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カテゴリ:まじめな教育論
首都圏や京阪神の国立を目指せる子は別として、地方のある程度学力を持っている子にとって、志望校を地方の国立にするか、それとも東京の難関私立にするか、大いに迷うところだ。
僕は高1終了段階で、数学が苦手な文系の子に、数学を捨てさせることがよくある。 英語と国語と社会のうち2科目以上得意で、数学に苦手意識を抱いている子。 そういう子には迷わず、東京の難関私立をすすめる。 早慶に行けば、地方の国立大学よりも、就職戦線で絶対に有利だ。 数学が苦手でも、日本の「学歴社会」の勝者になれる。 数学で人生決められたら、たまりませんわ。 苦手な数学を抱えたまま、受験直前にバタバタと国立から私立へ志望校を転換した子を、どれだけたくさん見てきたか数知れない。自分の意に沿わない進学をする子があとをたたない。 直前になって早慶や明治や同志社に志望校を変更しても、絶対合格するわけがない。 地方は親も教師も官学志向が非常に強い。近所の進学高も、国公立以外は大学とは思っていない風潮がある。 昔ながらの「官高私低」感覚の人が多い。 だから数学が苦手な子は、国公立に行けない二流の人物とみなされる。それは間違いだ。 また私立文系の大学を、誰でも入れるものと甘く考えている。実際には中堅以上の私立文系は、直前になって対策できるほど簡単ではない。 たしかにここ数年、中堅私大はバブル期に比べ合格しやすいのは事実だ。だが、私立を「滑り止め」とか「直前の駆け込み寺」と考えていたら痛い目に合う。 私なら、高1段階で数学の偏差値が50を切った状態の子は、迷わず私立文系一本に、志望校を絞らせる。 数学は勉強時間に多大な時間がかかる。数学を捨てた分の時間を英語や社会に回す。数学を捨てる代わりに、英語の能力をハイパー化する。 高校の方針で数学に固執してしまえば、必ずや直前になって国立をあきらめ、中途半端な私立大学にしか合格できない。 社会が得意な子も私立文系がいい。 私立の問題は「社会オタクキング決定戦」のような細かいカルトクイズ的な問題がたくさん出される。センター試験の感覚で難関私立の社会の問題を解いたら、とんでもない目に合う。 ゲームでマイナーな戦国武将の名まえをたくさん知っている日本史オタクの子。 戦艦や零戦に詳しく、太平洋戦争の戦史について物凄い知識を持っていて、ミッドウエイ海戦やレイテ海戦について講師にレクチャーをする子。 そんな子には、興味がそのまま試験勉強につながる道を探ってあげたい。だから私立文系こそ最も有利かつ個性を生かした選択だと思う。 早期に私立文系一本に絞るのは、数学からの逃げではなく、英語・国語・社会の更なるパワーアップの積極的転進(旧日本軍が使った意味ではない)だと考えている。 また、私立文系大学は、いろいろな事情があって高校時代勉強していない子にとって、大逆転の大きなチャンスだ。 「ドラゴン桜」は、誰でも東大に合格できると謳っている。しかし現実的に東大は難しいことは確かだ。高3・浪人から勉強を始めて、英語数学国語理科社会、全科目高いレベルの学力に到達するのは難しい。 しかし英語・国語・社会の3教科なら何とかなる。 高校時代回り道をしても、遊びまくっていても、慶応はともかく早稲田には合格できる。僕はそう信じている。やり方さえ間違っていなければ。 高校時代勉強が苦手でも、落ちこぼれ扱いされても、早稲田大学は下剋上が可能な大学なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/04/22 11:14:57 AM
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