若君っ貴公子のご自覚をっっ 4★若君っ貴公子のご自覚をっっ 4「いや、なんとも、わからないとしか言いようがないですね。 簡単に○×つけて判断できる問題じゃないですし」 「うむ、それでいいだろう。 信じる必要はない。 しかし、頭には入れておいてくれたまえ」 「はい」 「ここにいるこのメンツはみんな戦国時代の中杉家の面々の生まれ変わりなのだ」 「え」 孝太は少し驚いた。 「君はこの社のいやこの中杉家の若君なのだ。 自覚してくれたまえ」 という相談役に社長は話を引き継いだ 「もちろん、我々にはみんな今生での人生、生活がある、 前世での生き様に従えとは言わない」 「はい」 「だが、前世で家族だったのだ、助け合っていこうではないか 君だって戦国武将だったと言われれば、 なんとなく納得する部分があるだろう?」 「うーむ、言われてみればあるような気もします」 「とりあえず、君はこの社の次期社長として恥ずかしくない人物になってもらうため、頑張ってもらうよ」 「・・・」 「なんだね?」 と問いただした社長に相談役が割って入った 「いや、若君はあまりに突然の話に戸惑っているのでしょう。 そうだろう?孝太君?」 「はい、そんな感じです」 「さて、一通り話は通ったね、さあ、これから波瀾万丈の人生だよ、君」 とナカスギ社長は言うのだった。 あれこれと考え事をしながら家に帰り着くと、 帰り着くのを見計らったように携帯が鳴った <トゥルルルルー トゥルルルルー> 「はい」 「突然のお電話でごめんなさいね」 「は?」 「私の声に聞き覚えはありませんか?」 「相談役の山城さん?」 「はい、私は山城明義の双子の弟で山城正義と申します。」 「はい、弟の方ですか」 そして一呼吸置いてから低い声で言うのだ 「あのね、兄にはご用心なさい」 「え?」 「兄は自分を誰かの生まれ変わりだと言っていましたか?」 「顔江直継って」 「あのね、直継の生まれ変わりは他の人ですよ」 「ええっ?」 「そもそも、直継は景龍の軍師でしょう? それが剣心の相談役をしている。 変ではありませんか?」 「うーん。。。」 「兄も私も霊能者なのですが、 兄と私の違うところは兄には『野心』があるということです」 「野心・・・」 「そう、言ってることはほとんど本当だけれど、 時々自分の立身出世のために真実をねじ曲げるのです」 「関わらない方がいいんでしょうか?」 「いや、あなたの前世での家族達というのは兄以外は本当です。 あなたにとってためになる人たちですよ。」 「それならどうすればいいんですか?」 「ですからご用心なさい、と申し上げてる。 もしなにか迷ったり困ったりしたなら、 この番号に連絡なさい。 私が相談に乗りますよ」 「はい、わかりました」 「ではまた」 そう言って通話は切られた 謎の電話だったのだが、なぜだか、その人物は信頼できる気がしたのだった 第1章 完 第2章につづく ※この作品は最近別の名前で某ケータイ小説サイトに 発表したものです。 ジャンル別一覧
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