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2005/09/07
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カテゴリ:まじめな教育論
僕は御三家の一角、開成中学・高校で青春期を過ごした。同級生たちは勉強の面でとてつもなく凄い奴が多かった。それは以前書いたことがある。

では、開成高校の教師の力量は、いったい、どの程度のものなのであろうか?
実は一部の教師を除いて、授業の技も人格も大いに期待はずれなのだ。

大部分の開成の先生は凄みも熱意もない。またそのうえ、魅力的な授業ができない。50分間ただ「黙々と」授業して帰る、その繰り返しである。
東大合格者を毎年150人以上出している開成高校ではどんな魅力的な授業が行われているのかと期待したら、大いに裏切られる。
優秀なのは教師ではない、生徒のほうなのである。

ちょっと特別なケースだが、ヒドイ例を紹介しよう。
俺の高2・高3のときの担任Sというのはどうしようもない人物だった。
Sは数学の教師で、奈良のT学園から東大に進んだ俊才だが、こういう経歴の人にありがちな傾向で教え方が非常にわかりづらい。
それ以前に、授業を成立させるだけの、教師としての最低限の力量すら持っていなかった。

俺が中2の時に大卒で入ってきた教師だが、最初のうちは山下達郎をオカッパ頭にした風貌と、なよなよとした江戸時代の公家が使うような関西弁で人気を博したが、そのうちあまりの威厳のなさに生徒が騒ぎ出し、授業が収拾つかなくなった。

Sの授業は生徒がいつも騒ぎあっていた。Sが授業している時には、生徒たちは思い思いのことをしていた。
あるグループはトランプをやっていて、トランプで負けた時の罰ゲームは、
授業中のSの尻にカンチョウをするというものであった。
Sが黒板に向かって板書している隙に、後ろからカンチョウをするのだ。
(もちろん浣腸薬の液体をSの尻の中に突っ込むのではない、指でSの尻を突くだけである。念のため)
実際カンチョウされてもSは「やめなさい(「な」にアクセントを置いて読んで下さい)」と妙な関西弁でわめくだけだ。怖くもなんともない。
これでは、罰ゲームにもなりゃしない。

Sがカンチョウされる瞬間だけ、それまで思い思いのゲームや読書に興じていた生徒たちもSの尻に注目して、授業は静謐に満ちた緊張感のある雰囲気になり、Sが「やめなさい」と叫んだ時だけ、授業は大爆笑に包まれる。
あとはワイワイ、ガヤガヤのメリハリのない無駄な時間が過ぎる。

それにしても真面目な子が多いはずの開成高校で授業を仕切れず、学級崩壊(?)させるなんて、荒れた高校で教鞭をとったら一体この人はどういう目に合うのだろうか? こういう軟弱な教師を、ピラニアが棲んでいるアマゾンの川に放り込むのもいいかもしれない。

Sの名誉のためにいっておくが、彼の数学力はなかなか立派なものだそうで、
参考書の執筆陣にも加わっている。しかし彼は穴蔵にこもって1人でシコシコカリカリ数式でも解いているのが似合いの御仁である。間違っても現場に出るべき人ではない。

笑い話を一つ。
Sの授業があまりひどいので、私の友人が、これでは数学が伸びないといって、
名古屋に本拠のある東京信濃町の大手塾に通い出した。
大手塾の数学講師は、田中先生という人だとパンフに書いてあった。

Sの下手くそな授業に辟易していた私の友人は、まだ見ぬ田中先生の授業に期待し、田中先生のもとで数学の再起をかけていた。

そして・・・

予備校最初の授業、なんと、予備校の教壇に現れた田中先生は、Sだったのだ。
Sは「田中先生」と名前を変え、副業としてK塾の時間講師をやっていたのだ。
Sの授業はひどいのだが、予備校側は開成高校とのパイプ作りのために雇っているのだろう。
私立学校は公立と違って兼業は禁止されていなので、塾との掛け持ちは別に違法ではないのだが、Sも塾との掛け持ちが高校にばれたら上司に注意されることを恐れて「田中先生」と名乗っているのだろう。

俺の友人が田中先生の正体に驚き落胆したこと言うまでもない。

開成高校の教師に期待はずれな人が多い理由は、生徒の学力の高さ、及び真面目さに大いに関係する。
開成高校の生徒は元来素直でまじめな子が多い。だから先生との人間関係も上手い。その生徒の素直さと学力の上にあぐらをかいているのが、開成高校の教師である。

開成高校教師のメッキが本格的にはげたのは、僕が予備校に通い出してからだ。
僕は高1の時英語が苦手になり、代々木ゼミナールに通い始めることになった。

僕は健気にも英語が苦手になったのは100%自分の才能と努力不足だと信じて疑わなかった。自分を教えてくれたのは紛れもない開成高校の先生だ。教え方も日本一に違いないだろうと。

さて。代々木ゼミナールにに通い始めた。
代々木ゼミで、英語のW先生の授業を見て、目を疑った。

凄い! 熱い! わかりやすい!
文字が大きい! 声も大きい! 存在感はもっと大きい!

僕は授業中時計を何度も見た。早く終わらないで欲しい。
ずっと授業を続けていて欲しい。

そして授業の最後に先生がおっしゃった一言は凄かった。

「いいかい皆さん、勉強がわからなくなるということは、当然皆さんの責任も半分あるけれども、半分は私たち教える側にも責任があります。私は全力を尽くしてその半分の責任を果たそうと努力します。ですから皆さんも予習復習をきちんとこなして、責任を半分、果たして下さい。授業でわからないところがあれば、直接私に聞いてください。」

と、自分が予備校の講師室にいる時間と、講師室の地図を書いて立ち去っていった。
何という謙虚さ、何という懐の深さ。かっこいい~。

今まで尊敬して疑わなかった開成高校の講師たちの化けの皮が剥がれると同時に、常に厳しい競争にさらされている予備校講師の凄みを体験した瞬間であった。

結局僕は予備校にはこの日を含めて3回しか通わなかったのだが(笑)W先生には感謝している。





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Last updated  2005/09/07 05:21:36 PM
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