ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

2007/08/03(金)07:20

ナニナニの「ほう」

言葉(38)

とにかく研修継続中。 疲れます、ホント。 もちろん、今回の新人くんは、居並ぶ候補者の中でトップだけあって、物覚えもいいしハキハキしているところがいい。 えーと、性別は女性。 本当は一度、男性社員がほしいのだが、ぜんぜん縁がないままきてしまった。 私がこっちでこの仕事を始めてから、同じ課で仕事をしたことがある男性といえば、未だにあのデイヴ(オッサン)だけ。 しかし、これはここロンドンだけの話であって、うちの会社の他支部にはちゃーんと男性はいるし、日本の本部にもいるというところが腹が立つ。(爆) 過去に男性の応募者がいたかいなかったかというと、ちゃんといた。 一度は金融畑の人がやってきた。 その時、イギリスにある日系の金融機関も攻撃的なリストラを行っていて、妻子ある男性が職を求めてやってきた。 前職でいくらもらっていたのか聞いてみたら、その時に募集していたウチの職種の5倍くらいの年収。ひょえ~~~。 悪くない人ではあったがお断りした。 だってさー、どんなにいい人でもよー、前職でウチが出す5倍ももらっていたような人ですからね、そんな人をウチがウチのバジェットで採用したところで、もしも金融がまた上向いたら、さっさとまたそっちに戻られちゃってもおかしくないしさ・・・ もちろんその人の「こうなったら妻子もいますので心機一転でがんばらせて頂きます」ってそう言ってくれた感じにウソはなかったけれども、私が彼の立場でも、古巣で光が見えるならそっちに戻るかもしれないと思うもん。 そうかと思うと、一度はPh.Dの人が応募してきて困った。 うーん・・・すごい経歴の人なんだけれども、すご過ぎていったいどこからかぶりついていいのやら、というタイプ。 はっきり言えば、うちの仕事に学歴はそんなに必要ではない。 それと、あんまり若過ぎて、人生経験値が少ない新卒みたいな人をありがたがらないのも、年々バリエーションが豊富になってきて、どんどんわけがわからんようになってくる海千山千・ピンキリ・魑魅魍魎の人間の相手もあり得る仕事だから。 それでそのPh.Dくん。 かなり前の話だったし、人間としての印象が意外に薄く(動物かいっ?)ただ覚えているのは「ウチの仕事には完璧に不向き」というところだけ。 さすがに頭はよさそうなんだけど、それも恐らくワタシら凡人には理解のできない、ある一つの分野だけ、どかーんとすごい域に行っている感じ。 本当は面接するのもちょっと、という感じだったのだが、ちょっとワケありだったため面接だけはしないといけない裏の事情があった。 本人曰く「何か大きなチャレンジがしたい」「これまでの方向性から大転換を図りたい」と、なんだか多少ずれたベクトルでやる気マンマンな人ではあったが、どう考えても当時のチームには不釣合いな上、はっきり言えば、ウチの仕事を本人大転換の起爆剤か何かのように勘違いし過ぎているきらいがあったので、丁重にお断り申し上げた。 さて、また今日も余分なネタフリが長くなってしまったが、今、来ている子・・・今後はまさこちゃん、で行くことにする・・・は、同じような仕事の経験がまったくないが素質アリと見たので採用した。 一つには、今回会った中でいちばん気働きのある子だと思ったし、いい意味での貪欲さや上昇志向を持っているところが気に入った。 今、この勘は当たっていたと思う。 日々、少しずつ新しいことを教える中で「だんだんわかってきたな」とこっちが思うカギはずばり相手からの質問の内容である。 要するに「コレがこうだったら、次のアレはどうなるのか」と、今、習ったことを踏み台にした関連質問が出てきたら、かなり理解度は大と考えられる。 直前に教えた内容がちゃんと理解できていると質問の質が上がり始める。 この段階で質問が堂々巡りをしていたり、今どうしてそんな質問が出るかなぁ的状態が続くと「人選を間違ったかな」とこっちがそろそろ自己嫌悪に陥り始める。 まさこちゃんの一つずつの質問はこれまで、全部その後積み上がっていくタイプのものなので、まずは人選は正しかったという確信も自分の中で積み上がる。 まあ、それはもちろん一にも二にもその子の資質がいいということがすべてではあるが、それを見つけたという事実に対して、多少はほくほくした気持ちになってもバチは当たらないと思っている。 このまさこちゃん、非常に礼儀正しいし、先輩を先輩として立てる体育会系的なところもあり、今は私が専任で研修をしているが、他の3人とも間もなく馴染んでいくとは思う。 しかし、そういう中で、ああ、やっぱり最近の若い子は・・・と思う部分がないわけでもない。 このまさこちゃんを相手に私がお客になり、彼女に応対の模擬練習をさせている中で頻発される彼女の言葉に「ほう」がある。 わかります?この「ほう」って。 「会員番号の『ほう』をおっしゃって頂けますか?」 「ご用件の『ほう』をおうかがいします」 「それでは担当部署の連絡先の『ほう』をお伝えします」 思わずまさこちゃんを止めた。 「あのさ、その『ほう』って何よ?それも言うなら『番号をおっしゃって頂けますか?』「ご用件をおうかがいします」『担当部署の連絡先をお伝えします』でいいんじゃないの?」 自分でいじわるだと感じないわけではないが、私はもうオバハンだからこういうことには結構うるさい。 最初にぴしっとやっておいたとしても、だんだんずるずる後退していくのがこういう電話応対の言葉遣いだ。 電話での会話というのは相手の言う内容に気をとられて、自分がどんなしゃべり方をしているのかはわからない、ということが往々にしてある。 私の場合は、自分が責任者だからということとは別で、海外で生活していることで日本語までややこしくなったとは、他人からも言われたくないし自分でもそう思いたくないので、かなり意識しているところがある。 この、ナニナニの「ほう」というのは、よくファミリーレストランやファーストフードなんかで遣われているのは私もよくわかっているし、だいいち私自身が、遡ること25年前にはそのファーストフードやファミリーレストランでのバイト出身者だった。 それで、仲間が話しているのを聞くと、この「ほう」はあちこちに蔓延していた。 「お釣りの『ほう』、○○○円お返しします」「ご注文の『ほう』、繰り返させて頂きます」が気になってしかたなくて蕁麻疹が出そうになって、その頃から「口が裂けても『ほう』は言わん」とか「ご一緒にポテト、なんか勧めたらん(嘉門達夫か)」とヘンなところで意地を張ってしまって今に到る。(爆) ナニナニの「ほう」なんて、いったいいつ頃から誰が言い出したのだろう。 何かストレートなものを婉曲的に(刺激を和らげるために)する効果がある言葉でもないし、まったくもって余分なこういう言い回しは絶対に許さん。 まさこちゃんに「あのね、今の段階は研修だから、相手がどんなことを言ってくるか、聞かれたことに答えられるかというのがいちばん気になるだろうけど、自分の側の言葉にも意識しようね。意味がわかったらそれでいいじゃん、という考え方もあるかもしれないけど、自分がそれでいいと思って流してしまったら、そのままになっちゃうよ」と言った。 別に今からアナウンサーを目指しているわけじゃないんだから、そこまでウルサいことを言わなくてもと、もともといる3人などは思っているかもしれないが(この3人も、もう今からじゃ致命的に修復不能なところが各自にある・・・が、本体の仕事にそこまで差し障っていないので私ももう今になっては注意できない)鉄は熱いうちに打たなければいけないと思うのだ。 まさこちゃんがそういう意を汲んでくれるかどうかはわからないが、私としては後顧の憂いがないようにやっていきたいのだ。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る