よ わ む し 。 * この6月の間に、私は3つのことを事実上、捨てた。 捨てたというか、やめた、遮断した。 それらは皆、これまでの自分にとっては結構重要なことであり、 必要だと思っていたことで、故意に捨てることはできなかった。 でも、自然の成り行きと言うか、ある日突然いらなくなった。 正確な原因は分からないけれど、穏やかな心で素直に不要と思えた。 そして私の心はとても柔らかい気持ちになり、 ときに訪れる灰色がかった霧の姿も消えた。 でもね、私は素直に感謝している。 これまで向き合ってきたその不要なものと自分との ギラギラした営み、突き刺さるものがあったからこそ、 今の心が得られたんだと。 * 生まれた時にもらった、白い画用紙― 人生という 「絵」 を完成させるために、 どんな線、どんな色を描いていくかは、 自分がなぞった経験こそが、それらをさらに引き立たせる。 でも、 描いてしまった線や色を消す、消しゴムは、 存在しない。 それでも人は、何かに迷い、苦しみながらも、 また新たな線や色を描き続けて、生きてゆく。 自分という、人生の画用紙に。 * I n f a t e i s h a n d s .. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 29, 2008 03:43:12 PM
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