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「わたしたち精神分析医は、病んでいる人々をもっと病んだ社会に適応させようと手をかしているのです。
うまくいくこともあります。 でもそんなことはまれにしかありません。 それにうまくいったとしても、それは実際には自然の成り行きでそうなっただけなのです。 多くの人々を分析しましたが、私は自分のしていることが好きではありません。 でも生活していかなければならないので仕方がないんです。 それにしても何と病んだ人々が多いのでしょう。 病人を治す為、私たちは絶えず新しい薬剤、化学薬品、理論といったものを使っていますが、私には、それほど助けになるとは、思えません。 しかし、病気のひとたちはともかくとして、私自身は、平均的な一般の人々とは、違った人間になろうと努力しています。」 と語るのはアメリカの若き精神分析医。 出典は、「クリシュナムルティの瞑想録」 医者の不養生とか、紺屋の白袴なんて言葉が昔からあるように・・・・ 専門家といわれる人たちは、そのプライドゆえに本当の所を語らないところが病者に似通う。 常に他人の問題を扱いそこに逃避する事で生活の糧を得る人が多い。 それでも、他者や社会に寄与してればいいのだが・・・・ そうじゃないことは、冒頭の言葉が指し示したいるかと思う。 生活の糧を得られるものを健常者。 そうじゃないものを病者とか障害者とか呼ぶこの社会。 精神科関連の専門家の自殺率が異常に高かったり、 そもそも、最初から病んでいる人間が専門家を目指したり、 そして、発病したり、 これらに加え「白い虚塔」などに見られる問題。 見栄と欲望の泥沼。 そして、商品化され食い物にされる精神病者群 これらの発病の原因である親子の病理や教育現場の荒廃・・・・そして社会の競争の激化。 我々がどんな世界に住んでいるか? 健康でそこそこの収入や役割がこの世界であるうちは良いのだが・・・・・ そうじゃなくなってくると色々と見えてくるものである。 冒頭の医者は、クリシュナムルティによって心を透視され。 孤独の問題や自殺願望を見抜かれて泣き出す。 そんなやりとりを読んでいると・・・・色々思い出す人間がいる。 クシュナムルティーの言葉を少し引用する。 「あなたは自分が治療しておられる患者さんたちと同じように病んでいるのでないか?あなたは、おそらくあなた自身よりももっと混乱し、もっと病める社会の一部なのであるまいか?それゆえ、問題はもっと根深いのである。」 親が医者だから医者になったり 親の期待に応える為に専門家になったり 自らを癒そうと専門家になったり フロイトやユングがそうでったように・・・・ この世界には、様々な専門家と呼ばれる人々がいる。 そして、この世界のシステムが様々な利害関係で成り立ち。 決して人間のためのシステムでない金に仕えるためにあるこの世界の現実にぶち当たる。 これらに洗脳や屈服されずに生き抜くには、独りであれば強さ、集団であれば連帯が必要だ。 クシュナムルティーの言葉をもう少し引用する。 「あなたは社会とその文化、宗教といったものの重圧の中で生まれてきた。 そして、経済的、内面的にあなたを駆り立てるものはそのような重圧なのである。 社会と折り合いをつけてその病弊を受け入れて、それらと同居していくか、それともそうしたものを全面的に拒否して、新しい生き方を発見しなければならない。 しかし、新しい生き方を発見するには古い生き方を捨て去る事が必要である。」 この対話の中で一番目を惹くのは以下である。 「努力し、戦っていかなければ、平凡なブルジョア的な主婦になってしまいます。 私は、普通とは違った人間になりたいのです。 結婚しないのもそのためですが、でも本当はとてもさびしいのです。 今の仕事は、そのさびしさにせきたてられたのです。」 そして、そのさびしさからあなたは自殺のへ道を歩んでおられるのではあるまいか? 彼女は今にも目から涙がこぼれそうになった。 と本ならこういった表現で終わるのだが・・・・おそらく、相当の問答があったはずで・・・・これらもおおよそ見当がつく。 僕も彼女のような人間を山ほど見てきたので。 僕もそんな病んだ専門家のはしくれではある。 で、日々古い生き方を捨てている。 自分自身の心の垢を削ぐ事で自らの腐敗を逃れているのだ。 おそらく、この腐敗した世界と折り合いのつくことは、ないかと思う。 この世界を受け入れつつ、悪しき影響を受けないように・・・・・・周囲にしがみつかれた状態で生きているだけかと思う。 そして、ひとつの言葉を思い出す。 賢者エリックホッファーの言葉。 「ビジネスは全てを腐敗させる」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年04月11日 10時17分41秒
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