2007/05/29(火)12:10
一人旅 西蔵鉄道でラサへ 6
ゴルムド(格尓木)からラサまでの15時間は、全車両禁煙となる。
海抜4000m~5000mまでの高い平原は当然酸素も少ない、その状態でのタバコ
は危険だと言う事だろうか。しかしお酒は大丈夫のようだ。
その日、高原でのビールを試みた。
缶ビール一本で結構酔った。高原では酸素が薄いので酔いも早いと聞いていたが
こんなにも酔うものとは思わなかった。
もし体が悪くなったらと言う思いもあり、結局2本しか飲めなかった。
と言うか初めての体験は結果がわからないので怖い。
人間は気が滅入ると体まで弱ってくると聞いたことがあるが、海抜4700m位で体
がだるくなってきた気がした。高山病とまではいかないが、酸素が不足すると体の
悪い所が一斉に顔を出してくる。私の場合は持病の腰痛、腰がだるいと言うか痛く
感じてくる、妙なけだるさがお酒に酔った体と相まって襲ってきた。
気をしっかり持とうと思うのだが、その上に禁煙ときては元気もでない。
ぼーっとしながら、ベッドにもたれながら外を眺めていた。
それにしても、空が真っ青!そして外は5月だと言うのに0~5度と言う寒い環境
通りすがりに羊やヤギ、牛の放牧は見るがその他の産業は皆無といっていい。
その中で放牧をしている人が時々2.3人見かける。見晴らしは良いが、生活環境
は最悪の場所な事は容易に察しがつく。やはり人間はすごい。
この前、新疆ウィグル自治区のトルファンに言ったときの事を思い出した。
あそこも人間の住む処ではなく、砂漠の砂嵐で羊肉を焼く煙と砂漠の埃で地上3m
より上は煙か埃か解らなかった。道行く地元の人はそれでも生きている、私は顔に
ハンカチを当てないと口に中に埃が入ってきて耐えられなかった記憶がある。
暑くても砂漠という地獄、このラサも寒くて外観は砂漠みたいな風景が続く。
3日間列車に乗り、やっとの事で到着する聖なる都ラサ。
ラサまでの過酷な道のりがあって、やはりラサが光り輝いているのかも知れない。