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2006/05/10
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カテゴリ:まじめな教育論
私は中学高校大学時代、野球に異様にのめり込んでいた。
野球部に入部して甲子園を目指していたわけではない。野球を球場で観戦したり、テレビを見たりラジオを聴くのが好きだった。
新聞のプロ野球のスコアを丁寧にスクラップしたり、神保町の古本屋で古い公式記録を買ってウットリ眺めたり、野球をオタク的に楽しんでいた。

私は広島の親元を離れて中高は東京で一人暮らしをしていたが、夜になると後楽園や神宮や横浜スタジアムの外野席でカープを応援した。
帰省すると広島市民球場へ行くのが、何にもまして楽しかった。

親からは「野球に熱心にならずに、もっと勉強しなさい」とよく叱られたが、聞く耳を持たなかった。
20歳を過ぎてからは、仕事とナイターの時間が重なるので以前ほどの野球熱は自然消滅したが、それでもカープへの愛だけは持ち続けている。

さて、私が中高時代に野球を通じて最も関心を持ったテーマは
「どんな監督がチームを強くするか?」
ということである。

監督の人柄・能力と、チームの強さの連関性を探った。強いチームの監督が書いた著作は、何度も何度も繰り返し読んだ。
選手のモチベーションを高め、強いチームに仕立て上げるために、監督やコーチはどう振舞えばいいのか、徹底的に探り尽くした。

もちろん私は中高時代教師になるなんて、一瞬たりとも考えていなかった。
ただ研究対象として、良い監督とはどんな人間かというテーマに興味があっただけなのである。
まさか中高生時代の野球に対するのめり込みが、大人になってからメシの種になるとは予想すらしなかった。
良い監督像を研究することが、自動的に良い教師像を捜し求めることにつながった。

若い時に、一見無駄に思えることでも、深くのめり込む経験があれば将来役に立つとよく言われるが、私に関しては正しい。

さて、どんな監督がチームを弱くするのか?
私の答えは、ただ一つ。

チームを弱くする監督、子供の学力を下げる教師は、総じて選手や生徒に対して「無関心」な人でである。
「無関心」こそが、ダメ教師ダメ監督に共通する最大の欠点だと僕は思う。

たとえば、近鉄に鈴木啓示という監督がいた。
現役時代は300勝を上げた稀代のサウスポーで、左腕一本で西宮の高台に豪邸を構え、大阪湾を見下ろす大浴場を作った。

鈴木啓示は投手独特の自己中心的人間だった。異様なほどのエゴイストである。
現役時代、ヤクルトから鈴木康二朗投手が移籍してきた時、新聞に「鈴木啓」と書かれるのを嫌がり、
「近鉄の鈴木といえば私のことだ。あっちを鈴木康と書けばええでしょ」
とマスコミに言い放ったというエピソードがある。

彼は自分以外の人間には興味がなかったのではないか。愛情の総量の100%が、自分自身に向けられた。
そんな男が監督として成功するわけがない。案の定、監督時代に選手と揉め事を起こし、せっかく仰木彬監督の元で常勝西武ライオンズに対抗するチームになった近鉄を、元の弱小チームに貶めてしまった。

当時近鉄の主力投手だった野茂がメジャーに挑戦したのも、鈴木監督の下では野球をやりたくないというのが遠因だったと噂される。
野茂が先発して完投勝利を挙げたあとマッサージ室に向かったら、鈴木監督が疲労の極地にある野茂を差し置いてマッサージを受けていたエピソードがある。

野茂の他にも、吉井や阿波野といった主力選手が鈴木監督に嫌気がさして、どんどん近鉄を離れていった。
鈴木監督の強い自己愛が原因の、選手に対する「無関心」が近鉄を凋落させたのだ。

鈴木監督は自己愛を抑えきれず、監督として失敗した。
ただ、自己愛の強いエゴイスト・ナルシストが、名監督・名教師になれないかといえば、そうではない。
自己愛が強ければ、その強い愛情を他者に対する愛に転化する装置があれば、端から見ていて病的で気色悪いほどのエゴイスト・ナルシストでも、一気に名監督・名教師になり得る。
愛情という川の流れを、治水工事で自己から他者に変えれば、爆発的な名監督・名教師が誕生する。

ただ愛情の総量を自己の中に留めたままで、他人に対して無関心な態度を取る人間には、教師や監督になる資格はないのである。






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Last updated  2006/12/06 03:32:37 PM
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