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カテゴリ:仕事のこと全般
もう何十年も前、私が今の店を継ぐべく帰って来た時のこと。
商品の価格体系表を作ってみて、ちょっと気が付いたことがあった。 以前から当店の平均的な利益率は「○○%」と聞かされていたのに、 計算してみると全品おしなべてそれよりも低いのだ。 しかしその謎はすぐに解けた。 この件で父と話をしていた時に、ある大きな誤りに気が付いたのだ。 例えば仕入れ値が「A円」の商品に、20%の利益を乗せて売るとしよう。 その時、売値はどういう計算をするか、皆さんもうお分かりだろう。 いろんな方法はあるが、とりあえずは原価を「0.8」で割ってしまえばいい。 「売値×0.8=原価」だから、その逆にすればいいのだ。 しかし私の父や母はそうしていなかった。 なんと、原価に「1.2」を掛けていたのだ。 それで導き出される売価から割り出した利益率は16.67%だから、20%よりかなり低い。 ただ父も母も、私にその間違いを指摘されるまで、まったく気が付いてなかったらしい。 それが正しいと思い込んでいたから始末に悪い。 私が正しい計算方法を説いても、すぐには納得していなかったようだ。 私が指摘した時、両親は、「私たちは昔の人間だから....」と言い訳をしていた。 でも、こと商売の根幹にかかわるようなことだ、世代論で片付けられるものでもなかろう。 ただもっとびっくりしたのは、ごく最近、私よりはるかに若い同業者が、 私の両親と同じく、上記のような誤った計算方法を用いていたことを知ったことだ。 やっぱり単に世代間の差異ということでは無いのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年06月14日 10時05分12秒
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