そういちの平庵∞ceeport∞

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• 嘘と真実

  「仮面は、生まれてから絶え間なく自分自身を隠すもので、顔を隠し、姿を隠すもので、毎時、絶えず変化、変形し、ねむっているときでさえ襲いかかってくる。」ホイットマン「真実はただ一つの土台である、岩の上にどっしりと腰を落ち着けている。しかし嘘はいつも小石の山陰に身を潜めるかのように様々な理由の陰に隠れようとする」ペスタロッチ「我等は我ら自身を武器さながらに振りかざし、誰の助けを借らずとも、我等はすでに強くて無敵、誰の助けを借らずとも、我らは果敢。嘲りを受けても哄笑を浴びせて逆襲する」ホイットマン「みせかけの微笑みを見せたり、心に仮面をかぶったりしない 真心のこもった、裸のままの親切には、人は決して抵抗できないものだ。 もしこちらがあくまで親切を続ければ、たとえ良心の１かけらもない 人間でも必ず受けいれてくれるだろう。」マルクス・アウレリウス「真心をもって人を助ければ、必ず自分も人から 助けられる。これは人生のもっとも美しい補償の１つである。」エマーソン 「幸福は香水のごときものである。 人に振りかけると自分にも必ずかかる。」エマーソン「大いなる安らぎの心は、賞賛も中傷も気にしない人間のものである。」トマス・ア・ケンピス「君ができるすべての善を行え、君ができるすべての手段で、 君ができるすべての方法で、 君ができるすべての場所で、 君ができるすべての時に、君ができるすべての人に、 君ができる限り。」 ジョン・ウエズリ－「真理がどこにでもあるなら、道に落ちている石のようにありふれたものでしょうか」「そのとおりだ。だから誰にでも拾うことができる」 「ではどうして人々は拾わないのでしょう] 「真理という石を拾うには身をかがめなければならない。 難しいのは身をかがめることなのだ」ユダヤのことわざ「喜びがなんであるかは、元来、多くの苦しみを耐え忍んできた人々のみが知っている。 その他の人々は、真の喜びとは似ても似つかない単なる快楽を知っているにすぎない。」ヒルティ 「権力、その他なんであろうとも、それらに対する欲望を満たすがよい。欲望を満たし てしまうと、それがみんなくだらないものであることがわかろう。」ヴィヴェカーナンダ「世界中の誰もが自分を称揚しても、私は独り静かに満足して座っている。世界中の誰もが私を見捨てても、私は独り静かに座っている。」ホイットマン「バラは理由なく咲いている。誰が見ているかも気にせずに、ただ咲いている。」シレジウス 「人生は、私たち１人１人が、それぞれの目を通して見ている映画です。そこに何が起こっているか、は大した違いはありません。それをどのように受け取るかが重要なのです。」デニス・ウェイトリー『「真相」は分からない。それを無理に追うよりも、曖昧さの薄闇の中に、物事をおぼろなままで放置せよ。そこにあるおぼろな形が人生なのだ。』伊藤整(-∧-)合掌・・・

  2008年01月19日

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  心穏やかに

  木静かならんと欲すれども風止まず子養わんと欲すれども親在さず　　さればとて石に布団も着せられず　　風樹の嘆 風に吹かれている木は静であることを願っても思うようにならない。子が孝養を尽くそうと思っても親が亡くなってそれが出来ない悲しみ。 この話を最初に知ったのが小松左京の小説「木静かならんと・・」だった。日々の都会生活に嫌気をさし、山へと逃げ出す一家の面白い話。原典となる風樹の嘆とは。 諸国を巡っていた孔子は、ある時、大声で泣いて悲しんでいる男に出会いました。その男は名前を丘吾子といい、泣いている訳を尋ねるとこう答えました。「私はこれまでに３つの過ちを犯しました。第一に、私は若い頃から学問が好きで諸国を周遊していましたが帰郷してみると両親が病の為に亡くなっていました。第二に、仕えた君主が我侭で諫言を聞き入れてもらえず、私は出奔してしまいました。第三に、親しい友人がいたのにやむを得ぬ事情から絶交してしまいました。古語にも『樹静かならんと欲すれども風止まず、子養わんと欲すれども親待たず、往きて来らざるものは年であり、再び見るを得べからず』とあります。もうこれ以上生きていられません。」そして、丘吾子は首を切って死んでしまいました。孔子は深く心を打たれて、弟子たちに言いました。「この事をよく覚えておきなさい。戒めとするに足るであろう。」これを見ていた弟子たちの中から１３人の者が、親に仕えるためにその場から立ち去ったということです。何時の時代も人の思いは、一緒なんだろうなあなどと思うのです。ままならいことや思い通りに行かない事を山ほど抱えて生きていくわけであります。誰もが自分の好き勝手に生きようと思ってもままならず、後に残るは後悔の山。てなことを思うのです。明日は、白石の街つくりハウスでライヴをやるということで最近開局した「FM白石」の太田さんに誘われてライブの宣伝やCDなどの宣伝の為にダメダメ団なおや君と太田さんの番組「風の帰る場所」に午後から出演してきました。今朝は、ジョニーさんが我が家に来て次のCDの構想などを話したりしました。健康で元気だと色々な人に支えられ生きているという事を忘れがちなんだよなあ・・・なんてことを思いつつ冒頭の故事などを思うのであります。幸いなことに両親は健在でささやかな親孝行などは、出来てると自負しています。昔は「親孝行したくもないののに親がいる」などと毒ずいてましたが。腰の都合か？太田さんの開局祝いを兼ねての出演か？などと悩みつつなおや君の「出たい」の一言に誘われ今日は、ラジオに出たわけです。腰の調子も今ひとつなので仕事を早退してうすらぼんやりと孔子の言葉などを思い起こしています。明日は、気功師の宍戸先生もライブに来てくれるそうです。ままならないことは多いけど感謝できることも沢山あるわけだよなあ。ありがたいことだよなあ。などと思うわけであります。人間関係のこういった機微こそが生きる歓びなんだろうなあ・・・などと。そしてこれまた最近よく思い起こす言葉なのですが「Ｓｔｕｄｙ　ｔｏ　ｂｅ　Ｑｕｉｅｔ」「心穏やかになることを学べ」。アイザック・ウォルトンの名著「釣魚大全」は、謙虚と感謝について述べた後でこの一句で結ばれています。激動の時代、内と外との地獄に苛まれながら、ウォルトンは、川につり糸を垂れつつ、ひたすら穏やかなることを学びました。ウォルトンの生きた時代と言えばピューリタン革命によって英国中が二分され、共和軍と王統軍との間に市民戦争が起きた大変な時代でもありました。人と言葉交わすより、自然の中に自身を置き自身と向き合う。「魚釣とは、瞑想的人間の娯楽である」との言葉を残しております。木静かならんと欲すれど狂争の時代は、ウォルトンの時代以上に終わりようもなくとめどなく続く模様であります。ならばせめて心穏やかにありたいものです。(-∧-)合掌・・・のほほん工房「妖怪ライブ！！」のご案内 日時　1月19日（土）　　開場13時から開演は14時ころより 場所「白石まちづくりハウス」 白石区平和通り３北３－１葵ビル１F　JR白石駅前 TEL０１１－８６６－６６８３ 料金　一般1000円　　障害者500円　手帳を提示 完訳 釣魚大全私の釣魚大全

  2008年01月19日

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  悪魔を憐れむ歌

  連続殺人犯リースを処刑室に送りこんだ敏腕刑事ホブズ。だが死刑執行の直前、リースはホブズに対し謎の呪文を唱え「俺は自由になって戻ってくる」と言い残す。そしてローリング・ストーンズの『Time is on my side（時は俺の味方だ）』を口ずさみながら、電気椅子の刑に処された。そして、リースの言葉を裏付けるかのように、リースの犯行を真似た殺人事件が次々に起きていく。犯行現場には彼の遺した謎の言葉と、暗号めいた数字が記されていた。暗号からはかつて事故死したミラノ警部補の名が浮かぶが、署内の彼の記録は抹消され、上司のサントン警部補は捜査の中止を命令する。ホブズは、ミラノの娘、グレタを訪ね、憑依する悪魔の実在を、半信半疑ながら認めていく。だが、やがてホブズはこの一連の事件が、信じ難いことに悪魔のものであることを知る。敵は次々といろいろな人間に乗り移りながら、確実にホブズに迫っていた。しかも渦中にあるホブズ自身が容疑者にされつつあったのだ。悪魔の巧妙な罠に対し、ホブズはある秘策を講じるが・・・。 原題「 Fallen 」邦題「悪魔を憐れむ歌」1998年(米)　　上映：2h05監督： グレゴリー・ホブリット 脚本： ニコラス・カザン 出演： デンゼル・ワシントン／ジョン・グッドマン／ドナルド・サザーランド／エンベス・デイビッツ／ジェームズ・ガンドルフィーニ／イライアス・コティーズ／ガブリエル・カソーズ／マイケル・Ｊ・ペイガン／他 Time is on my side, yes it is Time is on my side, yes it isNow you always say that you want to be freeBut you'll come runnin' backというストーンズ往年の名曲で始まり、 「Sympathy for the Devil（悪魔を憐れむ歌）」で終わる映画。自己紹介をさせてください、私は財産家で贅沢屋の男です私は幾世も生きてきて　多くの人から魂と信仰を奪いましたキリストが苦しみ神を疑ったとき　私はそこにいましたピラトは手を洗い　キリストの宿命を裁いたときも　私はそこにいました初めまして　私の名前をご存じですね私の企みに諸君は戸惑っていますねロシア革命のときにも　私はペテルブルグにいました私は皇帝と大臣達を殺しアナスタシア姫は私に空しく悲願した電撃戦が激化し　死体が臭気を放ったとき私は戦車に乗り　将軍になった初めまして　私の名前をご存じですね私の企みに諸君は戸惑っていますね　おおイェイこの世の王や女王が勝手に造り出した神のために100年間戦争するのを　私は喜んで見ていました「誰がケネディ一家を殺したのか」と私は叫んだでも結局　殺したのはおまえ達と私自己紹介させてください　私は財産家で贅沢屋の男ボンベイ到着前に死ぬように私は吟遊詩人に罠を仕掛ける初めまして、私の名前をご存じでしょう私の企みに諸君は戸惑っていますね　ああ　さあやろう全ての警官は犯罪者　すべての罪人は聖人　同じように表裏一体だ私をルシファー大王と呼べ　私には制御が必要だぞもし私に会ったら　礼儀と憐れみと贅沢でもてなしてくれ今まで身につけた礼儀のすべてをもって　私を手厚く扱ってくれさもなくばお前の魂をブッ壊すぞ　おおイェイ初めまして、私の名前をご存じですね　おおイェイ私の企みに諸君は戸惑っていますね　うむ続けようおおイェイ　ベイビー　俺の名前が言えるかいハニー　俺の名前が言えるかい一度だけ言ってやろうかおお　おお　おお　イェイ言ってみろ、ベイビー　俺の名前を俺の名前は何だおお　おお　おお　イェイレンタル落ち日本語吹き替えビデオで観る・・・かなり以前に買っといた。全然期待しないで見たのだが・・・・名作だと思う。主演のデンゼル・ワシントンは、名優ですね。キリスト教の牧師とストーンズの「悪魔を憐れむ歌」は反キリストか？否か？なんてことで話をしたことがある。牧師は、反キリスト。僕は、良く出来た聖書解釈だと思う。そんな話をしてると牧師の体験談の話になる。悪魔に憑依された人間と精神病院で対面した事があり、古代のユダヤ語を話したりするエクソシスト状態の人との対決？の体験談などを僕は、昔に聞いたのであった。「悪魔は怖ろしいのですよ」と迷える僕に教えてくれた。残念な事に牧師先生は、ストーンズを頭からサタニストと決め付け、悪魔を憐れむ歌の歌詞を知らない。この映画を見て悪魔が唄うストーンズは、全然違和感が無く役に歌があまりにもハマッテいるので(￣。￣)ホーーォ。と眺めつつ。やっぱストーンズは、あの牧師先生が言ってたようにサタニストなんかなあ・・ストーンズ好きなんだけどなあ・・などと呆けた事を考えつつ。ストーンズの「悪魔を憐れむ歌」演奏中での地獄の天使たちのオルタモントの悲劇なんかも思い出す。そして何よりかにより思い起こされるのが悪魔に魂を売り渡したかのような現代のパリサイ人である国際金融資本家やパワーエリートや王家や貴族という天使の顔をした悪魔のような人々でありました。それにしても映画も面白かったのですが「全ての警官は犯罪者　すべての罪人は聖人　同じように表裏一体だ」というミックジャガーのフレーズは実に深いのであります。＼_(-＿-)_／悪霊たいさぁぁぁん(￣十￣)ｱｰﾒﾝ･･･悪魔を憐れむ歌（期間限定）(DVD) ◆20%OFF！ワン・プラス・ワン／悪魔を憐れむ歌(DVD) ◆20%OFF！なつかCDキャンペーン ザ・ローリング・ストーンズ／悪魔を憐れむ歌 リミックス(CD)10%OFF！

  2008年01月18日

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  悪魔の系譜

  『イルミナティ 悪魔の13血流―世界を収奪支配する巨大名家の素顔』フリッツ・スプリングマイヤー著太田 龍 (翻訳) ６００ページもあって、途中で挫折する・・・・陰謀論本特有の表現についていけない。この本によればイルミナティはアスター家、バンデ家、コリンズ家、デュポン家、フリーマン家、ケネディ家、李家、オナシス家、ロックフェラー家、ロスチャイルド家、ラッセル家、ファン・ダイン家と、世界的に有名な超大富豪十二家に、イエスの血を引くと自称する第十三番目の｢聖なる」ダビデの血流であるとしています。１７７３年、ドイツのフランクフルトで、初代ロスチャイルドら１３名の国際ユダヤの巨頭が秘密重要会議を開き、「フリーメーソンに代わるより生硬な」ユダヤ・シオニズムによる世界征服と、その手段としての世界革命綱領と、それを実行するための地下組織イルミナティの創設を決定した。アダム・ヴァイスハウプトがイルミナティ責任者として選抜された。ウィリアム・ギー・カーの「将棋の駒」イルミナティの中興の祖アダム・ヴァイスハウプトによれば「理性が人間の唯一の法典となるだろう。このことが私たちのもっとも大きな秘密のひとつである。ついに理性が、人間の宗教となるときに、その時に、問題が解決するだろう。」そして・・・・「われわれイルミナティは、理性（りせい、reason , vernunft フェルヌンフト）すなわち、利益欲望の思想、金銭崇拝の精神を、われわれ人間にとっての唯一の法典（規則の体系）にするであろう。これこそが、これまで人間（人類）が解明できなかった最大の秘密なのだ。金銭崇拝（利益欲望の精神、すなわち理性）が、人間にとって信じるべき信仰、宗教となる時に、その時に、ついに、人類が２千年来抱えてきた最大かつ唯一の大問題が、解明され、解決されるのである。我々は、自分たちの団体の祭壇には、リーズン（金銭と強欲の信念）を神としてかかげる。」イルミナティ＝悪魔教徒＝拝金主義者＝血も涙も無い偽善者＝富豪などとも僕もつらつら思うのですが。ネイティブを大量殺戮しアメリカ大陸で巨大な利権を富豪家の歴史は、南北アメリカ大陸で金塊を探したスペインやポルトガルの悪行三昧の歴史とまあ、そんなに変わらないだろうな。などと思いつつ。「であるから・・・・であるに違いない。」という陰謀論特有の著者の語り口にしらけてくる。王室だ貴族だ富豪だと言った所で結局は、「馬の骨」なのだ。およそ、ルネッサンスから始まった西洋史が略奪と強奪で一大帝国を築き現代に至る。昔、植民地化。今じゃグローバル化などと呼び方が変わっただけで。これら、略奪史を少しでも俯瞰するならやはり悪魔の所業と思う。しかし、元を辿ればどこぞの馬の骨であるのでして・・・・山賊や海賊の類が王室でござい。貴族でござい。CEOでござい。財務長官でござい。とかやってるのだろうなあ・・・などと思った。もうひとつ目を惹くのがマジカルなパワー。いわゆる黒魔術の系譜。悪魔教徒の系譜。まあ、中世の錬金術の現代版を株式市場とするなら。これら錬金術は、洗練してきている。収奪の方法が。アダム・ヴァイスハウプトの述べるとおりにあってきているし、血で血を洗った植民地主義がマネーゲームによるグローバル化となった。石油にウラン、水資源に食料とこれら、生存に必須な部分の多くを上記の富豪が牛耳り軍需産業を牛耳り、メディアを牛耳り、尚且つマネーゲームに興じ、政府を操り法を支配するという図式はフリッツ・スプリングマイヤーや太田 龍の述べる通りだしその成り上がり方は、醜い狡猾な悪魔的な略奪によるものなのだが・・・・これまた、人類という生物が延々とやってきている営みでもある。この本のP108によると、コリンズ家の血流の近辺にベンジャミン・クレームは属しているらしい。赤ん坊の時からコリンズ家のオカルトや魔術儀式【儀式の為に人間の子供が生贄にされ、その血をインク代わりにして、悪魔の代理としてのコリンズ家のグランド・マザーに承認された子供の名前を記して行く［子供だから、そのような恐怖儀式に逆らえない］】こんな都市伝説まがいの話も延々と後を絶たない。生贄の文化など世界中に限りなくあるのだし、こういった呪術的な側面は我々から払拭される事は無いかとも思う。サタンこそ「この世の君」と呼ばれ（ヨハネ１４：３０）、「この世」は悪しき者の支配化にあるです（１ヨハネ５：１９）。と新約聖書にあるように世界中の伝承にも似たような記述もゴロゴロしている。ユダヤ、キリスト教徒が悪魔と呼ぶ一群の群れの起源がバビロンやエジプト由来の神々だったりする史実などを鑑みれば、悪魔の系譜は、そのまま神々の系譜にもなる。今の状況が続きイスラム教徒を根絶やしにすればキリスト教徒は、アラーやマホメッドの名を悪魔の名に連ねるのかもしれない。またこの逆もありうるのだろう。イエスの名やエホバという名が悪魔の代名詞になり得る可能性も。所詮は、歴史は、強奪や略奪により覇権を握ったものによって幾たびも塗り替えられるのだから。まあ、僕には、人間こそが悪魔的だと思う。だからこそこの世界は地獄のようなのだ。そして、様々な宗教が普及伝播する。あなたがたは世にあっては艱難がある。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのである」（ヨハネ16：33）。子どもたちよ、あなたがたは神から出た者です。そして彼らに勝ったのです。あなたがたのうちにおられる方が、この世のうちにいる、あの者よりも力があるからです（１ヨハネ４：４）。世に勝つ者とは誰でしょう。イエスを神の御子と信じる者ではありませんか（１ヨハネ５：５）。などと・・・・(-∧-)合掌・・・イルミナティ悪魔の13血流

  2008年01月17日

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  どろろ

  室町時代末期、武士の醍醐景光は天下取りの代償として自分の子を生贄として48体の魔神に差し出す。その結果赤ん坊は体の48箇所を欠損した体で生まれ、化け物としてそのまま川に流され、捨てられてしまう。医者・寿海に拾われた赤ん坊は彼の手により義手や義足を与えられた。14年後、成長した赤ん坊は百鬼丸（ひゃっきまる）と名乗り、不思議な声に導かれるままに自分の体を取り戻す旅に出る。旅の途中、百鬼丸は数人の大人に苛められていたこそ泥のどろろと出会う。百鬼丸はどろろを助けるがどろろは礼を言うどころか彼の左腕に仕込まれた刀に目を付け、しつこく百鬼丸を付け回すようになった。初めは邪険にしていた百鬼丸だが、自身の体の秘密や生い立ちを話してもびくともせず、むしろ面白がってますます自分に興味を持ってくるどろろを何処か憎めなかった。そして幾多の危機を乗り越えていくうちにいつしか二人の間には相棒とも友人とも呼べる奇妙な絆が生まれた。また旅に出る前、あの“声”が教えてくれた通り、魔神を倒す度に、奪われた48箇所の体は一つずつ復活していく。そうして二人が更に旅を続けていくうち、遂に因果の糸車は再び回り始めた。百鬼丸は己が父親である景光と再会を果たす。そして自分が捨てられた後に生まれた弟、多宝丸とも出会う。というどう見ても百鬼丸が主人公の漫画「どろろ」は、手塚治虫原作の少年漫画作品。1967年-1968年まで週刊少年サンデーで連載され、一時中断するも、1969年、冒険王で連載再開され完結という経緯を辿る。サンデーでは、「百鬼丸」のタイトル、冒険王で「どろろ」となった。全身に欠損を持つ超能力者と盗賊の孤児が主人公という内容は、アニメ化もされたがアニメの方は僕には記憶が無い。PS2で数年前にゲームになっていてどうしようかと思いつつ買ってみてやってみる。義手を引き抜くと仕込み刀を使えたり、義足から大砲を撃てたりと、原作漫画に則したアクション。歩き、走り、ジャンプで剣を振り回し、時には仕込み鉄砲や仕込み大砲を使い、ザコやボスに攻撃してダメージを与えていく。という造りなのだが・・・絵が凄い、ストーリーが凄い。いい年こいたおじさんが引きずり込まれる。ゲームの始まりは、モノトーンで魔人を倒し、目が戻り視界が白黒からカラーになるという凝った作り。製作会社は「セガ」台詞はフルボイスと日本文化ここに極まれりといった感がある。百鬼丸とどろろが対になって進行、ところどころ入れ替わり、百鬼丸が一人になったり。どろろが一人になったり、どろろは、素手で戦い石も投げるという設定が微笑ましい。医者・寿海と百鬼丸の設定は、「ブラックジャック」を思い起こさせ、妖怪と戦争と人間の心の描写と絵の凄さは、齢４０を越した目の肥えたおじさんを唸らせる。w((￣￣0￣￣))wﾜｵｯ!!などと・・・・・・無邪気に感動するのであります。ライフゲージがいつもギリギリになりつつ・・・ヨレヨレとゲームは、進行する。おじさんとしてはイージーモードが欲しいなどと思うのであります。などと年明けは、戯けた暮らしをしつつ、昨日は、気功師宍戸先生に施術を受けたり整体師より骨盤矯正のゴムバンド療法を受けたりしつつ、社会保険庁や税務署に提出する書類をシコシコ書いたり職場では、メンバーが「ｘｘさんの歌を作りました。」とメンバーがメンバーをネタにしたギャグソングを歌えば「実は僕も貴方の歌を作っていたのです。」と年始早々妖怪歌合戦などを眺めつつ笑い転げております。ヾ(＠°▽°＠)ﾉあはは　【新品】プレイステーション2PS2 どろろ（ベスト）どろろ　文庫版　全3巻セット

  2008年01月16日

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  うつの時代

  『日本海政経懇話会（新日本海新聞社主催）の十二月東部例会が三日、鳥取市今町二丁目のホテルニューオータニ鳥取で開かれ、作家の五木寛之氏が「人間の関係」と題して講演した。五木氏は現在を「鬱（うつ）」の時代ととらえ、「鬱は生命力あふれることであり、悲しみ嘆きをマイナスととらえない新しい生き方を意識すべきだ」と提案した。「鬱の時代」の新しい生き方を提案する五木氏＝３日、鳥取市のホテルニューオータニ鳥取 五木氏は近年、スポーツや政治、医療現場での見聞を例に挙げ、「世の中が鬱の気分に満ち満ちている」として、バブル崩壊とともに鬱の時代に入り、これからも続くと指摘した。これに対し、戦後の五十年間を躁（そう）の時代とし、民主主義や経済大国などに夢を持ち「国民の目は光っていた」と、時代を対比させながら移り変わりを解説した。鬱について、「プラスの言葉。草木が勢いよく茂ることであり、生命力があふれるさまをいう。悪いことではない」と紹介。躁の時代には泣く、悲しむ、涙を流すことはタブーとされたが、鬱の時代には「躁の時代の哲学を強行してもナンセンス。喜ぶことも大事だが、悲しむことも大事。笑うことも大事だが、涙を流すことも大事」と説いた。その上で「鬱の時代は登山で言えば、下山。下山は収穫期であり、黄金期。鬱の時代をけなすことなく、堂々と新しい見方や文化を意識して、ゆっくり歩いてほしい」と励ました。「山陰」についても、「鬱のエネルギー、陰のエネルギーがある」と良さを指摘した。』２００７年１２月７日日本海新聞より『念願の仕事は、順風満帆。成功の甘い香りに酔っているうちに、ふと気がついた。なにをしても、すこしも楽しくない。やがてひとつの考えにとりつかれた。「死にたい」人気脚本家、一色伸幸の体験記『うつから帰って参りました』（アスコム）を読むと、ホロリとさせられる。思いもかけず、うつ病に悩む日々。涙と笑いのドラマでもある。いま４６歳。映画『私をスキーに連れてって』や『病院へ行こう』など数々のヒット作を生み出した。得意の絶頂はバブル期とかさなり、不況とともに気分が落ち込んだ。「僕の神経は、時代の寒暖計みたいだと思いながら、笑う元気はなかった」重症の２年間、仕事らしい仕事はまったくできなかった。休養と投薬治療。そして家族の信頼に支えられながら、しだいに快復に向かった。“いま”が大切に思えた。「僕は死にたくない」うつ病について語ることは、タブーではなくなった。そのせいか、さいきんでは軽々しく「心のカゼ」などと呼ばれたりする。「臨床の現場を知らない者の戯言にすぎない」精神科医の岩波明は、新著『うつ病－まだ語られていない真実』（ちくま新書）で、警告する。いうまでもなく、うつ病は容易に死を招く恐ろしい病気である。筆者が説明するように、文豪ヘミングウェイはうつ病のため猟銃自殺を遂げた。世界一の美女とうたわれた大女優ヴィヴィアン・リーも、うつ病の犠牲者であった。日本の自殺者数は、平成１０年以降９年連続して３万人を超えた。交通事故死者の約５倍にあたる。とくに中高年の男性が目立つ。大半はうつ病が原因とみられる。平成１０年といえば、失業率が急増した年である。リストラなどによって、社会的な安全装置が機能しなくなったとみることができる。「われわれは、うつの時代の真っ只中にいる」ところで、うつ病にはいくつかのタイプがある。とくに日本人に多いのは「メランコリー親和型」といわれる。この病気にかかりやすい人の共通点として、几帳面・仕事熱心・堅実・清潔・律儀といった性格があげられる。「これは、じつは平均的な日本人の性格特徴にほかならない」精神科医の芝伸太郎に指摘されてみると、まったくその通りである。その著書『うつを生きる』（同）によれば、日本人の「生の美学」そのものである。いわば模範的な良き日本人としての生き方を貫く。それが徹底しすぎるとき、行きつく先が「メランコリー親和型うつ病」なのである。「日本人の多くは、うつ病の引力圏内で生きている」作家の五木寛之は、５０歳前後からほぼ１０年周期でうつ状態をくり返してきた。新著『人間の関係』（ポプラ社）で、その体験を語った。５０歳のとき、１日のうちで「うれしかった」ことをノートに記録してみた。６０歳のときは「悲しかった」ことをノートにつけた。７０歳のときは「ありがたい」と感じたことを書いた。「“うつ”から抜け出すために、私はこの３冊のノートをおすすめしたい」私たちは「うつの時代」を生きている。うつを感じながら、うつを病まないためのヒントに出会うことができた。』（山田愼二） ２００７年12月1日 産経新聞よりまあそんなこんなの「うつの時代」です。「圧制者たちは良心を持たず、改革者たちには感情が無く、社会は疾病と治療の双方によって苦しむ。」ウォルポール「川の氾濫が土を掘って田畑を耕すように、病気はすべての人の心を掘って耕してくれれる。病気を正しく理解してこれに堪える人は、より深く、より強く、より大きくなる。」カール・ヒルティ「病人というものは、正常な人よりも己の魂により近く迫るものだ。」プルースト「病気は、いわゆる人間必滅の心の経験である。病気は身体に現れた恐怖である。」アンリ・フレデリック・アミエル「人間は自分のことをいっこうに知らないものだから、多くの人々は健康であるのに死んでいくように思い、また、多くの人々は死にかけているのに健康だと思う。」パスカル「みずからを憎しみ、みずからを蔑視するのは人間のみであり、他の生物には見られない独特の一種の病気である。」ミシェル・ド・モンテーニュなどという故人の言葉などを思い起こしつつ。「狂った社会にまともに適応しようと思うならやはり狂うよな」などと思いつつ。賢者の言葉などに耳を傾けるのも必要かも知れません。病気は、目先の事より本質へ向かうチャンスでもあります。「心が問題を何度も何度も繰り返し、絶えまなく問題に関わっているとき、それが心配というものでしょう。そこでどのようにして心配を免れるのでしょうか。　第一に、心が問題に根づく土を与えないことが重要です。　心とは何か、知っていますか。偉大な思想家は心の本質の研究に何年もかけています。それについて本も書かれています。しかし、自分の注意のすべてを本当にそこに込めるなら、心とは何かを見出すことはかなり簡単だと思うのです。君たちは、自分の心を観察したことがありますか。今までに学んだすべてのこと、君の小さな経験、すべての記憶、親や先生に言われたこと、本で読んだり、まわりの世界で観察したことーこのすべてが心です。観察したり、識別したり、学んだり、いわゆる美徳を涵養したり、考えを伝達したり、欲望や恐怖を持つのが心です。それは、表面に見える心のだけではなく、民族の野心、動機、欲求、葛藤が潜んでいる無意識の深い層でもあるのです。このすべてが心です。それが意識と呼ばれます。そこで、子供のことを心配している母親、台所のことを心配している主婦、自分の人気や議会での地位を心配している政治家のように、心は何かに捕われたいのです。そして、捕われている心には問題を解決する能力がありません。わかるでしょうか。はつらつとして問題を理解できるのは、捕われていない心だけなのです。自分の心を観察してごらんなさい。それがどんなに落ち着きがなく、いつも何かに捕われているのか、わかるでしょう一誰かが昨日言ったこと、ちょうど学んだばかりのこと、明日しようとしていることなどに、です。決して捕われないではいないのです。停滞した心や一種の精神的な空白ということではありません。最高のことでも、最低のことでも、捕われているかぎり、心は小さくてつまらないものなのです。そして、つまらない心は決して問題を解決できません。それに捕われているだけです。問題がどんなに大きくても、問題に捕われているとき、心はそれをつまらないものにします。捕われていない、したがってはつらつとした心だけが、問題に取り組み、解決できるのです。しかし、捕われていない心を持つことはとても困難です。ときには、河のほとりや自分の部屋で静かに坐っているときに、自分を観察してごらんなさい。私たちが意識して、心と呼んでいる狭い空間が、性急にそこに入ってくる多くの思考によって、どんなに絶えずいっぱいになっているのか、わかるでしょう。心が何かによっていっぱいで、捕われているかぎり一主婦の心であろうと、最高の科学者の心であろうと、それは小さくて、つまらないものなのです。そして、どんな問題に取り組んでも、その問題を解決できません。ところが、捕われておらず、空間を持っている心は、問題に取り組んで、解決することができるのです。なぜなら、そのような心ははつらつとして、自分の記憶や伝統という古い遺産を持たず、問題に新たにアプローチするからです。」クリシュナムルティうつの時代は、我々に価値観の一大変革をもたらすかもなあ・・・などと思う冬のよるでありました。「右肩上がりから左肩下がりへと」向かう次の時代へのシンボルかもしれません。まあ、どう転んでも人間は病気ですから「成功」とか「普通」とかにとらわれるよりは、「誠実」とか「良心」にとらわれた方が生き方としてマシなのかもしれません。その結果病気になったとしてもそれは、勲章なのかもしれません。(-∧-)合掌・・・クリシュナムルティの世界

  2008年01月15日

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• 自然について

  ユダヤ人には宗教と言う言葉が無く、近代以前の日本には、自然と言う言葉が無かった。そんな話を聞いたことがある。自明の事柄ついては言葉を必要としない、そんな風に感じる。自然という言葉も愛や希望と一緒のようで現代において益々希少となった感がある。「なぜ私は好んで自然と交わるかというに、 自然は常に正しく、誤りはもっぱら私のほうにあるからだ」「私たちは自然の中で生活しながら、しかも自然を知らない。自然は絶え間なく私たちと話していて、しかも私たちにその秘密をあかさない。私たちはたえず自然にはたらきかけるが、自然をどうする力もない。」 「自然は一冊の書物である。不可解であり、しかも歴然と明白なるもの。」「自然の極地は愛である。愛によってのみ人は自然に近づくことができる。」 などというゲーテの言葉や 「人間は社会に従うか、自然に従うかという二つの方法によって生きている」ヴィクトル・ユーゴー「人間は安楽に満足して生きたいと思うが、自然は人間が安楽と無為の満足に甘んじさせず労苦や労働に打ち克つ手段の発見にし知恵をしぼらせようとして労苦や労働の中に人間をほうり込む」カント「人は自然の悪を知ることを学んで死を軽蔑し、社会の悪を知ることを学んで生を軽蔑する」シャンフォールなどという言葉などを眺める限り、文明という「不自然」な人工的な事象が広がってはじめて「自然」を意識するようになったのかと思う。「人間はすべて暗い森である」とサマセット・モームが言い放つように「人類の成就した繁栄が偉大であればあるほど、自然法則にさからう文明没落の因になった。」とギル・カーターなどが述べるように・・・・「土地私有という不法な権利が、世界各国民の半数以上の者からその自然を奪った」トーマス・マン「春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。春だというのに自然は沈黙している。」レイチェル・カーソン「文明人はほとんどつねに一時的に環境の主人になることができた。いちばんやっかいな問題は、一時的に主人であるにすぎないのに、永久にそうだという幻想を抱くことである。」ギル・カーターこういった我々の傾向をパスカルが巧い表現で言っている。「自然はそのすべての真理を、それぞれ自身の裡においた。われわれの技巧は、それらの一方を他方の裡に閉じこめようとする。だが、それは自然的ではない。」パスカルこれは、我々が氷河期などのあるがままの自然の厳しさに耐え切れなかったということでもあるかと思う。この星の度重なる寒暖の差は、我々の営みを変えてきたとも言える。文明とは病気や飢餓という自然との限りない戦いでもあったのだ。そして今・・・「電離した放射能は、環境汚染の最も深刻な作要物となり、地球上の人間の生存にとって最大の脅威となっている。」E．F．シュマッハー「自然界の保全について、われわれが慎重を欠いていた事を未来の世代はけっして許さぬだろう。」レイチェル・カーソン自然をあるがままの状態と捉えるならクリシュナムルティの言葉は真理だと思う。だけど、それにしても我々は余りにも弱い生き物だと思うです。『「あるがままのものを，あるがままに見よ」．．．．．ですから、非難もせず、正当化もせず、自己を他のものと同一化もせずに、あるがままのものをあるがままに認識したとき，私たちはそれを理解することができるのです。』 クリシュナムルティ(-∧-)合掌・・・

  2008年01月14日

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• のほほん工房「妖怪ライブ！！」のご案内

  のほほん工房「妖怪ライブ！！」のご案内 日時　1月19日（土）　　開場13時から開演は14時ころより 場所「白石まちづくりハウス」 白石区平和通り３北３－１葵ビル１F　JR白石駅前 TEL０１１－８６６－６６８３ 料金　一般1000円　　障害者500円　手帳を提示 私達は、精神障害者の施設で自主制作ＣＤの販売とライブ活動を始めましたダメダメ団というバンドです。障害者自らが作詞や作曲をしつつ、プロミュージシャンの方々にも手伝って頂き、この度ＣＤを完成させライブ活動などを仕事として始めました。ぜひ、来て下さい！！ 演奏の内容は、癒しあり、笑いありで充実したものとなっています。 また、のほほん工房のＣＤもどこにもないような内容になっています。 のほほんＣＤやＴシャツ、ハッピーライフも販売しています。 これからもライブを中心に障害者の心の叫びをきいてもらいたいです 僕らダメダメ団をぜひ、応援してください！！ ライブは随時受けつけておりますのでお気軽にご連絡下さい お問い合わせ先　のほほん工房電話番号011-817-1030 ファックス788-5695

  2008年01月13日

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• 人間の病

  「民主主義はどこに落ち着くか？悪知恵の働く利己的な政治家によって思いつかれたスローガンの説得力に過ぎないのだ。」サマセット・モーム 「国家は、自らの暴力を法律と呼び、個人の暴力を犯罪と呼ぶ。」 「人間は他人のもっている骨片の権利を尊重することを人道と称し、それに反すれば野蛮な行為、利己主義な行為だとする。醜い欺瞞だ。」マックス・シュティルナー 「政治というものは、どんなものであれ、ある種の人々が協同し、その他の人々に反対して押し進められる行動である。」サルトル「貧乏人があまり貧乏になりすぎ、金持ちがあまり金持ちになりすぎると、貧乏人はどうすればいいか知っている。」パール・バック『「筆と舌をもって、異民族の奴隷となる苦しみを人々に知らせることは、むろん間違いではない。だが、人々に次のような結論を得させぬよう、十分に注意しなければならない。」「やっぱり俺たちのように、自国民の奴隷でいたほうがまだましだな」』魯迅 「有徳な人民が腐敗した国会議員を選出することなく、卑劣で無分別な人民が善良な政府を持たないことは、古今の通則である。」エドモンド・バーク「平和は理想である。平和は、言いようもなく複雑なもの、不安定なもの、おびやかされているものである。」「愛は憎しみより高く、理想は怒りより高く、平和は戦争より気高い。」ヘルマンヘッセ 「人類から愛国心を叩きだしてしまわないかぎり、あなた方は決して平穏な世界をもたないだろう。」「われわれ人間に対する最悪の罪は、人間を憎むことでなく、無頓着だということだ。それが無情のエッセンスだ。」バーナードショー「強者の理屈は、いつでもまかり通る。」ラ・フォンティーヌ「政治が一定の段階にまで発展して、もうそれ以上従来どおりには前進できなくなると、政治の途上によこたわる障害を一掃するために戦争が勃発する。」毛沢東 「面白いから軍備を続ける者はいない。恐ろしいから軍備を続けるのだ。」チャーチル 「我々に武器を執らしめるものは、いつも敵に対する恐怖である。しかもしばしば実在しない架空の敵に対する恐怖である。」芥川龍之介 「原子戦争が起これば勝者はない。敗者だけがのこる。」「人間がほんとうに道徳的であるということは、自分が助力することのできるあらゆる生命を助け、どんな生命をも傷つけまいと熱望する、その熱望に従う場合だけである。」シュバイツァー「実際の道徳の世界は大部分が悪意と嫉妬から成りたっている。」ゲーテ 「世の中には善人とか悪人とかがあるわけではあるまい。ただ場合によって善人になったり、悪人になったりするだけである。」アンリ・ド・レニエ 「真実の文字は、「人間はこんなに不完全だ」からくる闘争を明らかにする。われわれ人間は、悪事のできない天使でもないし、高価な大望を抱くことのできない動物でもない。人間の闘争は続く。」林語堂 「ぼろを着ていると、小さな悪徳が破れ目から見えるが、大礼服や毛皮を着ていると、何もかも隠れる。」シェークスピア「金銭は誰であろうと、その所有者に権力を与える。」Ｊ・ラスキン「富は一つの病で・・・金持ちはみな異常な存在だ・・・金持ちに人生がどんなものかわかるだろうか？」 「富は余計なものである。それは他人から盗むことである。」ロマン・ロラン「富を軽蔑するように見せる人間をあまり信じるな。富を得ることに絶望した人間が富を軽蔑するのだ。こういう人間が富を得たときはいちばん始末がわるい。」ベーコン 「支配したり服従したりしないで、それでいて何ものかであり得る人間だけが、ほんとうに幸福であり、偉大なのだ。」ゲーテ 「寒さに震える者ほど、太陽を暖かく感じる。」ホイットマン 「人生で最も苦しいことは、夢から醒めて、行くべき道がないことであります。夢を見ている人は幸福です。」魯迅「空しい希望を捨てた心には、その代償として日増しに深まる静かさが与えられる。」キッシング (-∧-)合掌・・・

  2008年01月12日

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  生きてるだけで幸せな人

  牛丼屋夜間アルバイト　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　看板も店の電気も消えた駅前通りは地球滅亡後のように暗くて静かです最終電車から降りてこの町にいる者や最終電車を逃してこの町にいる者がすべての愛する者に死なれた生き残りのような顔をしてこの店にやってきます「さあみなさん、生命の入ったどんぶりをカウンターごしにお配りします明日も生き残れるように」私はここで生命を細かく刻み朝まで機械のフリをしてどんぶりのことだけ考えているので「みなさん、いらっしゃいませ」お客はそこに卵をかけ味わうことなくすすり込むけど全くそれでかまわない味わうことなどそれほど重要ではない世の中ですどんぶりの中の生命に感謝されては私が困ってしまいます明け方どうせそれらの残りは（必ず残るようになっています）私の手でビニール袋に詰められて（死骸ではなく残骸として）ポリバケツに入るので私だけを罪人にしないでください２４時間営業のどんぶりやは暗闇の中で唯一、光を放って生命を配っているので空腹の人や道に迷った人や夜中に突然何が何だかわからなくなった人は「どうぞいらっしゃいませ」どうせその一杯の価値は私がここで一時間も立っていればおつりがくるくらいのものなのです街灯に群がる虫のように飛んで火に入る虫のようにどうぞこの明るい場所に気楽にいらっしゃいませ看板も店の電気も消えた駅前通りは地球滅亡後のように暗くて月や星の明かりさえ黒すぎるガスで消されてだけど私はいまだかつて一度も始発の朝を聞かない朝をむかえたことはないので安心してどんぶりを食べてください樹液をなめる昆虫のように光合成を繰り返す植物のように私は生きてるだけで幸せなのであの始発には乗らずに朝になればぐっすり眠ります「いってきまーす」の子供の声や隣のお父さんが車庫を開ける音を子守唄の代わりにしてそしていつもの時間には必ずこの店で待っているのでどうか高いビルの上からや駅のホームの下へなど飛び降りたりせずに生きているだけで幸せなのんきな私の店へ今夜も「いらっしゃいませ。」「牛丼屋夜間アルバイト」小野省子著年が開け仕事が始まり昨日は、福祉を学ぶ２０歳の女子大生が職場に見学に来る。丁度、上記の詩人のような・・・生きてるだけで幸せな人そんな人こんな人。色々な人がいます。(-∧-)合掌・・・牛丼屋夜間アルバイト

  2008年01月10日

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  近代の巨人

  小は大道易者から大はイエスキリストに到るまで予言者の数はまことに多いが、稀代の予言狂乃至予言魔といえば、そうざらにいるわけではない。まず日本でいえば大本教の出口王仁三郎などは、少数の予言狂、予言魔のうちの一人であろう。まことにこの出口王仁三郎という人の生涯と、そのおびただしい予言とは、切り離して考えられぬ位である。ところが、いかに稀代の予言狂とはいえ獄中にあっては、予言癖を発揮する自由がなくなってしまって淋しいことであろうと思っていたら、さすがに雀百まで踊忘れずである。王仁三郎旦那は、取調べに当った検事に向って、「昭和二十年の八月二十日には、世界に大変動が来る。この変動は日本はじまって以来の大事件になる」と予言して、検事に叱り飛ばされたということである。　私は予言というものを大体に於て信じない方であるが、この話を今年の六月頃に聴いた時、何となく「昭和二十年八月二十日」というものを期待するようになった。　六月といえば、大阪に二回目の大空襲があった月で、もうその頃は日本の必勝を信ずるのは、一部の低脳者だけであった。政府や新聞はしきりに必勝論を唱えていたが、それはまるで低脳か嘘つきの代表者が喋っているとしか思えなかった。　国民の大半は戦争に飽くというより、戦争を嫌悪していた。六月、七月、八月――まことに今想い出してもぞっとする地獄の三月であった。私たちは、ひたすら外交手段による戦争終結を渇望していたのだ。しかし、その時期はいつだろうか。「昭和二十年八月二十日」という日を、まるで溺れるものが掴む藁のように、いや、刑務署にいる者が指折って数える出獄日のように、私は待っていた。　人にこのことを話すと、「八月二十日にいいことがあるというのか。ふーむ。八月二十日といえば勝札の抽籤の発表のある日じゃないか」しかし、そう言いながら、誰もかれも何となく「八月二十日を待とう」という気持になっていた。無理もない。政府と新聞の言うことが悉く信ずるに足らないとすれば、せめて獄中の予言狂のあやしげな予言を信ずるより外に、何を信じていいだろうか。例えば、広島に原子爆弾が出現した時、政府とそして政府の宣伝係の新聞は、新型爆弾怖るるに足らずという、あらぬことを口走っている。そしてこれを信じていた長崎の哀れな人々は、八月二十日を待たずに死んで行ったではないか。　原子爆弾と前後してソ聯の参戦があった。その発表をきいた時、私は将棋を想いだした。高段者の将棋では王将が詰んでしまう見苦しいドタン場まで指していない。防ぎようがないと判ると潔よく「もはやこれまで」と云って、駒を捨てるのが高段者のたしなみである。「日本も遂にもはやこれまでと言って駒を捨てる時が来たな」　と、私は思った。その時期はあと十日、八月二十日だ、しかし、この十日を生き伸びることはむずかしいわいと、私は思案した。ところが、戦争の終ったのは、八月十五日であった。その朝、隣組の義勇隊長から義勇隊の訓練があるから、各家庭全員出席すべしといって来た。「どんな訓練ですか」「第一回だから、整列の仕方と、敬礼の仕方を教えて、あとは講演です」　と、いう。「僕は欠席します。整列や敬礼の訓練をしたり、愚にもつかぬ講演を聞いたりするために、あと数日数時間しかもたぬかも知れない貴重な余命を費したくないですからね、整列や敬礼が上手になっても、原子爆弾は防げないし、それに講演を聴くと、一種の講演呆けを惹き起しますからね、呆けたまま死ぬのはいやです」私は隊長にそう答えると隊長はあきれた非国民もいるものだ、こういう非国民が隣組にいるのは心外であるという意味のことを言って、カンカンになって帰って行った。それと行きちがいに、また隣組から、今日の昼のニュースを聞けと言って来た。　畏れ多い話だが、玉音は録音の技術がわるくて、拝聴するのが困難であったが、アナウンサーのニュースを聞いているうちに、「あッ、戦争が終ったのだ！」と、直感された。　さすがの王仁三郎も五日間おくれてしまったわけだと、私は思った。しかし、彼は戦争が十五日に終ったことを聴いて、自分の予言を間違ったと思ったであろうか、それとも当ったと思ったであろうか、彼の言分を聴いてみたいと思った。　直ちに知人を訪問すると、「大変なことになりましたが、命だけは助けていただきました」と、知人はいう。たしかに、軍部は国民を皆殺しにしようと計画していたのだが、聖上陛下が国民の生命をお救い下すったのであると、私は思った。知人の家で話をしていると、表を子供たちが、「――兵隊さんのおかげです……」という歌を、歌いながら通って行った。「皮肉な歌ですね。たしかに兵隊のおかげですよ」町へ出ると、車内や駅や町角に、「一億特攻」だとか「神州不滅」だとか「勝ち抜くための貯金」だとか、相変らずのビラが貼ってあった。私は何となく選挙の終った日、落選者の選挙演説会の立看板が未だに取り除かれずに立っている、あの皮肉な光景を想いだした。標語の好きな政府は、二三日すると「一億総懺悔」という標語を、発表した。たしかに国民の誰もが、懺悔すべきにはちがいない。しかし、国民に懺悔を強いる前に、まず軍部、重臣、官僚、財閥、教育者が懺悔すべきであろうと思った。「一億総懺悔」という言葉は、何か国民を強制する言葉のように聞こえた。　私は終戦後、新聞の論調の変化を、まるでレヴューを見る如く、面白いと思ったが、しかし、国賊という言葉はさすがの新聞も使わなかった。が、私は「国賊にして国辱」なる多くの人人が「一億総懺悔」という標語のかげにかくれて、やに下っている光景を想像して、不愉快になった。　ある種の戦争責任者である議会人がさきに軍官財閥の三閥を攻撃している図も、見っともよい図ではなかった。がかつて右翼陣営の言論人として自他共に許し、さかんに御用論説の筆を取っていた新聞の論説委員がにわかに自由主義の看板をかついで、恥としない現象も、不愉快であった。　だが、私たちはもはや欺されないであろう。私たちの頭が戦争呆けをしていない限り、もはや節操なき人人の似而自由主義には欺されないであろう。右翼からの転向は、ただ沈黙あるのみだということを、私たちは肝に銘じて置こうと思う。　戦争が終ると、文化が日本の合言葉になった。過去の文化団体が解散して、新しい文化団体が大阪にも生れかけているが、官僚たる知事を会長にいただくような文化団体がいくつも生れても、非文化的な仕事しか出来ぬであろう。どこを見ても、苦々しいこと許りだ。「終戦前後」織田作之助著大本教の出口王仁三郎のことは、高橋和巳の「邪宗門」などで読んだり、出口王仁三郎に影響を受けた新興宗教教祖が数多く言行録を残す。 帝国主義時代の日本政府に大弾圧を受けた出口王仁三郎と大本教のその実態は、謎だらけだ。大本教関連の書物が戦時中に全て発禁となり、日本政府からGHQの押収そして日本政府の元へ行き戦後になって復刻される。「神界と幽界とは時間空間を超越して、すこしも時間の観念はない。それゆえ霊界において目撃したことが、２・３日後に現界に現れることもあれば、１０年後に現れることもあり、数百年後に現れることもある。（中略）霊界より見れば、時空、明暗、上下、大小、広狭すべて区別なく、みな一様並列的に霊眼に映じてくる」などと言っていた出口王仁三郎は、本土空襲、広島への原爆投下、日本の敗戦をかなり以前から予言していた。出口王仁三郎については、数多の著者の書物が出されるが客観性と時代の人という視点で書かれた織田の文章が僕には面白いと思う。近代の巨人出口王仁三郎については、ほとんど何もわかっていないのでなかろうか？池田大作などに代表される欲望の権化のような教祖と一線を画す巨人は何を思いどう生きたのだろうか？などと思う朝。(-∧-)合掌・・・出口なお・出口王仁三郎（おにさぶろう）の生涯巨人出口王仁三郎（おにさぶろう）

  2008年01月09日

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• 責任という空語

  「さて、多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。みながみな口を揃えてだまされていたという。私の知つている範囲ではおれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。ここらあたりから、もうぼつぼつわからなくなつてくる。多くの人はだましたものとだまされたものとの区別は、はつきりしていると思つているようであるが、それが実は錯覚らしいのである。たとえば、民間のものは軍や官にだまされたと思つているが、軍や官の中へはいればみな上のほうをさして、上からだまされたというだろう。上のほうへ行けば、さらにもつと上のほうからだまされたというにきまつている。すると、最後にはたつた一人か二人の人間が残る勘定になるが、いくら何でも、わずか一人や二人の智慧で一億の人間がだませるわけのものではない。中略このことは、戦争中の末端行政の現われ方や、新聞報道の愚劣さや、ラジオのばかばかしさや、さては、町会、隣組、警防団、婦人会といつたような民間の組織がいかに熱心にかつ自発的にだます側に協力していたかを思い出してみれば直ぐにわかることである。たとえば、最も手近な服装の問題にしても、ゲートルを巻かなければ門から一歩も出られないようなこつけいなことにしてしまつたのは、政府でも官庁でもなく、むしろ国民自身だつたのである。私のような病人は、ついに一度もあの醜い戦闘帽というものを持たずにすんだが、たまに外出するとき、普通のあり合わせの帽子をかぶつて出ると、たちまち国賊を見つけたような憎悪の眼を光らせたのは、だれでもない、親愛なる同胞諸君であつたことを私は忘れない。もともと、服装は、実用的要求に幾分かの美的要求が結合したものであつて、思想的表現ではないのである。しかるに我が同胞諸君は、服装をもつて唯一の思想的表現なりと勘違いしたか、そうでなかつたら思想をカムフラージュする最も簡易な隠れ蓑としてそれを愛用したのであろう。そしてたまたま服装をその本来の意味に扱つている人間を見ると、彼らは眉を逆立てて憤慨するか、ないしは、眉を逆立てる演技をして見せることによつて、自分の立場の保鞏（ほきよう）につとめていたのであろう中略また、もう一つ別の見方から考えると、いくらだますものがいてもだれ一人だまされるものがなかつたとしたら今度のような戦争は成り立たなかつたにちがいないのである。　つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた（たとえ軽重の差はあるにしても）当然両方にあるものと考えるほかはないのである。　そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。　このことは、過去の日本が、外国の力なしには封建制度も鎖国制度も独力で打破することができなかつた事実、個人の基本的人権さえも自力でつかみ得なかつた事実とまつたくその本質を等しくするものである。　そして、このことはまた、同時にあのような専横と圧制を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである。　それは少なくとも個人の尊厳の冒涜（ぼうとく）、すなわち自我の放棄であり人間性への裏切りである。また、悪を憤る精神の欠如であり、道徳的無感覚である。ひいては国民大衆、すなわち被支配階級全体に対する不忠である。　我々は、はからずも、いま政治的には一応解放された。しかしいままで、奴隷状態を存続せしめた責任を軍や警察や官僚にのみ負担させて、彼らの跳梁を許した自分たちの罪を真剣に反省しなかつたならば、日本の国民というものは永久に救われるときはないであろう。「だまされていた」という一語の持つ便利な効果におぼれて、一切の責任から解放された気でいる多くの人々の安易きわまる態度を見るとき、私は日本国民の将来に対して暗澹たる不安を感ぜざるを得ない。「だまされていた」といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである。　一度だまされたら、二度とだまされまいとする真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。この意味から戦犯者の追求ということもむろん重要ではあるが、それ以上に現在の日本に必要なことは、まず国民全体がだまされたということの意味を本当に理解し、だまされるような脆弱（せいじやく）な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めることである。」「戦争責任者の問題」伊丹万作著水木しげるの「コミック昭和史」を読んでいたら大杉栄の「奴隷根性論」と上記の伊丹十三の父親の遺言のような文章などを思い起こす。そしてもうひとつ、わが国の官僚の忘れがたい言葉「人間にとって最も変えがたいのが怠惰の集積によって作り上げられた事象だ。」まあ、そんなことなどを思い起こしつつ、古の漫才師の「責任者出て来い！！」なんてフレースを思い起こすのでありますが・・・・責任という言葉が「空語」のように思えてしょうがない昨今であります。空語とは、根も葉もない言葉。うそ。空言。のことであります。「自由とは責任を意味する。だから、たいていの人間は自由を恐れる。」 バーナード・ショー (-∧-)合掌・・・

  2008年01月07日

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  奴隷根性論

  斬り殺されるか、焼き殺されるか、あるいはまた食い殺されるか、いずれにしても必ずその身を失うべき筈の捕虜が、生命だけは助けられて苦役につかせられる。一言にして言えば、これが原始時代における奴隷の起源のもっとも重要なるものである。かつては敵を捕えればすぐさまその肉を食らった赤色人種も、後にはしばらくこれを生かして置いて、部落中寄ってたかって、てんでに小さな炬火をもって火炙（ひあぶり）にしたり、あるいは手足の指を一本一本切り放ったり、あるいは灼熱した鉄の棒をもって焼き焦したり、あるいは小刀をもって切り刻んだりして、その残忍な復讐の快楽を貪った。　けれどもやがて農業の発達は、まだ多少食人の風の残っていた、蛮人のこの快楽を奪ってしまった。そして捕虜は駄獣として農業の苦役に使われた。また等しくこの農業の発達とともに、土地私有の制度が起った。そしてこのこともまた、奴隷の起源の一大理由として数えられる。現にカフィールの部落においては、貧乏という言葉と奴隷という言葉とが、同意味に用いられている。借金を返すことのできない貧乏人は、金持の奴隷となって、毎年の土地の分配にも与（あず）からない。そして犬と一緒になって主人の意のままに働いている。　かくして従来無政府共産の原始自由部落の中に、主人と奴隷とができた。上下の階級ができた。そして各個人の属する社会的地位によって、その道徳を異にするのことが始まった。勝利者が敗北者の上に有する権利は絶対無限である。主人は奴隷に対して生殺与奪の権を持っている。しかし奴隷には、あらゆる義務こそあれ、何等の権利のあろう筈がない。奴隷は常に駄獣や家畜と同じように取扱われる。仕事のできる間は食わしても置くが、病気か不具にでもなれば、容赦もなく捨てて顧みない。少しでも主人の気に触れれば、すぐさま殺されてしまう。金の代りに交易される。祭壇の前の犠牲となる。時としてはまた、酋長が客膳を飾る、皿の中の肉となる。けれども彼等奴隷は、この残酷な主人の行いをもあえて無理とは思わず、ただ自分はそう取扱わるべき運命のものとばかりあきらめている。そして社会がもっと違ったふうに組織されるものであるなどとは、主人も奴隷もさらに考えない。奴隷のこの絶対的服従は、彼等をしていわゆる奴隷根性の卑劣に陥らしむるとともに、また一般の道徳の上にもはなはだしき頽敗を帰さしめた。一体人が道徳的に完成せられるのは、これを消極的に言えば、他人を害するようなそして自分を堕落さすような行為を、ほとんど本能的に避ける徳性を得ることにある。しかるに何等の非難または刑罪の恐れもなく、かつ何等の保護も抵抗もないものの上に、容赦（ようしゃ）なくその出来心のいっさいを満足さすというがごときは、これとまったく反対の効果を生ずるのは言うまでもない。飽くことを知らない暴慢と残虐とが蔓（はび）こる。　かくして社会の中間にあるものは、弱者を虐遇することに馴れると同時に、また強者に対しては自ら奴隷の役目を演ずることに馴れた。小主人は自らの奴隷の前に傲慢なるとともに、大主人の前には自らまったく奴隷の態度を学んだ。強者に対する盲目の絶対の服従、これが奴隷制度の生んだ一大道徳律である。そして主人および酋長に対するこの奴隷根性が、その後の道徳進化の上に、いかなる影響を及ぼしたかは次に見たい。先きにも言ったごとく、奴隷は駄獣である、家畜である。そして奴隷はまず、家畜の中の犬を真似た。カフィール族はその酋長に会うたびに、「私はあなた様の犬でございます」と挨拶をするという。しかし自分の身を犬に較べるこの風習は、ただに言葉の上ばかりでなくその身振りや処作においても、人間としての躰の許せるだけ犬の真似をするということが、ほとんど例外もないほどにいたるところの野蛮人の間に行われている。　まずその一般の方法としては、着物の幾分かを脱いで、地に伏して、そして土挨を被るにある。アフリカは奴隷制度のもっとも厳格なところであった。したがってこの犬の真似の儀式も、ほとんど極端なまでに行われている。　アルゲン島附近のアザナギス族は、酋長の前に出ると、裸になって、額を地につけて、頭と肩とに砂を被る。イシニー族もやはりまず着物を脱いで、腹這いになって、這いながら口へ砂をつめる。　クラツバートン氏によれば、氏がカトウンガの酋長に謁見した時、二十余名の大官がいずれも腰まで裸になって、腹這いになったまま顔も胸も土まみれになって酋長の傍へ這いずって行って、初めてそこに坐って酋長と言葉を交えることを許されたのを見たという。　ところがこの貴族等はまた、自分が酋長に対してやることを、同じようにその臣下のものに強いる。バロンダ族の平民は、道で貴族の前に出ると、四這いになって、体や手足に土をぬりつける。キアマ族もまた貴族の前に出ると、急に地べたに横になる。　ダホメーの酋長の家では、臣下は玉座の二十歩以内に近よることを禁ぜられて、ダクロと称する老婆によって、酋長へのいっさいの取次ぎをして貰う。まずその取次ぎを請うものは、ダクロの前へ四這いになって行く。そしてダクロはまた四足になって、酋長の前へ這って行く。　野蛮人のこの四這い的奴隷根性を生んだのは、もとより主人に対する奴隷の恐怖であった。けれどもやがてこの恐怖心に、さらに他の道徳的要素が加わって来た。すなわち馴れるに従ってだんだんこの四這い的行為が苦痛でなくなって、かえってそこにある愉快を見出すようになり、ついに宗教的崇拝ともいうべき尊敬の念に変ってしまった。本来人間の脳髄は、生物学的にそうなる性質のあるものである。そして酋長は他の人間以上のあるものになってしまった。ナチエーの酋長は太陽の兄弟であった。そしてこの資格をもって、その臣下の上に絶対権を握っていた。酋長の嗣子は生れるとすぐに、その時母の乳房にすがっているいっさいの嬰児の主人であるとせられた。　中央アフリカにおいても、大中小の酋長はいずれもみな神権を持っていて、自由に地水風火の原素を使役する。ことに雨を降らすに妙を得ている。バッテル氏によるに、ルアゴンでは畑に雨の必要があると、酋長に願って空に弓を射て貰う。これは雲にそのつとめを命じさすのである。　そこで人民が酋長に雨乞いを願うと、酋長の方からはその代りに租税を要求するというような争いが起きる。「羊を持って来なければ雨は降らせぬ」などと威張る。また洪水の時などには、麦幾許を納めなければ永劫にあらしがあるなどと嚇（おど）す。　ブーサ族の酋長が、ヨーロッパでは一夫多妻を禁じていると聞いて、「外の人にはそれも善かろうが、しかし酋長には怪しからんことだ」と言ったという。　アシャンチ族の酋長は、いっさいの法律の上に超絶していて、酋長の子はどんな悪事をしても罰せられることがない。そして臣下は酋長のために死ぬことを至上の義務と心得されている。なおこの時代の野蛮人は、一般にごくお粗末な霊魂不滅観を抱いていた。すなわち人が死んだ後、なお幾許かの間、生きているものと信じていた。死人の影が、地上の生活と同じような生活を、どこかで続けているものと信じていた。　そしてこの天上の生活は、ことに大人物にのみ限られていた。平民や奴隷はこの世限りで死んでしまうのである。そこで大小の酋長が死ぬと、食物だの、武器だの、奴隷だの、女だのと、いろいろなものをその未来の生活に伴って行く。カライブ族の酋長が死んだ時に、その妻の一人が一緒に葬られた。彼女はこの酋長の子を幾人か生んだというので、ことにこの役目に撰ばれたのである。かつてハワイで、ハワイナポレオンと称せられた、大虐殺王タメハメハの死んだ時などは、大勢の人間の強制的犠牲を供えたのみならず、なお無数の忠良な臣下が自殺しまたは自ら傷つけて不具になった。そしてその後数年間、国民は毎年その日に糸切歯を抜いて、タメハメハを祭った。　ベナン族の酋長の葬式には、墓の側に徳利形の大きな深い穴を掘って、その口から大勢の奴隷や召使を投（ほ）おり込んで、そこに餓死さしてしまう。アシャンチの酋長が死ぬと、その親族のものは外に走って出て、手あたり次第に道に会う人々を殺す。それから数百または数千の奴隷の首をしめる。そして時々また、何か事のあるたびに、天上の酋長に使いするために、幾多の奴隷を殺す。僕はあまりに馬鹿馬鹿しい事実を列挙して来た。今時こんなことを言って、何のためになるのかと思われるような、ベラポーな事実を列挙して来た。けれどもなお僕に一言の結論を許して戴きたい。主人に喜ばれる、主人に盲従する、主人を崇拝する。これが全社会組織の暴力と恐怖との上に築かれた、原始時代からホンの近代に至るまでの、ほとんど唯一の大道徳律であったのである。　そしてこの道徳律が人類の脳髄の中に、容易に消え去ることのできない、深い溝を穿ってしまった。服従を基礎とする今日のいっさいの道徳は、要するにこの奴隷根性のお名残りである。　政府の形式を変えたり、憲法の条文を改めたりするのは、何でもない仕事である。けれども過去数万年あるいは数十万年の間、われわれ人類の脳髄に刻み込まれたこの奴隷根性を消え去らしめることは、なかなかに容易な事業じゃない。けれども真にわれわれが自由人たらんがためには、どうしてもこの事実は完成しなければならぬ。「奴隷根性論」大杉栄著凄まじい文章に（○￣ ～ ￣○；）ｳｰﾝ･･･ と唸るばかりであります。(-∧-)合掌・・・大杉栄自叙伝

  2008年01月06日

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  成功という病

  「この世の中には多くの妄執がある。中国の仏教徒は、さまざまの小さな妄執を、二つの大きな妄執に分類した。名声と富貴がそれである。私自身の目で人生を観察すると、人間的妄執のかのような仏教的分類は完全だとはいえない。人生の大妄執は二種ではなく三種である。すなわち、名声、富貴、および権力。この三つのものを一つの大きな妄執に包括する格好の言葉がアメリカにある。いわく、「成功」。しかし、多くの賢明な人々にはわかっていることであるが、成功、すなわち名声、富貴に対する欲望というのは、失敗、貧困、無名に対する恐怖を婉曲にいい現わした名称であって、かような恐怖がわれわれの生活を支配しているのである。」林語堂『人生をいかに生きるか』林語堂の名をはじめて目にしたのは、開高健のエッセイか林達夫の文章だったかどちらかだ。林語堂（リンゴドウ）１８９５‐１９７６。福建省竜渓出身。上海聖約翰大学卒。米独留学後北京大学に勤めた。その後上海に移り、Ｍｙ　Ｃｏｕｎｔｒｙ　ａｎｄ　Ｍｙ　Ｐｅｏｐｌｅ（１９３５）、Ｔｈｅ　Ｗｉｓｄｏｍ　ｏｆ　Ｃｏｎｆｕｃｉｕｓ（１９３８）などを英文で執筆。抗日戦中に米国に移住しＭｏｍｅｎｔ　ｉｎ　Ｐｅｋｉｎｇ（１９３９）、Ｌｅａｆ　ｉｎ　ｔｈｅ　Ｓｔｏｒｍ（１９４０）などの英文小説並びに評論などの著作に専念した。’５９年香港中文大学の研究教授となり、台湾に定住。中国ペンクラブの会長を務め、’７６年香港で病没魯迅と共に語られる事が多かったかと思う。その言葉は、やはりドキリとさせられるものが多い。「真実の文字は、「人間はこんなに不完全だ」からくる闘争を明らかにする。われわれ人間は、悪事のできない天使でもないし、高価な大望を抱くことのできない動物でもない。人間の闘争は続く。」「人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず。」 「どんな精神的な人間でも四十五時間以上食べ物のことを忘れる事はできぬ。数時間ごとに間違いなく脳裏に起こる不変不動のくりかえしは「いつ食べようか」ということである。」「喫煙家が禁煙家にかける迷惑は肉体的なものであるが、禁煙家が喫煙家にかける迷惑は精神的なものである。」「役人がすべて貪欲なら、貪欲という言葉を使う必要はない。官僚がすべて汚濁しているなら、汚濁という言葉を使う必要はない。どんな立派な政治の下においても、清廉（せいれん）な役人もいれば、汚職者もいる。」「なかば怠けてなかば活動し、なかば働いてなかば怠ける程度、家賃の払えないほど貧乏でもなく、さりとてすこしも働く必要がないほどの金持ちでもなく、またあまり金持ちすぎて、そのためにかえって、「小金さえあればたとえすこしでも友人を助けてあげたいのに」などと、人情味のあることが考えられないほどでもなく、ピアノはあるが、ただごく親密な友人に聞かせるか、あるいはおもに自分で楽しむ程度のもの、募集はするが、募集品を炉飾りの上にならべるくらいのところ、読書はするが度を越さず、相当学問はするが専門家にならず、ものは書くが新聞への寄稿がたまには没になり、たまには載るくらいの程度―ひとことにしていえば、中国人に発見せられたもっとも健全な生活の理想と私が信ずるのは、中産階級の生活理想である。」「満足を得る秘訣は、めいめいが自分の実力と限界を自力で見出し自分が十分に力を発揮できる仕事は何であるか知るとともに、どんな成功者であろうと、その地位は宇宙に比較すれば微々たる物だという事を悟るだけの『分別』を持つ事である。・・・つまり、ほんとうの自分自身になりきる勇気、孤独に耐える勇気、自分と違う者になろうとしない勇気を持つ事だ。」(-∧-)合掌・・・蘇東坡（上）

  2008年01月04日

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  天空の草原のナンサ

  「らくだの涙」には、相当やられた。映画を見て痺れたのは久々だった。そんでもってビャンバスレン・ダバー監督の『天空の草原のナンサ』を去年買っといた。昨日は、東京よりカメラマン、その他より何人かの人々が我が家に来たりしてたので数人でビャンバスレン・ダバー監督の映画「らくだの涙」『天空の草原のナンサ』を２本立てで見る。どこまでも続くモンゴルの大草原に遊牧民の一家がゲルで暮らしている。父と母、6歳の娘ナンサとその妹、小さな弟の5人だ。ナンサはほら穴で見つけた子犬にツォーホルと名付けて、家に連れ帰る。しかし父親は飼うことを許さない。父の留守中にこっそりツォーホルを飼い出すナンサだが、ある日、放牧先でツォーホルとはぐれてしまう。そこで遊牧民のおばあさんに出会ったナンサは、「黄色い犬の伝説」を知る。『むかしむかし、お金持ちの家族が住んでいました。ある日、その家のとても美しい娘が重い病気になってしまいました。どんな薬を飲んでも治りません。そこで父親は賢者に相談に行きました。すると賢者は、「黄色い犬を飼っているだろう？ その犬を追い払わなくてはならない」と言うのです。でも父親は、家族や家畜を守ってくれている犬を殺すことなんてできません。そこで、犬をほら穴に入れて出られなくしました。父親は毎日エサを持っていきましたが、ある日、犬はいなくなってしまいました。すると、娘は本当に治ったのです。でも娘が元気になったのには、ほかに理由がありました。娘はある若者に恋をしていたのです。黄色い犬がいなくなり、2人は何者にも邪魔されずに会えるようになったのでした......』「黄色い犬の伝説」を聞いたナンサが「その犬はどうなったの？」とおばあさんにたずねます。するとおばあさんは、「きっと人間に生まれ変わったんだよ。若い2人は結婚して、それから子どもが生まれたからね」草をやぎや羊や牛や馬が食べ、その動物の乳や肉を人間が食べるという太古から続く食物連鎖の中で生きる遊牧の民の物語は圧巻。人間がどういう生き物だったかを思い起こさせる。文明の毒に犯される以前の御先祖様の物語。しかしながらこんな暮らしをしていた人々がジンギスカンに率いられユーラシア大陸を屠るのだから人間とは、永遠に謎と不思議の生き物でもあるのだ。草原と動物たちとナンサの家族の笑顔を見てるだけで癒されます。「人と人との絆は細く、切れてしまいやすいものだけれど遊牧民はより深い結びつきをもっていると思います。それがなくなるのは残念なことです。ゲルの解体シーンは、絆が強く結ばれているものが解体されて、遊牧民と共に移動し、移動先でまた強く結び直される----そこに家族の絆を描きたかった。輪廻転生の意味も含めて撮りました。」と自作を語る。まだ若い女性であるビャンバスレン・ダバー監督。良いなあ・・・・・(o^∇^o)感動♪天空の草原のナンサ デラックス版天空の草原のナンサらくだの涙

  2008年01月04日

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  戦争と自立

  水木しげるの執念の傑作とも言うべき「コミック昭和史全８巻」を６巻まで読む。年末に水木本をヤフオクで３０冊ほど落札する。送料込みで５千円ほど・・・・しかも２冊おまけしてくれる・・・感謝。「戦争で死んだ人への鎮魂を込めた自分史」だとラバウルで左腕を失った水木は言う。感想を一言で言えば「水木しげる、よく生きてるよなあ・・・・凄い事だよなあ。」でありました。関東大震災～昭和恐慌～右翼テロ～日中戦争～大東亜戦争という時代の解説と水木家の暮らしを平行して書かれた傑作漫画を読むに及び。歴史家としての水木しげるもタダモノじゃ無いと思い知る。戦争に関して言えば「補給を無視した日本軍」というのを知ったのは山本七平の経験談だった。食料を現地調達する日本軍は、現地での略奪を当然する。水で米を研ぎ炊く・・・その他は現地調達という日本軍じゃ負けて当たり前という山本氏のお話は、なるほどと思った。缶詰のステーキやデザートを遂行するアメリカ軍。自分の国の兵隊をどう扱ったか？という意味で印象深い。日本の兵器は劣悪だったという山本七平氏の体験談と補給無く玉砕と自決で屍の山となった南方戦線での水木しげるの体験談。この大本営上層部の末端への扱いが様々な悲喜劇を生み出し、未だに尾を引くのだ。関東大震災から昭和恐慌へそして世界大恐慌により、食うや食わずの農村の疲弊と財閥の肥大と横暴、結託する軍部。そんな有様を見る限り現代の日本も何も変わらず。この国は、また同じことをはじめるのだろうなとそんな思いばかりが深まる。戦前、戦中と今とでは少々違うところがあれば、呪術的精神論だろう。「一億火の玉」「欲しがりません勝つまでは」「大和魂」などの呪術的精神論によって自決、玉砕によって多くの命が失われた。捕虜になることを恥とする日本帝国陸軍文化だ。「潔い死」を美徳とし「生き残りたい」という願望を恥とする日本文化は、自殺の多さに引き継がれているのかも知れないが、アメリカの占領と洗脳によってほぼ一掃された感がある。日本の民主化は、ほぼ成功を収めた。わが国のこの１００年ほどの歴史を要約すれば「国民の大多数が戦争に賛成し国民の総意として戦争が遂行された。」そして戦争に負けた。「国民の大多数が経済成長に賛成し国民の総意として経済成長が遂行された。」そして経済戦争にも負けた。他にも無限の選択肢は、あった。戦争にも経済戦争にも反対し、牢獄で死んだ日本人もいるにはいるが総意では賛成だった。戦後、アメリカの威光によって守られ奴隷化された国民が今後どうなっていくか？なんて考えていくとイソップの寓話などを思い出す。「支配者がいないのを気に病んだカエルたちが、ゼウスに「自分たちにも王様を授けて下さい」とお願いしたところ、ゼウスはこれがよかろうと「木片」を沼の中に投げてよこした。最初はありがたがっていたカエルたちも、ただ浮かんでいるだけの木片に失望し、「もっと立派な王様と取り替えてください」と改めて、ゼウスに要求した。そこで、ゼウスは「水蛇」を沼に投げてよこした。カエルたちはこの恐ろしい水蛇に残らず食べられてしまったという。」イソップ物語「カエルの王様」よりそして金子光晴の言葉などを思い起こし「そもそも日本人というものが一人ずつにするとみんな泣虫で、その泣虫をじっとこらえて意地張り、弱味をみせまいと力みかえって生きている。そしてみせかけだけの強さは、権力とか、偶像とか、義理情誼のしがらみとか、すがりつくものがなければ、手もなくがさりとくずれてしまう。」更には、茨木のり子の詩などを思い起こすのでありました。「倚りかからず」　　　　　　　　　もはや　　　　　できあいの思想には倚りかかりたくない　　　　　もはや　　　　　できあいの宗教には倚りかかりたくない　　　　　もはや　　　　　できあいの学問には倚りかかりたくない　　　　　もはや　　　　　いかなる権威にも倚りかかりたくない　　　　　ながく生きて　　　　　心底学んだのはそれぐらい　　　　　じぶんの耳目　　　　　じぶんの二本足のみで立っていて　　　　　なに不都合のことやある　　　　　倚りかかるとすれば　　　　　それは　　　　　椅子の背もたれだけ尽きる所、戦争を回避する道がもしあるとすれば、それは、我々の真の意味での精神的な自立なのでしょう。それが、いかに困難な道であるかは、歴史が教えてくれるもののようであります。(-∧-)合掌・・・コミック昭和史（第1巻）倚りかからず金子光晴

  2008年01月03日

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  悲しい狂気

  元日は、ゲオに行ってゲームを買ったり、帰り道に職場に寄り、年末年始を職場で過ごす学校の先生と話したり、メールと年賀状をチェックする。家に帰り、水木しげるの「昭和史」など読みつつゴロゴロしてると１０数年ほど昔に酒をやめる為に入った施設の仲間から久しぶりに電話が来る。酒で肝硬変になり死にかけ、数年前に栄養失調で死にかけたりとなかなかドラマチックな人生を歩む戦友だ。アル中仲間と話すと必ず出てくる話題が「誰が死んだ」という話題だ。新年早々そんな話を仲間内で話すようになってかなりの月日が流れる。仲間の娘さんがやくざな男に覚醒剤漬けにされて死んだとか、だれそれが酒飲んで死んだ、薬で死んだ、癌で死んだ。そんな話を電話で聞く。こちらも白血病で従姉妹が去年は、死んだとかそんな話をする。色々な人の消息や生死の話などをしていると、まあ諸行無常なんだよなあと思う。アルコール依存という病気になって生き残ってる人がどんどん死んでいく様は最初は衝撃だった。人間がこんなにも簡単にコロコロ死んで良いものなのか？そして、僕の価値観が根底から覆された。この価値観の変換体験は非常に貴重だったと思う。この世界は世の中にとって有用な「経済成長要員」にとって運営されているのだ。などという視点が与えられたから。そして、世の中で有用でないとされる、多くのダメ人間やアウトローや病者や障害者や先住民族と出会う中で僕の中である悟りににた気持ちが湧き上がってきた。まあ、生きてるだけで丸儲けみたいな気持ちだ。そして様々な病んだ人々の孤独死を目の当たりにすることで人助けみたいな状況に導かれ現在に至るのだから人生とは不思議なものだ。昔のバチカンの宗主がアウシュビッツに似た悲惨と呼ばれる「アルコール依存の家庭に起こる悲惨」に巻き込まれる。これは、我が一族も未だにそうなのだが、絵にも描けない面白悲しい愚かしさなのだ。そして、生死を別つのは紙一重だ。「生きるも地獄死ぬも地獄」そんな生を歩む人は思いのほか多い。だからこそ、この国は、年間３万人以上もの人々が自殺するのだろうが・・・・そんな人間模様の悲喜劇に嫌というほど巻き込まれて見えてくる世界は、破戒僧一休さん説くところの生まれては　死ぬるなりけりおしなべて　釈迦も達磨も猫も杓子も世の中は　くうて糞して寝て起きて　さて其の後は死ぬるばかりよなどという心境なのですね。そしてこれまた時折思い起こす非常に深い一休さんの言葉のですが悪を正して、善に導くべき、と説く者もいる。だがそれもまた、うたかたの熱意にすぎぬ。勝った負けたも、個と自我の実在を信じ込ませる罠にすぎぬ。わたしはただ俗塵を離れた心でいたい。青い空に白い月風が澄んだ空気を運んでくる。 とこれらの言葉などを残した一休さんもまた、この世で様々な「悲しい狂気」を見てしまったんだろうなあと思うのです。(-∧-)合掌・・・あっかんべェ一休（上）

  2008年01月02日

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• 祈り

  初夢には、ローリングストーンズのキースやミックとニューヨークでストリートチャリティーライブをやるなんて夢を見る。目が覚めてからも「友を待つ」が脳内を流れ、久しぶりにストーンズのジャンプバックなど聞きつつ。この数日思い浮かぶ祈りの文句などを思い浮かべつつ噛み締める元日であります。大事をなそうとして力を欲しいと神に求めたのに慎み深くあるように弱さを授かったより偉大なことができるようにと健康を求めたのにより良きことができるように病弱を授かった幸せになろうとして富を求めたのに賢明であるようにと貧困を授かった世の人々の賞賛を得ようとして権力を求めたのに神の前にひざまずくようにと弱さを授かった人生を享楽しようとあらゆるものを求めたのにあらゆることを喜べるようにと生命を授かった求めたものは一つとして与えられなかったが願いはすべて聞かれた神の意にそわぬ者であるにもかかわらず心の中で言い表せない祈りはすべてかなえられたわたしはあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されたのだ「ニューヨーク・リハビリテーション研究所の壁に書かれた患者の詩」主よわたしをあなたの平和の器としてください。憎しみ合うところに　愛をいさかいのあるところに　ゆるしを疑いあるところに　信仰を絶望あるところに　希望を悲しみあるところに　喜びを闇のおおうところに　光をもたらす者にして下さい。　主なる神よ慰められるよりは　慰めることを理解されるよりは　理解することを愛されるよりは　愛することをわたしが求めるようにしてください。わたしたちは与えることによって受けゆるすことによってゆるされ死ぬことによって永遠の生命へとよみがえらされるのですから。「アッシジの乞食坊主フランチェスカの祈り」ひとりの孤独な生涯 彼は、世に知られぬ小さな村のユダヤの人の家に生まれた。母親は、貧しい田舎の人であった。彼が育ったところも、世に知られぬ別の小さな村であった。彼は30才になるまで大工として働いた。それから、旅から旅の説教者として3年を過ごした。一冊の本も書かず、自分の事務所も持たず、自分の家も持っていなかった。彼は、自分の生まれた村から200マイル以上出たことはなく、偉人と言われる有名人にはつきものの「業績」を残したこともなかった。彼は、人に見せる紹介状を持たず、自分を見てもらうことがただひとつの頼りであった。彼は、旅をしてまわり、病人をいやし、足なえを歩かせ、盲人の目を開き、神の愛を説いた。ほどなく、この世の権力者たちは彼に敵対しはじめ、世間もそれに同調した。彼の友人たちは、みな逃げ去った。彼は裏切られ、敵の手に渡され、裁判にかけられ、ののしられ、唾をかけられ、殴られ、引きずり回された。彼は十字架に釘づけにされ、二人の犯罪人の間に、その十字架は立てられた。彼がまさに死につつある時、処刑者たちは彼の地上における唯一の財産、すなわち彼の上着をくじで引いていた。彼が死ぬと、その死体は十字架から下ろされ、借り物の墓に横たえられた。ある友人からの、せめてものはなむけであった。長い１９の世紀が過ぎていった。今日、彼は、人間の歴史の中心であり、前進する人類の先頭に立っている。「かつて進軍したすべての軍隊と、かつて組織されたすべての海軍、かつて開催されたすべての議会と、かつて権力を振るいながら統治したすべての王様たちの影響力のすべてを合わせて一つにしても、人類の生活に与えた影響、人々のいのちに与えた影響の偉大さにおいて、あの『ひとりの孤独な生涯』には到底及びもつかなかった。」と言っても決して誤りではないだろう。 「作者不明」あしあと ある夜、わたしは夢を見た。わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。そこには一つのあしあとしかなかった。わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。このことがいつもわたしの心を乱していたので、わたしはその悩みについて主にお尋ねした。「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、わたしと語り合ってくださると約束されました。　それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、ひとりのあしあとしかなかったのです。　いちばんあなたを必要としたときに、あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、わたしにはわかりません。」主は、ささやかれた。「わたしの大切な子よ。わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。ましてや、苦しみや試みの時に。　あしあとがひとつだったとき、わたしはあなたを背負って歩いていた。」 作者不詳 (-∧-)合掌・・・

  2008年01月01日

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• アメジストな年越し

  昨日は、整体ストレッチを本日は気功をわざわざ自宅に来てもらって施術して貰う。このネットで見て・・・・ありがたいことです。久々に魔女の一撃と呼ばれる腰痛に襲われたので、とりあえず年末のお誘いなど断り、家でゴロゴロするのみであります。気功師の宍戸先生とこのところ、アメジストはエネルギーの塊じゃないか？なんてことを聞かされるので戯れにアメジストをヤフオクで幾つか買う。本当は、ドーム型の奴が良いらしいけど・・・・馬鹿でかいし高いので格安のものを幾つか落札したので今度逢った時に見せようかと思う。１キロ前後の丸いのやピラミッド型のアメジストだ。 とりあえず、昨日の整体と大晦日に気功で浄化されたので、腰も落着くのだろうし・・・まったりと過ごしております。御心配してくれた方々、ありがとうございました。以前これまた腰に効くのでは？と神の国で取れる「神天石」を貰ったのでずっと風呂桶に入れてあったり、ややしばらくして岩盤浴だなんだのとこの石も馬鹿高くなって原石はもう手に入らないとのこと。鉱物と浄化ってのは、商売抜きにしてもなんか関係がありそうで興味深い。気功は、本当に不思議な浄化の力なので色々と探求していったら面白いかと思う。本年中は駄文にお付き合いしてくださった皆様方ありがとうございます。来年も何卒よろしくお願いしたします。ｍ(＿ ＿；)ｍ

  2007年12月31日

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  往くフェレ来るフェレ

  今年は、相棒のフェレットぼくちゃんが亡くなり。入れ替わりのように知人の家よりオテンバ「ねぎ２世」が我が家にやってくる。ぼくちゃんが死んでからというもの「しろきち」食っちゃ寝、食っちゃ寝ばかりで元気が無い。ねぎ２世は、元気一杯だ。ねぎ１世と一緒でなかなか写真に収まらない。往くフェレ来るフェレ諸行無常であります。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月31日

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  長南年恵

  日本にも素晴らしい霊能者はいるぞ。なかでも、私が注目するのが明治時代の長南年恵だ。　長南年恵は自分に授けられた霊能力を、まったく無私の心で、人助けのために使った女性で、９割以上の病人を治したともいわれている。だが、民衆を惑わした容疑で、警察に６０日間拘留されたんだよ。　この間、何も食べない、何も飲まない、トイレにも行かない。拘留されている間、ずっと見張られていたから、これは疑いようのない事実なんだ。　彼女は４４歳で亡くなった。そして、やはり自分の死を周囲に予言している。死ぬ間際の写真を見ると、どう見ても２０歳以上には見えないんだ。　身長は１４０cmそこそこ。男２人がかつぐ酒樽を軽々と持って走ったとか、拘置所で空瓶の中に霊水をいっぱいにわき出させて見せたとか、さまざまな逸話が残っている。知れば知るほど、人間とは思えないんだな。　では彼女は、いったい何者か？　私からすれば、まさに霊人そのもの。霊界の存在を確信させる、生きた見本なんだよ。私は近い将来、彼女の映画をつくろうと考えている。それは映画を通して、霊人が実在し、霊界が確実に存在することを証明しようという試みでもあるんだ。http://www.tamba.ne.jp/ma-54.htmと霊界の宣伝マン丹波哲郎が語ると何故かいかがわしい雰囲気が出てしまう「長南年恵」の伝記を雑誌「怪」水木しげるの漫画で読む。「ふしぎな人年恵さん」というとぼけたタイトルだが味わい深い。山形県鶴岡市砂田町の南岳寺には、「長南年恵霊堂」がありその功徳を讃え祀ってある。http://www.ic-net.or.jp/home/rinet/yympnngkj.html全国長南会という会もある。http://www.ne.jp/asahi/chonan/kenkyu/index.htm－ 長南家に、年恵さん以外の超能力が出たという話は、お聞きになったことはございませんか。 「ええ、そういう話は、まったく聞きませんねえ」－ 長南家というのは、もともと山形県の？ 「いや、そうではないようですね。わたしが調べたところでは、もともとは、千葉県長柄郡の南に長南という土地があって、そこの出らし いということがわかっています。で、15世紀の半ばに千葉が甲州の武田に攻められたとき、館山にのがれましてね、あの南総里見八犬伝で有名な南房総の領主、里見家の家来になってるんです。で、里見家では水軍に属し、里見家の没落後は、仙台をはじめとして東北各地に分散してそのいくつか１１家族くらいといわれていますが、それが鶴岡に住み着いたらしいですね。　 鶴岡という土地は、なんでも、かつては落武者の集る土地でもあったといわれますから．．．．」　中村さんの口から、きわめて興味深い言葉が開かれたのは、その後であった。 「千葉や山形をまわって長南家の人たちに話を聞いてみますとね、ほとんどの人が一番遠い祖先は、あの菅原道真だと言うんです。どうやら、長南家の源は、この菅原家にあるというのはまちがいないようですな」　菅原道真。いうまでもなく没した後に、神としてまつられ、学問の神様として知られているあの天神様である。　だが、道真は、何故、死した後、神にまつられたのか。その死がきわめて不当なものだったからなのはいうまでもないが、それ以上に．．．http://www.ne.jp/asahi/chonan/kenkyu/kaiho11.htm長南年恵は、空のビンに一瞬のうちに空中から水分を集めて、そのビンを水でいっぱいにする。この水は「霊水」と呼ばれ、様々な病気を治癒するという効能があり、彼女の元には連日、その「霊水」を求めて大勢の人達が集まり、実際多くの人々が自分の病気を直すことに成功したという。評判が評判を呼び、人の心を惑わす詐欺師ということになり、警察に逮捕されて監獄に入れられてしまった。裁判が行われることとなった。裁判は神戸地方裁判所で行われ、当日は裁判長みずからフタをした50本の空ビンを使って彼女の能力の実験が行われた。大勢の人の見守る中、実験は始まり・・そしてその結果、ものの見事にカラ瓶は一瞬のうちに水で満たされた・・・・・詐欺罪は適用出来ず無罪となる。この事件は神戸地方裁判所にきちんとした記録としても残り更に拘留されていた67日間、排便、排尿が一切なかった・・・・１４年ほどトイレに行かなかったと言われている。何も食べなかった為、警察は困ってしまい、少しでもいいから食べてくれと頼んだ。そして、そんなにみなさんがお困りならばといって食べたのは、少量の生のサツマイモだけだった。 完全に外部と遮断された監房内で、「霊水」「お守り」「経文」「散薬」などをどこからともなく取り出してみせたりと・・・・・ まあ、こういった現象を目の当たりにして色々な人が救いを求め年恵さんの周りに集まった。小説「リング」のモデルとなった御船千鶴子や国家に2度の弾圧を受けた大本教の出口王仁三郎など日本には数々のこういった人々を輩出している。水木さんの漫画の種本となった大本教に籍を置いた浅野和三郎氏の文章は以下で沢山読めるのだから凄い時代だと思う。http://www.books.x0.com/(-∧-)合掌・・・神秘家列伝（其ノ1）神秘家列伝（其ノ3）

  2007年12月31日

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  どん底

  一昨日の２８日に職場の打ち上げでカラオケに行く。２４歳から６８歳までのどん底の面々。結構盛り上がり２時間の予定が３時間に延長・・・・福地画伯となおやくんのデュオは、圧巻の狂気。僕も替え歌などを歌う。みんなでゲラゲラ笑った、カラオケが終わると腰痛が悪化。昨日は仕事納め。湿布を貼ってベルトを締めて出勤。シャーマンオタク杉山明氏を数秒で倒した、シャーマンキング「もんちゃん」の差し入れのつきたての大福餅を食べつつ一年を振り返る。「本当にここに来る人は、ダメダメで最低の人ばかりですから・・・ここに（のほほん工房）に来ないと路頭に迷う人ばかりですから・・・」という６８歳婆の言葉が印象深い。腰痛が酷いので、やや早めに帰る。入念にストレッチなどをする。「哀しみの奥に聖地がある」というオスカー・ワイルドの言葉の通りにこの巨大な精神病院の星の上で日々悲喜劇は繰り広げられ。あるものは、コロコロと死にあるものは、孤独の中にあるものは、幸福の絶頂にどん底で横たわるものやどん底を堀続けるものもいる。あたかもカラマーゾフの兄弟の登場人物のように・・・・・「社会主義は主として無神論の問題である。無神論に現代的な肉付けをした問題である。地上から天に達するためではなく、天を地上へ引き下ろすために、神なくしてたてられたバビロンの塔だ。」ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」より どん底といえばこの人「人間の価値がその仕事できまるものだったとしたら、馬はどんな人間よりも価値があるはずだ。」マクシム・ゴーリキー人類が打ち立てたバビロンの塔により、病む人、衰弱する人、自殺する人が増える先進諸国と略奪が繰り広げられる途上国。そんな我々にとって普遍の状況を物語に精通した二人の作家の言葉が的確に顕す。「人間というものは、不幸のどん底にいる時でも、たいそう見栄をはることがあるものです。」アンデルセン「不幸な人々は、自分よりもっと不幸な人々によって慰められている。」イソップそして、「子供を不幸にする一番確実な方法はなにか、それをあなた方は知っているだろうか。それはいつでも何でも手にいれられるようにしてやることだ。」ルソーなんて言葉もある。「人生を豊かに謳歌するには健康と少しの好奇心と少しのやる気だけだ。」と言ったのは喜劇王チャップリンだが、僕がどん底と呼ぶ人々は、健康もやる気も好奇心も失った人々のことだ。我々の経済成長という名のバベルの塔が尽きる所、自己破壊的でしかないということがはっきりした今。どん底を掘り下げるようなある種の地獄を生きる人が増えるのも止む無しとも思うし、僕もそのような経験をしてみて、尽きる所、現代の問題とは、我が職場の詩人たちが書いた事柄そのものかものなあ・・・・などと思う年の瀬なのであります。「私の小さな願いは、この大きな夜空の星に潰されてしまった私の大きな願いは、今尚 風と共に空気を漂う眠れない一夜を過ごし死ぬ思いも許されなければ何も残らなくていい消えてしまいたいこの大気中に何の意味もなく生き続ける死ぬ事が許されぬままに生きる事さえ許されなければもう何も出来得る事などない私はどうすれば?何処へ行けば?何もわからないから不安も消えぬままこの世界にさようならさえ言えぬままに…」これら失意のどん底を這い上がり登る人もいれば、自虐的に居続ける人もいれば、この世を去る人もいる。人類の幸福を願い築き上げられた現代のバビロンの塔の帰結がおそらく人間のこうした精神の状態であるということは、今後ますますはっきりしていくのだろう。僕はと言えばそういった「どん底」に対して「微笑み」たいなあと心がけるのみなのですが・・・そして「哀しみの奥に聖地がある」というオスカー・ワイルドの言葉を噛み締めるのであります。(-∧-)合掌・・・どん底改版ゴーリキーの名作戯曲を原作に黒澤明監督が脚色！江戸時代の棟割長屋に暮らす貧しい庶民たちの話に置き換えユーモラス＆シニカルに描いたエンターテイメント大傑作！■どん底■東京のどん底から

  2007年12月30日

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• 本物と偽者

  偽装建築だ。賞味期限の偽装だ。偽装宗教だ。偽装国家だ。偽装企業だ。と、世は偽装の大流行である。映し世の　偽装世界で　人は皆　騙し騙され何処へ行く？なんて戯れ句が思わず浮かび。「偽預言者を警戒しなさい。彼らは羊の皮を身にまとってあなたがたのところに来るが、その内側は貪欲な狼である。 あなたがたは、その実で彼らを見分ける。茨からぶどうが、あざみからいちじくが採れるだろうか。 すべて良い木は良い実を結び、悪い木は悪い実を結ぶ。 良い木が悪い実を結ぶことはなく、また、悪い木が良い実を結ぶこともできない。 良い実を結ばない木はみな、切り倒されて火に投げ込まれる。 このように、あなたがたはその実で彼らを見分ける。」 などという聖句が思い浮かぶ。ローマ帝国の支配下にあったイスラエルの田舎の青年が殺され、その言葉が２千年という時を経て未だに残るだのと誰が思ったろうか？などと思うのであります。だとするのら偽者と本物を分かつものは時間なのだろうか？てなことを考えると「あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい。あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちない種から、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。こう言われているからです。「人は皆、草のようで、その華やかさはすべて、草の花のようだ。草は枯れ、花は散る。しかし、主の言葉は永遠に変わることがない。」これこそ、あなたがたに福音として告げ知らされた言葉なのです。」などという聖句をこれまた思い出す。「肉なる者は皆、草に等しい。永らえても、すべては野の花のようなもの。草は枯れ、花はしぼむ。主の風が吹きつけたのだ。この民は草に等しい。草は枯れ、花はしぼむが　私達の神の言葉はとこしえに立つ。」とこの言葉の元となったイザヤ書の聖句も・・・・・イエスは、「人は、パンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つの言葉によって生きる。」と説いたが、我々は、日々のパンを得んが為に、パンだけで生きようとパンを少しでも多く蓄積しようと偽者の世界をそれこそ必死で作り上げるのだ。本物と言えば、近年で言うと.クリシュナムルティだと思う。「宗教とは何か、知っていますか。それは詠唱の中にはありません。礼拝や他のどんな儀式を執り行うところにもありません。ブリキの神さまや石像の崇拝の中にもありません。寺院や教会の中にもありません。バイブルやギーターを読むところにもありません。尊い御名を反復したり、人間の考案した何か他の迷信に倣うところにもありません。これらは何ひとつ、宗教ではないのです。宗教とは善の感情、河のように生きていて永久に動いている愛なのです。その状態で、君はもはやまったく探求のない瞬間が来ることに気づくでしょう。そして、この探求の終わりこそが、まったく違う何かの始まりです。神や真理や完全な善の感情の探求一善や謙虚さの涵養ではなく、心の考案したものや企みを超える何かを探し出すこと、それは、その何かへの感情を持ち、それに生き、それであるということですがそれこそが真の宗教です。しかし、それは、自分で掘った水溜りを離れ、生の河に出ていくときにだけ、できるでしょう。そのとき、生は驚くような仕方で君の世話をしてくれます。なぜなら、そのときには、君の方で世話することはないからです。　君は生そのものの一部ですから、生は君を至る所に運びます。そのときこそには、安全や人々が言ったり言わなかったりすることの問題はなく、それが生の美しさです。」やはり、本物も偽者もその言葉が全てを体現しているし言葉より重要なのは行いなのだろう。この世界の問題の核心は、やはり、我々の目の曇りや心の汚濁に起因するのだろう。本物は偽装などしないしする必要も無く・・・だからこそ偽装に満ちたこの世界で迫害を受け殺されるのだろう。グレシャムの言うように「悪貨が良貨を駆逐する」かのように写るこの偽装世界で、やはり時というフィルターをかけたときに残りうるのは、本物だけだと思う。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月29日

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  ゾエ族の絆

  ５年位昔に安値で買ったハードディスクの付いてないDVDレコーダーがガタついてきたので楽天でハードディスクとVHSデッキ搭載型の「Pioneer デジタルハイビジョンチューナー内蔵ビデオ一体型 HDD/DVDレコーダー“ハイビジョンスグレコ”新製品「DVR-RT700D」を購入する。デジタル放送対応型なのでデジタル化してもしばらくこの機械を使える。どちらもパイオニア製だ。大昔にVHSに録画した「探偵ナイトスクープ」などをそのうちにDVDにダヴィングしようかと思う。年末とあって税務署に出す書類や社会保険庁に出す書類などをシコシコと職場で書きつつ福地画伯と９時半頃まで四方山話をして家に帰り。おそらく年末年始は書類書きを家でしつつ最近またまた腰痛が再発したので年末年始はおとなしくしていようかと思う・・・・脳みその具合も良くないし。そんな状況なので新しい機械を買った最大の理由が以下のような番組を録画する為。ディスカバリーチャンネルシリーズ：少数部族の旅路ゾエ族の絆ブラジルを悠然と流れるアマゾン河は熱帯雨林を支え、数多くの生物を育む命の源。ゾエ族もアマゾンの恩恵を受ける民族である。この地域に何千年も前から住んでいる民族ながら、その存在が明らかになったのは比較的最近のこと。彼らは釣りや狩りを中心とした生活を送り、獲物を求めてアマゾン流域を季節ごとに移動する。家族や仲間との絆を何より大切にする彼らの暮らしぶりには、都会の人間が忘れかけた何かがあるかもしれない。という番組を見て「オーパ！！」状態になる。ネットを探索しているとゾエ族について以下の情報がわかりやすく正確でしたので貼り付けます。世界ウルルン滞在記「ブラジル・今世紀最後の裸族に…辻香緒里が出会った。」（ゾエ族の特集）'99 11/14放映以下抜粋。 ゾエ族は1975年に発見され8年前からＦＵＮＡＩ（インディオ保護局）と接触が始まったばかりの部族である。ブラジル・アマゾンの熱帯雨林に住むゾエ族は外界と全く接触せず、おそらく数千年にわたり自分たちだけで生活してきたと考えられる。現在人口は150人。完全な裸族であり、発見当時は石・木・土器･動物の骨や牙のみを生活用品として所有し、鉄器の使用は確認されなかった。85年から宣教師などが接触をし始めたが、彼らが持ち込んだ病原体により多数の死者がでたため、現在はＦＵＮＡＩの人以外接触は難しい。彼らの生活は漁業と狩りが中心で、弓矢と石で作った武器を用いて獲物を捕る。サルの丸焼きが一番のご馳走であり、サルの頭蓋骨をスプーン代わりに使用している。獲物はみんなで平等に分けて食べる。「家族」という概念もなく、全員が平等で、いわば村全体が大きな一家族である。農業はそれほど盛んではない。ゾエ族の村にはトイレがない。男も女もその場で用を足してしまう。多夫多妻性であり夫にも複数の妻がいて、妻にも複数の夫がいる。 裸族である彼らの服代わりといえるのが、下唇に開けた穴に通す「プックル」と呼ばれる木の棒。子供の頃から少しずつ大きなプックルに慣らしていき、大人達は直径５ｃｍものプックルを唇に刺している。人に裸を見られるのも、排便している姿を見られるのも恥ずかしくない彼らが、唯一恥ずかしいと感じるのが「プックル」を取った姿を見られたときである。 ゾエ族の中はみんな平等で、争いとか嫉妬などは存在しません。出世争いもなければ恋人を奪い合うことも食べ物を奪い合うこともありません。数千年の間、同じ生活が続いてきたと思われます。文明・文化という意味からするとほとんど進歩していないと言えます。競争心とか嫉妬心がないため文明･文化が進歩しないのかもしれません。しかし彼らの心は豊かであり、みんな幸せそうで今の生活に満足しています。彼らは外界との接触を望まず、文明機器を欲しがりません。 ゾエ族は裸を見られても、排便する姿を見られても恥ずかしくありません。唯一「プックル」を取ったときだけ恥ずかしさを感じます。我々の常識や道徳観からは考えられないことです。我々の世界では常識･道徳観の違いというものはしばしば夫婦喧嘩の種ともなりますが、ここまで常識が違うと喧嘩にもなりません。彼らを見て思うことは、常識・道徳観というものはその時代、民族、地域など様々な要因によっていくらでも変わるということです。もし世界の常識・道徳観が画一であるならば戦争が減るかもしれません。反対に国によって常識･道徳観が全く異なっていれば戦争は減るかもしれません。いずれにせよ現代は中途半端なため戦争がなくならないのではないでしょうか。 喧嘩しているそこのご夫婦、そう、あなた！喧嘩を止めましょう！仲良くしましょうね！ ゾエ族は宣教師が持ち込んだ病原体によって多数の死者を出しました。彼らは風邪をひいても死んでしまうそうです。幼い頃から外界と接触しないと、狭い世界の病原菌にしか抵抗力を持てなくなり、今彼らを外界と接触させると全滅してしまう可能性があります。しかし、もしかしたら反対に彼ら独自の病原体がいるかもしれません。彼らだけが抵抗力を持っている病原体。もしそれが世界にばらまかれたら、人類はゾエ族以外すべて滅亡するかもしれません。 貼り付け終わり自然のなかで営々と同じ暮らしを営むゾエ族、畑仕事を手伝ってくれた男性に妻を貸すレンタル妻制度やおよそ私有という考えが無いゾエ族。ゾエ族の複雑な婚姻関係は、未だ謎だそうであります。食べ物を求めてアマゾンのジャングルを旅するゾエの最重要アイテムは、槍とか弓矢、竹の仲間の植物から塩を精製し、栽培した芋は、一族総出で、毒を持っている芋を摩り下ろした後でお手製の籠を用いて毒抜きをする。出来あがった奴が開高健の「オーパ」に登場する「ファリーニャ」だ。やはりというべきか、ペットを飼う。アマゾンの先住民が何故ペットを飼うのか？開高健も不思議がっていたが、獲物として殺した動物の子供をペットとして飼う。移動する時には、椰子の葉でバッグパックを作り、持てるだけ運ぶ・・・・ペットも一緒に・・亀、猿、インコ・簡素な小屋があちこちにあり、巡回してるような感じだった。小屋の周囲に芋を植え・・・・収穫した芋の枝を植えるだけだが・・・・ハンモックも重要アイテムでペット用のハンモックもあり、この辺りが僕を陶然とさせた。魚をもっと捕っても良さそうだが・・・・簡易な猟と釣りだけだった。水を撒くだけで木の実が落ちてきたと魚が寄ってくるというアマゾンの豊穣は、ピラニアを釣るときに釣竿で水面を叩いてから釣るというアマゾン一体にある日本と真逆の釣り。（○￣ ～ ￣○；）ｳｰﾝ･･･ ｗ（￣△￣；）ｗおおっ！と画面を眺める。ゾエ族を見ながらエデンの園で裸だったというアダムとイブの物語などを思い起こしつつ、雑誌「怪」で水木しげる先生の漫画で「マカンダル」ゾンビ伝説というヴードゥー教に纏わる、先住民と黒人奴隷と白人の三つ巴の凄まじい歴史を眺める。文明社会で精神病になりやすい人は、色々な意味で先住民的だなあと思うのですが、我々の不幸は、鉄や銅や金や銀などの地下資源の採掘と加工から始まったのだろうなあ、などと思うのでありました。w((￣￣0￣￣))wオーパ!!OPA オーパ！ 開高健開高健先生と、オーパ！旅の特別料理Pioneer デジタルハイビジョンチューナー内蔵ビデオ一体型 HDD/DVDレコーダー“ハイビジョンスグレコ”新製品DVR-RT700D 即納・クレジットカードOK

  2007年12月28日

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  浅草慕情

  浅草に現はれる乞食は、みなそれぞれに風格を具へてゐるので愉快である。乞食といふ称呼をもってする事は、この諸君に対してはソグハないやうな気がするくらいだ。いかにこれらの諸君が人生の芸術家であるか、また、浅草を彩るカビの華であるかといふことについて語らう。　浅草といふ舞台には、かかる登場者が順次に現はれ、消えてゆく。指がなくて三味線を弾く男――。彼はロハベンチに腰を掛けてゐる。左の手の指が四本ない。残った拇指で、煙管の半分に折れた吸口の方を挟み、その吸口の膨れた部分、凹んだ部分を巧みに利用して絃（いと）をおさへる。バチの代りにマッチの棒で弾く。　離れて聴いてゐると、普通に弾いてゐるのとちっとも変りがない。一ぱいの人だかり、みんな感心して煙管の動きを目で追ひ、熱心に聴いてゐる。中には彼と同じベンチに彼に寄り添ふやうに腰かけてゐるものもある。「立山」を一つ弾いてから、「今度は春雨でもやってみよう、しめっぽいものより陽気な方がいいからね」誰にともなくいふ。さも楽しんでゐるかのやうな話し振りだ。金を彼の膝の脇へ置く者があると、「ヤ、どうもありがたう」といかにも晴ればれと、まるで友達にでも挨拶するやうだ。しかもけっして反感を抱かせない快朗な声である。彼はけっして乞はない。泣言を言はない。彼の指のない理由についても、彼自身からしゃべることはけっしてない。誰かが執拗に尋ねたならば、彼はかく簡単に答へる。「これですかい、工場でやられてね。どうもしやうがない、しばらく寝てゐたが、もう働らくこともできない不具になったんだなといろいろ考へてる内に、ちょっとした拍子からこんなことをはじめてね、イヤどうも情けない仕儀でさア」と、またもや弾きながら小声でうたってゐる。彼を中心とした一団はまことに蟠（わだかま）りがない。彼を卑しめることなく、煙管の折れとマッチの軸によって生じる音色に聴き惚れる。そして、金を置く者があると、「ヤ、ありがたう」と、まるで友達にでも挨拶するやうに、彼は礼をいふ。「乞はない乞食」添田唖蝉坊著二月八日は針供養の日である。浅草の女たちは、この日連れ立って、観音さまの境内にある「淡島明神」へお参りする。お針の神さまであるその頃の下町娘にとって、裁縫はなにより大切な稽古ごとだった。「針がもてない女は、亭主や子供にボロをひきずらせることになるんだよ。そんなことしたら、それこそ女の恥だからね」それが母の口癖で、私も雑巾から始まって、着物、羽織、袴の縫い方まで、とにかく一通り仕込まれた。針の運び方から指貫（ゆびぬき）のはめ方まできびしいものだった。「裁ちものをするときは、まず、おまじないおし」反物の尺をはかって、それをつもって、裁ち鋏（ばさみ）をとりあげたら、まず、その鋏を胸にあてて、「淡島さま、淡島さま。お願いでございます。どうぞ、裁ちそこないをしませんように」これを三遍唱えれば心が落ちつく。その上で、もう一ぺん、つもり違いがないかどうかを確かめて鋏をいれれば、眉山をザックと切って、青くなるようなことは決してない。淡島さまはやさしい神さまで、お針子たちの願いはいつもちゃんと叶えて下さるけど、針を粗末にすると。お怒りになる。仕事にかかるときは、まず、針差しの針の数を確かめ、終わったとき、もう一度数え直す。一本でも足りなければ、どんなことをしても探し出す。そうすれば、うっかり畳に落とした針で歩く人を傷つけることもないし、着物の衿に残した針で、着る人に怪我をさせることもない。「針を粗末にする娘は罰が当たって、一生裁縫がうまくならないよ」私は母にもらった小さい空き缶に、折れたり、曲がったりした針をていねいにしまっておき、それを年一度の針供養の日に、淡島さまへ納めに行った。母の姉――おとみ伯母さんは、仕立物の名人だった。この伯母の縫った着物は、どんなに着ても着崩れしないと言われ、水商売の人たちからも、一年中注文が絶えなかった。人前で、ろくにものも言えないほど内気なこの伯母は、大勢のお弟子さんたちにいちいちやさしく教えながら、小柄な体を前にかがめ、朝早くから夜遅くまで、せっせと針を運んでいた。ひどく口やかましい、芸者あがりの養母を、その針一本で養って、とうとう嫁にもゆけなかった人だが、「どっち道、私はこんな風に生まれついているんだから、いいんだよ」と、愚痴ひとつ言わず、いつも姉思いの勝ち気な私の母を歯がゆがらせていた。（中略）そのおとなしい人が、年に一度、シャンと顔をあげ、嬉しそうに外へでるのは、淡島さまの針供養の日だけだった。髪結いさんへ行っておばこに結いあげ、一張羅の縞お召の重ねを着て、いそいそとお詣りする、この日の伯母さんの顔は、別人のように生き生きとしていた。「．．．．折れた針を、こうして重箱のお豆腐にさして納めるのは、長いこと固い布地と一生懸命たたかってくれてご苦労様、って針をいたわる気持ちなんだよ．．．」そう言って、かたわらの私を振り返り、ニッコリ笑った。その顔には、自分の腕一本で暮らしをささえてきた女の、ひそかな誇りがあふれていた。「私の浅草 」沢村貞子著父は私をダシにして姉二人から小遣い銭をもらっていた。「姉さん、この子を浅草へ連れてくんだから．．．」などといって、一円か二円の端したガネをときどきもらったらしい。そして私を浅草公園に連れて行った。父に連れられて浅草公園の瓢箪池のそばの藤棚の下を通ったら、近くの水族館から逃げ出した大きな青大将という蛇が、棚の上から私の目の前に落ちてきた。私はひどく驚いた。父に連れられて、両国橋のあたりから船賃一銭の乗合いの蒸気船、いわゆる一銭蒸気に乗った記憶もある。一銭蒸気は焼玉エンジンでポンポンというような音を立てて動いたからポンポン蒸気ともいった。船が動き出すと絵本売りがあらわれて、二冊十銭などといっていた本が、終点の吾妻橋のところに着くまでに、おまけがついて五冊十銭になる。父はときどき、それを買って私に読んでくれた。藤棚をくぐると木馬館と水族館があった。水族館には鯛や平目ぐらいの平凡な魚しかいなかった。木馬館は回転木馬に乗せる小屋で入口のところに手さげの鐘を持った呼び込みの男がいた。鐘をならして大方は子どもの客が十二、三ある木馬に乗ると、ジンタ音楽が「天然の美」のメロディーを奏して木馬が上下に揺れながらゆっくくりと二、三周した。入場料は一人二銭ぐらいだった。雷門通りから鮨屋横丁へはいって、公園六区の映画館を行くと、途中から右手は瓢箪池になる。左手には大勝館、萬盛庵という蕎麦屋、江川劇場などがあって、突き当たりには通称十二階、本当は凌雲閣という木造レンガがこいの十二階の展望塔がそびえていた。十二階の下にはさまざまな露店がでていて、一銭、二銭の飲食物や玩具や小間物を売っていた。十二階の裏手には売春街があった。女を売るのか酒を売るのかわからないから、あいまい屋といわれたが、銘酒屋というのが一般的なよび方だった。ちいさな、せまい二階建ての仕舞屋（しもたや）風の家が、くっついて建っていて、そのあいだを細い道が行き止まりなく曲がりくねって続いていた。家々には小窓があってそこから女が通行する男たちに「ちょっと」と、声をかけていた。十二階下の売春街は魔窟ともいわれていたが、関東の大震災後、取り払われて、川の向こうの玉の井と、亀戸の天神さまに近いあたりに分散移転した。その玉の井を素材にして永井荷風が昭和になってから「東綺譚」を書いたのである。加太こうじ著「浅草物語」母が幼い頃、内弟子に入った日舞の師匠の家が浅草にあったり・・・その後船橋に越す。日舞の師匠が住んでいた船橋の家は父が買い取り、最近まで父と母が住んでいた。５歳くらいの時から墨田区八広から隅田川を越え自転車を漕ぎ父と馬券を買いに行ったり・・・・幼い僕には大冒険だった。僕はざっかけな店でラムネを飲みつつおでんなどを食べつつ父が馬券を買ってくるのを待っていた。母方の親戚が仲見世近くのひさご通りで食料品店を営んでいた。紙芝居や駄菓子屋やベーゴマや面子、そんなものが残っていた最後の世代に属するのかも知れない。幼い頃の懐かしい頃の記憶をまさぐると慕情というような言葉が思い浮かびほんのりと江戸の香りがする。添田唖蝉坊沢村貞子という人加太こうじ

  2007年12月27日

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  夢から夢へ

  子供の頃必ず見る夢というのがあった。僕以外の家族が新幹線で関西に行く。僕は、乗り遅れるかして線路を走る。この線路が地下鉄のような不思議な空間で大抵は走ってる途中で目が覚める。そして、必ず熱を出している。稀に追いつくこともあったかと思う。年を重ねるごとに「ああまたこの夢か体調が悪いのだな」などと思うようになり、子供時代が終わるとこの夢は見なくなり、やがて父の転勤で家族は、皆、関西へ越す。そして、姉の精神病の発病という事態になる。昨夜は、色つき、味つきという夢を見た。浦河で勤めていた会社の上司夫婦が焼き鳥屋をやっていて、そこで焼き鳥を食べ、僕は、サイケデリックな宿か？アパートかで暮らす。この焼き鳥がおいしく、宿には、赤い部屋なんてのがあり、その部屋か宿の住人が杉山明氏だったりする。？？？なんだこの夢はと回想していると冒頭の回想にたどり着く。夢を見ている夢なんてのもたまに見る。夢を見て目を覚まし、それが夢でまた寝る、そして夢を見て目を覚ましこれの繰り返し。なんてのもある。昔からの言い伝えで、「良い夢を見たら、じっと自分の胸の中にしまっておいて、悪い夢をみたら、周りの人に話してしまったほうがよい。」とか「一富士、二鷹、三茄子」のような 縁起の良い夢とされる言い伝えもある。夢を食べる獏という空想上の生物もいる。ちなみに昨夜は、「怪」という雑誌で水木しげるの書く明恵についての漫画を読んで妙に感心して寝た。幼くして両親を失い、高雄神護寺に文覚の弟子上覚を師として出家。仁和寺・東大寺で真言密教や華厳を学び、将来を嘱望されたが俗縁を絶ち。19歳から60歳で亡くなるまで、40年にわたって自分が見た夢を書き綴った。　夢の記録を４０年書き連ねた人物はそうは、いないだろう。承安三年（１１７３年）高倉院に仕える武士・平重国の子として紀伊国に生まれる。同じ年に親鸞も生まれている。時代を遡れば斑鳩の時代には夢殿がある。斑鳩宮の跡に行信僧都が７３９年に建てたのが上宮王院。中心的建物に八角円堂の夢殿が建つ。聖徳太子はここに籠もって瞑想することがあったなんて史実もありました。昔の人が、夢や夢解き（夢占い）を重視していたし、近代になってユングもフロイトもこの慣わしを探求しました。嘉禄二年（１２２６年）七月二十一日、明恵は母方の叔父であるとともに自己を仏法に導いた導師であり、また歌学書『和歌色葉』の著者・上覚房行慈（１１４７－１２２６年）から、辞世ともとれる歌を受けとった。見ることはみな常ならぬうき世かな夢かとみゆるほどのはかなさこれに対する明恵の返歌長き夜の夢を夢ぞと知る君やさめて迷える人を助けむ「うき世は夢」と諦念を表明する上覚に対し、「自覚なき覚醒こそが迷い」とし、夢が何であるかを知悉している君であるからこそ、覚醒してかえって迷っている人を助けて欲しいと切り返す明恵。仏道に専心せんが為に２４歳で右耳を切った時には、文殊菩薩を夢を見る。 ３１歳の時には春日明神の夢での託宣により長年の夢であったインドへ渡ることを思いとどまる。当時のインドでは、イスラム教徒の侵略によって仏教が壊滅状態となっていた・・仏教生生誕の地での仏教消滅である・・明恵は、これを知らなかったかと思う。平家滅亡、承久の乱、鎌倉幕府の確立と動乱の時代を生きた明恵。　そんな明恵の不思議な和歌を幾つか・・・・雲を出でて我にともなふ冬の月風や身にしむ雪やつめたき山のはにわれもいりなむ月もいれよなよなごとにまた友とせむうれしさの青淵に沈みぬる浮かぶことぞかなしかるあかあかやあかあかあかやあかあかやあかあかあかやあかあかや月世界中に残る大昔からの言い伝えでは、「現世は夢で夜の夢こそ真」とか「この世は、あの世影」だとか言い伝えられております。僕としては、これらの言い伝えを移ろいやすく、溺れやすく、執着しやすい人という生き物の性を戒めバランスの取れた暮らしを営む為の「智慧」であったのだろうなあ・・・などと夢想するのであります。(-∧-)合掌・・・明恵夢を生きる明恵上人明恵上人伝記法然対明恵

  2007年12月26日

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  アイヌの歌人

  灰色の　空を見つむる　瞳より とどめがたなき　涙あふるる悲しいと　おもはず成せよ　思ふ事 力の限　成せばなるものふみにじられ　ふみしかれしウタリの名　誰しかこれを　取り返すべき有珠湾に まれに訪ひ 来る雁の 群足もぬらさで 去るぞ悲しき亡びゆき 一人となるも ウタリ子よ こころ落とさで 生きて戦へ上記の歌は、アイヌ民族出身のキリスト教伝道者であり歌人であるバチェラー八重子の詠んだ歌。明治17年（１８８４）北海道伊達町有珠にアイヌの豪族である父・向井富蔵（アイヌ名モロッチャロ）、母・フチッセの次女として生まれた。幼名フチ。きょうだいは、上からチミ、フチ(八重子）、トヨ、山雄、富次郎、チヨの６人である。八重子の父はイギリス人宣教師ジョンバチェラーがはじめて有珠を訪ねたときからの知り合いで、八重子は幼少のころからバチェラーによくなつき、７歳のときバチェラーから受洗した。八重子の母は、受洗を勝手にしたと叱ったが、父は八重子の受洗を承認した。 　父・向井富蔵は、相当な見識を持ち、時勢を見る目もあり、財力も胆振国第一位を占めていた時期もあった。八重子が１１歳の春、父が死去した。病床で洗礼を受け、自分の葬儀をキリスト教で行うことを遺言にして、その通りに実行された。八重子の村でははじめての出来事だった。父の遺産である家屋敷を奪われた。小野正次郎によって騙され経済的に困窮する。「悪人が　父の残せる　家破壊し　とく去りゆけと　せまりたる日」と詠んだ八重子八重子は、１３歳のときにバチェラーを頼って札幌に出て、バチェラーの経営する「アイヌ・ガールズ・スクール」で学んだ。さらに東京の香蘭聖書学校（香蘭女学校）に進み、１８歳のときからバチェラーの所属する聖公会の伝道師としてアイヌ伝道に活躍した。八重子は、明治３９年（１９０６）１０月３０日バチェラー夫妻の養女となった。バチェラーは、八重子の弟・向井山雄の才能をも見込んで、立教大学文学部神学科を卒業するまで学資の支援をした。卒業した山雄は、大正７年（１９１８）、執事としてアイヌ伝道を開始したが、大正１０年（１９２１）、按手を受けてバチェラーの後継者として活動を開始し、昭和３６年（１９６１）有珠の自宅で他界した。彼女は宣教師バチュラーの養女となり、伝道につとめながら、ウタリを思う悲しみを短歌につづった。「ウタリ」とは同族、同胞という意味のアイヌ語である。昭和３７年（１９６２）４月２９日没仕方なくあきらめるんだと云う心哀れアイヌを亡ぼした心「強いもの！」それはアイヌの名であった昔に恥じよ　覚めよ　ウタリー勇敢を好み悲哀を愛してたアイヌよアイヌ今何処に居るアイヌ相手に金儲けする店だけが大きくなってコタンさびれた泥酔のアイヌを見れば我ながら義憤も消えて憎しみの湧く獰猛な面魂をよそにして弱い淋しいアイヌの心炭もなく石油さえなく米もなくなって了ったが仕事とてない食う物も金もないのにくよ／＼するな俺の心はのん気なものだ鰊場の雇になれば百円だ金が欲しさに心も動く「アイヌ研究したら金になるか」と聞く人に「金になるよ」とよく云ってやった金儲けでなくては何もしないものときめてる人は俺を咎めるよっぽどの馬鹿でもなけりゃ歌なんか詠まない様な心持不図する何事か大きな仕事ありゃいゝな淋しい事を忘れる様な金ためたたゞそれだけの人間を感心してるコタンの人々上記の歌を詠んだアイヌの歌人の違星北斗は１９０１（明治３４）年余市生まれ。 少年時代より和人のアイヌに対する差別待遇に憤り、和人＝日本人に対する怒りに燃えていたという。１９２５（大正１４）年、２３歳の時、東京府市場協会の職を得て上京。東京ではアイヌ語学者の金田一京助、沖縄学者伊波普猷などと知り合う。金田一京助からは知里幸恵のことを知り、彼女の遺した『アイヌ神謡集』を読んで多大な影響を受ける。金田一を通じてバチラー八重子を知り、彼女の影響を受けて短歌を作り始めます。思想的には、当時流行する社会主義的洗礼を浴びる。　北斗は一年半の上京生活の後、アイヌの復興への想いに駆られ、北海道に戻ります。帰道後は、アイヌの復興の精力的に活動を始め平取のバチェラー幼稚園を手伝い、アイヌ文化の研究に着手し、さらには同志の辺泥和郎、吉田菊太郎とともに「アイヌ一貫同志会」と称する結社をつくり、痔の薬の行商をしながら全道のアイヌコタンをめぐって、同族の自覚と団結を説いてまわりつつ『小樽新聞』や、歌誌『新短歌時代』などで短歌を発表する。　１９２８（昭和３）年４月、北斗は行商の途中で喀血し、余市の兄の家で闘病生活に入り１９２９（昭和４）年に２７歳で死ぬ。聴けウタリー　アイヌの中からアイヌをば毒する者が出てもよいのかシャモと云ふ小さな殻に化石した優越感でアイヌ見にくるなどと歌に託した２７歳で病死した北斗７７歳で死んだ生涯独身だった八重子石のごと　無言の中に　力あれ　ふまるるほどに　放て光をオイナカムイ　アイヌラックル　よく聞かれよ　ウタリの数は　少なくなれり　　　オイナカムイ、アイヌラックルとは、アイヌ信仰や神話にある天降つた神、人間の祖神として崇敬する神格、神でありながら、吾々人間のようだつた人を指す。アイヌの歌人の歌を読みつつ「若きウタリに」という八重子の本などを眺めつつ・・・ ウタリ＝同胞とは何だろうか？などと思う朝。(-∧-)合掌・・・イフンケ「子守歌」あるアイヌの死

  2007年12月25日

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  クリスマスにイエローケーキ

  ２００３年からは、ウイグル族が教育の場で、ウイグル語を使うことも禁止されました。また、２０００年から、７-１６歳の子どもたちが毎年、数千人、内陸の方に連れて行かれて教育を受けさせられるということもやられています。なぜ、私たちの子どもが、自分の生まれ育った土地で、自分たちの言語で教育を受けられないのでしょうか？　２００６年６月からは、ウイグル族の各家庭から少なくとも１人の娘を、内地に労働に行かせることが義務づけられました。「就職させる」という名目なのですが、数百万人の漢人がこちらに来て就職しているのに、なぜなのでしょうか？　「娘を行かせない」と言った親は、取り締まられました（筆者注：この政策について、ラビアさんは記者会見で、ウイグルの娘たちを低賃金労働者として利用しつつ、彼女たちと漢族の男性との結婚を増やし、ウイグル族を漢民族に同化・消滅させる狙いがあると語っている）。　また、ウイグルでは核実験が４５回以上おこなわれました。すぐ近くに人が住んでいる場所でやるので、数多くの人が死にました。生まれてきた子どもが障害を持っていることも少なくありません。政府は被害者に対して何の対策も、何の医療措置もしていません。政府の内部資料によると、死亡した人の数は７０万人です。　ウイグル自治区は、現在中国で唯一政治犯を死刑に処している地域です。たとえば２００４年、現地の政府のトップ・王楽泉は「２００４年１-８月に、２２の組織のメンバー５５人を死刑にした」と言いました。外国のラジオを聞くなど、ちょっとしたことで政治犯にされます。最近は、私たちに「テロリスト」というレッテルを貼るようになりました。　私の監獄での体験はとても話しきれませんが、そのうち２年間は、光がまったく入らない真っ暗な部屋に入れられました。その監獄から出され、アメリカ大使館に引き渡されたとき、政府から「今後、政治的なことは一切話すな」と言われました。しかし、私は話さずにはいられません。その報復として、私が残してきた子どもたちは投獄されています。　今、来年のオリンピックを控えて、今年５月から、ウイグル人のパスポートは強制的に回収され、（ウイグルの内情を外国に知られないよう）国外に出さないようにされています。　私たちの祖国は資源が豊富で、天然ガスや石油が出ます。しかし、それらの資源は剥奪されています。農民の土地も、内陸から来た人に奪われています。　私は、国際社会が動くまでとにかく訴え続けます。ウイグル人は日本に親近感を持っていますし、日本はアジアで唯一、民主主義が進んだ国です。アメリカやヨーロッパの方が私たちに支持や理解を示してくれています。皆さんを通じて日本の行政にもこの問題に関心を持ってもらい、中国政府に実態の改善をするように圧力をかけていただきたいのです。みなさんの力をぜひ貸してください。http://www.news.janjan.jp/world/0712/0712227716/1.php世界中の先住民文化が壊滅状態である。中国のこう言った実情は、あんまり報道されない。これらの事象は、ヨーロッパに征服され破壊されたた世界各地の先住民文化や日本に同化されたアイヌ民族やアメリカに占領されたネイティブ文化日本文化が壊滅状態になっていることと同じかもしれない。世界中の先住民の聖地にウランがあり、ウランを採掘する先住民が病に犯され倒れるようになったのはマンハッタン計画によるアメリカ先住民が世界最初だった。ウランの採掘と精製による核兵器の製造と原発の普及の歴史を眺めると、見事なまでに現代文明の指向が見えてくる。例えば・・・・ナヴァホ族の担当官たちは、火曜日（10月24日）、連邦議会に対し、冷戦期のウラン採掘の結果生じ、いまだに続く汚染の除去のため、少なくとも5億ドル（約６００億円）を要求した。ウラン採掘は、その唯一の顧客である合衆国政府によって1971年まで続けられた。 ナヴァホ族は、また、今までの採掘によって引き起こされた環境破壊が修復されるまで、ナヴァホ国における新たなウラン採掘のモラトリアム（一時停止）を求めた。 http://www.nodu-hiroshima.org/content/view/125/75/インド・ジャドゥゴダ地方のウラン採掘場周辺での放射能汚染問題を取り上げたドキュメンタリービデオで、『ブッダの嘆き』の監督インドのシュリプラカッシュは、　「放射能汚染の危険がある場所でドキュメンタリーを撮影するのは危険ではありませんか？と、よく聞かれます。でも、私たちは選択することができないのです。あれやこれやの問題の中から自分の問題を選ぶことはできないのです。この問題と格闘する以外に私たちの生きる道はないのです。」と述べる。http://www.news.janjan.jp/world/0712/0712227716/1.php英国がオーストラリアで多くの核実験を行い、実験に参加した兵士たち（英、オーストラリア、ニュージーランド）や住民（白人ら）がヒバクしたことはよく知られている。しかし先住民に大きな被害を及ぼしたことはあまり知られていない。英国は1952年に、オーストラリア西海岸沖のモンテベロ諸島で最初の核実験を行ったが、英国政府は、先住民族・アボリジニの存在そのものを無視した。実験の後、3,600キロ離れたクインズランド州沿岸のロックハンプトンで自然界に存在するよりも200倍も高い放射能が検出された。しかし2,400キロ以内に約4,500人のアボリジニが生活していたことは、問題にもしなかった。http://www.gensuikin.org/gnskn_nws/0403_3.htmこういった事象を見事にまとめたのが中国新聞のサイト。　「何百年と続いてきたわれわれ先住民の暮らしと文化が、冷戦期 の三十年足らずのウラン採掘で破壊されようとしている…」ワシントン州東部に居留地のあるスポケーン先住民のアルフレッ ド・ピオーンさんに代表されるような声、声、声。http://www.chugoku-np.co.jp/abom/nuclear_age/index.html大気と水が循環するこの星で悲惨と凄惨に打ちひしがれる事象が拡大生産される。およそ、原油であれ、ウランであれ、植民地代より世界中で行われた残虐な事象が物凄い勢いで流布する。東西冷戦の終結は、これらの始まりに過ぎなかったように。テロとの戦いを合言葉に使用済み核燃料劣化ウラン弾は、今日も火を吹く。今宵クリスマスイヴにウランで出来たイエローケーキなどを考えてみるのも一興かも知れない。もはや、他国や他民族の悲惨が対岸の火事などで無い時代を噛み締める為に・・・・(-∧-)合掌・・・マンガ版劣化ウラン弾劣化ウラン弾放射能兵器劣化ウラン

  2007年12月24日

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  思いは深まる

  スコットランド独立のイギリス王室暗黒戦争映画「ブレイブハート」を観たり、戦時中の鹿島組による中国人強制連行蛸部屋虐殺事件である秋田県の「花岡事件」についてのレポートを読んだり、まあ何を読んでも見ても現代という時代の相似形であろうかという思いのみ深まります。戦争と略奪、自己正当化とエゴイズム、現実逃避と自己逃避、差別や暴力、飢餓や発狂、デマや嘘、殺人、レイプ・・・・・まあ人間が普遍であるという事実と今年一年は、徹頭徹尾調べるべき事を調べた一年でありました。１５歳頃より開高健のナチズムのレポート辺りが始まりで宗教や政治や経済や見聞や経験や読書などを暇にあかせてやってきたことになります。戦争を書いた文学においては原民喜を越す作家は、今の処いないです。アウシュビッツと広島と長崎は、人類史の悲惨として語られる場合が多いですが、チェルノブイリの悲惨は、現代の日本にとって現実の問題として眼前にあるわけですし・・・・次に来る関東大震災で日本などあっけなく滅ぶんじゃないか？などというのが今の所この国に対する印象です。今後起こるであろう、関東に一極集中する日本の首都機能を襲う直下型大地震による２次災害は、おそらく人類史に特筆すべき事象となるでしょう・・・・原発震災を含め。新潟の地震によって原発における耐震構造がやはりというべきか？いかに杜撰な企業方針によって運営されていたかはっきりとした一年でもありました・・・・そして東京電力と国の対応が僕にとってはっきりとこの国の未来を暗示していると確信に至らせました。そんな目から見ると公表された財務省の狂気の予算案もまあしょうがないか、などと半ば厭世的に大本営発表の如く映るのです。テロや戦争すら制御出来ぬ我々は、所詮は、およそエゴや欲の奴隷であろう我々が作り出す未来図など知れたものだということの確認だった一年だったようです。ロスチャイルドやロックフェラーを筆頭とする原子力マフィアは、中国に３００基ほどの原発を建設しこれに連なる日本企業群という図式は、地球温暖化というデマと嘘の大合唱の中で驀進中です・・・・僕に映る中国は世界中から食い物にされるアヘン戦争時代以来のあの中国と何ら変わらなく映ります・・・戦前の日本のように暴走する可能性も秘めてます。これらの本質的問題は大気汚染と海洋汚染でしょうがこれらの声は、企業利益と大国のエゴの前にかき消されます。まあ、そんな我々の真実の姿は原民喜が見事に文章化しております。「戦争について」原民喜コレガ人間ナノデス原子爆弾ニ依ル変化ヲゴラン下サイ肉体ガ恐ロシク膨脹シ男モ女モスベテ一ツノ型ニカヘルオオ　ソノ真黒焦ゲノ滅茶苦茶ノ爛レタ顔ノムクンダ唇カラ洩レテ来ル声ハ「助ケテ下サイ」ト　カ細イ　静カナ言葉コレガ　コレガ人間ナノデス人間ノ顔ナノデス　夕食が済んで病妻が床に横はると、雨戸をおろした四辺は急に静かになる。ラジオばかりが生々しいものをその部屋に伝へてくるのだが、それを聴きながらも、つねにそれを無視しようとする気持が僕にはあつた。それは日本軍による香港入城式の録音放送を聴いてゐた時のことであつた。戦車の轟音のなかから突然、キヤーツと叫ぶ婦人の声をきいた僕は、まるで腸に針を突刺されたやうな感覚をおぼえた。あの時、あの時から僕には、もつともつと怖しいことがらが身近かに迫るだらうとおもへた。それから、原子爆弾による地球大破滅の縮図をこの眼でたしかに見て来たのだつた。　だが、今後も……。人類は戦争と戦争の谷間にみじめな生を営むのであらうか。原子爆弾の殺人光線もそれが直接彼の皮膚を灼かなければ、その意味が感覚できないのであらうか。そして、人間が人間を殺戮することに対する抗議ははたして無力に終るのであらうか。……僕にはよくわからないのだ。ただ一つだけ、明確にわかつてゐることがらは、あの広島の惨劇のなかに横はる塁々たる重傷者の、そのか弱い声の、それらの声が、等しく天にむかつて訴へてゐることが何であるかといふことだ。「屍の街」原民喜　私はあのとき広島の川原で、いろんな怪物を視た。男であるのか、女であるのか、ほとんど区別もつかない程、顔がくちゃくちゃに腫れ上って、随って眼は糸のように細まり、唇は思いきり爛れ、それに痛々しい肢体を露出させ、虫の息で横たわっている人間たち……。だが、そうした変装者のなかに、一人の女流作家がいて、あの地獄変を体験していたとは、まだあの時は知らなかった。「なんてひどい顔ね。四谷怪談のお岩みたい。いつの間にこんなになったのかしら」と大田洋子氏は屍の街を離れ、田舎の仮りの宿に着いたとき鏡で自分の顔を見ながら驚いている。それから、無疵だったものがつぎつぎに死んでゆく、あの原子爆弾症の脅威を背後に感じながら「書いておくことの責任を果してから死にたい」と筆をとりだす。こうした必死の姿勢で書かれたのがこの「屍の街」である。銅色に焦げた皮膚に白い薬や、油や、それから焼栗をならべたような火ぶくれがつぶれて、癩病のような恰好になっていた。これは、この著者が目撃した、惨劇の一断片であるが、こうした無数の衝撃のために、心の傷あとはうずきつづけるのだ。著者は女性にむかってこう訴えている。　生きなくてはならない一人の女の右手が、永久にうしなわれて行くのでしたら、戦争そのものへの抗議と憎悪が日本中の女の胸に燃え立つはずです。そして時折思い起こす「鎮魂歌」における原民喜人間の歌。死について　　死は僕を生長させた愛について　　愛は僕を持続させた孤独について　　孤独は僕を僕にした狂気について　　狂気は僕を苦しめた情欲について　　情欲は僕を眩惑（げんわく）させたバランスについて　　僕の聖女はバランスだ夢について　　夢は僕の一切だ神について　　神は僕を沈黙させる役人について　　役人は僕を憂鬱（ゆううつ）にした花について　　花は僕の姉妹たち涙について　　涙は僕を呼びもどす笑について　　僕はみごとな笑がもちたい戦争について　　ああ戦争は人間を破滅させるとまあ、僕の人間に対するある種の思いは深まるばかりであります。(-∧-)合掌・・・原民喜戦後全小説（下）原民喜

  2007年12月24日

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  泡のような人間

  ゴールドマン・サックスは,他社に先駆けていち早くサブプライム危機を察知。関連商品の下落を予想し、損失回避策を講じただけでなく、積極的に空売りを仕掛けるなどして、利益を上げた。2006年には、94億ドルもの記録的な純収益を計上し、社員一人当たりに約7,300万円のボーナスを支払ったといわれるゴールドマン・サックス。2006年、ヘッジファンドのトップ・マネージャー25人の収入総計は140億ドルを超えた。栄えある第一位の座を昨年に続き確保したジェームズ・シモンズは17億ドル（約2,040億円）を稼ぎ出している。米証券大手のモルガン・スタンレーは、１２月１９日、９月から１１月期の決算で、サブプライム関連の評価損が約９４億ドル（約１兆６００億円）に拡大し、赤字に転落したと発表した。メリルリンチにシティグループにベアー・スターンズも巨大な損失を生み出す。サブプライム問題が騒がれだすとゴールドマン・サックス出身のポールソン財務長官やゼーリック世界銀行総裁らが、サブプライム・ローンの救済基金を設立するらしいといった情報が相次いで流された。これらは、日本のバブル崩壊のことを思い起こす。今回の場合は公的救済を世界規模でということになる。お金持ち雑誌『フォーブス』誌が2007年度の長者番付を発表した。2006年には10億ドル以上の金融資産を持つビリオネアは400人ほどであったが、今回は480人に増えていた。 同誌によれば、今回新たにランクインした大富豪の半分が、ヘッジファンドやプライベート・エクイティ・ファンドのマネージャーである。これらのマネーディーラー現代の錬金術師たちは、ゴールドマン・サックスのように今回の危機を売り抜けた人々ということになるのだろうか？バブル経済というカジノゲームの終焉は、まあこんな所かと思う。これらカジノゲームのような金融戦争経済の上に世界中が巻き込まれ・・・・そして帝国データバンクが発表によると、2007年1～11月の器用倒産累計は1万68件を数え、すでに昨年の年間合計（9351件）を上回った。倒産が増加している業種では建設業、サービス業、小売業、規模別では負債1億円未満や資本金1000万円未満など小規模倒産の増加が顕著で、全体の倒産件数を押し上げている。人の不幸はわが身の幸せというような状況なのかも知れない。一方で国家の莫大な税金を投入して救済され吸収合併を繰り返すわが国のメガバンクと言えばみずほフィナンシャルグループは１２月２１日に米大手銀行が計画する「サブプライム救済基金」への協力要請に対する方針を、米側に伝えた。融資枠５０億ドル（約５５００億円）の設定には現段階で応じられない、と回答したとみられ三井住友フィナンシャルもすでに同様の考えを米側に伝えたほか、三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループも現在の条件では要請に応じない方針を固めているそうであります。アメリカの住宅バブル崩壊により莫大な損失を出した企業と空売りをして儲けて金や穀物、石油、天然ガスなど資源バブルへの乗り換えを図って、大きな収益に結びつけた人や企業もいるというわけだ。そして、マネーゲームである先物取引や投機筋や戦争などによる原油価格の高騰は、インフレを発生させる。まあ、一人握りの白人貴族や王室やその使用人たちが儲けるだけ儲けてその他大勢は、騙されつつ欲望の海を泳ぐか、一方的に毟り取られるかハタマタ病人になって朽ち果てるか。まあ、それは、それでしょうがないのかなあなどと思いつつ、人間のエゴや見栄や欲が引き起こすこの世界の狂気はいかんともしがたく、ある種の破局へ向かうしかないかとも思いつつ・・・貧富どちら側にもこれらの問題は心に根深く巣食うわけだし。そんな事を考えつつ思い起こすのはそんな世間に見切りをつけて隠遁した大昔の人物の名文などであります。「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。世の中にある人とすみかと、またかくの如し。玉しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいやしき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。或はこぞ破れ（やけイ）てことしは造り、あるは大家ほろびて小家となる。住む人もこれにおなじ。所もかはらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。あしたに死し、ゆふべに生るゝならひ、たゞ水の泡にぞ似たりける。知らず、生れ死ぬる人、いづかたより來りて、いづかたへか去る。又知らず、かりのやどり、誰が爲に心を惱まし、何によりてか目をよろこばしむる。そのあるじとすみかと、無常をあらそひ去るさま、いはゞ朝顏の露にことならず。或は露おちて花のこれり。のこるといへども朝日に枯れぬ。或は花はしぼみて、露なほ消えず。消えずといへども、ゆふべを待つことなし。』およそ物の心を知れりしよりこのかた、四十あまりの春秋をおくれる間に、世のふしぎを見ることやゝたびたびになりぬ。」まあ、人間もこの世も泡のようなもんだと思う昨今であります。現代においては地球環境が我々人間の心のように醜く蝕まれ生物が住めなくなりつつあるということでありましょう。(-∧-)合掌・・・方丈記新訂（改版）

  2007年12月23日

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  水木さんの幸福論

  「大勢が死んで行った。祖国の為、愛するものの為に勇敢に散った人もいるが、無謀な命令のためによる死も少なくなかった。この陣地を死守しろとか、あの丘を攻略しろとか、大局から見るとちっぽけなことにこだわり、死が美化された。面子、生き恥、卑怯という言葉のために多くの兵士が死んだ。」「水木さんの幸福論」水木しげる著奇人変人妖怪博士の水木しげる先生の著作をボチボチと読む。フィリピンで奇跡的に生き残った父方の祖父のことなどを思い起こす。日本に帰国後しばらくして死んでしまったが・・・・昭和２３年頃だったかと思う。そして上記の言葉は、現代日本にもそのまんま当てはまるかなあ・・・と思う。軍隊の虚無的ないじめに関しては山本七平氏の著作で随分と読んだ。この国の体質ともいえる「いじめの伝統」は、体育会系的な「ノリ」で現代も引き継がれ、自衛隊員の自殺報道などを見るとあれだろうなあ・・・などと推測する。「ビンタの王様」とあだ名されるほど、毎日殴られ部隊が歩く時はいつも先頭で、弾除けにされた水木しげる。「ある日、見張りをしていた時、敵が後ろから攻めてきて部隊が全滅したことがありました。私ひとりだけ生き残った。夜の間に敵は我々を包囲していて、私が皆を起こしに行くのを待っていた。だけど私は、オウムが面白いので望遠鏡で見ていたんです。オウムは時間がきても面白さをやめないじゃないですか。そのうちに日が昇って、しびれをきらした敵が撃ってきたんです」「命からがらジャングルを5日間さまよい、運良く日本海軍の小隊がいる小屋にたどり着いた。陸軍に戻ると、兵隊たちは水木さんの奇跡の生還を喜んだ。しかし上官は言った。「なぜ、死なずに逃げたのか」水木さんはその後、マラリアを患い、敵の急襲で左手を失った。「左手がなくなってからは、ある程度規律もゆるくなった。私は純朴で温厚な原住民たちと妙に気があって、つきあっていました。ひとりだけフラフラと集落を訪ね、配給の煙草と果物なんかを交換したりね」狭い陰湿な国土に多くの人間がひしめき、現代においても年間３万人以上が自殺していくこの国は、ある種の戦争状態と言って良いかと思う。大本営アメリカの圧力によって規制緩和を進める中でおそらくこの国は、更なる過酷な競争に晒される。およそ軍隊という組織に馴染まぬ水木しげるがおちこぼれ２等兵としてビンタといじめに耐え抜き、左手を失い帰国後も生きんが為に紙芝居、貸本、少年誌などに絵を描き続けた。餓死するものが後を絶たず、これまた過酷な競争でもあり戦争でもあった。そんな地獄を潜り抜けた幸福論は以下の７か条だという。第一条　成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。 第二条　しないではいられないことをし続けなさい。 第三条　他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。 第四条　好きの力を信じる。 第五条　才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。 第六条　怠け者になりなさい。 第七条　目に見えない世界を信じる注・・・・若い頃は怠けてはいけないそうだ。以下、水木さんの名言を幾つか・・・「私は子供の頃、『頭が悪い』ってよく言われた。理由は、自分の言うとおりにしか自分を使わないから（笑）。それは今も同じで、人の言うことはあまり聞かない。水木さんは（※水木さんは自分のことをこう呼ぶ）、べビイ（※水木語で子供のこと）の時から、勝手に自分の哲学を持っとったわけです。だから幸せになれた」「私は3人兄弟でね、兄貴は優等生だった。朝遅く起きると、兄貴は飯を食わずに学校へ行く。私はそれを全部たいらげて行くから、いつも2時間目から登校。学校に遅れて先生に立たされても気にしない。人と違っていても、それほど悪いことをしたとか、大変なことをしたとか、思わなかった。わが道を行くという感じでしたね」「好きなことで生きていくのは、大変な努力がいりますよ。ボヤッとして、まじないみたいなものを信じているような気持ちじゃ駄目です。実際に世の中へ出て、金儲けないかんから。でも無理して嫌いなことをする必要はないと思いますよ。そのかわり頭も身体も十分使って、うまくいくように自分を持っていけばよろしい。私から言わせると、誰でも好きなことで飯は食えるんです。みんな頭も身体も使わなさすぎです。いくらでも努力と工夫の余地はある。世の中、馬鹿で怠け者が多すぎます。それなのに欲望だけが肥大して努力せずに欲しいものを取ろうとするから、無理がいくんです。見通しが甘い。まぁ、私は軍隊でえらいめに遭わされたから、不満も何もなくなってしまったんですけどね。」イヤハヤなんとも妖怪である・・・・本物の。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月22日

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  お金と呪術

  「私は、問題点の中心は、金融システムにあると信じます。1971年、ニクソン大統領がドルを金本位制から切り離したときから、私たちは歴史的に前例のない時代を生きているのです。現実的な経済に対して、安定させる何の保証もない通貨の時代が始まり、その不安定な通貨が世界を混乱させているのです。今日の不況は、1930年よりもひどいかも知れません。当時の不況は、アメリカやヨーロッパに限定されていました。われわれが今持っている世界規模の経済システムこそが問題なのです。異なる通貨システムは、異なるタイプの関係性を築くと思います。私たちが常識だと思って使用している通貨は、国や企業に、競争を強いる性格を持っています。金融システムが競争を前提として機能しているのです。もし私が、あなたと協力関係になりたかったら、実際にそれを築くような別の通貨が必要なのです。目的に応じて、道具は使い分けるべきです。ですから私たちには、複数のお金が必要なのです。経済の未来は、私たちがどんな関係を持ちたいかで決まります。世界中で、何千も使われ始めた地域通貨は。その関係性を回復するための一つの新しい道具なのです。」「そこで私が考えるのは、もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実態に対応する価値として位置づけるべきだということです。そのためには現在の貨幣システムの何が問題で何を変えなければならないかを皆が真剣に考えなければならないでしょう。人間がこの惑星上で今後も生存できるかどうかを決める決定的な問いだと私は思っています。重要なポイントはたとえばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は２つの全く異なった種類のお金であるという認識です」「お金を作りだし、増やしてゆくのは、錬金術のやり方にきわめて似ています。錬金術は人間の欲望が作り出したものです。錬金術は、鉛から金を作りだそうというものですが、ありふれた鉛を金という価値のあるものに変えてゆくという考え方は、現代にも通じるものでしょう。通貨を印刷し、さらに利子がそれを増やしてゆくわけですから。そのお金が一人歩きし、自然環境やモラルに影響を与えています。お金を考えるとき、モラルの問題を忘れてはなりません。お金には倫理的問題が存在するのです」「利子は未来へ問題を先送りしています。このまま利子が膨れ上がってゆくとしたら、計算上遅かれ早かれ、大体２世代後に、経済的な破滅か、地球環境の崩壊かのいずれかへと突き当たります。それが根本問題です。信じる信じないの問題ではなく、だれでも、コンピューターがあれば、計算できることです。このシステムから利益を得ているのは、ほんの一握りです。今のアメリカでは、人口の1％が、その他の99％よりも、多くを所有しています。つまり、一方でどんどん貧しくなる国があり、自然環境も奪われ続けています。その一方で、少数の者たちが広大な利益を吸い上げてゆく、それが今の経済システムです。」「古い文化が残る世界のどの町でも、その中心には、聖堂や神殿があります。そこから秩序の光が発していました。今日では大都市の中心には銀行ビルがそびえ立っています。私は、『ハーメルンの笛吹き男』をヒントにした最新のオペラで、お金があたかも聖なるもののように崇拝され、祈りの対象になっている姿を描きました。そこでは、『お金は神だ』とまで、誰かがいいます。なぜなら、お金は奇蹟を起こすからです。お金は増え、しかも、永遠不滅という性質があります。しかし、お金というのは、神とは違って、人間が作ったものです。自然界に存在せず、純粋に人間によってつくられたものがこの世にあるとすれば、それはお金です。だから、歴史を振り返るということが重要なのです。」「今日のシステムの犠牲者は、第三世界の人々と、自然に他なりません。このシステムが自ら機能するために、今後も、それらの人々と自然は、容赦なく搾取され続けるでしょう。このシステムは、消費し、成長し続けないと機能しないのですから。成長は無から来るのではなく、どこかがその犠牲になっているのです。歴史に学ぶものなら誰でもわかるように、理性が人を動かさない場合には、実際の出来事が、それを行うのです。私が作家としてこの点でできることは、子孫たちが同じ過ちを冒さないように考えたり、新たな観念を生み出すことなのです。そうすれば、この社会は否応なく変わるでしょう。世界は、必ずしも滅亡するわけではありません。しかし、人類はこの先、何百年も忘れないような後遺症を受けることになるでしょうでしょう。人々はお金を変えられないと考えていますが、そうではありません。お金は変えられます。人間が作ったのですから。」何回か僕のブログで登場した言葉で上記はNHKの番組「エンデの遺言」より・・・NHK出版より本にもなっている。民俗学者、新谷尚紀さんは「お金は、縁起物であるのと同時にケガレた物でもある」（山川出版社『お金の不思議』所収「貨幣には死が宿る」）北海道から鹿児島まで、列島のほぼ全域の地中から、カメや桶などに入った大量の硬貨が発見されるのだ。鈴木公雄さんによると、規模が１０００枚以上のケースだけでも、２１１例以上、３４６万枚以上が見つかっている。しかも不思議なことに、この風習は１３世紀半ば（鎌倉時代）に始まり、１６世紀後半（室町時代）を最後に消えてしまうのだ（雑誌『大航海』１４号）。土中にお金を埋める行為にどんな意味があったのか。これには、対立する二つの解釈がある。一つは隠し財産である「備蓄銭」だったと見る説。もう一つは呪術的な意味で埋められた「埋納銭」と見る説で、網野善彦さんが唱えている（新潮選書『歴史を考えるヒント』）これらの現象を説明するに「払う＝祓う」という説がある。貨幣呪物論である。西欧では、貨幣が流通し始めるのは中世十字軍以降ルネッサンス期頃で日本では室町時代以降である。しかし貨幣自体はそれ以前からあった。通貨として流通する前、貨幣は直接的な呪物としてあった。「お金は誰がさわったか分からない。汚いから、お金にふれた手をなめたりしてはいけないよ」なんて言葉から。1ドル札の裏に印刷されている目について神の目だとかフリーメーソンのシンボルだとか・・・これは、メーソンリーも認めている「万物を見つめる目」って奴だ。僕にとっては現代の貨幣制度も呪術そのものだと思う。中央銀行とその信用創造に国債という愚行。実際アメリカでは、人口の１％が、その他の９９％よりも多くの資本を所有する。これらが呪術ないし錬金術だと僕は思う。網野善彦氏の記述で面白いなと思ったのが。太古の時代には虹が立った所に市場が立ったという古の史実があったという。虹とはこの世とあの世を繋ぐ架け橋であるという。貨幣とは市場とはなんてことを考えるとその昔に棺おけに三途の渡し銭として６文銭を入れた風習を思い出す。おそらく貨幣の起源はこんな呪術的なものだったかと思う。銭洗い弁天や賽銭。そして埋蔵金。貨幣と呪術に関して思うことは多い。鉛から金を生み出そうとした錬金術の行き着いた先が現代のエンデの指摘する金融システムかも知れない。そしてゴールド金の持つ魔力もこれに劣らずで、近々金本位制や原油と掛け合わせた兌換紙幣への移行なんてのも現実味を帯びる。ドルを刷る事で世界中から買い集めたゴールドがアメリカ中央銀行FRBの金庫にはある。あたかも土中に埋められた「備蓄銭」のように・・・・ドルも円も紙切れ、金もウランも金属、そして原油は・・・・これらに様々なことどもを投影し呪術的な営みを続ける我々ではあるかと思う。当たり前のことも書いておこう。貨幣経済以前の世界では、等価の物々交換とともに、昨日書いたポトラッチのような「贈与」という経済があった。大盤振る舞いする贈り主とこれにあずかる贈られた者との上下関係の経済。この経済の世界は、そういう意味で不自由で主従関係性の強い社会であり、イスラムなどに多く残る横行部族的な社会などを指す。この段階では、貨幣は神の使いである王が交付する特別なモノ、聖物や呪物としてある。それは直接魔術的に用いられる何ものかであった・・・・故にイスラム社会では利子を禁止する伝統が未だ残るのでは？なんて見方が出来る。貨幣経済の登場はこの贈与による社会関係の形成を無化した。この発明者が被差別民族ユダヤ人であったというのも特筆すべき事柄かと思う。これが現在言うところの銀行の信用創造であり市場経済である。流通貨幣によって、上下関係が生じない、品物と貨幣の交換が初めて可能になった。そして当然の如く・・・・新たな格差が生まれるのだが・・・・人口の１％が、その他の９９％よりも多くの資本を所有するような格差。まあ、モーセの時代に荒野で純金で出来た金の像を拝んでたエジプトで奴隷だったユダヤ人のように現代に住む我々もまた、紙幣や預金通帳や株式市場という虚無を拝み虚無を生きる。グローバル化や民主化とは尽きる所この偶像崇拝の布教に他ならない。人間とは本当に不思議な生き物だと思う。お金という紙切れを崇拝し、自らの手足を食いつつ、自らの環境を破壊し、未来を食いつぶしているのだから・・・(-∧-)合掌・・・エンデの遺言

  2007年12月20日

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• ポトラッチ

  日記をUPしようとしたら。 「下記、1箇所の入力エラーがあります。 ・ 禁止されているワードが含まれています ▼入力項目の下に が出ている項目を再度、選択または入力してください。」 と出ました。楽天の説明を読むと。●書き込み時にエラーがでてしまった 楽天ブログはスパム対策の一環として記載禁止リスト機能を実装しております。 その結果一部の文言、URLを入力した際にエラーが出る場合がございます。 記載禁止リストについてのお問い合わせにはお答えすることが出来ませんので、ご了承ください。 ※禁止リストは定期的に追加、更新してまいります何が「禁止されているワード」か不明なので本日は。↓でお読み下さい。http://ameblo.jp/nohohonkoubou/entry-10060984296.html(-∧-)合掌・・・

  2007年12月19日

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  虚無への衝動

  暇もなき焔の中の苦しみも心おこせば悟りにぞなる心から心に物を思わせて身を苦しむる我身なりけり世をすつる人はまことにすつるかはすてぬ人こそすつるなりけれ超えぬればまたもこの世に帰り来ぬ　死出の山路ぞ悲しかりける世の中を夢と見る見るはかなくも　なお驚かぬわが心かな　年月をいかでわが身に送りけむ　昨日見し人今日はなき世に上記は、平安貴族時代の終わり頃に出家して心のおもむくまま諸所に草庵をいとなみつつ諸国を行脚して漂白の旅に出て多くの和歌を残した西行の歌。ねかはくは　花のしたにて　春しなん　そのきさらきの　もちつきのころ消えぬべき法の光のともし火を　かかぐるわたのとまりなりけりという晩年の歌も残る。鴨長明や吉田兼行は世俗から隠遁し、西行や芭蕉、良寛は、漂泊の旅に生きた。人生から降りちゃうのか？人間社会の人間関係で心蝕まれることを忌避するのか？はたまた求道か？西行と言えば桜を詠んだ歌が多い。風に散る花の行方は知らねども惜しむ心は身にとまりけり 　 散る花を惜しむ心やとどまりて又来む春の誰になるべき西行が出家のした時に衣の裾に取りついて泣く我が子を蹴落として家を捨てたという・・・・捨てた先には、幾ばくかの後悔や未練という煩悩が残り、煩悩から逃れようもない人間の性が西行の歌から偲ばれる。それでも、そうせずにはいられないのは、「虚無への衝動」じゃないか？などと思うのでね。株屋だったゴーギャンが西洋文明に絶望して楽園を求め仕事と家を捨てタヒチに渡り「われわれはどこから来たのか　われわれは何者か　われわれはどこへ行くのか」という有名な絵を貧困と絶望の内に描いたように・・・・ゴーギャンにとってタヒチも決して楽園ではなかったようですが・・・現代社会はグローバル化が進み、人間の数も増えるだけ増え、隠遁も漂白も難しくなり、だからといって、そうそう容易く日本人の深層の心性が変化するとも思えず。わが国において隠遁文学というジャンルが連綿と受け継がれ、昨今で言えば「ひきこもり作家」などがこれにあたるのでしょうか？漫画家吾妻ひでおの「失踪日記」やその後のエッセイを読むと、やはりと言うべきか？原家族の問題があったようですし・・・・ある種の境遇や感性にとって人間関係という地獄からの逃走が漂白や隠遁だったのでは？などと思うのであります・・・そうしてこういった人々にとっての芸術が命を削った殉教に近い形で表現されます。西行が生きた時代に近い平安時代には、後三条天皇の娘が精神病を患って、京都岩倉の大雲寺にある泉の水を飲んだところ回復したという伝説があり、これに基づいて、日本各地から精神病者がこの京都の大雲寺にお参りにきました。やがて精神病者を宿泊させる宿が、大雲寺の周辺に発達したというのが岩倉の起源とされています。貴族社会であろうが、資本主義社会であろうがどうしようもなく病むという構図は、２世、３世の企業家や政治家や官僚が跋扈する現代日本とさして変わりがないのかも知れません。まあ、そんな人間の暮らしを眺めつつ隠遁した西行が詠んだ歌などを最後に世の中を夢と見る見るはかなくもなほ驚かぬわが心かな (-∧-)合掌・・・西行物語西行の思想【古本】失踪日記／吾妻ひでお

  2007年12月18日

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  ユダヤ人の不幸

  われわれは自分が放棄するものしか所有しない。放棄しないものはわれわれの手をすり抜ける。この意味で、神を経由せずにはなにひとつ所有できないといえる。存在と所有。人間は存在を持たない。なにがしかの所有を持つだけだ。 人間の存在は、幕の向こう側、超自然の側にある。人間が自己自身について知ることができるのは、情況によって人間に貸し与えられているものにすぎない。感覚の中に存在する神、それはまだ執着である。だから「わが神どうし てわたしをお見捨てになったのですか」という中を通ってこなければならない。極度の不幸は、感覚からあらゆる執着の対象を取りさるとともに、神をも取り去ってしまう。ただ生のみが、感覚にそのまま現存しつづける。そのときに死を受け入れることが、完全な死の受容であり、完全な自己離脱である。ひとが自慢するもの、それはかならず、情況次第で奪われる可能性のあるものである。したがって自慢は虚言である。この虚言を自覚すること、それが謙遜の徳である。「わたしは自由である」というのは、いわば矛盾である。なぜならわたしの中にあって、自由でないものが、「わたしは」と言っているからである。神は（子なる）神が自分に向かって叫ぶままに放置し、答えようとしなかった。なにかを意味する物音が欲しいと臓腑の奥から切望し、答えを求めて叫んでいるのに答えが与えられない。まさにそのとき、われわれは神の沈黙にふれる。上記の言葉はシモーヌヴェイユの言葉たち。シモーヌヴェーユは、その晩年であった３０歳過ぎにニューヨークに亡命しハ－レムの黒人教会に出入りする。黒人霊歌、ネイティブアメリカンなど各国の民間伝承に関心を示す・・・・おそらく自らの投影としてジューヨーク＝ユダヤ人の街などと揶揄される街で黒人教会とネイティブアメリカンの伝承などに興味を示すも半年ほどでロンドンに渡り栄養失調から急性肺結核となり、療養中も食事の摂取を拒否し、衰弱が進み客死する。シモーヌヴェイユの言葉たちに僕はユダヤ人という不幸な血を見てしまう。僕が長年ユダヤ人に対して興味津々なのは、こういう部分だ。明らかに日本人には、少ないタイプで日本人で言えば一遍や宮沢賢治などを僕は思い浮かべる。更にシモーヌヴェイユの言葉を幾つか・・・・・さまざまとある正しい宗教の伝承は、すべて同一の真理の種々ことなった反映にすぎず、おそらくその貴重さはひとしいのです。ところがこのことが理解されていません。各人はこれらの伝承のひとつだけを生きており、他の伝承は外側からながめているからです。神について考えようとするときに、何ひとつ捨てようとしない者は、自分の偶像のひとつに、神の名をつけているにすぎない。このことにはどんな例外もない。人間が神の方へ向かっていくのではない。神が人間の方へ来てくださるのである。人間はただ、じっと見つめ、待ちのぞむだけしかない。 あわれみと感謝は、神からくだってくる。そして、あわれみと感謝がふと視線を交わすとき、その視線がであう点に神が臨在したもう。 地球の表面を覆った不幸は、わたしの心に取り憑いて離れません。わたしは自分の能力が駄目になってしまうほど打ちひしがれてしまいました。たましいはただ、神の方にむかって、生命のパンに飢えていると泣き叫ぶだけでいい。一瞬のたえまもなく、疲れも知らずに、赤ん坊が泣き叫ぶように・・・。みじかくて終わりが定めなく、終わりが定めなくてみじかいこの地上での滞在のあいだ、ただこのように叫ぶこと、そして無の中へと消えて行くこと、---それだけでいいのではないか。それ以上何を求めることがあろう。・・・せめて、今から、死の瞬間にいたるまで、わたしのたましいの中には、永遠の沈黙のうちにはてしなく叫ばれるこの叫びのほかには、どんな言葉もなくなってしまえばいい。シモーヌヴェイユは自らの経験を元に神を否定する人の方が、おそらくは神により近いと言った。「苦痛や極度の疲労がこうじて、たましいの中にこれは果てしなく続くのではないかとの感じが生じるまでになったとき、その果てしなさを素直に受け入れ、愛しつつ、それをじっと見つめつづけるならば、人は、この世からもぎ離されて、永遠にいたる。」自らの同胞である、アウシュビッツの囚人を思いつつ、食事を拒み持病の頭痛と衰弱の中で永遠に至ったシモーヌヴェーユ。生きてる間は、間抜けでダメダメでやろうとすることが何も出来ず、兄の天才に羨望し怖ろしいばかりの目を備えつつ・・・・・純粋さとは、汚れをじっと見つめうる力である。ある事象が神に発していることを示す公準は、真理を宣言し正義を愛するという能力こそ喪失しないが、それらが狂気の性格のいっさいを現しているということである。 こんな言葉を残しつつ彼岸に渡った。人間的なからくり。苦しんでいる人はだれしも自分の苦痛をうつそうとするある場合はだれかをひどい目にあわせることによって、またある場合はほかの人に憐れみをもよおさせることによって─それは苦痛をやわらげるためであり、実際そうして苦痛はやわらぐものである。極端に低いところにいる人が、(子供がなかったり、愛してくれる人がなかったりして)だれにも同情されず、だれをひどい目にあわせる力ももたないとき、その苦痛は彼のうちにこもり、彼を毒する。それは重力のように権柄づくである。どのようにしてそれから解放されることができるだろう?重力のようなものからどのようにして解放されることができるのだろうか?あまりにもつらい状況は人の品位を落とす。そのからくりはつぎの点にある。高尚な感情によって供給されるエネルギーは─通常─限られており、その状況がこの限界を乗越えて行くことを要求するときは、もっとエネルギーに富んだ低級な感情(恐怖、渇望、新記録の趣味、外面的な栄誉など)に頼らねぱならないからである。このような限界のあることが、多くのあともどりの理由を説き明かす鍵になっている。善への愛にうながされて、苦しむべきことの多い道に足を踏み入れ、ある期間を経過してから自己の限界に達して品位を落とす人びとの悲劇。われわれは、自分自身の奥底まで降りて行くと、自分が欲求しているものを過不足なく所有していることがわかる。われわれがある(いまは亡き人をなつかしく思うとき、われわれは特定の限定された人をなつかしんでいる。したがって、それはどうしても「死すべき人」でなければならない。そしてわれわれはその人をなつかしく思う。あの人はこうした、とか、あの人にこうしてあげたとか、……要するに、ある目、ある時刻に死んだ人をなっかしむのである。そしてわれわれはその人を有つ─死せるものとして。われわれが金銭を欲しがる場合、われわれは交換の媒介物(機関)を求めているのであり、それはある条件のもとでなければ手にはいらないものである。したがって、われわれはそれをある範囲内で欲しいと思うのである。そして、その範囲内で、われわれはそれを手に入れる。いずれにせよ、苦しみや真空は、われわれの欲求の対象が示す存在様態である。非実在性のベールを取り除きさえすれば、それらの対象がそのような様態でわれわれに与えられていることがわかるであろう。このことがわかるとぎ、われわれはまた苦しみのなかにあるが、仕合わせである。(-∧-)合掌・・・シモーヌ・ヴェイユの哲学重力と恩寵

  2007年12月18日

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  妖怪な日々

  辛い辛い浮世の楽園妖怪の館「のほほん工房」では、年賀状や製本などをボチボチやりつつ、書類を沢山つくらなきゃならないのであんまりやりたくない理事会の準備などをしたり、年明け早々のライブ用のチラシやポスターを作ったりと、どうやらこうやら年を越せそうな感じになりました。皆様のおかげであります。数ヶ月前より数年ぶりに再通所を始めた手強い６８歳のメンバー妖怪「いじわる婆」も当初より落ち着きが戻り、精神薬も処方どおり呑んでくれるようになり一安心であります。「いじわる婆」は、６８歳間突っ張る事で障害に負けずにがむしゃらに生き延びてきたのだなあと思う昨今であります・・・・精神障害系妖怪業界は早死にする人が多い。昨日辺りは、ひたすら寝て・・・・この時期は脳みそが特に具合悪い為・・・数日前に統合失調を患う姉から数回電話があり・・・姉のアナーキーでパンクな言語活動にしばし付き合い、血は水よりも濃いのだと確信に至る。私事はさておきまして。２７歳で薬で死んだ黒人画家の映画「バスキア(Basquiat)」を見る。デヴィッド・ボウイがアンディ・ウォーホルを演じ、ＢＧＭに流れるトムウエィツやストーンズが良かった。差別と黒人と芸術と様々な思いに駆られつつ、薬物依存という病理そのものの主人公が極貧の中から富と名声を手に入れ、周囲の人との関係を壊しつつ唯一壊せなかった親友ウォーホルの死後あっさりと薬で死んで終わる最後が好印象だった・・・似たような仲間の死のあれこれを思い起こす。バスキアの母親が精神病で入院中だったいうのは、暗示的だった。差別社会と芸術ってテーマは、かなり古いテーマだと思いつつ、そんな話を度々した、職場の妖怪版画家福地画伯や日光の薬物先住民妖怪ＡＫＩＲＡさんなどを思い浮かべつつ、人間の幸福って一体？などと思う。 続きましては、大映映画「雪女郎」を見る。映画としての仕上がりは、良い。オーソドックス過ぎて物足りず。もっと面白くなったはず・・・・読書の方は、「水木しげるの妖怪探検　マレーシア大冒険 」大泉実成著この本は、７０過ぎの頃の水木しげる妖怪博士と３０過ぎの頃の名著「消えた漫画家」を書いた作家、大泉実成がマレーシアの少数民族セノイに会いに行った旅行記である。文章は大泉氏が書き妖怪の絵を水木先生が描くという役割分担である。旅の内容もさることながら、大泉氏の視線は奇人水木先生に注がれている。他者から見た水木先生の奇人変人ぶりを堪能でき大笑いが出来る一冊である。この本には水木先生のオールヌード写真もあるし水木先生の名言が沢山詰まっている。この本の面白さは大泉実成さんのブログを御覧下さい。http://d.hatena.ne.jp/oizumi-m/20071028とまあ、職場でも家でも妖怪な日々を送りつつ、『説得-エホバの証人と輸血拒否事件』で講談社ノンフィクション賞受賞しデビューした大泉実成氏の「世界は水木しげるを中心に回っている」と唱える「水木原理主義者」であるという言葉や。水木原理主義の唯一の教義は『水木しげるのマンガを持って南の島でゴロゴロすること』大泉氏は、水木しげる先生から『妖怪びろーん』というホーリーネームを貰っているという。そして、神秘学・妖怪研究に於いては水木しげる先生に師事した「日本オカルト界に荒俣あり」と呼ばれる荒俣宏氏などなど・・・・この世界には色々な妖怪が居るなあと思うのであります。「子どもの頃に、こう考えたことがある。自分はマンガが好きだし、魚とかウニが好きだし、相当に趣味が変だから、自分自身が相当にしっかりしていないといけないと。だから、7、8歳の頃に、もう世間並みの幸せはあきらめようと考えた。お金持ちになるのは無理だし、モテることも不可能だと。美しい女性とか、おいしい食べ物とか、幸せな市民生活というのは無理だと考え、7、8歳ですでに老練の域に達して、お茶を飲んで都々逸を聞いているような子どもになった。」という荒俣氏なのでありますが・・・・今年は、ＡＫＩＲＡライブの準備に追われつつ始まり、妖怪ＣＤの製作に追われ、どんどんディープな世界に入って行った年でもありました。従姉妹が３０過ぎで白血病で死に、フェレットのぼくちゃんも闘病の末に鬼籍に入りとまあいつもながら色々あり過ぎであります。来年は、おそらく今年以上に相当忙しくなりそうなので今のうちに出来る限りゴロゴロしようかと思います。(-∧-)合掌・・・バスキア(DVD) ◆20%OFF！激しい雪の夜に彷徨い歩く雪女郎！その姿を見たものは、戦慄と快楽のうちに死ぬというが…。DVD未発売。■怪談雪女郎■目玉おやじ ビーズクッション [水木しげる]【送料無料選択可！】水木サン大全 / 水木しげる【送料無料】ゲゲゲの鬼太郎、水木しげるの世界ぬらりひょんぬりかべネックレス

  2007年12月17日

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  塩の道

  塩の道は、日本の街道のひとつ。中世において日本海側と太平洋側から信濃国に塩を運ぶ役割を果たし、現在の塩尻市で合流したといわれてます。新潟県側の千国街道 (糸魚川街道 松本街道）は、糸魚川～松本～塩尻。愛知県側の三州街道（伊那街道・飯田街道）は岡崎～足助～飯田～塩尻。塩ともに糸魚川のヒスイや信州の黒曜石なども太古より運ばれたかと思う。塩を運ぶ終着点が「塩尻」という地名を残すのでしょうか？昨夜書いた宮本常一氏には、「塩の道」という著作もありまして、塩の道を調べると国土交通省の以下のような言葉に出会う。「私は何故か絵巻物がとても好きなんです。これを虫眼鏡でのぞきますと、当時の人びとの生活風景や、着ているものとかがとてもよく伝わってくるのです。特に『一遍上人聖絵』が好きで、時々虫眼鏡を通しては絵巻物の中に入り込んでおります。一遍上人が布教しながら旅をして行くわけですけれども、その道すじには様々な庶民が描かれています。路上には物売りや子どもや生活に行きはぐれたような人たちがたくさん登場してきますが、道に対して今とはかなり違う関わり方をしていたのではないかと思うのです。　それから先ほど神崎さんが宮本常一さんのことをお話しされていましたが、宮本さんが『塩の道』という本の中でこんなことをおっしゃっていました。 塩を運んだのは馬よりも牛の方が多かった。馬の場合は、荷物を次の宿場まで運ぶと別の馬がその次の宿場まで運ぶ、「継ぎ馬」という方法が採られていて何かと大変だった。ところが牛は馬よりもずっと力がある上に、何よりも道端の草を食べてくれるので、飼葉を用意しなくてもいい。道すがら草を食べさせつつ引いて行けば、出発地点から到着地点まで一頭の牛で済ますことができた。帰りにはその牛を売ってしまい身軽になり、塩を売ったお金と牛を売ったお金を手にして、博打なんかしながら家路についた。 というようなことが書かれていて、ここでもまた昔の人びとにとっての道はただ通り過ぎるだけではなかったのだと、その役割についての思いを新たにしました。　また「道」の中で強く心ひかれているのは、国道とか鉄道とかそういう大きな道ではなく、けもの道とか路地とか杣の道などのように地図にはないような道です。」 http://www.mlit.go.jp/road/road/bunka/kiroku1.html牛に引かれて善光寺参りなんて言葉を思い起こしつつ、塩の道における宮本氏の言葉。「われわれの目の見えないところで大きな生産と文化の波が、そのような形で揺れ動き、その上層に、記録の残っている今日の歴史があるわけです。これはとりもなおさず、じつは国民のわれわれが国全体を支えていたということをご記憶いただきたいのです。」記録の文化である名の残る権威の文化と記憶の文化である名も無き庶民の文化。牛は道に生えている草を食べながら歩いて行くので、エサ代がかからず、また馬のように宿泊場所も選ばなかったということでした。馬は馬宿に泊まらなけれならず、牛は、どこでも円陣を組み中で火を焚き、人は牛の腹に体をつけて寝ればよかったので、人も牛も費用がそれほどかからなかったということです。火を焚くのは、もちろんオオカミから牛や人を守るためです。こんなことを考えていくと「道草」や「馬頭観音」なんていう言葉を思い起こし馬に乗る武士、牛を追う庶民なんて塩の道の情景が思い浮かびます。謙信と信玄の塩に纏わる物語なんて故事もありました。現代民俗学者の赤坂憲雄氏は、「風景を作る思想をもとめて」というエッセイで宮本氏の著作集『自然と日本人』の中にある「日本人にとって自然とは」というエッセイを赤坂さんは紹介する。『日本人は自然を愛し、自然を大事にしたというけれど、それは日本でも上流社会に属する一部の、自然に対して責任を持たぬ人たちの甘えではなかったかと思う。自然の中に生きた者は自然と格闘しつつ第二次的自然を作り上げていった』　『もともと、その地に住む者にとって風景のよいというのは重荷であった。そういうところは真直ぐな道も平坦な道も少なく、生活を立てるには、その山坂をのぼりおりして働かねばならなかった。だから風景のよいといわれるところに住む人はどこでも貧しかった』『……地元の人にとっては、そこにある自然が、そこに住む人に豊かな生活を立てさせてくれるものがよい自然なのである。しかもその自然から奪いつづけなければ生きてゆけない人生があった。生活をたてるために造りだした第二次的自然すらが、風景をたのしむようなものではなかった』記録に残る武士や貴族階級の物語と記憶に残る伝承や口承の記憶の歴史。どこの国でもこのふたつがあるようです・・・・文字を持たぬ国や民族も多々ありますが・・・塩の道に話を戻せば。「民衆が一つの道をたどっていくということは、今日のように便利ならば、あるいは地図があれば、これをどこへ行けばどうだということはわかっていますが、途中で人に聞くことができない細道の、その行く先を確かめ得たということは、人間の必然的な叡智というものが、そこに働いていたということであります。それを、あとから来る人たちも歩いては踏み固め、大きくして、やがて今日のような道になり、山間の文化をつくりあげていくようになったのだと思います。」「地図にない細道を歩いているは、古人だけではない。古人の作った道の上を辿りながらも、私たちもまた、自分でその行く先を確かめる道程にいるのだ。ごく私的な意味においても、この時代を生きている一人の人間としても、自分がいるポイントが、常に次の一歩を踏み出す先端にいること。それを忘れないでいたいと思う。」と語る宮本常一は、タダモノじゃないですね。日本海からは塩や海産物が信州からは農作物が運ばれ、きびしい地形にもかかわらず山国信州の人々にとっては、かけがえのない道だったという。塩の道は縄文からの道でもあったかと思うのですね。この状況が一変するのが鉄道やバスの文明開化が始まりであったと思います。牛や馬が蒸気機関車やバスと入れ替わっていったのですね。それ以前は、塩が米と等価だった時代というのがあったそうです。ここまできて思い起こす言葉が道祖神という言葉です。ちなみにこういった歴史物語への入り口は、僕にとっては、水木しげるや諸星大二郎の漫画や宮崎アニメだったかと思います。上記のような言葉を宮崎アニメは様々な登場人物に語らせています。アニメーションとアニミズムも語源を同じくするそうですし、日本文化は奥が深いのだと思います。(-∧-)合掌・・・塩の道

  2007年12月16日

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  忘れられた日本人

  忘れられた日本人 (岩波文庫) 宮本 常一 (著) 柳田国男・渋沢敬三に師事して生涯を旅する人として，日本各地の民間伝承を克明に聞き歩いた宮本氏は、文字を持つ人々の作る歴史から忘れ去られた日本人の暮しを全国を訪ね聞くという作法で掘り起す。橋の下で暮らす「土佐源氏」庶民の女性史「女の世間」明治時代の瀬戸内では、農家の娘でも見分を広めるためと托鉢の旅に出したとの話。 旅をしていると、娘をもろうてくれんか、と困っている人が声をかける。犬猫を預けるように、実の子を分けた。 父親の隙をついて独身娘が働きに出る。そしてよその言葉や知識を持ち帰る。なんだ、留学娘と変わらないなあと思った。 後家の家が馬喰宿となる。山中の一軒家が盗人宿に。よそ者は、娘とは付き合えないが後家ならまあいいかみたいな。 昔の鉄砲ってのは音で連絡を告げる役に立ったらしい。 石をのけて港を作り。開拓。船で数日がかりの距離が近く感じられた時代。等十三篇からなる宮本民俗学の代表作で解説があの網野善彦氏で日本人なら読んで欲しい名作。この本の冒頭、「対馬にて」に興味深い記述がある。それは対馬地方のある村の寄り合いについて書いているのだが、話し合いの結論が出るまで幾日も話し合うという伝統。『私にはこの寄りあいの情景が眼の底にしみついた。この寄りあい方式は近頃はじまったものではない。村の申し合せ記録の古いものは二百年近いまえのものもある。それはのこっているものだけれどもそれ以前からも寄りあいはあったはずである。七十をこした老人の話ではその老人の子供の頃もやはりいまと同じようになされていたという。ただちがうところは、昔は腹がへったら家へたべにかえるというのではなく、家から誰かが弁当をもって来たものだそうで、それをたべて話をつづけ、夜になって話がきれないとその場へ寝る者もあり、おきて話して夜を明かす者もあり、結論がでるまでそれがつづいたそうである。といっても三日でたいていのむずかしい話もかたがついたという。気の長い話だが、とにかく無理はしなかった。みんなが納得のいくまではなしあった。だから結論が出ると、それはキチンと守らねばならなかった。』僕はこれを読んでアイヌの伝統「チャランケ」を思い起こす。自己顕示欲や自我の肥大ばかりが目立つ昨今の日本が最も失った世界があると思う。赤松啓介も物凄い語り部だけど宮本常一も半端じゃない。「昔はひどい貧乏だったけど、それがふつうだったから苦にはならなかった」と話す村の古老。「またわれわれは、ともすると前代の世界や自分たちより下層の社会に生きる人々を卑小に見たがる傾向がつよい。それで一種の悲痛感を持ちたがるものだが、御本人たちの立場や考え方に立って見ることも必要ではないかと思う。」 「すべてが進歩しているのであろうか。（中略）進歩に対する迷信が、退歩しつつあるものをも進歩と誤解し、時にはそれが人間だけではなく生きとし生けるものを絶滅にさえ向かわしめつつあるのではないかと思うことがある。（中略）進歩のかげに退歩しつつあるものを見定めてゆくことこそ、われわれに化せられている、もっとも重要な課題ではないかと思う。」昔のこういった民俗学的な話を詠んでも聞いてもいつも思うのは、「人間の自立」の問題で生きる知恵を持っていたなあ・・・と溜息つきつつ思うのです。近代において、鉄道と道路が整備され様変わりしたように更なる激動の時代を生きる現代の日本人にとって「忘れられた日本人」は、福音書なのかもしれません。(-∧-)合掌・・・ 忘れられた日本人『忘れられた日本人』の舞台を旅する

  2007年12月16日

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• ダメダメ団報道される

  【見出し】歌い始めた「孤独姫」自虐も幻聴も全部表現精神障害抱えＣＤ製作【本文】札幌の歓楽街・ススキノのライブハウス。マイクスタンドの前に立ち、マコ（２３）は真っすぐに正面を見つめた。エレキギターの響きが始まりを告げると、観客の視線を浴びながら、大きく息を吸って、歌い出す。「被害者ぶるのはチャンピオン級　加害性だけ認めない　いつだって私は友だちいない…」。体の奥にたまった毒を吐き出し、笑い飛ばすようなその歌を、マコは「孤独姫」と名付けた。　小さいころから、学校でいじめに遭い、家では父親に虐待された。「意識なんてなくなればいい」と、中学二年の時、オーバードーズ（薬の大量摂取）で病院に担ぎ込まれた。爆発を起こしては、暴れ、叫び、物を投げ付ける。「何で生んだんだ！」と、母親に包丁を突きつけたことも。入退院を繰り返し、情緒不安定性人格障害と診断された。両腕には幾十にも重なったリストカットの傷跡。閉鎖病棟にもこっそりかみそりを持ち込み、病棟の壁に血で「ｔｏ　ｂｅ　ｃｏｎｔｉｎｕｅｄ」と書き殴った。この苦しみは続く。呪いにも似た叫びだった。　「話しかけても親を通じてしか答えない。部屋の隅に座って、周囲をにらみつけてた」。母親に付き添われ、初めて精神障害を抱える人たちが集う地域活動支援センター「のほほん工房」（札幌市）を訪れたマコの姿を、代表の田中聡一（たなか・そういち）（４２）は今も覚えている。田中も幼少期に親から暴力を浴び、二十代でアルコール依存症になった。回復後、自助グループをへて、のほほん工房を設立。「障害者が自分の言葉で発信できる場を作りたい」と、メンバーの記事や詩などをまとめた情報誌を発刊している。　マコは歌や作詩が好きだった。「どうにもならない感情は、大声で歌ったり、詩を書くことでしか、外に逃がす方法がなかったから」。いつしか自作の詩を情報誌で発表したり、メールで田中を送るようになっていた。「みんなでＣＤを作ろう！」。昨年の秋、ミュージシャンとの交流が多い田中が、メンバーと一緒に知り合いのライブなどに通う中で、一つの計画が始まった。田中の要望を受け、マコが一気に書き上げ、作曲も手掛けたのが「孤独姫」だ。　「今の社会の中で人間が孤立していく姿は、障害者も健常者と呼ばれる人も大差はない。『かわいそう』ではなく、対等な表現としてやりたかった」と田中は言う。　一年がかりでミュージシャン仲間らと録音し、計二十四曲を収録したＣＤの題名は「孤独からの解放！」（三千円）。自らの絶望を笑う自虐的な曲に、美しい郷愁を歌った曲が続く。一方でマザコンからシモネタの歌まで、何でもありの混沌（こんとん）とした世界が広がる。　ススキノでのＣＤお披露目ライブ。マコの横には多くの仲間がいた。統合失調症のきっこ（２８）は、幻聴に悩む日常を静謐（せいひつ）な詩で表現。ナオヤ（２４）は自分の過去をつづった「落伍（らくご）者の人生」を歌い、「盛り上がってくれてすげえうれしい」と照れくさそうに笑った。ライブ終了後、「今でも自分が嫌いだし、苦しいし、死ぬことも考える」と話したマコは、最後にこう付け加えた。「だからこそ、死んでも後悔しないように今を楽しみたい。人が怖くて嫌いだったけど、今はちょとかかわってみようかなって、思ってる」（文中敬称略）上記は、共同通信の多比良さんが９月のカーテンコールのライブの様子を記事にしたものです。この記事が全国の様々な紙面に掲載されて、多比良さんが送ってくれた全国に掲載された沢山の新聞記事を職場のみんなと眺めました。かなり大きな紙面を飾る記事の写真に一番大きく写るのが助っ人ドラマー「ジョニーさん」だったりします。ボチボチと続けるライブのほうもその時々の病状によって出演者はマチマチだったりと、まあ、ダメダメなんですが。ＣＤによる、精神障害当事者の生の声は、表現出来たかと思います。わが国における家庭での虐待、学校や職場でのいじめや、自殺者の増加は、とめどなく果てしない感があります。そんな、ご時勢で出来る事はほんの僅かだとも思います。ＣＤの売り上げの方も年内に１００枚位は売れるか？・・・と思いきや１００枚の売り上げも未だ達しない状況ですが、まあこの厳しい御時勢ですから、ボチボチやってけば良いかなと思ってます。僕的には、自信作ですので興味ある方はお買い求め下さい。http://www.interq.or.jp/hokkaido/nohohon/newpage2.html精神症状に苦しむダメダメ団もライブだけは、続けようと匍匐前進中です。来月は、白石の「街づくりハウス」で公演予定です。ネットやこのブログ経由で虐待や虐めに苦しむ人たちの公的機関「子供と親のサポートセンター」新聞経由で精神病院の閉鎖病棟の患者さん。ひきこもりの人。色々な人が少しずつ聞いてくれてるのでありがたいです。ＣＤは、札幌市大通り地下街にある「元気ショップ」でもお買い求めいただけます。http://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/sagyosho/shop/index.htmlまあ、生きてるだけで「やっと」のダメダメ団ですから今のペースで丁度良いのだと思います。僕にしてみれば病気や障害を負ったとしても「これはこれで良かったな」と思えるようになれば良いのですから。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月15日

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• ブラックエルク

  昨日見た２０１２年「地球最後の日」 というテレビ番組には、アメリカ先住民メディスンマン「ブラック・エルク」のヴィジョンや滅亡の可能性の言葉と映像も紹介されていた。ブラックエルクの言葉は、趣き深いので幾つか・・・・・「私が聖なる方法によりあらゆるものを霊的に見ていた時である。周りで一番高い山に立ち、足元を見ると世界が輪のようにぐるぐると回りながら、形あるものすべてが結びついてる光景を目にした。そこでは、一人ひとりが創る聖なる輪も多くの輪の一つにすぎず、それらすべては繋がりを保ちながら、さらに大きな円を形成し、太陽や星の光の様に輝きながらあたりを照らしていた。その中心には、一本の大きな花咲く樹木が存在していた。その樹には、ひとりの父とひとりの母によって生み出された、この世のすべての子供達を見守る姿があった。私はそこに聖なるものを見たのである。」「一番重要な最初の平和は、人の魂の中に生まれる。人が宇宙やそのすべての力との間に一体感を見いだせたとき、そこに平和が生まれるのだ。宇宙の中心には創造神が住まい、わしらひとりひとりの内部にもその宇宙の中心があると理解したときにな。これこそが真実の平和なのだ。二番目の平和は二人の人間の間に生まれる。そして三番目の平和が二つの部族間にあらわれる。しかし、真実の平和を知っておかない限り、部族間の平和などとうてい実現せぬという事を何よりも理解しなくてはならん。」　　　　　　　　　　　「われわれがすることはなんだって、輪を描いていることに気がついただろう。世界の力はいつだって、輪をなして働いている。何もかもが、巡り巡ろうとしているんだ。世界の力がなすことは、みんな輪を描く。ほら、空は円い形をしているだろう。星はどれも円いと間いている。風だっていちばん勢いのあるときは、渦を巻いて吹くんだ。鳥たちも円い巣をつくる。鳥もわれわれと同じく、大いなるものに身をゆだねているからな。太陽だって弧を描きながら、昇っては沈んでいく。月もそうだ。大陽も月も、その姿は円い。季節これも大きな輪をなして移り、もとのところへ戻っていくんだ。人の命も輪を描いている。子供の時代からまた次の子供の時代へと。　輪は、世界の力が働くものすべての内にめぐっているんだよ。」　　　　　　　　　　　「ときとして夢は、目覚めているときよりも人を賢くする。」(-∧-)合掌・・・

  2007年12月14日

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• 心の病と滅亡

  ２０１２年「地球最後の日」 「この年号は、我々のカレンダーより正確な古代のマヤ暦や、現存する最古の文書といわれる中国の易経などに再三表れている。そして「ウェブボット事業」という新しいテクノロジーが未来を予測する手段としてインターネットを大々的にスキャンし、やはり恐ろしい同じ結果をはじき出した。世界中の予言や神託を検証する。」ヒストリーチャンネル。１９９９年７月に恐怖の大王が現るという予言とは少々趣きが違い。マヤ歴と中国の易とコンピューターが同じ頃に破局が来ると予想する。２０１２年１２月と言えば・・・・フォトン・ベルトに白装束や惑星ｘｘとかまあ、そんな話もよく聞きますが。まあ、何時滅んでもおかしくはないなあ・・・と思いつつ画面を眺め。この後、「ディスカバリー」でフューチャー・イズ・ワイルド1億年後の南極とオーストラリア 少数部族の旅路ウォダニ族の父系社会 ミッションXミッションX・ダイナマイトの発明３本立て続けに見て録画もする。1億年後の南極とオーストラリアには、人類は居ない・・・宇宙へ逃げたという設定の下でのＣＧを駆使した映像を眺める・・一億年後の南極大陸は赤道近くに移動し様々な生態系を生み出す。社会性を帯びた蜘蛛の家畜と化した唯一生き残った哺乳類であるネズミが哀れ。・・２億年後にはキッチリともはや生物のほとんど住めない地球の未来が映像化される。まあ、諸行無常であります。 ウォダニ族の父系社会では、 ウォダニ族は、ニューギニア島のパニアイ湖北東部の山岳地帯に住む原始人。政略結婚を嫌がる女性が部族の長を殺し、部族間の対立が起きる。男性は、ひょうたんから作るペニスケース。女性は、木の皮やひもをたらしたスカート。という衣装を纏い、部族戦争を金＝子安貝で回避しよういう話。ニューギニア政府は紙幣を使って、子安貝は使っちゃダメよという先住民政策を進める中で治外法権を生きるウォダニ族の暮らしは、ご先祖様を思い起こさせる。身内が死ぬと精霊を怒りを鎮めるために自らのひとさし指を切り落とし首にぶら下げる寡婦。浮気をして妻に足を斧で切られ足を引きずる夫。結構過激なウォダニ族の暮らしぶりは興味深い。続いてのダイナマイトの発明は、ノーベルの伝記でこれまた良い出来かと思う。死の商人と罵られたノーベルの苦悩と孤独な生涯を描く。「戦争は、誰が正しいかを決定するのではなく、残される者を決めるのみである。」と言ったのは、バートランド・ラッセルだが、地球という星での生命の営みも同じ事かと思う。変化し続けるこの星で変化し続けるもののみが生き延びた。我々は、この星に巣食うダニかカビか寄生虫のようなものだ。地球にとって最良の環境保護は、人類滅亡だろうけど、いずれにしても地球環境の激変は、常に起こり、我々に出来る事は、冷静に謙虚になるくらいだろうと思う。我々の心の底には、この星の厳しい環境を何度も潜り抜けた「恐怖」や「復讐心」が刻まれているのかと思う。度重なる冷害や飢餓や疫病を繰り返し、それらを克服しつつあるのだが・・・我々自身のの病を我々はどうすることも出来ないでいる。自らの足を食べ続ける蛸か、自らの尻尾を飲み込み続ける蛇か。まあ、そんなような病気だと思う。我々の精神のゆがみや恐怖の奥底には、この星の厳しい環境の変化への恐怖があるのだと思う。そう考えると今起きている事柄が全て納得できる。我々は、滅亡を恐れる事で滅亡を早めているのかも知れない。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月14日

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• モンサント

  食に纏わる歴史の本を読みつつ。思い起こす企業名がある。モンサントだ。以下全て貼り付け。1901年創業。1920年代頃から硫酸と化学薬品の製造で業績を上げ、1940年代からはプラスチックや合成繊維のメーカーとしても著名となった。同社を有名にした商品の一つはPCBであり、アロクロール (Aroclor) の商品名で独占的に製造販売した。日本では三菱化成との合弁子会社三菱モンサント化成がPCB製造メーカーの一つであった。また、農薬のメーカーとしても著名で、ベトナム戦争で使われた枯葉剤の製造メーカーでもある。この枯葉剤には不純物としてダイオキシン類が含まれており、後に問題となった。近年では除草剤ラウンドアップとラウンドアップに耐性をもつ遺伝子組み換え作物をセットで開発、販売しており、欧州を中心に強引なシェア確保商法が問題となっている。本社の存在するセントルイスには世界屈指の規模を誇るミズーリ植物園があるが、モンサント社はここのハーバリウム（植物標本保存施設）の建設に多額の寄付をしていることでも知られている。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%88_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)除草剤耐性作物は、特定の除草剤に耐性を持つ遺伝子を組み込むことにより、除草剤をまいても枯れないようにした作物です。普通、除草剤は選択性（効果を発揮する雑草が決まっている）であるため、農作物を栽培する際には、数種類の除草剤を数回にわたり散布しなければなりません。しかし非選択性の除草剤を使い、その除草剤に耐性を持った作物を栽培すれば、農作物以外の雑草だけを効率的に枯らすことができるため、わずか１～２回の散布で済みます。除草剤をまくコストや労力が削減されるほか、雑草に吸収されてしまう栄養素が農作物に行き渡ることにより収量の増加も期待できます。また除草剤の削減や不耕起栽培など、環境にやさしい農業を行うことができます。モンサント・カンパニーが開発した除草剤耐性作物は、除草剤グリホサート（商品名：ラウンドアップ）にReady（準備ができている）という意味で、ラウンドアップ・レディーというブランド名で商品化されています。現在、大豆、ナタネ、ワタ、トウモロコシの４種類の除草剤耐性作物を商品化しています。※このほかに、害虫抵抗性と除草剤耐性を掛け合わせた品種もあります。 ラウンドアップについて除草剤には、土壌にまく土壌処理型と茎や葉に散布する茎葉処理型の２種類がありますが、ラウンドアップは茎葉処理型の除草剤です。また、非選択性のためすべての雑草に効果を発揮します。ラウンドアップの有効成分であるグリホサートは土に落ちた場合は水と炭酸ガスに分解されるため環境負荷の少ない除草剤として世界130ヶ国で、20年以上にわたって幅広く使われています。 除草剤耐性の仕組みグリホサートは、植物が持っている特定の栄養（芳香族アミノ酸）を作るのに必要なＥＰＳＰＳ（５-エノールピルビルシキミ酸-３-リン酸合成酵素）という酵素を阻害します。これによって植物がアミノ酸を作れなくなり、枯れるという仕組みです。このＥＰＳＰＳ酵素は植物や微生物だけが持っているものなので、もともと酵素を持っていない人間や動物に対してグリホサートは作用しません。モンサント・カンパニーは、アグロバクテリウムという微生物がグリホサートの影響を受けないＣＰ４ ＥＰＳＰＳというタンパク質を作る遺伝子を持っていることを発見し、その遺伝子を作物に組み込むことで、グリホサートに耐性を持った作物を開発することに成功しました。不耕起栽培とは不耕起栽培とは種子をまく前に畑を耕さない農法のことです。畑を耕すと、表面の肥沃土壌が軟らかくなり、風や雨で流されてしまいます。耕地面積の減少を招くとともに、土壌中の農薬が川などに流れ出してしまうという問題があるため、土を耕さない不耕起栽培は環境にやさしい農業と言われています。ただ、土を耕さないと雑草の防除ができないため、実際には難しいとされてきました。１９９６年にラウンドアップ・レディー大豆が導入されて以来、不耕起栽培を取り入れる農家が増えており、土壌浸食の減少や、土壌中水分の河川への流出減少、土壌の肥沃化による温室効果ガスの排出削減やそれに伴う大気環境の向上など、様々な効果をもたらしています。 http://www.monsanto.co.jp/biotech/development/herbicide.shtmlこのモンサントという企業はとんでもない企業なんです。モンサントは、悪名高いＰＣＢを作っていた企業です。昔、四日市に三菱モンサントという会社があって、そこがＰＣＢを作って変圧器などに売り込んだ。ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤を１番多く作ったのもモンサントです。モンサントの副社長をやっていた人物は、元々は水爆開発をやっていた。このモンサントに世界の食糧が支配されようとしています。遺伝子組み換え作物・食品の問題は、そうした大きな問題をも孕んでいるのです。http://www.bund.org/opinion/1082-5.htm「ノルウェーの作家ヘンリク・イプセンは、一世紀前に満身の怒りをもって『民衆の敵』という戯曲を書いた。鉱泉で生きる小さな町で、危険物が鉱泉に流れこみ、汚染している事実を告発しようとして、町民すべてを敵にまわして闘った水質検査官ストックマンの物語だ。　汚染を起こしていたのは彼自身の義父の工場であり、鉱泉の汚れが公表されれば、町の経済に大打撃があることは明らかだった。それでも彼は、飲み水の汚れから町民を守ろうとして、新聞で事実を伝えようとした。　やがて新聞に圧力がかかり、記事は抹消された。ストックマンは集会で町民に事実を伝えようとしたが、そこで彼は思いがけずも”民衆の敵”と呼ばれ、自宅に石が投げ込まれた。それでも町を出ずに闘い続けた男の物語である。　日本のジャーナリストは、当初は民衆から嫌われても、最後に尊敬される存在を目指すべきだ。発売部数と視聴率のため、民衆に媚を売るだけで、一体この国はどうなるのだ。」月刊『宝石』[1999・08]　「今こそ”民衆の敵”になれ」広瀬隆著から。

  2007年12月13日

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• 地球と人の壮絶な歴史

  我が国の自然環境は、多様な気候、地形、物理的位置を反映し、豊かなものとなっている。野生生物種もこうしたその生息条件の多様性を反映し、多種多様である野生生物種は家畜や作物として飼育栽培される種以外のものをいう。この野生生物種は、種の存在自体、進化の歴史の伝え手として貴重な情報源であり、生態系の構成要素として物質循環や食物連鎖を支え、外的な環境変化に柔軟に対応する多様性を維持している。また人類は、野生生物種を、生活の糧として、様々な道具の素材として、科学、教育、レクリエーション、芸術の対象として、利用し、共存してきた。そして何より、野生生物は我々人類と同様、かけがえのない生態系の構成要素である。　しかし、種はいったん失われると人間の手で再び作り出すことはできない。人類は様々な形で野生生物を捕獲、利用し、ある場合には有害性があるということで駆除を行ってきた。こうした活動が乱獲につながったり、また、人間の経済、社会活動の拡大に伴う生息地の破壊により、野生生物種は、生息数の減少、絶滅への圧力を受け続けている。野生生物の絶滅を防ぐことは、生態系の保全からみても、野生生物の持つ様々な価値を守る上からも、緊急の課題となっている。環境庁では、日本産の絶滅のおそれのある動植物の種を選定するために「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」を実施し、この調査結果に基づき動物について平成3年(1991年)に「日本の絶滅のおそれのある野生生物レッドデータブック」を発行した。これによると、我が国に存在が確認されている種(亜種を含む)は、哺乳類188種、鳥類665種、爬虫類87種、両生類59種、淡水魚類200種、昆虫類約2万9千種、クモなどの十脚類192種、陸・淡水産貝類824種、その他無脊椎動物4,040種である。　こうした種のうち、種の存続の危機の状況に応じて、絶滅の危機に瀕している「絶滅危惧種」、現在の状況が続けば近い将来絶滅の危機に瀕する「危急種」、生息条件の変化によって容易に、「危急種」、「絶滅危惧種」に移行する要素を有する「希少種」に分類している。「絶滅危惧種」は110種あり、哺乳類ではニホンカワウソ、イリオモテヤマネコ等、鳥類ではアホウドリ、タンチョウ、ノグチゲラ、シマフクロウ等、両生類、爬虫類では、ホクリクサンショウウオ、キクザトサワヘビ等、淡水魚類ではリュウキュウアユ、ミヤコタナゴ、ムサシトミヨ等が記載されている。「危急種」は114種あり、ここにはトウキョウトガリネズミ、ハヤブサ、オオセッカ、セマルハコガメ、イシカワガエル、イトウ等が記載されている。「希少種」には415種が指定されており、エラブオオコウモリ、ヤマネ、ラッコ、アオウミガメ、ユウフツヤツメなどが含まれる。既に絶滅してしまった種も動物で22種確認されており、ニホンオオカミ、ニホンアシカ、ハシブトゴイ、ミナミトミヨ等が含まれる。これらの「絶滅種」、「絶滅危惧種」、「危急種」、「希少種」を合わせた種類を分類群ごとにみると哺乳類55種、鳥類132種、爬虫類16種、両生類14種、淡水魚類41種、昆虫類206種、陸淡水産貝類127種などであり、それらの分類ごとの種の数全体に占める絶滅危惧種、危急種、希少種の占める割合は、種の数の圧倒的に多い昆虫類を除き全て15%以上を占めている(第1-2-9表)。　江戸時代に作られた諸国ごとの産物帳等の資料をもとに、1730年代の主要な動物の分布状況を知ることができる。例えば、オオカミ、カワウソ、ニホンアシカ、コウノトリは、1730年代に全国で広く見られていたが、現在では絶滅ないし、絶滅の危機に頻している。また、ニホンザル、ツキノワグマ、ニホンジカなどについては、地域的に絶滅した個体群があると考えられる。水辺環境の変化等によって、渡来地が変化しているものもガン・カモ類やシギ・チドリ類などいくつか見られる。　こうした野生動物の種が絶滅し、または絶滅の危機にさらされている原因としては、乱獲、人間の生活域や産業活動の拡大に伴う森林や植生の変化、水辺環境の変化、水質の悪化によって個体数が減少し、あるいは生息環境が悪化、消滅していることがあげられており、我が国の野生動物の生息環境が厳しいものとなっていることが分かる。　また、植物については、「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」によって、維管束植物について8,118種、藻類について1,850種、蘚類は1,516種、苔類535種、地衣類2,295種、菌類約1万種(亜種、変種、品種、亜品種を含む)が日本に生息していることが明らかになった。一方、日本自然保護協会と世界自然保護基金日本委員会よって作成された報告書「我が国における保護上重要な植物種の現状」によると、絶滅寸前の種として147種、絶滅の危険のある種として677種、危険性はあるが実情が不明の種が36種リツトアップされている。なお希少種については乱獲を避ける意味もあって公表されていない。またすでに絶滅してしまった種は、36種とされている。これらの「絶滅種」、「絶滅寸前種」、「危険種」を合わせると、859種が報告されており、日本産野生植物種5,300種の16.8%を占めている(第1-2-10表)。このように多くの植物種が絶滅の危険にさらされている原因としては、開発に伴う生育環境の悪化、生息地の消滅、愛好家及び山草販売業者による乱獲などが挙げられている。特に生育環境の破壊は、物理的破壊にとどまらず、地下水脈をはじめとする水系の破壊など生育地を取り巻く環境、すなわち生態系に十分配慮が払われていないことも問題となっている。　http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/honbun.php3?kid=204&serial=8258&bflg=1上記は、環境白書という役所で出してるレポートなのだけれど、「食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで」フェリペ フェルナンデス=アルメスト著を読んでいて眺める。大筋言うと人口の増加は、常に 動植物の絶滅、生態系の変化を及ぼし、いわゆる先住民神話なんてのは、嘘じゃないか？言ってみれば、人類が自然に与える汚染ないし影響より自然の再生力が上回った時代であったのに過ぎないのでは、人口が少なかっただけじゃないか？それでも、大量の動物種が絶滅していた。雑誌「ネイチャー」のホームページに、『大型動物を殺したのは誰？（Who killed wooly? ）』という興味深い論争の抄訳が掲載される。絶滅の理由として挙げられたのは、１つはヒトが狩り尽くしたというもの、２つ目は（ヒトかイヌが持ち込んだ）病原菌によるもの、そして３つ目は気候変動によるもの、そしてその３つが組合わさったものという説である。また、「大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか?」デイヴィッド・M. ラウプ著によれば「進化史において、生死を決定したのは、必然か偶然か。古生物学界の異才D.M.ラウプがコンピュータを駆使してその謎に迫る。…生命が誕生してから35億年。その間に進化した生物は500億種。一方、現在の地球に生息するのは4000万種あまり。まさに99.9パーセントが絶滅したのだ。進化の歴史は絶滅の歴史にほかならない。迫りくる絶滅の足音…われわれは歴史から何を学び、活かすべきなのだろうか。」 という。農業が始まり、植生変化が起きる。可耕地や放牧地面積の拡大は、森林の縮小を生み、河川の人為的コントロールは、生態系を変化させる。大航海時代に始まった交易の活発化と品種改良は、新たな植物種と動物種の波及を生み、過度の集約農業と集約放牧は、土壌浸食と生態系破壊のによる耕地や牧地の放棄と砂漠化を生む。もちろん、環境破壊を防ぐための様々な工夫も行われてきた。耕地の休閑、入会い制限などなど、しかし人口圧と富への欲望にさらされ徐々に後退し、近代農法普及、共有地囲い込み、植林や開発規制による自然環境再構築の試みは、これまでの破壊を十分償うに至らずに植民地主義を生み出す・・・・人口の増加と資源の枯渇が最大要因だと思う。植民地主義による世界戦争の時代を経て、食料の生産や流通が画一化しかつての食物摂取の多様性が失われ、身体が脆弱化し、動植物における絶滅種の増大は、生態系全体の環境適応能力を失わせる結果となる。とこんなことを考えていくと「我々が，自然の他の構成員とともに，永遠の盲目的な力の所産にすぎないとしたら、殉教者の苦悩も，犠牲者のうめき声も、悪も不幸も，自由への闘争も，正義への努力も，人間としての徳と幸せを求める情熱も、そういったものすべてが望むべくもなく，根拠もなく、役に立たないことになる。真実を愛し、美に感動し，正義を熱望し、勇気と犠牲的精神を持って行動し，歓喜に身を震わせる人間の精神の起源は，自然淘汰説には見出しえない。」というアルフレッド・ウォレスの言葉などを思い浮かべるのでありますが・・・・ホモサピエンスであるヒトは、急激な気候変動などの幾たびの絶滅の危機を辛うじて乗り越えて、極端に減った個体数から奇跡的に生き延びた種などと言われている・・・・モンゴロイドのアメリカ大陸への移住などの歴史。一時期は、わずか数千人まで減っただろうという説まであるくらいだから、我々の歴史がいかに過酷なものだったか、それを乗り越える何かが我々の謎を解く鍵にもなる。火の使用から衣類、石器から土器、投げ槍から弓矢という画期的な狩の手段などなどの発明、そして言語の創造から住居の建築まで実現して、気候の克服・獲物の獲得・食の多様化＝雑食など次々に身につけることで「ヒト　人になる」生きる為には何でもしてきたのだとは思う。動物の生態系を見てみると、食物連鎖の頂点に近いもの、すなわち強者ほどその数が少なくなっていく。地球上の自然法則としての捕食者は常に被捕食者の数を上回ることが出来ない」という法則。ヒトである我々は、猛獣・病原菌・害虫・疾病など数多くの天敵を克服して人口を増やし続けてきた、異常な繁殖によって極端に増大した人は、人口を保持するために新たに農耕・牧畜・養殖という食物の「異常繁殖システム」を発明し、しかも品種改良や飼肥料の改善を行っていく。その結果人口はさらに幾何学級数的に増えていくのだ。こうして増え続ける人にとって最大の営み、他の動物には決して見られぬ同種殺戮である戦争が頻発する。我々は、共食いをするしかないのか？はたまた新たなる知恵や技術が我々を今までのように生き延びさせるのか？この星で誕生した種の99.9パーセントが絶滅していたというこの星の過酷な現実と我々の生き延びた歴史は、おそらく壮絶なものではあったかと思う。全ての命が我々の胃袋に納めり砂漠化し共倒れなのか？それとも？エゴと欲の生き物である人の性の結果としてまあ、なるようにしかならないだろうけど、それにしても人間ほどしぶとい生物はいないということだけは、確かなようでは、あります。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月12日

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  飢餓と飽食の星

  昨日の続きで。『「食べる人類誌」-火の発見からファーストフードの蔓延まで』フェリペ・フェルナンデス＝アルメスト著　小田切勝子訳より・・・・・儀式としての食人に大航海時代の壊血病になんとも膨大な情報が詰まった本。「偉大な新聞王ノースクリフ卿は記者たちに、大衆の興味が長続きするテーマは、犯罪、愛、金、そして食べ物だと教えた。なかでも「食べ物」は最も根本的、普遍的テーマである。だが、これまで食べ物の歴史は正当に評価されず、ほとんどの学術機関はいまでも食べ物を軽んじている。」「たいていの文化では、調理の起源をたどると神の贈り物としての火の話にいきつく。プロメテウスが天から火を盗んだとするギリシャ神話。古代ペルシャでは、猟師の放った矢が的をはずれて岩に当たり、その岩の中心に火が現れたとする。北米インディアンのダコタ族の場合、ジャガーの神がその鉤爪で大地を打つと火が現れた。アステカ族では、最初の火は太陽だった。原始の闇のなかにいた神々が太陽に火をつけたのだという。クック諸島では、マウイ神が地中深くに降りて火をもたらした。オーストラリアのある原住民のあいだでは、トーテムの動物のペニスに火が隠されているのを見つけたのだとされ、別の部族では、火は女たちが発明したものだった。男が猟に出かけて留守のあいだ女は火を使って調理をし、料理が終わると火を陰部に隠したのだという。ほとんどすべての文化に、それぞれのプロメテウスがいる。だが、火の使用のほんとうの起源はわかっていない。」 「イタリア料理といえば、トマトの色という印象が強い。しかし、トマトはアメリカから持ってきたものである。トマトが入ってくる前のイタリア料理を想像するのはむずかしい。イタリア料理のメニューに欠かせないニョッキとポレンタは、それぞれジャガイモとトウモロコシでつくられるが、これらもまた、コロンブスのアメリカ大陸発見以前には、ヨーロッパには存在しなかった。ジャガイモもトウモロコシも、アメリカ大陸にしかなかった。 コロンブスには、数多くの“最初の功績”が与えられているが、ヨーロッパが知らなかった数々の食材を航海から持ち帰った。ヨーロッパだけではない。世界中が、コロンブス以後、他の大陸でしか存在していなかった動植物を知ることになったのである。アルフレッド・クロスビーは、これを“コロンブスの交換”と呼んだ。」「トウガラシを使わないインド料理、タイ料理、四川料理は考えられない。しかし、コロンブス以前、トウガラシは南北アメリカ大陸以外では知られていなかった。いまでは、パイナップルといえばハワイということになっているが、パイナップルはコロンブスが最初の大西洋横断航海のときに、カリブ海で見つけて、世界で最も美味なる果物として報告したものだった。」「アメリカの大草原プレーリーには、17世紀までは1粒の小麦もなく、19世紀まではそれほど大量に栽培されることもなかったが、いまでは世界の小麦の一大生産地になっている。コーヒーはエチオピアが原産だが、現在ではジャワ、ジャマイカ、ブラジルから輸出されている。カカオとピーナッツも、かつては新世界にしか見られないものだったが、いまでは西アフリカの主要生産物になっている。ユーラシアからは、小麦、砂糖、コメ、バナナ、それに主要な食用家畜と乳用家畜がもたらされた。」 「ヨーロッパと同様、東洋でも、アメリカの新しい食べ物が急速に知られるようになった。受け入れられるようになるまでには長い時間がかかったが、トウモロコシが中国で確認されたのは、アメリカで発見されてからまもないころだった。しかし、本格的な食料源としてではなく、珍しいものとして歓迎されていたようだ。その評価は、17世紀の初めに書かれた権威ある農業概論の脚註に記される程度のものでしかなかった。 」「サツマイモは、1560年代にビルマ国境近くの雲南で最初に報告された。その味は、漢民族には評判が悪かったが、耕作がむずかしかった丘陵地帯の移民には好まれた。 18世紀になると、サツマイモは、トウモロコシとともに、中国の広大な大地を変えた。1770年代には、水田での二期作の実施を急がせていた湖南の役人が、生産高を増やすために使える未開墾地がなければ、トウモロコシやサツマイモを山で栽培するように助言している。揚子江流域では、かつては森林で覆われていた山地が、藍や黄麻などの換金作物の栽培用に開墾され、掘っ建て小屋に住む人々が、日当たりのよい斜面にはトウモロコシを、日陰側にはサツマイモを植えて、それを食べて暮らしていた。18世紀の終わりには、サツマイモの味は受け入れられるようになり、北京のあちこちで露天の商人がゆでたり焼いたりしたサツマイモを売るようになった。だが、トウモロコシやサツマイモが、コメに取って代わることはなかった。あくまでコメを補うものとして、栽培された。インドでは、どちらも鼻であしらわれ、中国のようにサツマイモが植えられることはなかった。」 「トウモロコシとサツマイモが中国を征服したのに対して、ジャガイモはヨーロッパで、ある種の支配を確立した。充分な量を食べれば、ジャガイモは人間に必要なあらゆる栄養分を与えてくれる。熱量に関しては、ジャガイモはコメを除くすべての主要作物にまさる。 ジャガイモは、まずバスク地方に持ち込まれ、ついでアイルランドに入った。1680年代、ルイ14世がフランスの“自然の国境”に向かって進んでいたころ、ジャガイモはベルギーで栽培が試され、その後苦労して東へ進み、北ヨーロッパの平原からロシアにかけての広大な地域の基本食品として、ライ麦に取って代わった。 ジャガイモを広めたのは戦争だった。ジャガイモは地面の下に隠れているので徴発をまぬがれ、農民はほかの食べ物が不足すると、ジャガイモを食べて生き延びたのである。18世紀に相次いだ戦争によって、ドイツとポーランドに植えられ、ナポレオン戦争によってロシアへ運ばれた。ジャガイモの分布域は、ヨーロッパで戦争が起こるたびに広がり、それは第二次世界大戦までつづいた。 」「産業化した食習慣によって、社会がむしばまれている。少なくとも欧米では、伝統だった家庭生活のパターン、キッチンが暖かさと香りをもたらし、食事をともにする家族団欒は失われていった。産業化が、家族の食習慣を変える力を持っていることは、多くの人が実感できるであろう。新しい仕事のパターンに合わせて食事時間が変わっていった。 アメリカやイギリスでは、1日に4回食事をする習慣はとうの昔になくなった。昼食を1日のメインの食事とするドイツやイタリアでさえ、サラリーマンは会社のカフェテリアで食べなければならなくなった。イギリスでは、5時になると誰もがお茶を飲む習慣があったが、これもなくなった。 食文化に保守的なスペインでは、午前8時から午後3時まで連続して働いた後、家に帰って昔からの習慣どおり家族といっしょに食事をすることができる制度が認められている。もう一つは、携帯電話を使って連絡をとりながら、これまでどおり昼食のための午後の長い休憩をとる人もいる。 人々はいまも家で食事をするが、その時間はますます不規則になり、食事時間は個別化している。家族のそれぞれが別の時間に別の物を食べている。 工業化に多くの不安はあるものの、食の未来について楽観できる部分もある。力を持つ資本主義者は、ファーストフードなど、食の生活にも工業化を押し進めてきたが、一方では、規格化された味の食品の受け入れを迫る圧力に反発する力も各地に起きており、伝統的な料理の復活をうながしている。 食品業界は、人口が増加傾向にある時代には、価格を下げることで繁栄したが、先進世界ではその時代はもう終わった。未来は、未来学の専門家の予言よりもずっと過去に近いものになるだろう。スピードの目新しさに浮かれていた時代は過去のものとなる。15秒でできるハンバーガーは、歴史のごみ箱に入れられるであろう。効率のために多くのくずを飲み込んできたアメリカでさえ、インスタントコーヒーはたいていのアメリカ人が拒絶する。 この好みのうるささは、過去の遺物であると同時に、未来を示すサインなのかもしれない。食の歴史の次の革命は、最後の革命をくつがえすことか。」こんな歴史を読みつつアメリカ人は年間330億ドルをダイエットとトレーニングに費やし、肥満が原因で死ぬ人の数も膨大だ。一方では、判明しているだけでも年間１千万人ほどが餓死する現代という時代。未だ食料、水という基本的なものに欠乏する人々が多数を占める現代において、食に纏わる歴史は、経済や戦争以上に注目されても良いかと思う。我々の歴史とは何を食べてきたか？と言う歴史でもあるのだから・・・・そして何時の時代も飢餓と飽食は背中合わせだったのかも知れないなどと思うのですね。そして、灌漑や焼け畑農業という環境破壊が始まったことによる食料の蓄積と知識と余暇の獲得がが産業革命への道を拓き、現代に至ったのでありましょう。食う為に生きるか？生きる為に食うか？そのいずれもが我々にとってこれ以上ないくらいの切実な問題であったかとも思います。３分の１ほどの人口が３分の２ほどの人口からの略奪により現代社会は営まれ、飲み水すら事欠く人々が億単位でいるのだという現実や様々な事を思うのであります。(-∧-)合掌・・・ 食べる人類誌

  2007年12月11日

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  焚き火の発明から料理は始まる

  「食べる人類誌―火の発見からファーストフードの蔓延まで」 フェリペ フェルナンデス=アルメスト著) 「歴史における食物の位置を把握するには、どのような方法がもっとも適切なのか？ フェリペ・フェルナンデス＝アルメストの『Near a Thousand Tables』（邦題『食べる人類誌』）はその始まりを、文化を創り出す社会的行動に、そしておそらくその原因である「調理」においた。調理という行動の起源、牧畜、農業から食品の産業化、ついには現代のグローバリゼーションまでを一連の「革命」として追求している。 豊富な知識を盛り込みつつも軽快な筆致と警句的表現に満ちた本書は、儀式と魔法（「信じるものを結びつけ、信じない者に感銘を与える」）としての食物を探求し、動物の家畜化（かたつむりは世界最古の「家畜」だった）、社会的地位の指標としての農業と食物の利用（「偉大さは胴回りの偉大さに比例する」）、交易と文化交流における食物の役割（植民地における異文化混合の1つの形としてのテックス・メックス――テキサス流メキシコ風味――料理）、そして産業化を推進する力としての食物（調理法の産業革命である缶詰製造）などを探る。これらの探求を読み進み、最終的に読者が導かれるのは「ファストフードを食べる人々の孤独」と、文化を「創りあげた」共同体の行為からわれわれを疎外する電子レンジ料理の「非社会化的」効果だ。「食物は喜びを与えてくれる、そして良くも悪くも、食べる人を変えることができる」と、フェルナンデス＝アルメストは述べる。そして「次の革命の役割は、食物の悪い影響を打破することだ」と結論づけている。 本書は、われわれ自身の姿を浮き彫りにしてくれる興味深い1冊だ。敵の人肉を食べることによってその力を身につけようとする食人種族のように、われわれは食物には人間を変える力があると信じている。だからこそ菜食主義やその他特別な食事法などを徹底的に実践すれば、自分たちは「より良く」なると考えるのだ。本書はこうした人間の姿を包括的かつ正確に描き出している。」第１章　調理の発明―第一の革命／第２章　食べることの意味―儀式と魔術としての食べ物／第３章　食べるための飼育―牧畜革命：食べ物の「収集」から「生産」へ／第４章　食べられる大地―食べるための植物の管理／第５章　食べ物と身分―不平等と高級料理の出現／第６章　食べられる地平線―食べ物と遠隔地間の文化交流／第７章　挑戦的な革命―食べ物と生態系の交換／第８章　巨人の食料―十九世紀と二十世紀の食べ物と産業化 フェルナンデス＝アルメスト，フェリペ（Fern´andez‐Armesto，Felipe）クイーン・メリー大学、ロンドン大学の特別研究員、オックスフォード大学現代史学科研究員を務めるほか、アメリカやヨーロッパ各国のさまざまな大学で講演を行なう。編者を務めた『世界探険歴史地図』は、英国図書館協会賞を受賞した。その昔に孔子は、「衣食足りて礼節を知る」などと言ったものだが、我々は礼節を知ったのだろうか？という疑問や。現代のお袋の味が「袋に入ったレトルト食品」だという話や。遺伝子操作などの影響による食の危機が叫ばれて久しい。我々の御先祖様は、火を多目的に使い。洞穴や建物の中で焚かれる火は、明かりを採り、暖を採り、食物を加熱し、野獣を近付けないためのものでもあった。焚き火は照明であり、暖房であり、調理用の熱であり、火器＝武器であったわけで、正に万能の威力を発揮していたらしい・・・・・御先祖様は、焚き火の周りで料理をし、互いに気持ちを伝え合おうとして、言葉を交わすようにもなりと・・・これが社会の始まりだ本書は、いう。語り部という日本語があり・・・伝承や口承の物語が焚き火から始まったとは言われる。近年で言えば囲炉裏端とか井戸端とか・・・・火や水の周りで情報を交換した。火の神はどの民族にとっても重要な位置を占める。その昔に火を使い始めた我々のご先祖様が現代に至ると今度は、ウランなどを燃やし原始の火から原子の火までに至る長い道のり。呪術としての人肉食から、レンジでチンのレトルトまで、およそ口に入るものは何でも食べてきた我々の歴史は、あんまりかえりみられることが無いので残念。落雷などによる山火事が聖なる火として崇められ、我々と火の利用の起源を人類は窃盗によって最初の火を手に入れたとう神話が世界各地に伝えられる中で今に至る・・・火を手に入れたものが英雄だという伝説が多い。ちなみに日本で初めてマッチが生産されたのは、明治8年（１８７５年）だという。火を通さない食が日本ほど多い国も無く、どこの国でも蒸したり煮たり焼いたりが流行る。インドのカーストは、身分が高いものほど菜食、低いものほど肉食・・・・最下層は聖なる牛を食べる・・・・肉食が被差別階級の食習慣であるというのは、日本と似通うインド文化の日本への流入というのは、意外と語られない七福神がインド由来であるとか。・・・この方面からの研究なども面白いかと思う。これら、食と身分や差別の考察や様々な視点から人類史を考察する書は珍しいかと思う。人類の文化が焚き火の周辺から生まれたことは、間違いなさそうだ。料理であれ、物語であれ、宗教であれ・・・・拝火教なんてのも随分長い事流行ったのだし・・・いずれにしろ火は人間の生活に欠くことのできない大切なものであり、家の中心でもあった。火を大切にすることは当然であるが、その火によって神を迎え、祖先を迎えることを随分長い間日本人は、風習としてきたのだし、これらは、火祭りとして全国に残る。他国でも同じかと思う。火を囲んで生きてきた我々が原子の火で電気を灯し、電子レンジで温めた食事をすることで非社会化し孤立する。そして「食物は喜びを与えてくれる、そして良くも悪くも、食べる人を変えることができる」と語る著者。炭火で焼いた鹿肉とか、バターを添えて醤油で焼いたホタテとか、馬刺しとか。美味い天プラに大根おろしに蕎麦とか。もぎたてのきゅうりやトマトとか。まあ、色々思い起こすのであります。焚き火の発明こそが良い意味でも悪い意味でも我々をここまで来させたのでありましょう。文化の根源は焚き火にあり・・・・だから椎名誠は、焚き火マニアなのかもなあ・・・などと思う冬の夜更けであります。(-∧-)合掌・・・食べる人類誌

  2007年12月10日

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• カルトでオカルトな世界を生きる

  地球が温暖化すれば、二酸化炭素を悪者にすることで原発産業が儲かり、放射能汚染も大気汚染も海洋汚染も脇へ追いやられ、地球温暖化の原因が二酸化炭素かどうかなどどうでもよく。「地球環境を守れ」などと言う傲慢な言葉の下に原子力産業を牛耳るやくざな連中が裏で劣化ウラン弾や中性子爆弾などを製造販売しつつ音頭を取る。戦時中の日本が自らの狂気を認識することなく、竹やりでＢ２９を打ち落とそうとしてた如く・・・・・結局これらは、呪術なんだろうなあ・・・などと思う。しかもこれらを正当化するような昨今の風潮を見る限りにおいて、愚行を繰り返すしかないのだろうなどと思う。近代だ資本主義だと言った所で・・・前近代的な何かを引きずって生きてるだけなのだろうなあと。思うのであります。明治維新後よりわれわれを支えてきたのは、天皇制、神道、軍隊の 3つの論理だった。天皇を現人神と頂く神の国日本に神風吹く・・・・神風特攻隊が生まれるわけです。惨憺たるカルト的な妄信による総力戦の結果、戦争に負けて以来、天皇をマッカーサーに大本営を占領軍に置き換えてその後、われわれはハンバーガーを食べ、コーラを飲み生きている。わが国の伝統と言えるようなことと言えば、腐敗した政治と官僚と企業群の金のやり取りと陰湿ないじめぐらいしか残ってないんじゃ？なんて感じもする。時給幾らで死ぬまでとことん搾取されるか、ニートになるか、リストカットやテロに走るかしか自殺に走る人は大いに増え。抗うつ剤でも飲んで思考停止するか現実を見ずに妄想に浸るか？まあ、そんなこんなの病んだ祖国であります。世界残酷物語などで有名になった。カーゴ・カルト（Cargo Cult,直訳すると「積荷信仰」（つみにしんこう））というのがあります。主としてメラネシアなど南の島で発生した信仰のことで、いつの日か、先祖の霊・または神が、天国から船や飛行機に文明の利器を搭載して自分達の元に現れる、という現世利益的な信仰のことです。近代まで文明の利器を知らなかった人々にとって白人が持ち込んで来た工業製品に対して、これは当地の先住民の為に神が作った物であり、白人は神と特別な繋がりを持って不当にそれらを占有したのだ、と考えカーゴ・カルトでは、白人達の振る舞いと同じ様な儀式を行う事で「白人」の影響を打ち破り、先祖が自分達を認識し白人にではなく自分達に積荷を送ってくれる様になる、と・・・・・例えば、飛行機を始めてみた人々が藁で飛行機の実物大模型を作り、新しい軍用滑走路もどきを作った。作られた飛行機はメスなので、これでオスの飛行機が誘われて来るなんて考えたのですね。これをさかさまに見ると日本に船でやってきた白人たちには、ちょん髷を結った日本人が頭に拳銃を携えているように見えたそうです。まあ、こういった現象を見る限り、わが国においては、アメリカに従う事で経済成長やその他諸々の戦後史があったわけでして・・・・目下の所改悪されそうな生活保護制度もＧＨＱによる発案でした・・・・ギブミーチョコレートとや給食の脱脂粉乳で育ったのが団塊の世代前後の人々で彼等の「積荷信仰」ないし「アメリカ信仰」は、根深いのかもなあ。。。などと思うのですね。まあ、圧倒的な物量作戦の中で最後は原爆という世界史上初の爆撃を受け、進駐され占領されたわが国が追いつけ追い越せとばかりにカーゴカルト的な歴史を辿るのは必然なのかも知れません。未だそんな呪術が支配する国日本で再びオウム真理教のような漫画のような国家体制が来たとしても何ら不思議じゃないのかもしれませんし・・・・そんな呪術的な要素として「イルミナティ」「ユダヤ」「フリーメーソン」なんていう白人由来の呪術的な用語もこれまたこの国で流行る由縁かも知れませんし・・・・陰謀論をしきりに唱え、愛用するのは、オウム真理教だったり、ナチスドイツだったり・・・いわゆる全体主義的なことどもの特徴でもあります。これらもまた、国家の歌やマークや国鳥、国花、国技などが決められ、それがさも美しく貴く気高いかのように宣伝されたことと一緒で、地球温暖化キャンペーンもまた・・・・原発はクリーンで安全だと言う宣伝文句ももはやカルト的な域に達した感がある。かつて、キリスト教が、悪魔祓い、魔女狩り、十字軍、宗教裁判、さらには、「インディオ虐殺に至る搾取や抑圧のイデオロギーの装置であったように。しかも、西部劇と言う映画を用いこれらを正当化する我々人間という生き物のどうしようもなさ。現代においては、様々な装置が張り巡らされ、右を向いても左を見てもまあ、おんなじかなあ・・・などと思うのであります。ＵＦＯなんてのも原爆投下以来の我々のカーゴ信仰かもなあ・・・なんて思うのであります。まあ、そんなこんなの間違いだらけの狂気の歴史を正当化したり捏造したりデマを本当と洗脳するカルトでオカルトな世界を生きるしかない我々にとって正気と思える言葉を最後に・・・・・「もしも人間の誤りやすさを断固として認めなければ、誤りは(深刻で取り返しのつかないものも含めて)永遠に人間についてまわるに違いない。しかし、ほんの少しの勇気をもって自分を見つめ、情けない気持ちをこらえることができるなら、可能性は大きく開けるだろう。」『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』より　　　(-∧-)合掌・・・

  2007年12月09日

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  重力と恩寵

  シモーヌ・ヴェイユの生涯 １９０９ パリに生まれる。高等中学に入る頃から生涯に渡って 彼女を痛めつける激しい頭痛と血行障害に悩まされる。 １９２５-２８ 高等師範学校の入学準備のため、アンリ四世校に入り、最大の師アランと出会う。 １９３１ 大学教授資格試験に合格。高等中学校の哲学教師となると共に、社会主義者として大胆な実践活動に参加。 １９３４ 「自分の指で」「現実の人生との接触」をはかるために電気工場に女工として入社。 １９３５ 教師に戻るが１９３６スペイン戦線に身を投じる。 その後の二年間は疲労と病苦のどん底であった。 １９３８ ソレム修道院で＜キリストとの出合い＞をもつ。 暗い夜を越えながら息をひそめて待ち望んでいた彼女に＜愛＞が啓示される。 キリストが彼女の前に現れる。 １９４０-４２ マルセイユで過ごした二年間は、彼女の全思想が決定的に開花する。 １９４２ ユダヤ系難民としてニューヨークへ。祖国の抵抗運動に参加しようと する衝動は押さえがたく、ロンドンに渡り自由フランス政府に参加。 １９４３ アシュフォードのサナトリウムで、自らに課した飢えのために死ぬ。 彼女は定期的におそわれる肺結核の発作のために衰弱していたにもかかわらず、ナチス・ドイツの占領下で生活していた同胞に配給され る量の食物以外に決して食べようとはしなかったと言う。田辺保著「シモーヌ・ヴェイユ」講談社現代新書１９世紀生まれのユダヤ人は、世界を変え現代を形作った感がある。スピノザ、ハイネ、フェリックス・メンデルスゾーン、ロイター、マルクス、オッフェンバック・・・・・１８５０年代に生まれたユダヤ人。フロイト、デュルケーム、ザメンホフ、ドレーフュス、ベルクソン、フッサール。１８６０年代がマーラー、ヴァールブルク。１８７０年代には、ローザ・ルクセンブルク、プルースト、シェーンベルク、ワルター、マルチン・ブーバー、ヤヌシュ・コルチャック、トロツキー、アインシュタイン。１８８０年代にカフカ、モディリアーニ、ルービンシュタイン、シャガール。９０年代のガーシュイン、ヴィトゲンシュタイン、ワルター・ベンヤミン、ロマン・ヤコブソン、ゲルショム・ショーレム、セルゲイ・エイゼンシュタイン、ヘルベルト・マルクーゼ。この少し後に生まれたユダヤ人で言うとエーリッヒ・フロム、アドルノ、オッペンハイマー、シンガー、レヴィナス、フランクル、ハンナ・アレント、ビリー・ワイルダー、レヴィ・ストロース、シモーヌ・ヴェイユ。世に出たのは同化ユダヤ人ヴェイユといえば「重力と恩寵」だ。「神とは、人間の魂の中にある美しいものを追い求める気持ち、正しいものを追い求める気持ち、善なるものを追求する気持ちに呼応するところの、はるか彼方にある存在だ」そして、人間はその神を求めて、自分の魂を清め、行いを清めて、そのあこがれの神に一歩でも近づいて行こうと努力する。神に近づき昇って行こうとする人間を、一生懸命に下のほうから引っ張る力がある。ヴェイユはそれを「重力」という言葉で表現する。「物が重力の作用で下に落ちるように、人間を下のほうに引きずり降ろそうとする力が世界の中には働いている。」『「善は悪をもたらし、悪は善をもたらす。この連鎖はいつ断たれるのか。」悪は善の影である。すべて実在的な善は、それが固さと厚みを備えているかぎり、悪を投影する。想像上の善だけが悪を投影しない。』「純粋さとは、汚れをじっと見つめる力のことです。」ユダヤ人モーゼによるユダヤ教、ユダヤ人イエスによるキリスト教、イスラム教、そしてフランス革命、マルクス理論によるロシア革命に２度の世界大戦という歴史。ナチズムによって国を追われ、ロンドンで自殺するかのように死んだヴェイユ「重力と恩寵」に戻ろう。「ユダヤ人という、この一握りの根をもぎ取られた人々が、地球全体の根こぎをおこす原因になった。かれらがキリストの教の発生に関わりを持った為に、キリスト教世界は自分自身の過去を見失って根絶やしにされたものとなってしまった。ルネサンスは、もう一度根付きをさせようと言う試みであったが、失敗した。それは、反キリスト教的なものを目指していたからである。「啓蒙思想」の傾向、１７８９年の大革命、政教分離主義などが、進歩と言うたぶらかしによって、いよいよ限りもなく根こそぎを増大させて行った。そして、根を失ったヨーロッパが、植民地主義によって、世界のほかの部分の根まで絶ってしまった。資本主義、全体主義などは、この根絶やしの侵攻に加担している。反ユダヤ人思想を抱く者たちが、ユダヤ人の感化力をことさらに広いものにしたということは、もちろん言える。だが、かれらが毒をもってする根絶やしに着手するよりも先に、東方ではアッシリアが、西洋ではローマが剣をもって根絶やしにした。」現代に話を戻すと「すべてのユダヤ人にイスラエルへ移住することを呼びかけたい。特にフランスのユダヤ人には差し迫ったことで、すぐに行動に移るべきだ。フランスの人口の10％が回教徒であるということは、新しい形の反ユダヤ主義を形成する土壌になっている。」エルサレムでシャロン首相が語れば・・・・「無責任で許しがたい発言だ。フランスに対する敵意に満ちている」などと語るフランス人政治家。まあ、そんなこんなのこの世界を生きたヴェイユの言葉を「感覚の中に存在する神、それはまだ執着である。だから「わが神どうし てわたしをお見捨てになったのですか」という中を通ってこなければならない。極度の不幸は、感覚からあらゆる執着の対象を取りさるとともに、神をも取り去ってしまう。ただ生のみが、感覚にそのまま現存しつづける。そのときに死を受け入れることが、完全な死の受容であり、完全な自己離脱である。」「人間の肉体的な本性は動物と共通なものだ。めんどりたちは傷ついため んどりにとびかかって、つつこうとする。これは重力と同じようにメカニックな現象だ。わたしたちの理性が罪に結びつけるすべての侮辱、すべての嫌悪、すべての憎悪を、わたしたちの感受性は不幸に結びつける。キリストが魂の全体を占めている人々を除いては、すべての人が、ほとんどだれも意識していないけれども、不幸な人を軽蔑している。」重力と恩寵

  2007年12月08日

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  森の思想

  西暦677年の天武天皇の勅令で、奈良の明日香村の南渊山と細川山で、草木を切ることを禁止。806年には、山城国大井山(現在の嵐山付近)の禁伐令でしょう。これは、桂川に土砂が流れ込み、洪水がたびたび起こったためで、川の河岸の木を切ることを禁止。そして、時は元禄、平和になり人口が増え、開墾が進み、森から農地に次々と転換された後、洪水などの災害を多発する。度重なる江戸の火事も大量の木材を消費する。寛文６年(1666)２月、幕府は「諸国山川の掟」の令を出して、木の根の掘取りや焼畑を禁止し、木が生育していない山には植林を命じるなど、山地の取り締まりを強化した。貞享元年(1684)には、再度「山川の掟」が発令された。地方の人口増加に伴う開墾や都市化が大量の木材を消費し山が枯れ川が暴れるということだ。「国を治めるには水を治めよ、水を治めるにはまず山を治めよ」「木を切れば、首が飛び、枝を切れば手を、葉を切れば指で、草を切れば髪をきる」なんて言葉が残る。日本の歴史を治水と水田と山から見て行くと戦国の武将は山に城を構え治水をすることで新田開発をしていく。戦国の武将の名を冠した堤防などが全国各地に点在する。このことは、狭い国土の中で食料を生産する連作が可能な水田の歴史でもある。江戸時代になされた植林によってトトロの森は、武蔵野の森は作り上げられ、太陽エネルギーによる世界に例を見ない江戸という循環都市が築かれる。利根川水系を大工事で灌漑用水化し新田開発を進め、糞尿を集め、肥料として土に返す、木を植えて、山を守る。これらの取り組みをした世界史上初の国家でもあった江戸幕府。これらもやはり人間の強欲によって何度も似たような事が繰り返された結果だ。今あるようなコンクリートの堤防は大正から昭和初期頃より作り始められた。そして暴れる川と我々の暮らしは切り離され、取水や発電の為のダム建設が始まる。鎖国が解かれることによって色々な意味での自給自足経済や環境保護体制は崩壊する。交通の手段が舟運から鉄道中心へと変化したこともあって、次々と日本の川は、死んでいく。このことは、漁業の衰退にも当てはまる、昔の漁師は、山を見て魚を獲ったという。豊かな山が肥沃な養分を川が運ぶ事で田畑を養い、海を養っていた。このことを経験上、日本人は知っていた。これを森の思想と呼ぶ人も居る。大量の物資を輸入する事で暮らす我々の暮らしは、そんなに長くは続かない。自然の恵みによって活かされてる我々が何かを忘れ利便や効率を追求すればするほどに人心は荒廃し田畑は荒れる。このことは、幾たびも歴史上繰り返された。しかし、その度にこの国を救ったのも森の思想なのかもしれない。僕が子供の頃の隅田川は、コンクリートで囲われ「泳いだら死ぬ」と言われ、もっと近所の荒川には、「頭がふたつのハゼ」だとかが取れたなどということがあった。外で遊べば「光化学スモッグ」だ。江戸時代には、せいぜい３千万ほどだった人口が一億を軽く超え、富国強兵、殖産興業、生めよ殖やせよでここまで来た。そんな僕には、たまに家族で遊びに行く長野県の千曲川などは、感動モノだった。しかし、農家のおばちゃんと話せば、昔は、タニシもいたしドジョウもいた、今はいない。何で？と子供の頃の僕が聞けば、「農薬だわ。」まあそんなこんなの現代なのだけれど、海岸の松林、川沿いの林も洪水から身を守る知恵の成果でもありご先祖様の苦労の森の思想の遺産なのだろうなあ・・・・などと思う朝なのであります。だから、現代に暮らす我々もコンクリートの治水や原子力発電などという愚行をやめて、自然を見据え、子孫を思い、どんな生き物にとっても優しい文明を築いて行きたい者であります。海岸線のコンクリートを剥がし山を豊かにして海を蘇らせ、ダムを解体し、治水を根本的に改め地域に根ざした植林や農業や漁業、原発を減らし、太陽光発電や太陽電池などを広め、そんなことを本気でやる政治家や企業家や官僚が国民この国の未来を決めます。そして、これらの技術を輸出すればこの国の平和も守られるとおもうのですが如何でしょうか？治水と稲作の集約化という文化がこの国が長らく保った真因でしょうし。(-∧-)合掌・・・神棲む森の思想

  2007年12月06日

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• 縄文のタイムカプセル

  石器時代の縄文遺跡から炭化した栗が発掘されている。9000年以前から日本には栗があり、縄文時代・三内丸山遺跡（青森市・約5500年前）には大規模な栗栽培の跡があり、そこでは1500年に渡って、栗を栽培していたという。栗の木材は腐朽しにくいため、建築・船舶・家具・枕木用材として使われ、またシイタケの培養原木や薪炭材にも使われる。縄文建築は、栽培していた栗の木でというのが有力だ・・・・角材は檜をすでに用いていたらしい。そんな縄文時代の「縄文のタイムカプセル」などと言われる鳥浜貝塚は面白い。鳥浜遺跡群は、福井県若狭町に所在する縄文時代草創期から前期にかけて（今から約12,000～5,000年前）の集落遺跡。遺跡は、海抜0m～-4.0mにある低湿地帯貝塚で、赤漆塗の櫛をはじめとする漆製品、石斧の柄、しゃもじ、スコップ状木製品、編物、縄などの有機物遺物やヒョウタン・ウリ・アサ・ゴボウ等の植物遺体、丸木舟、糞石など、通常は腐食して残りにくい貴重な遺物が、水漬けの状態で良好に保存されていた。だから「縄文のタイムカプセル」と呼ぶ。このタイムカプセルからドングリ・クルミなどの種子、魚の骨やウロコなどの魚骨、淡水の貝殻などが発見。これらの発見により秋に採取した森の食べ物を秋から冬にかけて食べ、春には三方湖で魚や貝を取り、夏は若狭湾に回遊するマグロ・カツオ・ブリ・サワラを捕って食べていた他にスズキ・マダイ・クロダイ・サメ・フグ・イルカ・シャチ・クジラの骨なども見つかる、淡水魚・海水魚・貝類・堅果・野菜など多様な食糧利用が明らかとなった。熊送りに代表される大地の豊穣に感謝する「霊送りの儀式」も行われていた模様だ。海上交易も盛んで明らかに黒曜石やヒスイに代表される交易の痕跡も沢山ある。青森県の三内丸山遺跡では、これらに加え冬場の狩による動物の骨が出土していたかと思う。食料の乏しい冬場に動物を狩っていたらしい。約1500年間にわたり定住生活をしていた青森県の三内丸山遺跡での主食が栗だったといのも近年では定説になりつつある。キビやヒョウタンなどの植物を栽培も行われていたという。縄文時代には、すでに稲と麦の伝播による栽培も行われ、これらが如何に普及していったかが赴き深い。稲と麦の伝播による食料の大量生産と貯蔵が我々の暮らしを根本から変えていった。この辺りに国家の起源を求める人は多い。これらの最大の要因は、当時の地球の寒冷化だったと僕は推理する。大嘗祭などに代表される祭祀としての天皇制と稲穂の国と呼ばれるわが国で農耕以前の暮らしが見えてきたのは近年の事だ。僕的には、縄文人になぜ抜歯の伝統があったかが興味深い。縄文人の抜歯は、縄文後期～晩期の風習で、犬歯・門歯などを左右対称に抜き取った。成年式の意味をもつなどと言われてはいるが・・・・・まあ何はともあれ、我々のご先祖様の暮らしをあれこれ考える事は、心豊かな営みだと思うのであります。(-∧-)合掌・・・

  2007年12月05日

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  国家の本音

  銀行外勤の男が、ふと訪れた家。家の中に入ってしまったが最後、家の男に「わが国に不法侵入したスパイだ」と捕獲される。銀行員は、なだめすかして脱出を試みるのだが呑めと進められた酒に痺れ薬が入っていた彼の体にはすでに痺れ薬がまわっていて動けない。家の表札は「真井国三」・・・でマイ国家。「昔の義賊は、びくびくしながらそれをやっていた。だが役人は、自分たちは金持ちから金を取り、弱きを助けているのだといい気になっている。それどころか、立派なビルの中でいばっている。老子とかいう古代中国の人がいっていたぞ。民が飢えるのは、税を食う奴が上に沢山いるからだとね。自分で貧民を作っておき、かすかに助けるだけのことだ。なんたることだ。」「やっかいな人種問題などなく、一民族、一指導者、一国家だ。…いかなる力を以ってしても、わが国を二つに分割できない。構内の分裂もなく、国民の分裂もなく、国民の心は政府の心であり、政府の行動は国民の要求だ。」というフレーズが出てくる星新一の「マイ国家」をウン十年ぶりに読む。大昔に読んだ本を時折思い出すことが多い。北杜夫が友人である星新一、遠藤周作などを集めて建国式を行いましたマンボウ・マブセ王国は国旗や紙幣までも作ったと言う・・・・おそらく躁状態だったのだろう。似たような着想の井上ひさしの「吉里吉里人」も大昔に読んだ。沈黙の艦隊も希望の国のエクソダスもマイ国家と同じ発想だ。星製薬の御曹司である星新一は、若い時期を会社の後始末に追われる。国家権力の徹底した民間いじめを若くして体験した星新一ならではの傑作。マイ国家を思い出すきっかけとなったのは、厚生労働省社会援護局長である「中村秀一局長」の発言録などを眺めていてなのだが。北九州市門司区での生活保護申請妨害による餓死事件について「北九州市は適切な対応をした」（０６年６月１２日参議院行政監視委員会）住民の生活保護からの排除を自治体に指令したことがばれれば。「社会保障が最大の歳出になっている。社会保障の分野で改革の手がついていないのが生活保護だ」（０６年５月１５日全国福祉事務所長会議）ホームレスに対する発言「福祉事務所に来てホームレスはその指導に従わなくて約束を破ったりしてその市にいられなくなって、また別の市に行って福祉事務所のところに行く、なかなかホームレスもしたたかで、行政も困っている。ホームレスであればどういう状況にあれ生活保護を適用するということになれば、みんなホームレスになれば生活保護を受けられるということで、これはもう生活保護行政が崩れてしまう」（０６年３月１７日衆議院厚生労働委員会）障害者自立支援法制定を強行「サービスは買うものだ。それが新しい福祉の考え方」（０５年１０月６日参議院厚生労働委員会）老健局長時代には、介護保険法改悪の具体的影響を質した野党議員に対して「質問が不適切だ」（０５年４月１日衆議院厚生労働委員会）地方行政は、霞ヶ関でえばり腐るこのような脳みその腐った官僚に振り回される。政官財を牛耳るこの局長のような人物群の本音を翻訳すれば、「米国への多額の献金と服従、天下り官僚への配慮こそ国家安泰の道である。貧乏人が飢えようが死のうがどうでも良いのである。天下り官僚のおかげで国家財政が破綻寸前である現在、これ以上貧乏人に金を恵む必要もなく、消費税の値上げと社会保障費の更なる値上げによる収奪こそが国民の義務である。守るべきは企業である。それも政党へ多額に献金できるような企業である。彼ら企業は、我々に億単位の収入を保証する天下り先ポストも提供してくれるのだ。だから国債をジャンジャン発行し公共事業をするのである。これら借金は当然国民に返還してもらう。国民を守る義務など無い。国家を守るために国民から税を徴収するのだ。そのうち徴兵もするぞ！！国民に権利など無い！！義務を遂行せよ！！我々の為に働いて死んでいくがヨロシイ。アメリカ様万歳！！天皇陛下万歳！！」まあ、そんなようなことだろうなあ・・・と国家というものを経験上知り尽くした星新一の名著「マイ国家」などを読んでおもうのでありますね。星新一は「人民は弱し、官吏は強し」・・・・という著作も書いている。(-∧-)合掌・・・マイ国家改版人民は弱し官吏は強し改版

  2007年12月04日

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