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2006/03/27
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カテゴリ:まじめな教育論
TOMA先生の「塾の進化」というテーマが面白いので、少々感想を述べさせていただきます。

私は結構ビジネス書を読む。ビジネス書には、「IT産業は進化する」「居酒屋は進化する」「コンビニは進化する」「ラーメン屋は進化する」という具合に、「進化」というキーワードが、うんざりするほど見受けられる。

そんな「BOOK OFF」で100円捨て売りされてるようなビジネス書を読んだ塾の経営者が、「塾は進化する」と格好つけて書きたがるのも、わかるような気がする。
決まって最後には「進化しない塾は生きてはいけない」と、誰に向けられているのかわからないメッセージで締めるところも、ビジネス書の真似だ。

日本中の塾がぶったまげるような試みの具体例を書いて、「おおお、この塾はスゲエなあ、10年先の塾はこんな感じなんだ。見習いたいなあ、進化してるなあ!」と、ガツンとかましてくれるのなら、説得力がある。

しかし、ただ「塾は進化しなければならない」と漠然と、死んだ手垢のついた言葉で書かれているだけでは、説教臭いだけで説得力はない。

「塾は進化しなければならない」と言っている人がもしいるなら、「進化」という手垢のついた言葉を使用している時点で、既存の言葉にしがみつき、人を説得する言葉の開発に「進化」がないことを暴露している。
「進化」という言葉の安易な使用は、使った人間が「退化」していることを皮肉にも表している。

そもそも、大企業の事例が書かれたビジネス書の教訓を、そのまま小さな個人塾に応用するには無理がある。
ユダヤ人と大富豪とか、ドラッカーとかMBAとか、読んでいて確かに面白く、夢をかき立てられるところはあるが、それを直接生のまま個人塾の経営に落とし込むのは、アンバランスな印象を受ける。

塾を拡大して、支店を出して一部上場を目指すのなら、ビジネス書は大きな糧になるだろう。
ただ、私がやっているような小さな個人塾は違う。

たとえばうちは、カウンター10席と、テーブルが2席程度の、小さな寿司屋みたいな塾だ。
小さな寿司屋がお客に満足してもらうために一番やるべきことは、美味い寿司を作ることである。それ以外には考えられない。
美味い寿司を作るためには、あちこち美味い寿司を食べて研究を重ね、自分の技量を上げることが肝心だ。

個人塾が生徒に満足してもらうには、万巻の書に接し、旅をして見聞を深め、音楽や映画で感性を磨き、話し方の研究をし、黙々と教材を作り、手間をかけてテストをこしらえ、粛々と毎日の授業を手を抜くことなく進めていくことだ。
日々の仕事こそが、塾講師の「進化」をもたらす。それ以外に「進化」の道はない。

資本主義社会は確かに弱肉強食の社会である。「勝ち組」の人から見れば、われわれ零細塾の講師は、犬畜生以下かもしれない。
しかし犬畜生から言わせてもらえば、自分の「お金儲けしたい」という私利私欲を、ビジネス書の洗練された言葉でカムフラージュして正当化する人間には、強い嫌悪感を覚える。

また、世の中で大成功を収めている一流の起業家、たとえば松下幸之助氏や、稲盛和夫氏なんかは、文章を読んでいて、私利私欲を超越した、どこか淡々とした印象を受ける。
「進化しない塾はつぶれる」と言ってる人がいたとするなら、もう少し深い思索で、物事を考えて欲しい気がする。





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Last updated  2006/03/27 12:56:49 PM
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