|
カテゴリ:教育一般
藤女子中学校・高等学校 http://www.fuji-gjshs.jp/
札幌市北区北16条西2丁目 TEL011・707・5001 社会から信頼され、愛される女子校へ邁進する 社会から信頼され、愛される女子校へ邁進する藤女子中学校・高等学校(木村淑子校長)は今年度から難関大・医学部の現役合格を目指す「Cコース」を本格スタートした。高校での生徒募集をしない完全中高一貫教育によって特色ある女子教育を実践し、生徒個々の能力や可能性を存分に引き出している藤女子の魅力を紹介する。 東大医学部卒業の卒業生から感謝のはがきが届く 4月初め、藤女子中学校・高等学校(以下藤女子)へ一枚のはがきが届いた。藤女子で初めて東京大学医学部を卒業した2004年度の卒業生からだった。この卒業生は当初、東大・理科二類に合格し、2年間の教養学部を経て、わずか数人の枠しかない医学部医学科へ編入し、今春無事卒業した。 はがきには3月末に慶応大学医学部の医局へ進むことを報告しつつ、「藤を卒業してから6年たちますが、今でも昨日のことのように思われます。藤で学んだことや人々の温かさがずっと私の力になっています。これからも後輩にもこの素晴らしい体験をさせてください」と、母校への愛情と感謝の気持ちが心温まる言葉で綴られていた。 木村淑子校長は「藤の大きな特色は、卒業生が母校に非常に愛着心を持っていることです。藤で6年間学んだことが今の自分の人生を支えていると思っていただくことが私たちの励みです」と笑顔で語る。 東大医学部を卒業した卒業生を中1から6年間、学年主任として担当し、数学を6年間教えた木村徳弘先生が語る。 高校卒業まですべての学校行事に休まず参加 「この生徒は、高校1年の終わりまでは学年トップではなく、高校2年の後半で学年トップになりました。この生徒の特徴は、塾や予備校には一切行っていません。学校の勉強のみです。立派なのは、高校卒業まですべての学校行事に休まず参加したことです。学校生活を存分に楽しんでいました。その生徒が東大・理科二類に合格し、非常に狭き門である東大医学部へ編入し、無事卒業したことは大変うれしいことです。実はこの生徒と大変仲の良かった生徒も大分大学医学部へ進学しています」と語る。 藤女子はここ十数年にわたり、ほぼ毎年、医学部への進学者を数名出している。中には、東大・文一を卒業後、千葉大学大学院医学研究院法医学教室特任助手として活躍している卒業生もいる。木村先生はこの卒業生も副担任として中1から教えたが、「卒業の時に、高校時代一番役に立った授業は宗教でした、と言ったことが今でも印象に残っています。宗教の時間が物事を論理的に考えることに役立ったようです」と振り返る。 山内正明教頭は「社会で活躍している卒業生は、藤の6年間で、自分に与えられた能力を何のために活かすか、しっかりと考えて勉強していたと思います」と語る。 藤女子は今年で創立85年を迎えるカトリック系の私立中高一貫の女子校。「キリスト教の愛の精神に基づいた深い知性と豊かな感性をもって、時代を担う女性を育てます」という建学の精神と、「謙遜」「忠実」「潔白」という校訓に基づく人間愛あふれる女子教育は、1万2千人を超す卒業生に母校に対する愛着心と誇りを強く植えつけているようだ。 難関大・医学部を目指す「Cコース」をスタート 3年前に就任した木村校長は藤女子の伝統と校風を堅持しながら、保護者と生徒の多様なニーズを真摯に受け止め、藤女子のさらなる魅力アップを図る学校改革を着実に進めている。難関大・医学部を目指す「Cコース」開設もその一つだ。 高1から開設する「Cコース」は高校入試のない6年一貫校特有の“中だるみ”を防止し、成績上位者に対して高校入試に代わる目標を与えることが狙い。「Cコース」の定員の枠は決めていないが、中3の終わりに希望者で選考試験を実施するため、一学年15名前後を想定している。 木村校長は、高1から「Cコース」を開設する理由について、 「心も身体も大きく成長する中学3年間という大切な時期に、あまり均質化したクラスの中で、育てることに危惧がありました。中学の時は、様々な個性や能力をもった生徒と一緒に学んだ方が、将来リーダーになる生徒たちの人格形成にも良いのではないかと考え、高1から「Cコース」を開設することにしました。勉強が大好きで、向上心をもっている生徒には、それに相応しい育て方をしたいと思います」と語る。 「Cコース」は今年度から本格スタートするが、既に昨年から教育プログラムの一部を先行実施し、予想以上の成果を上げている。昨年から「Cコース」で学ぶ高2の学力は、中学の時と比べて飛躍的に伸びている。英検、数検、漢検の二級合格はかなり難しいと言われているが、「Cコース」で学ぶ4名が昨年、三つの検定すべてで二級に合格する快挙を達成した。 「Cコース」は高度な学力養成を希望する生徒のニーズに応えるため、今後も先進的な教育プログラムを導入し、教科内容の充実を図る方針だ。 木村先生は「Cコース」の授業カリキュラムに関して、 「理系志望に対しては、現役生の大学入試で一番の弱点と言われる理科の時間数を大幅に増やしました。英語と数学は元々生徒自身に基礎力があり、宿題を出すなどの対策が可能ですが、理科は実験・実習・観察などを十分に取り入れて理解を深めることが大切で、授業を通して力をつけることを重視しています。文系志望に対しては、社会科の時間数を増やしました。 また、難関大へ合格するためには、センター試験において、英語、数学、理科、社会だけでなく、国語でも高得点を取らなければいけません。国語力を上げるためには論理的思考力を高めるプログラムが必要です。ある教育事業会社に依頼し、読む、書く、聞く、話すという国語力を習得し、論理力思考力を高める独自の教育プログラムを開発しました。これを一年間にわたり実施しますが、現代文や小論文はもちろん、英語の長文読解などにも必ず役立つはずです」と語る。 中学でも、高校から「Cコース」に入り、高いレベルの大学進学を目指そうと考えている生徒に対し、土曜日を中心に、英語・数学の特別授業を展開する予定。これは単なる先取り授業ではなく、通常の授業ではあまり扱わない高度な内容となる。中学段階から「Cコース」を意識させて、学力を伸ばす取り組みだ。なお「Cコース」で得たノウハウは、従来の私立文系を目指す「Aコース」、国立文系・理系を目指す「Bコース」、そして中学の教育内容でも活かす方針だ。 木村先生が語る。 「中2で「Cコース」の選考試験と同レベルの模擬試験を実施していますが、受験希望者は20名を超えています。この20名が恐らく「Cコース」を希望している生徒たちだと思います」 しかし、「Cコース」の生徒も、家庭科、体育、芸術、宗教などの授業は他の生徒と一緒に受けている。今年50回目を記念して札幌市内のキタラで開催される、藤女子の伝統行事「合唱コンクール」の準備にも、生徒全員が積極的に参加している。 木村校長は「人は能力の差異に関わらず同じく尊いという教育をしている藤では、様々な個性や能力を持つ生徒が学んでいますが、卒業生の声を聞くと、みんなお互いの個性や能力を認め合い、居場所があって居心地が良かったと言います。 これからも藤のすべての生徒が学校行事などを通じて、お互いに支え合いながら、それぞれの個性や能力を伸ばして、将来幸せな人生を歩むことを心から願っています」と語る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[教育一般] カテゴリの最新記事
謙遜…ということに少々抵抗があります。
現在の日本人に謙遜はいるのでしょうか? 思い切り自分の個性を出し、伸ばす事が必要だと思います。 馴れ合いの学校生活は…親にとり心配です。 (February 6, 2012 09:16:21 AM) |