ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

2007/09/06(木)09:05

境界線

雑感(448)

こう言うと、たいてい相手のファーストリアクションは「笑う」「ぷっと噴き出す」というものだが、あえて言おう。 私の性格は「人見知り」「繊細」「神経質」「気が小さい」である。 あまり言いたくないので言わないが、どうしても説明する場面になると、まるでウケを狙っているのかと思われるのでソンをしていると自分ではマジで思っている。 先日から、後任のひとみさんという人が来てくれていて、日々いろいろなことを私について勉強してもらっている。 実はこのひとみさんと最初に顔を合わせて目が合った瞬間(つまり面接直前)私は「この人とは友達にはなれないだろう」と直感的に思った。 その後の面接がよかったし、恐らく今回の後任の候補者の中での人選は、よほどもっといい人が出てこない限りはひとみさんで決まりだなというのは結構早い段階で心の中で決まっていた。 面接で探しているのはあくまでも後任の責任者であって友達ではない。 最終的にこの人選は非常に正しかったと思っているし、彼女はいろいろなことを早く吸収する能力も、教えてもらったことをもう一度自分の引き出しに整理する能力も十分にある人だし、恐らくほかのみんなもこの人選には納得していると思う。 人見知りが強くて神経質な私は、研修で彼女と一対一でいろいろなことをやっている間、とにかく私がわかっているだけのことを教えようとスゴイ努力をしている最中だ。 彼女もそれを十分わかって、がんばってついてきてくれているのだが、とにかく私は一緒に作業をしている間に力を入れるあまり、それ以外の時間で彼女と接する気には絶対になれないのだ。 この度合いが本当に極端だと自分でも思う。 彼女と私は、他のスタッフとは違って電車も同方向なのである。 しかし、一日の研修時間が終わった後、私は彼女とは絶対に一緒に帰らない。「帰ろうか」とは気軽に声をかけられない。 あれだけ一日、自分の羽をむしるように(爆)持っているものを伝え切った後、電車の中で話をしながら一緒に帰る余力はもう私には残っていない。 もちろん、これがみつこさんだったら一緒に帰ることに何の抵抗もないし、みつこさんと私とは過去に紆余曲折がありながら今もつながっている大事な関係だし、仕事仲間であることとは別に親友だ。 ひとみさんに対しては、定時になって「じゃ、今日はここまで。お疲れ様でした」と言うと、その後、私は別に今日しなくてもいい仕事を引っ張り出してきてひとしきり突入してみたりする。 私だって早く帰りたいのはやまやまであるが、帰りの電車の中はどうしても一人になりたいし、そのためには余分な仕事を一つ二つやってもいいという逆説的な境地にさえなってしまう。 うだうだ会社の延長で仕事の話をしながら帰りたくないし、では仕事の話じゃなくて個人的な話ならできるかというとそれもちょっと・・・。 なんとなくこれまで聞いている彼女の話からは、彼女のご主人は結構わがままっぽい人だなという感じがする。 人の亭主なんかどんな人でも私に関係のないことではあるが、わがままな人の話を聞くのが私は嫌いなのだ。 その上、ひとみさんはなんとなくそういうご主人のわがままっぷりもなんのそので、目を細めてさらに甘やかしているという感じに見えてしかたがないし、どうも趣味・趣向も私やクマイチの路線とは共通する部分もなさそうだ。 私が彼女を後任に選んだのも、今だけちょっと密に一緒に過ごせば、しばらくしたら東西に離れるということがわかっていたからだろうと今、思うわけで、もしも一緒に同じ場所でやっていく人を選ぶとなると、違う人にしていたかも、というところはある。 ひとみさんは(新米ではあるが)資質としてはリーダータイプだということは残るみんなにもすぐわかったようだし、それ自体は正解だったが個人的感情としては、誰にも言えないところで疑問が残る、というびみょーな展開になっている。(こういう日記だから書けるのであって、後は誰にも言えないではないか) こう言っちゃなんだが、今日やっぱり彼女とは個人的には友達になれないと思うような小さな出来事があった。 これはその時にいたみつこさんもまさこちゃんも気づいていなかったと思う。 ちょうど今、休暇中のゆみさんの机にひとみさんを座らせて研修していた時に、私がちょっと緊急の電話でしばらく時間を取っていた後に彼女の近くに戻ると、彼女が不要な紙にホコリを乗せ、まさにそれを捨てようとしていて「ほら、きたなーい、マウスの裏を掃除したらホコリだらけ」と私にそれを見せながら言ったのだ。 この一瞬、私はこの人とは友達になれないと思ってしまった。 うちの業務上、人の机を使って仕事をするというか、日によって場所の違う机で仕事をすることが出てくるので、私は、みつこさん・ゆみさん・ゆきちゃんの定位置に時々座ることがある。 やはり人によって机の上の管理のしかたが違っていて、仕事はきちっとやるわりに、あまり机の上のホコリやお菓子の屑を気にしていないのがみつこさんなのがいつも意外だ。 掃除・整理嫌いを公言してはばからない私が、みつこさんの机の上のちょっと汚いところは気になってしかたがないのだが、私はそこに座る日は、絶対に誰も見ていない時にいつもみつこさんの机をささっと掃除してしまう。 ゆみさんの机に座る時は、机よりも椅子。 家で飼っているネコの毛がいっぱいついていて、ネコ好きの私でもちょっとアレな量なので(よくほっておくなと思うが)できるだけ浅く座り、誰もいない一瞬を狙ってガムテープで取れるだけ毛を取ってすばやく捨てたりしてしまう。 マウスだと、これは誰のマウスでもそうだし、昔からあるボールのついたマウスでも光学式マウスでも、ある一定の期間にどうしても裏のゴムの部分にホコリが溜まることがある。しかし、私はマウスの動きが悪いなと思ったらくるっとひっくり返してホコリを拭き取るだけで、いちいちその元の持ち主に「マウスの裏が汚いよ」とも言わなければ「会社の椅子だからもう少しネコの毛は取ったほうがいいよ」とも言わない。 いや、本当はそういうことは言えばいいのかもしれない。 しかし、仕事そのものの中身と違って、それぞれの人が「自分としては気になってしかたがない」コトや「そんなこと気になりますか」というコトの基準というものはかなり違うし、そこをわざわざ口に出して指摘することは私はしないタイプなのだ、いい悪いではなくて単に口に出すタイプではないのだ みつこさんの机が汚れていれば、そこをその時に使っている私がちょっとキレイに拭いておいたらいいかと思うし、まあ、ゆみさんのネコの毛大量付着椅子はみつこさんの机よりはちょっと問題が大きいとは思うが(椅子は会社のものだから)こういうことって、人から言われないと気づかない事実であろう半面、人に指摘されることでそれがいつまでもしこりになる人もいると思う。 ちなみに私なら同じことは言われたくないなと思う。(だから、この掃除・整理嫌いで見栄張りなの私は、他人から見えるところだけは神経質にきれいにしてしまう) 指摘されることで、恥をかかされたというのとはちょっと違うけれども、何か触れられたくない部分に触れられたような気持ちになるだろう。 もともと自分が気をつけていたらいいことだったけれども気づかなくてとか、気づいてはいたけどまあいいやって思っていたようなことだと。 だから、ゆみさんの使っているマウスをひっくり返して顔をしかめながらホコリを取って「ほら、掃除したんですよ、汚かったし」と私にそう言ったひとみさんの言葉で、日頃から自分の基準でぼーっと内在・潜在していたデリカシーという分水嶺にはっきりフォーカスが当たったように感じられた。 ホコリを見せられ「汚いですよね」と言われた私は、ちょっと一瞬、答えようがなくなり「ああ、そうですか」となんともずれた言葉しか出てこなかった。 こういう感覚が説明無しに理解してもらえる人と、どうしてこういうことが気になるかわからない人、という差は私にとっては、自分で想像している以上に大きいのではないかという気がした。

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