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ある日の帰り、夕暮れ。
最寄り駅近くの或る大きな交差点にて。 信号無視をして、偶然そこを通りかかった県警の警察官に見つかり捕まった自転車のその横を、 通勤ラッシュ時特有の緊迫感に追われ、冷静さを欠いていた自分がその場を信号無視して通り過ぎる―――。 それを、さっきの信号無視の自転車を取り締まっていた警察官たちの、次の餌を探す獣のような眼がロックオン! 信号無視の横を信号無視してしまう、という、いろんな意味での不注意を見逃さまいと、 二人は顔を見合わせ頷き合って、結果一人はその場に残り、 もう一人はパトカーに乗り込み、なんとこちらに向かって走りこんできたではありませんか。 先ほどの交差点を過ぎたあたりからの、徒ならない警戒心と自身の野生の性が、振り返らずとも警察官が追ってきたことを告げます。 それを理解し、 『たかが自転車の道交法違反ごときで捕まるのは嫌』 という、普段からの思念をその場を逃れる力へと変え、 学生時代元陸上部だった余韻で何気なく鍛えていた脚に注ぎ、ここぞとばかりに輝ります。 そして、自転車に跨っている姿勢を前傾に倒し、全開ギアで必死にペダルを漕ぎます。 自らが道交法違反で捕まえる身からか、自身は道路交通法を遵守して法定速度で走っている、その一方で、 逃げている自分の自転車のスピードメーターは、なんと驚きの45Km/h超を表していました。 まさに火事場の馬鹿力とはこういうこと。 『捕まるのだけは嫌』という強い意志が自分を突き動かしていたのです。 結局そのスピード差が決め手となり、パトカーからはなんとか逃げ切ることができ、 完全に振り切ったことを確認して瞬間、身体にどっと疲れが押し寄せ、 それから自転車のハンドルに突っ伏し、しばらく静止していました。 信号はやっぱり守るべきですね! てへっ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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