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かりん御殿

マルチリンガル夫育て

「マルチリンガル育児」
これを題材に書かれたブログが増えております。
育児、というくらいですから、当然
書き手は、親御さんでして、
親御さん自体がマルチリンガルの方もいれば、
モノリンガルの方もいる、という
非常に範囲が広く異なる定義や解釈のもとで
「マルチリンガル育児」という言葉が
使われている状況でございます。

実は、手前どもも「マルチリンガル家族」なんですが
白状いたしますと、手前も倅どもが幼少の頃は
マルチリンガル育児、多言語家庭教育などについて
あれこれ記載しておったのですが
倅どもも、今年で16歳、11歳ともなりますと
当然ながら、親がブログで、
その私生活を公開するのは憚られる、
というよりも
「ブログで書いたら、即、ブログごと削除するからなっ」
等と、脅される次第となりました。
(という次第となったのは一昨年でございますが..)

さて、そんなわけで
「マルチリンガル育児」とは、遠ざかっておったのですが
先日、同じくマルチリンガル家族である某友人が、
こう提案したのでございます。

「マルチリンガル夫育て」について書けば?

しかも、手前が、恥を忍んで書けば
この友人も、手前どもの亭主よりも
遥かに正真正銘マルチリンガルなご夫君について
書いてやってもよい、と、おっしゃるじゃぁないですか?!!

と言う事で、マルチリンガル夫育て
略して「マルチリ夫」、どうぞ!


===1.チャンポン語=======

みなさま、
子供しかマルチリンガルにはなれない、
なんて、考えていらっしゃいませんか?

これより、我が家の
【マルチリンガル夫】ウザ君47歳
上海生まれ上海育ちの
純粋な上海人(ただし先祖は遊牧民族)が
いかに
上海語、北京語、日本語、英語、その他の
マルチリンガルとして育っていっているか
また
「夫のマルチリンガル度は妻の責任」
と自負しておる手前48歳が
いかに日々苦心しているか、その涙の記録を
公開させていただこうと思います。

===
さて、
夫は「一親一言語」方針にのっとり
「一人一言語」で、育ててまいりました。
つまり
上海の家族は上海語
手前は北京語
倅どもは英語
職場の同僚の皆さまは日本語、
のみで、夫に話しかけたのでございます。

しかしながら
夫は、長男が幼児の頃から
何故か、倅どもに対してのみ
チャンポン語を使うようになったのでございます。

たとえば、こんな言い方でございます。
「のんく、のんくっ、You've made it so
 ざんざんっ!Very汚いからquickly拭いてっ!!」

上海語で「のん=You く=see(Look at it,ご覧っ)」
「ざんざんっ」は北京語で「汚い」でございます。
つまり
「みてごらん、こんな汚くしちゃって
 すごい汚いから早く拭いてっ」

日本語で言えば済む事でございますね。
ちなみに、夫、日本語だけでも、
英語だけでも、中国語だけでも
こう言う事は、できます。
しかし、
倅どもに「様々な言語に触れてもらいたい」
「順調にマルチリンガルに育ってほしい」
という親心から、こんなチャンポン語に
なってしまうのでございます。

ちなみに、この夫のチャンポン語に
倅どもがチャンポン語で応える事は
一切ありません。

さぁ、マルチリンガル夫育て妻の登場です。
倅どもに
「(パパの言語発達と言語混乱を防ぐ為)
 パパがチャンポン語で話かけてきたら
 無視するように」
と言い含めました。

さて、その結果....
..........
..........
...ですが....

夫は、倅どもに
無視される事に慣れていたため
無視されている事に気付きませんでした...。
..........

ウザ君、
なんて前向きなんでしょう!
マルチリンガルになるための
第一条件は
楽観的なこと
他人の目を気にしないこと
耳の痛い意見は無視すること
でございます。
ウザ君、がんばれ!(涙)
ママいえワイフ48歳は応援しとりますからねっ!!


===2.疑いと失敗は成功の元======

去年、長男が無事15歳を迎えまして
誕生日カードに父母弟で寄せ書きをいたしたんですが
ほら、手前どもってマルチリンガル家族で
ございましょ?こんなカード1枚でも
マルチリンガル、マルカなんざますの。

それぞれが、最も得意な言語で書きましてね、
まず、弟が英語、手前が、
亭主に花を持たせて、カードの上部に
亭主用の書き込み部分を空けて日本語で、
こう書きました。

「太郎(長男15歳/仮名)
 
 あっという間に、
 もう15歳ですね。
 明るく元気に育ってくれて
 ありがとう!
 楽しい青春になりますように☆
              
            母より」

そして、インクが乾いてから
マルチリンガル夫ウザ君47歳にカードを渡すと
ウザ君、まず、治郎(次男10歳仮名)に対し
ひとこと...

「Taroなんて書いちゃ、だめじゃないっ
 くっく(=お兄ちゃん)って書かなきゃ!」

弟が兄を呼び捨てにするのは、いかん、と
怒ったわけでございます。
しかし、弟の寄せ書きは英語だってのっ
英語じゃ、兄弟だって呼び捨てが
(って、捨ててる意識もありませんしっ)
当然じゃぁありませんかっ?!!
じゃ、「Bro」とでも書けってのか?
そっちのほうが、よっぽど与太ってるってのっ

と、手前がたしなめますと、ウザ君
不服そうでしたが、騒ぐのは、やめて
手前の書きこみを読み始めました。

そして、
おそるべきことに...
なんと...
この日本語ネィティブの手前に向かって
おごそかに
申し立てたのでございます。
........
........

「この日本語、まちがってるよ。」
........
........
なにぃぃぃっ?
どこがじゃ??????
........
........

「【育ってくれて】って変じゃん?
 育てたのは僕たちなんだから。」
........
........
だーーかーーらーーーっ
これは、
親はなくとも子は育つ的に、
こんなダメ父母のもとで
成長してくれてありがとうという
息子への感謝の気持ちで...
.......云々...と
説明しても、
.............
.............
「でも、この日本語、変だよ。」
............

さすが、マルチリンガル夫でございます。
さすが、「理系(笑)」夫でございます。
常識は、まず、疑う!!!
これこそ、科学の基礎!!!!!!
ネイティブが
莫大な時間を費やして育んで来た
深い文化的素養と思考を根っこに発した言葉だって
【盲目的に】信じちゃぁ、いけませんっ!!!

しかし....
あれこれ主張し続けたウザ君ですが
全く誰も注意を払っていない事に突如気付き、
めげることなく、すくっと立ち上がると
「定年後計画」(笑)と書かれた
備忘録ノートを持って来て
....
「なんか、かっこいい事、書こーーっ」
....
と、カードの「下書き」を
したため始めました。

あれこれ推敲しながら
考えること10分、20分、30分、40分
....
やっと
「できたーー」
との声が...
そして、いそいそと
カードに書き始めたと思ったら...
...........
「あーーーーーっ間違えたーーーっ」
..........
との悲痛な叫びが...。

ノートを見ながら書き写していたので
字を抜かしてしまったのでございます。
そして、間違えたまま意味が通るように
また、練り直しとなったのでした....。

ウザ君、がんばれ...
「失敗は成功のもと」だよ(涙)。


マルチリンガル教訓
「ネィティブの言葉でも疑えっ!」
「あくまでも自分の感覚を信じて強引に突き進め」
「他人には厳しく、自分には甘く」
....で、ございます。

====3.言語と相互理解=====

長男太郎15歳(仮名)も思春期まっただなか
時々、マルチリンガル夫ウザ君47歳と
「倅の将来」の話をするようになりました。
手前が
「どんな人と付き合うんだろうねぇ」
と申しますと、ウザ君、まず一言。
....
「あいつは【金髪好き】だからなぁ」
....
ちなみに、この時の会話は中国語でしたが
【金髪好き】だけは日本語でございました。
ウザ君ったら、一体、どこで
こんなコトバを覚えたんでしょう???

ここで、長男の名誉のために解説いたしますと
長男は、別に【金髪好き】なわけではございません。
たまたま、長男が幼稚園から小学1年生くらいの頃
仲良くしていた女の子達が金髪だっただけでして
しかも、成長後、茶色の髪になる場合でも
このくらいの年齢には、金髪である事が多いため
長男のクラスの女の子の八割方は
金髪だったんでございますっ!!

また、長男本人も、文字通り「金髪」
で選んでいたわけではなく
あくまでも「明るい前向きな性格」と
「可愛いらしさ」を重視している(笑)、
と、当時から申しておりまして、その
明るさと可愛らしさに基づいて
クラスの女の子を10段階で評価していたものです。
(あくまでも5、6歳の頃の話でございますよ!)

さて、話を元に戻しますが
手前が
「まぁ、なんとか結婚できるとしたら
 相手は英国人の確率が高いだろうね。」
と申しますと、ウザ君
.......
「やっぱり、そう思う?
 ボク、心配なんだよなぁ。」
お?
何何?、まさか人種偏見的な懸念とか
あるんじゃないでしょうねぇ???と
どこが心配なのか詳しく聞きますと
答えて曰く
.......
「だってさ、コミュニケーションの問題とかあるじゃん?」
.......
手前が怪訝な顔で
「??コミュニケーションって、英語なんだから
 問題無いじゃんっ!?」
と、さらに問いますと、
答えて曰く
.......
「いや、コトバだけじゃないんだ。
 カルチャーの問題もあるんだよ。
 カルチャーとかバックグラウンドの理解が大事なんだ。」
.......
おぉぉぉぉーーーーーーっ
さすが
マルチリンガル夫でございますっ!!
言葉だけじゃ、本当の理解はできない、
文化背景の相互理解あってのコミュニケーション!!!

さっそく、手前が、こう申しました。
「だけど、太郎は英国で育ってるわけだから
 私達なんかよりは遥かに英国的な感覚だから
 英国人でもだいじょうぶだよ。
 むしろ他の国で、理解しあえる人をさがす
 ってのも難しいかもしれないよ。」
....
すると、
マルチリンガル夫ウザ君
......
「へ?」
と、怪訝な顔、そして曰く;
...
「なんで、太郎なんだよ???」
...
 ボクだよ、ボク。
...
 ボクと、お嫁さんのコミュニケーションだよっ
...
 ボク英語はできるけど英国人とは感覚違うし..
...
 心配だなぁ....。」
........
........
って、
「お前さんが
 息子のヨメさんとのコミュニケーションで
 悩んで、どーするってんだいっ!!!!!
 老後の面倒でも見てもらうつもりっ??」
と怒ると、慌てて、こう答えました。
...
「いや、そんなつもりは、もちろん無いけど
...
 嫌われたくないもん。」
.......
.......
はっ、
まさか、
ふだん愛想の良い義父が、
中国語はできるけど
中国的な行動は一切とらない
息子のヨメである手前について
愚痴でもこぼしてたのかーーーーーーーーっ??

しかし
マルチリ夫ウザちゃんは
ヨメの険しい表情には全く気付かず
.......
「子供が大きくなればなったで
 別の心配事が増えるんだよねぇ」
等と
しみじみ自己完結しているのでありました...。
.........

ウザ君、心配しなくてようございますよ。
ウザ君を理解できる人は
家族も含めて、ごく稀ですから...。
.......
これからも、我が道を行く、で、通そうね!


マルチリンガル教訓
「言語さえ通じれば理解しあえるわけではない。」




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