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揚州

揚州

ウルムチ



南京空港より蘭州経由ウルムチ行きの飛行機に乗って出発した。
料金は連休という事もあって往復3650元だった。
南京空港出発はpm1:30で、蘭州まで約2時間、蘭州空港で一旦下りて30分乗り換え、その後ウルムチまで2時間半、到着時刻はpm7時頃、合計5時間半飛行機に乗っていた。南京から蘭州まで直線距離で2000km、蘭州からウルムチまでが2500km、西に約4500kmの場所で、日本からだと5000kmあると言う。
日本の北海道から九州の鹿児島までが2000kmだからその事を考えても、すごく遠い。

ウルムチは中国の最西端で、空港から外に出たのは夜の8時だと言うのに、まだ太陽がさんさんと照りつけていた。
タクシーの運転手に「何時ごろ暗くなるの」と聞いてみた。
すると「解らない」という回答、大体はと聞くとpm10時頃という。
外はまだ暑かった。ホテルでチェックインをして、それから食事にバザールへ行った。
その時間がpm9:30で、少しずつ暗くなって来る頃だった。

道路をはさんで黄色人種系のエリアと、インド系のほりが深いウィグル系のエリアとに分かれている。
ウィグル系のエリアに入ると、そこは全く中国とは違う国に来たような錯覚を受ける。
ウルムチは大都会で、人口120万の都市とのこと。
高いビルやカルフール等のショッピングセンターもある。
ただ、そのカルフールもウィグル風になっていて、前が公園みたいな広場になっておりバザール(屋台の集まっているエリア)の小店が建ち並んでいる。
所処から羊肉の串焼きを焼く煙がもんもんと上がっている。匂いも結構独特である。
初日から半焼きの羊肉で当たるのが怖かったので、とりあえずは何も食べない事にした。

次の日は天山山脈の中にある天池という観光地に行った。
途中で朝食として肉まんを買ったが中の肉は羊肉だった。
羊は少々匂いがするというかやはり肉まんは豚肉の方が美味しい。

天池の看板が有った所でお金を払ってから駐車場に車を留めることができると言う。
一人30元払い駐車場へ、そこから今度はバスで池まで行くという。
1人25元、観光地でのぼったくりのように感じるが乗らなければ天池にいけない。
バスから降りると今度はぽん引きが待ち構えている。片言の日本語で話し掛けてくる。
無視をしていたがなかなかまとわりついて離れない。やっと池に着いた。
その池の正面にはポグダ峰という標高5445mの万年雪に覆われた山が見える。
とても綺麗だ。ゆっくりと眺めて居たいのに、ぽん引きが話し掛けてくる。
うっとうしいので1人25元出してボートに乗った。
が、風をまともに受け、とても寒かった。
やはりシャツ2枚では乗るものではなかった。下りてきても同じぽん引きが待っている。
今度は「食事は終わったのか、美味しい店があるのでそこに行こう」と結構強引、「食事はもう終わったから行かない」と言って無視をした。

途中、モンゴル人が草原で生活する時のテント(パオ)が有り有料で泊らせてくれると言う。また、羊の群れやヤギの群れ、牛の群れを見ることができた。
聞くところによるとそこに泊ると別料金で羊を一匹そのままさばいてくれると言う。
ただ、日本人にとっては刺激が強すぎるようにも思った。

昼食がまだだったので、旅行所の運転手の紹介でちょっと小綺麗なレストランに言った。メニューを見てびっくり、主食の単品物が一皿100元(1500円)以下の物が無い。
野菜の単品物でも30~40元、通常私達が食べている中華料理の4倍から5倍の値段だ、ぼったくりレストランに入ってしまった。
おそらく旅行社にもバックマージンが行くのであろう。
羊肉の串焼きが1串4元もした。
「もう、運転手の紹介する店には行かないぞ~」と硬く心に誓い適当に注文して食べた。

次の目的地はトルファン、一旦ウルムチにまで1時間ほどかけて戻り、それからトルファンに向かう。ウルムチからトルファンまでは約3時間なので天山山脈を横目で見ながら約4時間あれば着くはずだった。
pm2:00に出発してpm6:00につく予定がその時間になっても、着 か な い 。
車が止まった、
運転手が現地の人に道を聞いている。
も、し、か、し、て、道を間違えた?

 どうしたら、この砂漠の一本道を間違えるのか?道路の標識を見たら、トルファンとは90度方向が違う町の名前が・・・。
唯一の分岐点であった交差点を間違って、はるか遠くに来てしまっていた。
この運転手は地図を持っていなかった。
私が持っていた地図を見ながらUターン、何回も車をとめて現地に人に道を尋ねるが、人によって言うことが違う。
最初の人は、「2時間で着くよ」と言ってくれた。
二人目の人は、「3時間」と言う、
3人目の人は、「4時間、でも近道を通ったら3時間で行けるよ」と言う、
これではダメだしっかり道路を知っている人に聞かなければ、とんでもないことになってしまいそうな予感がした。
大きなガソリンスタンドがあったのでそこの人に聞いた。
すると3人目と同じ意見だった。「よし、近道で行こう」という話になる。

 その交差点に来た時ちょっと心細くなった、砂利道でとても細い。
運転手がビビリだした、ゆっくりと確認するようにのろのろと走り出す。
のろのろ運転が続く、このままでは何時に着くか解らない、おまけにオーバーヒートすると言う理由で車のクーラーを切りやがった。
暑くてたまらない。
先輩が「ゆっくり行こうが一本道なのだから、迷う事は無いさっさと走れ」と運転手に催促する。
道沿いの民家の人は、夕涼みでたむろしている。
私達が珍しいのか、通り過ぎてからもこちらを見ていた。
ココに住んでいる人は、ウイグル人ばかり、中国にいるとは思えないほど、異国の雰囲気に包まれている。
たまに看板に書いてある中国語が取ってつけたようにういている。
本当に中国はでかい。
 
 近道の両脇に有った民家が消えた、前は砂漠である。
遠くはかすんで見えない。
道路もアスファルトから砂利道に変わる。
エアコンを付けていない為、暑くてたまらない。
しかし窓は、砂埃がすごくて開けられない。
我慢ができなくなって、エアコンを付けてもらった。
もう、開き直りの状態だった。
 
 砂漠の町と町との間には、防砂林として背丈が1mぐらいの雑草に似た松みたいな物が植林されていた。
道の両側に鉄線で車が入れないようにしてある。
その数がすごい、人間の手によって植えられたのであろうが半分程は枯れているようにも見える。
この防砂林が隣町まで、50km~100km続いているのだ。
道端、1kmごとに看板がある。
「この防砂林は、人間の生命にとってかけがえの無い大切な物である」みたいな事が書いてある。
人間の生命力に対しての偉大さをつくづく感じた。

 感動に浸り、外を眺めているとその鉄線で保護されている防砂林の中の動く物が・・・
羊だった。
命を守る防砂林を食べている羊が居る。
それも何百という数。
人もいた、近くの人が羊を放牧しているのだろう、この人たちにとっては未来よりも「今」が大切なのである。
それを見て、怒る政府の役人もいない。
こんな矛盾がココ中国では当たり前に存在する。
1人の農家だけかと思えば、その羊の群れがあちこちに見えてきた。
これが、人間の本当の姿かも知れない。
我田引水、お金のために日本も同じような事をしている。
それから延々2時間半から3時間ほど走ったような気がする。
緑の木が見えてきた、隣町のトルファンに着いた。
緑とは何と心が和む綺麗な色であろうか、昔のシルクロードを商いをしていた人々はこの緑をどれほどいとおしいと思った事か、なんとなくでは有るが解ったような気がした。
トルファンのホテルについたのは、午後10時をまわっていた。
合計、8時間、お尻も痛いが、無事たどり着く事ができほっとした。



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