加留部貴行氏は、コタツの千利休だ!?日本ファシリテーション協会、定例会に参加
私が、運営委員をしている、日本ファシリテーション協会九州支部の定例会が恒例の第1土曜日、ということで松の内の5日であるが、開催された。新年の最初で、皆さん熱心に参加いただき50人の定員に54人が集まった。この日のテーマは、この1年間の日本ファシリテーションのビジョン策定のための第1STEPという位置づけであった。進行役が3人支部長の加留部貴行さん、副支部長の田坂逸朗さん、そして事務局長の平山猛さんの3人がリレー形式で担当。僕は、純粋な参加者の立場を得て、久しぶりに、定例会を、堪能できた。運営委員の立場で参加することと純粋に参加者として参加するのではまったく違う。参加者になると純粋に、ワークや、参加者同士の話に没頭している自分がいる。ところが、運営委員の仕事をしながら参加すると周囲をいつも見回して全体に気を配っていくので自身のワークや、気づきは中々後回し、得にくいのだ。長いこと、運営委員の立場で参加してきてこれはやはり、フラストレーションがあったなあということを実感。運営側でなく、参加者に徹する良さ、アドバンテージを、改めて感じることができた。逆に言うと、運営委員もたまには参加者になりきることのできる定例会スタンスを設定することも大事ということかも知れない。日本ファシリテーション協会九州支部は加留部さんが2004年の1月に、福岡で発足させ以来ずっと、支部長を務めてくれている。2年程経過したところで、加留部さん自身が大変忙しくなり彼がいなくても定例会を開催をしなくてはということになってきた。当時の参加メンバーのほとんどが加留部さんの個人的魅力、”加留部信者”というほど彼の魅力、ファシリテーション能力のあざやかさに引かれてファシリテーションって何だ?と思って参加してきていた。かくいう僕も、その一人でコーチングを学びつつあった、当時の僕に加留部さんのもたらした『ファシリテーション』はこれからの企業や組織に、コーチングだけでなくファシリテーションも一緒にあって、組織のコミュニケーションはより円滑に、活性化していくと、思ったのだ。その後、九州支部は、加留部さんのほかにも熱心で、献身的なメンバーがあつまってきて加留部さんがいなくても大変充実した、参加しがいのある定例会の運営が出来るようになった。さて、この日のワークは久しぶりに出だしから、加留部さんが、鮮やかに、進行していく。まず、参加者全員にお年玉が配られた!中身は、飴玉が一個入っている。8種類の味でわけてあり同じ飴の仲間でグループを作った。1グループ、7人ほど。みな、仲間を見つけグループを形成。たったままで、自己紹介をする。遠く、鹿児島、大分、長崎そして関西、中部、東京からの参加者も。普段は、30人程度の参加者が、机を島にして5,6人でグループを作りちょうど良い広さの会場だが今日は、立ったままでずっと話をしていく。さて8つのグループはこの先、どうなるのだろう?このままではしんどいよなあ。と思いきや、おもしろい仕掛けがそこにはあったのだ。「今日は、まだ、松の内です。皆さん、自由にしゃべくりましょうよ。でも、このまま立ったままではつらいですよね。さて色々な、小道具を実は用意しました。そうです。お正月といえばコタツ、コタツを囲んで今日はすごしましょう。」と加留部さん。出てきたのは、ダンボール、90センチ角のベニヤ板、テーブルクロス風のブルーの布切れ。1畳分のビニールシート、おや、ミニクッションまで、そして、ガムテープ、そのほか、なんと、みかん、スナック菓子という、おやつまで。コタツ作りに必要とおもわれる備品とコタツにかかせない、小道具までがあって、心憎い。ファシリテーションは、事前のプロセスデザインで決まるというが演出がここまでされていると参加者のほうも、すっかり、気分が高まってくる。たちまち、誰が何をということも特に話あいをするまでもなくどんどん気が付いたことを自分の作業としてやりはじめる。だれかが早速、ダンボールをこさえる。すると、シートをまずひろげようと、また誰かが。僕がしたことは、みかんを人数分確保すること!5分もしないうちに、各グループみごとなコタツを囲んだ、グループが小さな部屋のように、見事に出来上がっていた。ココまで、開始か45分。ではどうぞ自由にお好きにおしゃべりを、というのが加留部貴行さんのファシリテーションだった。狭けりゃ狭いなりに密度がたかまる。ではそれを、活用してプラスにしてしまおうというしたたかな加留部貴行さんのアイデアだった。たくさんの引き出しがあると加留部さんなら、その場その場でもなんとか一番よい場を、作り出すことができる。しかし、この新年最初の場の設定は、十分事前に計算され用意された「しつらえ」だった。なんか、「茶の湯ならぬ、コタツの平成の千利休」というイメージが加留部貴行氏に浮かんでしまった。それにしてもコタツの備品準備は田坂さん、平山さんも、大変だったでしょう!この後、2部、平山さん、3部田坂さんへ進行役のファシリテーターは引きつがれるのだが続きは、次回。