2008/01/17(木)23:48
久々の人
そう、久々の人と電話で話した。
みつこさんだ。
自分がいた古巣と接点が切れたわけではなく、私の後任になったひとみさんとは毎日メールで仕事の方針や処理の相談が来るし、こっちも向こうの仕事をできるだけのぞき込んで(小姑根性ではないのだが)進み方がやばそうな件には「あの件、ここに注意しておかないと後でひっくり返るよ」等のWarningをこっちから入れておくこともある。
そういう中で、みつこさんとは、連絡チャンネルをほとんど自分の個人のメールだけに限っていた。
社内電話で連絡が取れないわけではないし、私は今でもロンドンチームの出づらも把握しているから、今日、自分がまだ会社にいるこの時間に、あっちでみつこさんが出社しているかどうかもわかるが、彼女と話すとどうしても里心がついてしまう。
里心というのはちょっとヘンだ。ヒトごころ、かしら?
時々メールはやり取りしているし、彼女のご主人のジョージもメールをくれる。
けれども、やっぱり隣り同士でつまらないことをぽつぽつ話しているうちに、意外とそれが大事だとわかるような毎日を過ごすのと、こうして離れて、意識的に連絡することとは違う。
後任になったひとみさんは、こうして離れて見ていると、私からすればまだまだ先の読み方が甘過ぎる。
それが見つかるたびに「ダメダメ、そっちじゃなくてこっちだよ」という仕事メールを送ることも多い。
いや、彼女の名誉のために言うなら、彼女のやり方でも間違っていない場合もすごく多い。
但し時間と労力がかかり過ぎるのだ。
もちろん10年近くこの仕事を毎日やっているこっちと比べてはいけないのだろうが、思わず「あれくらいの時点での私ならどうやっていただろう」と考えてしまうこともある。
そういう部分の食い足りなさを同じように感じているもう一人、それがみつこさんだ。
私の場合は今は遠隔操作になったが、近くにいた時は1ヶ月ついて教えていた時はさすがにげっそりだった。
その後は時間もないし、遠隔だけどできるだけ相談に乗ると約束し、それは毎日毎日行っているのだが、時々まだあれっという判断があり「違う違う」とメールを出して初めて彼女が軌道修正することもまだまだ多い。
そういう部分を、あれからずーっと付き合ってそばで見ているのがみつこさんだ。
みつこさんと私の場合は、なんというか、ある意味で絵に描いたような関係だったかもしれない。
冷たいようだが、私は仕事での同僚を友達だとは思わないことにしている。
もちろん、邪険に扱うという意味ではないし、仕事での拘束時間中はできるだけお互い気持ちよく過ごすための最大限の努力はしているが、馴れ馴れしいのはイヤだし、特定の人と仲良くなることで、必要な時に注意したり指導したりする基準がブレると困る。
そういう中で、みつこさんとは、比較的初期の段階で「もう辞めますか?」「私を要らないってことですか?(憤怒の涙)」という修羅場を越えてきたこともあり、それ以降は私は、まずいところがあったらみつこさんに「いくらみつこさんでもコレはまずいよ」と絶対言うし、彼女も聞く。
でも彼女の言い分がある時は「でもね、ちゃとさん、ここはこうでこうだからこうしたのよ」という反論もある。
他の人には注意するけど同じことをみつこさんがしたら見逃す・気づかないふりをする、ということをしないためには、あくまでもみつこさんとは同僚同士(しかもこちらが上司)でなければいけないことを2人ともがわかっている。
で、それはそれとして、彼女とはやっぱり友達なのだ。
それも、得がたい種類の。
彼女が私に対してそう思ってくれていることも、その私が近くにいなくなって、前なら「実は昨夜こんなことがあって」とか「ジョージが聞いてきたんだけど、ちゃとさん、知ってる?」とかで始まる会話ができなくなった寂しさを空気でびしびし感じる。
だから今日の夕方、これはどうしてもみつこさんに急ぎで頼まなければという用があったので電話したのだが、みつこさんは「もうキレそうよ・・・」とぽつっと言った。
私は私で、やっぱり古巣にばかり目が行くんだと思われるのもイヤなので、今の周りの人たちに聴こえるような声では話せない。
2人とも、そりゃいろいろ話したいことはあるが、その時間はその時ではなかったので、ちょこっと近況だけを話した後「メールを書こうとは思うんだけど、書き出したら終われないし」と苦笑しながら、またね、と言って電話を切った。
思い切り、みつこさんとジョージとクマイチとで、また世の中に役立つような役立たないような熱い話に興じられる次の機会はいつかな、と思う。