2007/06/13(水)17:17
介護ビジネスの行方
最近の一連の『コムスン』の報道を見聞きしていて、ちょっと釈然としないものを感じている。
『グッドウィルグループ』(以下『GWG』)、そしてそのトップである折口会長の、
「金儲け主義」に対してとかく批判が集まっていて、
「介護」を金儲けの道具に使うなどケシカラン、といった論調が目立つように思う。
確かに『GWG』がやってきたことは誉められたことではない。これは事実だ。
しかしだからと言って、「介護」で金儲けをしちゃいけないということはないだろう。
民間企業である以上、利潤を追求するのは当然のことだし、株主に対する責任でもあるはずだ。
会社が利潤を得られなくなるというのは、その会社にとって「死ぬ」のと同じことだ。
「介護ビジネス」という言葉があるように、「介護」はもはや公的な機関では手に負えないものとなっており、
言葉は悪いが「民間に丸投げ」されているのが現状だ。
民間にとっては「ビジネスチャンス」であり、ビジネスであるならば当然稼がなければいけない。
新規のお客獲得競争になるのも必然だ。
『GWG』の場合は、それがあまりにも度を越していたということだと思う。
もちろん介護に携わる会社としては、それなりに崇高な理念が求められるだろうが、
理念なき会社はいずれ淘汰されていくだけだ。
『GWG』のような特異例だけを取り出して、「介護」でお金を儲けることをよしとしない風潮が生まれてくるとすると、
それはちょっとマズイんじゃないだろうか?
日本には以前から、「介護」=「ボランティア」というイメージが、色濃く根付いているように思える。
そんな偏ったイメージが、「介護」で金儲けをすることをよしとしない気運を醸し出している、
ということはないだろうか?
「介護」の現場に居られる方でないと、その辛さやご苦労は到底分からないと思う。
そんな方達に、「無報酬でやれ」などと言えるはずもない。
「介護」でしっかりと儲けられる仕組みが構築されなければ、いずれ誰も「介護」などやらなくなってしまうだろう。
そうならないために、少なくともマスコミに出てしゃべったり書いたりしている人達には、
偏狭な考え方で「介護」というものを語ることの無い様にお願いしたいと思う。