024636 ランダム
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PARTY GROOVE

お父さん

私のお父さん。厳格な人。大好きです。
田舎で毎日汗だくになって頑張ってる。

そんな父のこと、少しでも多くの人に知ってもらいたくて書いてみようと思いました。

年齢は不詳、誕生日は11月だと思います。

お父さんは、いわゆるガキ大将だったらしい。
お父さんのお父さん、私にはおじいちゃんである人が自営業をしていて
かなりのお坊ちゃま。当時建築や、建設は大儲けだったらしい。

幼い頃からガキ大将な人。あたまもよく悪いことは要領よくやったという。
ちょびっと有名な高校を卒業し、父はまぁまぁ有名な工業大学へ入学した。
18歳、そのころの写真見ると白黒で、ヤクザな父だ。
18でリンカーン乗ってるってどうなんだよ・・・みたいな。

そのころすでに母とは付き合っていたらしぃけど、他にもたくさんいたみたい。
19歳、在学中に母と結婚。当時ではめずらしいできちゃった結婚です。

母は美容師の専門学校を中退、父の家に嫁いできました。
それまでは、父の実家が自営業なのも、長男なのも知らなかったそうです。

母が嫁いだころは、大人が10人くらい一緒に住んでいたらしい。(父の兄弟が4人、母、義理の妹、父のお父さん、お母さん、父のおじいちゃん)
毎日、義理の妹と家事をしていたそうです。

父はまったく帰ってこなかったそうです。
他の彼女と同棲していたらしい、、、母は他人の家族に一人まぎれ、暮らしていたそうです。
なぜか、姑からは「お前のせーで帰ってこない」などと言われ続けたそうです。

父は月に1度、お金をとりに帰ってきたそうです。
母のお腹が大きくなっていても、出て行ったそうです。

一人目が生まれ、それでも帰ってこない父。
二人目が生まれても、同じでした。 そして自営業はうまくいかなくなり赤字の連続。それでも父は帰ってきません

遂に倒産、生活の逆転、母は長女と次女と 遺影にする写真を収めていました。3人で死のうと思ったそうです。

アルバムを見ていると、父が写りだすのは3女が産まれて小学校に入ったくらいで移りだす。
私のアルバムでも、多少登場しています。

幼い頃の記憶では、あまり家にいない人で、たまにいると機嫌が悪くて怖くて怒ってて、、、。
玄関の分厚すぎるガラスでさえも、簡単にわってしまう大男。母には暴力。姉にも暴力。

だから、わたしは変なクセがついていたそうです。それは、父がいると、父の表情をチラチラ伺うこと。
お箸の持ち方、お茶碗の持ち方、座り方、お箸の持っていきようの一つでも気に入らないことがあれば、たたかれていました。
「怒らないかな?」「たたかれないかな?」ただただ、、、怖い人でした。

でもそれが逆効果、、、チラチラ子供なりにバレないように表王を伺っていたのですが、バレバレだったらしく、、、
「何をチラチラみてるんんだー!!!!!!!」ってガチギレされたことが何度もあります、、、

幼い時は大嫌いでした。

何?たまにしか家にいないのに父親面するな!とかお母さんが可哀想って思うばかりで大嫌いでした。

中学校くらいになってからかな、すごい人だと実感しはじめたのは。
中学の入学式とかで名前が出てきたりする父、友達もお父さんかっこいいねーとか、そんなことで始めて父を真剣に見た。

あぁこの人すごいんだ。でも中学生なんてまだ実感がなくて、それでもやっぱりまだ嫌いで、よく母に
「何で離婚しないの?」
と連発していたそうです、、、笑

高校受験のころかな、相当グレていた、、、わたしはもちろん高校には行かない気でした。
毎日母親と喧嘩、そして折れたわたしはヤンキーしか集まってない高校を受験しようとしていた。
それでも母は反対、やりたいことのない私。とにかく家を出たかった。今思うと甘すぎる、、、笑
そんなとき、幼馴染が工業高校に行くってゆったんです。お前のお父さんみたいになりたいからって。
へぇそんなこと考えてたんだ。少し嬉しくなりました。

そーいえば、家族は女だらけで、この人一人なんだよなぁ、、、。
お兄ちゃんが亡くなって、跡継ぎがいないってどんな気持ちなんだろう、、、。
そう考えた私。やっと少し父がわかった気がしました。

そして、わたしも工業高校を受けることに。倍率たかっ、、、。今までのアダが帰ってきた、、、。
あたしってあったまわっるーーーー、、、。まぁやれるだけやってみるか、、、。
てな感じで受けてみたら見事合格!クラスには女の子2人だけですけどね、、、笑

掲示板の前で電話、母が心配そうにでた。
「受かったから」 母が泣いているのがわかった。
母は父にもすぐ伝えたらしい。父は親戚中に電話しまっくったそうだ。

跡を継いでもらえる、、、少しでもそう思ったのかもしれない。

ふと、周りを見渡してみるとガラっと変わっていた。
中学で、かなりの苦労をかけたせいか母は、昔の母ではなかった。疲れきっている。
そして父、ココロがまるくなったね。家にいることも多くなったね。

そして工業高校入学。とれるだけの免許はとったが勉強はさっぱり、、、サボることも多かった。
そんな中、母が入院。原因は教えてもらえなかった。いつもそう。家族でわたしはやっかいもの扱い。
理由がわからないゆえに余計に心配。お見舞いにもあまりこないでほしいと言われる。
家には父と二人。年の離れたお姉ちゃんたちばかりだから、みんな自立して出ている。
父に家事ができるわけもない。出したらだしっぱなしの人。それまでも自分の洗濯とか、ご飯はしてきたけど人のぶんまでとなると大変。

母の大切さが改めてわかる。そんな二ヶ月だった。退院しても病名はわからない。不安は続く、、、。

そして父も入院。高校生なりにいろいろ考えた。会社のこと。今もし父が、、、何度も考えた。
もちろん病名はわからない。毎日大量の薬を飲んでいた。糖尿病を患っていたから。
会社の人にも内緒の入院。本当はずっと前から入院しないといけなかったのに、仕事があるからと薬を服用していたそう。
突然、車から降りた瞬間、前進の左半分が動かなくなったそうだ。

一度だけお見舞いに行った。父をこんなに近くでみるのは初めてだった。目をあわせたのも始めてだった。
充血した目。決して澄んだ瞳ではない。
「体だけは大事にしなさいよ 体だけは」
その一言目をあわせて話した父。泣きそうでたまらなかった。怖くてたまらなかった。

なんとか退院。それでもすぐ働く父。かっこよすぎた。そんな背中をみてもわたしは、バイトに必死、遊びに必死、
落第するかもって大ピンチ。そして援助交際、覚えたての男遊び。父が望んでいることには何一つ答えなかった。

あんなにかっこいい大人を目の前にして、そのときは思う。

       頑張らないと

って。けど生活していると自分のことばかり。最低なことばかりしてきた。もちろん秘密だけど、、、。

それでも親にはわかるのだろうか、、、高校のとき母に言われた。
「SEXばかりしちゃダメよ、、、」
え、、、。はぁ、、、。何でわかるんだろ、、、とか思ったけど不通にうなづいてみた。

工業高校を卒業しても わたしは父の跡継ぎをしようとは思わなかった。やっぱり違う。人の上に立てる人間ではない。
そう思っている。向き不向きってのも大事だと思う。期待を持たせてごめんなさい。

高校の卒業祝いに車を買ってくれた。中古のボルボとかチェロキーとかベンツとか乗りたいわたしをよそに
「中古、軽はダメだ」の一点張り、、、。ケチ、、、。車なんて大きい買い物なんだから欲しいやつ買ってくれよっ!!
ってそんなこと言える訳もなく「はい」と答えた。
日産のエスクードがいい!!とゆったものの、、、時はすでに遅し、、、うちは家族みんなTOYOTAだから、、、
TOYOTAに決まってるし、、、てか、、、え、、、それかよ、、、は、、、。
でもでもありがたい。車があるだけで感謝。どうもありがとうございます。

本当はグラフィックデザインとかPVとかVJ作るの勉強する学校みたいのに行きたかった。
自分で資料そろえて、体験入学何回も行って、試験もうけた。けど、、、両親の体調が思わしくない、、、。
こんな田舎にグラフィックできる専門学校があるわけでもな。かといって姉が帰ってくるわけでもない。
母に頼まれる。家にいてほしいって、、、。断れるわけない。散々迷惑かけたんだもの。
そんで地元の短大へ、、、。車のある生活はいい。田舎は車がないとねー。

父を始めて助手席に乗せた。ココロの中で「大きくなったなぁわたし」と思う。たぶん父もそうだろう。
会話はない。道を指示する父のこえだけが響く。ほんとにわたしもここまで大きくなったのか、と嬉しかった。

そして社会人デビュー。どうしても一人暮らしがしたかった。母も3年はしなさいという。賛成だ。
いくら親のありがたみがわかるとは言え、やっぱり一人になってみないとわからないこともたくさんある。
お金の大切さや、いろんなことの大切さがわかってくると思う。それに遊びたいしね笑

大阪にいる姉のところへ就職活動をしにきていた。父からの電話。
「帰ってこい 帰ってきたらいい」
すぐ泣けた笑 そんなこと言われたことないから笑 こんな私でもあなたには可愛いのかと泣けてきました。
そして、就職が決まり家に帰った日。父が目をあわせて
「おぉ!帰ってきたか!」
笑ってしゃべった。笑いかけられたことがない。嬉しすぎた。また部屋で泣いた。
母から聞いた、父は「あの子がかわいくてどうしようもない」と言っていたらしい。一番苦労かけたからかな。

年老いた両親を残して出るのは、心苦しい。でも帰ってくる。一人で頑張ったら必ず帰ってくる。
姉達はもう家庭があるから、残るはわたしだけだもんね。あなたたちを今度はわたしが守っていきたいです。


父は、ほんとに今ではみない、男らしい人。曲がったことが大嫌いで、素直になれず、何でかえらそうにしてしまう人。
気が強くて、すぐカーーっときちゃう人で、人は信用しちゃいけないっていつも言ってた寂しい人。
兄弟でもお金の貸し借りは絶対するなよ、、とすべてを悟ったような目で話をする。
気の会う友達もなく、仕事と車とお酒と女だけが趣味。
早とちりが多くて、すぐ誤解して怒ってしまう。

その寂しそうな背中。硬くなった手や足。見ているだけで泣けてくる。苦労を重ねたあなたの背中。
不器用な人すぎる。もっと器用になって。寂しすぎる。このままじゃ。




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