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私が南関東の地方競馬に行くときに買う新聞は,日刊競馬だった。馬券を離れたコラム「馬とペン」「タイムトンネル」と,見出しのキャッチコピーが好きだったからである。テーマは変化自在で,その日のメインレースについてであったり,提言だったり,競馬場での楽しみ方だったりと様々であった。
見出しのキャッチコピーは,例えば1987年の羽田盃(3冠の第1戦)では「誰が奪う三冠パスポート」だったし,1988年の東京ダービーでは「闇を焦がせ陶酔の世界へ幕があく」というものだったし,1989年の帝王賞では「群雄割拠!乱世は真の英雄を待つ」という具合で,決してレースに出走する馬の名前が出るものではなかった。 同様で,有馬記念では「君の夢 僕の夢 胸熱くしてともに見つめよう」というものであった。東京王冠賞(3冠の最終戦)でその伝統は覆された。 その年,南関東競馬はロジータ一色だったといっても過言ではない。 6番人気で一着した京浜盃を皮切りに,5連勝で東京ダービーまでを完勝。窓口であったオールカマーに出走し,レコード勝ちのオグリキャップに0.7秒差の5着でジャパンカップ出走権を手にしていた。あるだろうが,間違いなく南関東最強牝馬であった。「世界が見える最強牝馬ロジータ」という慣例破りの見出しは,そんなロジータに勲章だったのだと思っている。ロジータは東京王冠賞を完勝し,ジャパンカップはさすがに下位だったが,その後の東京大賞典,川崎記念を完勝して引退,早々と繁殖入りした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年09月28日 23時06分11秒
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