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2006/12/07(木)17:24

頑固さは学力向上の妨げだよ

まじめな教育論(194)

勉強の苦手な子は頑固な子が多い。変なところで頑固なのだ。 たとえば数学の計算問題。僕は必ず計算の途中の式を、「大きな字で、計算と計算の間は1行あけて」書くように指導しているが、計算の苦手な子に限って途中の式を書かない。 頭の中で全部やってしまおうとする。 それが格好いいと思っているのか、自信がないから書かないのか、あるいは面倒くさいのか。とにかく新中学1年生で塾が初めての子は、この類の指導で苦労する。 また筆算を含め、小さな字で書いてミスをする。それでうっかりミスだと言い訳するから始末が悪い。絶対うっかりミスなんかではない。間違えるべくして間違えた、正真正銘のミスだ。 英語の単語の覚え方だってそうだ。僕は必ず書かせて覚える。単語は脳が覚えるのではなく手で覚える。単語の記憶装置は手にあるのだ。 でも、放って置いたら書いて覚えない子がいる。ぼーとして単語を眺めながら覚えている。家に帰ったらどんな勉強法しているのか怖い。 小学校の漢字は、漢字練習帳があるから書かざるを得ない。でも中学に入って、英単語練習帳というものはない。漢字は書いて覚えるのに、英単語は書いて覚えない。 エクセルみたいな罫線を持った、英単語練習帳みたいなものを作ろうかしらん。 さて、子供の頑固さとの戦い方に、講師の力量が表れると思う。僕は短気だから、子供が自分の言ったことを守っていないとすぐ叱ってしまう。直球しか投げられない。 合理的に、なぜ計算の途中の式を書かなければならないのか、また英単語も書いて覚えなければならないのか、身体で覚えてもらう必要がある。 僕はこんな作戦を取る。 途中の計算を書くことを禁止して問題を解かして、計算を書いたほうとどちらが性格にできるかを実験してもらうのだ。 (-2)+(-9)-(+7) ぐらいの計算だったら途中の式なしで解けないことはない。 (-4)×(-6)-(+0.5)÷(-0.25)+1.4  のように、加減乗除の混合問題になるとやはり暗算では一部の計算が得意な子を除いて限界がある。 (この一部の得意な子に限って途中の式を馬鹿丁寧に書く) これでも、途中の式を書かない子がいる。本人に悪気はないのだろうが。 だから最近は、「途中の式を書くのと、全部暗算でやるのと、どちらが計算を正確で早く解けるか実験してみよう」と僕の考えを最初に押し付けるのではなく、子供に結論を出させ、花を持たせてやる。骨が折れる作業だ。 とにかく命令調で指示して、子供に意固地になられるのは一番まずい。 本音を言うと、計算式や単語を書かない子は、「素直さが足りない」「地頭が悪い」と思わざるを得ないし、将来「仕事のできない、柔軟性のない人間」になる可能性を秘めている。 どう指導していこうか? 頑張らねば!

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