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そういちの平庵∞ceeport∞

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ジャンヴァニエ


「うつを越えて」


1.心の傷から病に
2.うつは、どこから
3.身体のなかで起きる変化
4.癒しにむかって
5.人生の冬は春にむけての準備
6.このみごとな宇宙の一員として
7.内なる真の自己
8.死の欲求と闘う
9.休むことを覚えよう
10.心の闇を見つめる
11.解放のきっかけとなる、うつ
12.うつから解き放たれよう
訳者のあとがき

著者:ジャン・ヴァニエ(Jean Vanier)

1928年、カナダに生まれる。1950年、福音的貧しさに生きるよう呼ばれていると感じ、ドミニコ会士・トマ神父創立の学生共同体に入り、のち6年間パリ・カトリック大学で哲学、神学を学び、ベルフォンテンのトラピストに1年、ファティマに2年、農場に1年と、シャルル・ド・フーコーを思わせる霊的遍歴をする。

1962年、哲学博士号取得後、トロント大学(カナダ)で教鞭をとる。1964年、トマ神父が北フランスにある「障害者の家」の指導司祭になり、彼にさそわれてフランスに赴く。トロリーで、知的障害者2人を受け入れて共同生活を始める。これがラルシュ共同体の母体である。
その後、世界各地にひろがり、現在では、100箇所を越える。日本にも設立されている。

訳者:原田葉子(はらだ ようこ)
1967年、フランスに生まれる。上智大学外国語学部卒業。東京芸術大学大学院美術研究科修了(美学専攻)。現在、宇都宮大学非常勤講師。訳書、『イエスと出会う─福音書を読む─』(教文館)。


これまた、ブックオフで100円で買った本。



ジャン・ヴァニエについては浦河べてるの向谷地さんが傾倒していたのでその昔に共同体について話を聞いたものです。

べてるの理念とか共生とか・・・・あれから13年以上経ちます。

まあ、そんなことを思い出すのですが。

ポリオで視覚障害の沖縄生まれのやくざ牧師に「牧師になれとか福祉施設を作ろうとか?」しつこく薦められていたなあ・・・・・そんな20代前半のことも思い出し。

北海道に来る直前のことなども思いだすのですね。

まあ、この世界のありとあらゆるものに逆らいに逆らった僕が障害者福祉に携わるという現実は神の御業以外の何者でもないでしょう。

ジャン・ヴァニエ「うつを越えて」を読めば従姉妹が白血病で死んだ僕が19才の頃のことをまざまざと思い浮かべます。

姉の発病、家庭内の不和、精神病院、自殺未遂・・・・恋人との別離。

「人との結びつきが絶たれてしまうと不安で孤独で怖くてたまらなくなるものです」

とヴァニエは語りかけます。

人は心を閉ざせば閉ざすほどに苦しみもがきます。

周りの言葉が届かなくなります。

そんな僕の人生の様々な季節をバニエの言葉は掘り起こしてくれます。

ヴァニエの歩みも苦闘に満ち、神の聖霊に満たされていたのだろうなあ。

などと愚考しつつ。





「夢や幻想の世界に浸っていたり

怒りや絶望のうちに暮らすのはやめましょう

自分以外のものになろうとはせず

自分は自分のままでいいのです

かけがえのない大切なものとして

神が愛してくださっているのですから」


ラルシュが「うつを越えて」で平易な優しげな言葉で呼びかける言葉たちは。

この世界や人生と全身で格闘した人間だけが生み出せる言葉。


「人の美しさは

自分をあるがままに

受け入れたときに

輝きます」


「わたしたちは心を開き

愛をはぐくみ

他者とともに

とりわけ孤独な人と

生をわかちあうことを求められています。」

と語るヴァニエ

この世界に知的障害者のラルシュ=箱舟を生みだした現代のノア。

そんな歩みを思い浮かべつつ・・・・・・


日本にもラルシュがあると始めて知ったりと。


「ラルシュ・かなの家」



http://homepage3.nifty.com/larchejapan/index.htm

色々思うことは多いのですが・・・・・

一番思い出すのは以下の言葉です。


ジョージ・ワインバーグというカウンセラーは、面接の時に、いつも次のように呼びかけてきたそうです。


「あなたが中心なんです。それについて考える力がまだないうちに、あなたがすでに始めていた人生の旅は素晴らしいものなのです。あなたがどこからやってきたかは問題ではありません。混乱した状況で、あなたは数多くの決断を下してきました、そして人生について学びそれを解釈し、ひとりの人間としてできる限りのことをしてきたのです。それがあなたなのです。あなたはおそらく中途で脱線したり、孤独になったり、負けたように感じたかもしれません。あるいは、努力したのに人間関係がうまくいかなかったり、生きながらにして埋められたように感じたかもしれません。しかし、もう一度やってやろうという気持ちは、あなたの心臓のように、どこかで動き続けているはずです。人生の旅のどの段階もとても貴重なものであって、私はそれを非常にすばらしいと思っています。」


 『セラピストの仕事』より











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