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2006/02/12
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カテゴリ:旅行と食べ物の話
日本三名園の一つ・兼六園を最初に訪れたのは、中2の夏だった。

緑豊かな夏の兼六園はそれなりに美しかったが、正直ピンとこなかった。

私は中坊のくせに生意気にも、兼六園より岡山の後楽園の方が、水路が迷路みたいに張り巡らされていて、綺麗だと考えた。
たしかに後楽園は、庭園の水路の配置が遊び心にあふれていて面白い。
兼六園は後楽園と比べて、ありきたりの普通の庭に思えた。

兼六園の真価は雪景色にあると考え、20代になってから金沢を再訪した。もちろん今度は冬だ。

ところが、金沢に着いても雪は降ってないし、もちろん積もってもいない。
白い雪が積もった兼六園は見れないと、残念に思った。

夜は金沢駅前の日航ホテルに泊まった。
ホテル日航金沢は古都には珍しい高層ビルで、戦災を免れ古い木造建築が多い金沢の街に峻立している。

夜、日航ホテルの30階の部屋で寝ていると、突然窓を叩く音がした。
寝呆けて幽霊でも現われたかとカーテンを開き、外を見たら猛吹雪。
乾いた雪がホテルの窓ガラスを「タターン、タターン」と叩いている。
シティホテルの30階ではなく、雪山の山小屋みたいな光景だった。

次の日は晴れた。朝一番で兼六園に行った。
降りたての新鮮な雪に覆われた、私以外誰もいない兼六園の素晴らしさは、筆舌に尽くしがたかった。

冬の淡い日差しが深く積もった雪を照らし、翳りのある光は雪の力で強度を増し、目が痛いほど眩しかった。

太陽の光で雪がほんのりと溶けて汗をかき、白銀色に滴る庭雪の白が艶々と庭の池に反射した。

地下から湧き出る池の水は、地上が零下でも凍らず、 悠々と水をたたえていた。

兼六園は宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六勝を兼備するという意味で「兼六園」と命名されたそうだが、まさにこの日の兼六園は六勝兼ね備え絶好調だった。

降りたての庭雪には、私の足跡しかなかった。
庭を自分の足跡で汚すのは、白装束を足蹴にして泥を付けるようで恐れ多く、私はなるべく足跡をつけないよう、神経質に歩いた。

兼六園は五代藩主前田綱紀が1676年に作庭したもので、藩祖前田利家は兼六園を知らない。
前田利家の知らない庭に一人たたずむ。不思議な気がした。





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Last updated  2006/12/06 04:06:02 AM
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