低コレステロール血症を改善する元祖・・205
Dr.ビュートのThe アスクレペイオン; ベスト チョイス ガイド: テイラーメイド栄養・食餌療法(Tailor-Made Dietetics)・・46 ダイエットのハウツーを知っておこう!!・・32・・国際的学術評価ナンバーワンのダイエット法; 低炭水化物、カロリー・蛋白質・脂肪摂取制限なし ・ 世界的に通用しているダイエット法の優劣とまとめ・・1 1)Coparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women The A to Z Weight Loss Study: A Randomaized Trial, C.D.Gardner,et als, JAMA,297,969-977,2007 2)Weight Loss with a Low-Carbohydrate, Mediterranian, or Low-Fat Diet, New England. J. Med., 359,229~241, 2008 1)、2)の論文によって、国際的な評価に耐えるようなダイエット法について、恣意性ある結果を排除するために、前向きランダム試験による栄養介入試験が行われました。 1)の論文(2007年)では、低炭水化物食ダイエット法のAtkins、高炭水化物食ダイエット法のOrnish及びLEARNと炭水化物、脂質、タンパク質のバランスダイエット法のZoneの四法のダイエット法の優劣比較を、閉経前の女性を対象とした一年間にわたる試験を行った結果を報告しました(本シリーズの「低コレステロール血症を改善する元祖・・161から173」で紹介)。 2)の論文(2008年)では、上述の低炭水化物食ダイエット法のAtkins、オリーブ油とナッツに注目の地中海食、アメリカ心臓連合の奨める低脂肪食のダイエット法の優劣比較を、中年男性を中心とした二年間にわたる試験を行った結果を報告しました(本シリーズの「低コレステロール血症を改善する元祖・・197~204」で紹介)。 両論文で取り上げられている低炭水化物食のAtkins(アトキンス)法が、体重減少効果をはじめとして、ダイエット法として最も優れた効果的な方法であることを示しています。 上述1)の論文でのAtkins,Zone,Ornish,LEARNのダイエット法の概略と特長は次のようです。 AtkinsとOrnishでは、ダイエットに当たり、カロリー制限はありません。 炭水化物、脂肪、蛋白質を食する基本的な一日のバランスは次のようです。 Atkins; 超低炭水化物食(Very Low in Carbohydrate)ダイエットと言えます。 炭水化物:5%(始めの2週間は一日 20グラム以下からの開始となり、順次増加します) 脂肪:60% 蛋白質:35% ダイエット開始後2ヶ月は、一日炭水化物摂取量は20グラム。 続いて、炭水化物摂取を次第に増量して、一日120グラムとする。 しかし、脂肪及びタンパク質摂取とカロリー制限は無し。 トランス脂肪酸の摂取を避ける必要があり、野菜などの食品摂取に心がける。 Ornish; 超高炭水化物食(Very High in Carbohydrate)ダイエット 炭水化物:70% 脂肪:10%以下 蛋白質:20% ZoneとLEARNでは、カロリー制限がありますが、一日の炭水化物、脂肪、タンパク質を食するバランスは次のようになります。 Zone: 低炭水化物食(Low in Carbohydrate)ダイエット 炭水化物:40% 脂肪:30% 蛋白質:30% LEARN: 生活スタイル、運動、心構えや人間関係も含む総合的なダイエット法で、高炭水化物、低脂肪食とします(Lifestyle,Exercise,Attitudes,Relationships,and Nutrition; low in fat,high in carbohydrte, based on national gudelines)。 炭水化物:55~60% 脂肪:20~25%、飽和脂肪の摂取量は10%以下とする低脂肪とします。 蛋白質:20% AtkinsとZoneは、低炭水化物食ダイエット、 OrnishとLEARNは、高炭水化物食ダイエットと言えます。 以上の四法を比較すべく、一年間におよぶ試験が行われたのです。 2)の論文では、Atkins法は、上述の1)の論文と同様な低炭水化物食ダイエット法です。 地中海食ダイエット法と低脂肪食ダイエット法の概略は以下の如くです。 地中海食ダイエット法(Mediterranneant Diet法、Willett & Skerrett法を基本とする); 地中海食ダイエットは、カロリー制限と脂肪摂取は中等度のレベル。 野菜をたくさん摂取して、赤肉種の摂取は少なめとする。 肉食は、牛やラムよりも家禽や魚を優先とする。 一日カロリー摂取量は; 男性は1800kcal. 女性は1500kcal 脂肪摂取は、一日摂取カロリーの35%以下とする。 主とする一日脂肪摂取食品としては、30~45グラムのオリーブ油と5~7個のナッツ(20グラム以下)に心がける。 低脂肪ダイエット法; 低脂肪食ダイエット法は、アメリカ心臓連合のガイドライン(American Heart Association Guidelines)に基づいています。 一日カロリー摂取量は; 男性は、1800kcal、 女性は、1500kcal 一日脂肪カロリー摂取は、30%とする。 その内、一日摂取量として、飽和脂肪酸によるカロリーは、10%とし、コレステロール摂取は300mgとする。 また、次のような食品摂取に努める。 ・低脂質穀物、野菜、果物や豆類類の摂取に努める。 ・しかし、余分な脂肪、スイート、高脂肪のスナックは食べないように心がける。 以上の二法にAtkins法のダイエット法を加えた三法をランダム試験によって、二年間におよび検討したのです。 以上のAtkins法を中心に、一流のダイエット法を、前向きランダム試験による栄養介入試験による結果ですから、巷で話題になるような“ダイエット法”での有効性とは意味が異なります。 そうしたレベルの栄養介入試験で、それぞれ独立した研究機関による国際的評価に耐える一流の論文で、比較した一流のダイエット法の六法の内で、1年から2年におよぶ追跡によって、低炭水化物食ダイエットのAtkins法が、共にナンバーワンの成績を示したのです。 低炭水化物食ダイエット法のAtkins法が、体重減少のみならず、例えば、中性脂肪の低下など脂質成分の改善を始めとした動脈硬化抑制因子の改善にも、低脂肪食ダイエット法より勝っていると判明したのです。 我が国では、未だに、このレベルの栄養介入試験を行えるレベルにはないのですから、この結果は重く受け止める必要があります。 つまり、日本の国内版的ダイエット法は、恣意性を排除した科学的評価に耐えるレベルのダイエット法ではないのです。 (はてな日記では、『日常茶飯の「こころ」・・81・・俯瞰思考;価値観の幻想;ハイカルチャー、ポップ、キッチュ、サブカルチャーの界を紛らかす・・39・・レトロモダン(RetroModern)及びネオテニーイズムの光と陰; 日本の混沌・・2(Neotenyism)を話題とします) (Dr.BEAUT・ソフィーリッチでは、『メタボリックシンドロームは、酸化ストレス・慢性炎症・・15・・「酸化ストレス・慢性炎症」が動脈硬化性疾患の基・・15・・脂肪細胞・組織と酸化ストレス・慢性炎症・・9』を話題とします) (Googleでは、『オタピーラプソディー;『脳力』は『健康力』を・・5・・『健康力』の常識は変わっている・・4・・『メタボの罠ー『病人』にされる健康な人々』(大櫛陽一著、角川SSC新書〉』を話題とします)お気に召したらクリックどうぞ →