つくる生活など

2019/05/27(月)18:46

『私がオバさんになったよ』(ジェーン・スー)

見たものなど(347)

春の多分野球がおもしろくない夜にスマホを繰っていたら光浦さんの回のダイジェストを見つけておもしろそうと思ったので10連休の頃に買って読みました。最近いろいろ疎いのでジェーン・スーさんという方は今回初めて知りました。「まえがき」にあるように、腑に落ちる言葉の随所に蛍光ペンを引きたくなるような、8名のゲストの方との対談集です。 ☆光浦靖子さん 同い歳の中でも賢いしご健康で「100まで生きる」とかどこかで見たので光浦さんの手芸の弟子になりたいと思っているのに、数年後石垣島へ行ってしまわれるとか遠いよー。それは冗談ですが。 男性の脳みそのなかに女性が入ってもテンポが違うとか、お笑いの世界における男女差をかなりシビアに考えていらっしゃったことが発見でした。女芸人さんはもっと「女でも男でもないものとして居る」ものなのかなと思っていたら、一般人に比べたら、清潔感あるし、全然きれい、確かに総じてお肌きれいですし、女性の自覚は保持されていることでしょう。「女でも男でもないものとして居る」割り切りは一般ブスのほうが先にしていました、はい。 えん罪お局を救う会、「こわーい」と思われないように気をつけるようになったらお局か。弁の立つババア、会うと「喧嘩した」ってトラブルの話ばっかり、会社とバトルした話とかはやっぱババアに聞いてもらいますね。 ☆山内マリコさん 「女の敵は女」そのロジックが自分たちの首を絞めてる、わかってはいますが、時に「あの女がちゃんとやってくれないからこっちの仕事が増えた」という目に遭ったときには女なのに「女って迷惑!」と思うことしばしばなので、現実はいかんともしがたいです。 東京はうらやましいとそれほど思っていないので、東京の学校生活って大変なんだなという感じでありますが、旧弊の考え方を打ち崩すのは~闘ってる~要は大多数の人間からバカにされる生き方を貫くってこと、地方で変人やってると本当にそれとの闘いで、東京にわかってくださる方がいらっしゃいまして大変ありがとうございます。 かといって、東京に頑張ってもらっていい見本~女性の生き方、考え方のロールモデルをトリクルダウンは、地方で伸び伸びと異端で生きてやるぞな私には、東京がノアの方舟だのは余計なお世話のように思います。 ☆中野信子さん 著書多数でテレビでもご活躍で充実しまくり人生の中野さんがご自身について逸脱者という意識をお持ちでいらっしゃるとは全く思っていませんで、急に親しみを覚えました。「仲良くしましょう」は和から外れた者を許しませんという閉鎖性の表れ「寛容性を高めましょう」は不寛容の源泉、まさに現代の息苦しさよ、という感じです。 面白いことのために私たちは生きている、逸脱者こそ最後に生き残り、繁栄を享受するタイプ、そうなるといいなと思いますし、そう遠くないうちに価値観やいい思いをする人が大転換するとも思っています。 ご専門の脳科学から哲学・宗教まで幅広くて、その高度な博識の上で、機能としての「生きていること」をそのまま認めていいと人に優しい点がすばらしいので、中野さんの回は特にお勧めです。 ☆田中俊之さん 男性学、とりわけ男性の生きづらさについて考えている先生です。私も特に労働問題は男性から先に解決してあげないと社会が荒む元になると思っているのですが、働く男性は女性に比して賃金や地位が高いことで見逃されがちで、「おじさんは疲れている」固定観念、体を壊す人が出てきても誰も驚かない。 3月ごろまさに「繁閑があるから忙しいときには多少体を壊しても頑張らなければならない」と言った東京のおじ(い)さんとけんかをしました。男性でもないし東京の人でもないためその考えはおかしいと思えたので勝て(休みを勝ち取れ)ましたが、男性であっても頭も体も続くものではないと思うのです。 飲み会のときに女子が使う「あいうえお」、やーこれ絶対無理。だから男子にちっともかわいいと思ってもらえないんでしょうね、面倒くさい。 ここまで前半4名。前半が断然おもしろかったので、後半略で失礼します。 恐らく初めほど古いというか、光浦さんの回は2年は前(1971年生が45とか言ってる)なので、やや即時性に欠けるのではないか、皆さんの頭の中は既にアップデートされていると思われます。例えば「トリクルダウン」は今の今なら出てこない言葉でしょう。 皆さん今の世の中をこれでよいとは思っていない、自身の生き方に葛藤がありつつも人生を楽しもうとしている方々で、一般の中年はそういうことを言葉にできないまま(苦しんで)生きているか、いろいろ考えていても語り合う機会やアウトプットする暇がなかったりするので、「考えて、語り合う」方々の言葉に触れることで気持ちが晴れたり、救われるような本だと思いました。 あとお願いとして、このような対談集は編集前に誰かが音声を文字化しているはずなので、起こした人もしくは会社を巻末にでも記していただけると、縁の下の仕事をしている人の励みになると思います。 私がオバさんになったよ [ ジェーン・スー ]価格:1512円(税込、送料無料) (2019/5/27時点)楽天で購入

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