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鮭と町屋の暮らしブログ―味匠喜っ川便り

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朝の随想2 -町屋に光を-

朝の随想2 -町屋に光を-


<村上の魅力とは>
私は近代化の話が進む城下町を何とかしなければならないと、歴史の町の魅力を活かして町を元気にしようと行動を始めました。
しかし、村上の魅力は何か、訪れた人が感動してくれるような場所はあるかと見渡した時に、決め手になる魅力は何一つ見つかりませんでした。

村上の町の外観は、トタン、サッシ、アーケードで覆われ、どこにでもあるような地方の町の姿であり、そこに自慢できる魅力があるとは思えなかったのです。


<旅の人の言葉で>
「駄目だ」と悩んでいた私に村上の魅力を気付かせてくれたのが、旅の人でした。
遠方から来られたということもあり、普段はご案内しない店の奥の生活空間にお連れした時のことです。
「うわー凄いね」と「町屋」のつくりに驚いているのです。
間口が狭く奥行きが長い村上の町屋は、店の一歩奥に入ると吹き抜けの天井があり、大黒柱に松の梁、仏壇に神棚があって、奥にイロリがあり、タイムスリップしたようだと感激をしているのです。


<村上町屋の魅力>
住んでいるものにとっては、単なる古い家でしかなかったのですが、その時はっと思いました。
今まで外から見た村上の魅力を探してきたけれど、村上の魅力はこの町屋の中にあった。
これこそが村上の財産、喜多方や角館に負けない、村上のシンボルになれる場所だとその時確信したのです。


<男子バレーからヒントを得て>
この時、三十年前に、男子バレーをオリンピック金メダルに導いた松平康隆監督の話を思い出したのです。
監督は日本の最高の選手を自分で探し出し、金メダルを取るため猛特訓を始めていました。

しかし当時男子バレーは日陰の存在でした。
その松平監督が言ったのは、オリンピックで金メダルを取るにはこの選手達が100%の力を発揮しても駄目だ、120%、いやそれ以上の力を発揮して初めて取れるもの。
それにはこの選手たちを日陰に置いておいてはいけないということでした。

男子バレーがテレビに出ることはなかった当時、松平監督は何とか国際試合をテレビ中継してもらうことにこぎつけ、自らが解説役を買って出て、試合を盛り上げました。

熱戦の末、日本チームが勝つのですが、この後、監督はじめ選手全員が一視聴者を装ってテレビ局に手紙を出したのです。
「凄かった。迫力があり、感動して見ました。また放送してください。」とかあちこちから手紙が届いたのでテレビ局では凄い反響だと、その後もテレビ中継するようになったのです。

テレビに登場し雑誌で話題になり、光の当たった選手達が輝き最高の力を発揮し、見事ミュンヘンオリンピックで金メダルを取ったのです。


<町屋に光を>
「そうだいくら良いものでも日陰に置いておいてはいけない、「町屋」に光を当てなければ。」私は地酒、堆朱、鮭料理、染物、和菓子などのお店を回り、町屋の内部公開をお願いし、村上町屋商人会を結成したのです。
「町屋づくりの中まで見れるっせ」をキャッチコピーにマップを作り、町屋の公開を開始し、マスコミの話題になるよう、町屋に光を当てる取り組みの第一歩が始まったのです。



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