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出会い2











 あれから、私達は倒れた乱馬を天道道場につれて帰った。
幸い、命に何の別状も無く、元気だ。
ってゆーか、元気すぎるくらい。
ご飯は良く食べるし、減らず口を良く叩く。

でも――――――、
 
  私は安心する事が出来なかった。


あの夜、乱馬は確かに誰かに『なった』。
・・・誰だかはわからないけれど――――。

でも、あれは乱馬じゃなかった。

確かに違う、誰かだった。

また、あの人になって、乱馬が何処かへ行ってしまいそうな気がした。

人が折角助けに行ってやったのに、可愛くねえな。――――乱馬しか言わないこの言葉。




『可愛くねえ』





何時、この言葉が途切れてもおかしくない。
その時私はそう思った。

出会い -弐-




「ねぇ・・・乱馬。」
私は、布団で寝ている乱馬に声をかけた。
「あぁ?なんだよ、あかね。」
乱馬からは気の無い返事。
「アンタ、あの夜の事、覚えてないの?」
あれは乱馬だけど、乱馬じゃない。
本人は、あの時の出来事を覚えているんだろうか――――?

――――――――もしも覚えてたら・・・

「夜ぅ?
 ・・・あの、百足妖怪の事か?」
乱馬がやっと顔をこっちに向けて言った。
「そうよ。
 本当に何にも覚えてないの?」
乱馬がその事を覚えていても、別に何もしない。
でも、何故だかわからないけれど気になった。
「だ~~~~~~か~~~~~~~ら~~~~~~~、
 あの時は気絶して、その後の事は何も覚えてねーっつってんだろうが。
ったく、しつけー女だな。」
乱馬が舌を鳴らして言った。

――――――――こっちの気も知らないで!!

そう思った頃には既に怒鳴っていた。

「何よ!
 乱馬なんかもう知らない!!」

乱馬は一瞬、驚いた様な顔してたけど・・・
「おっ俺が何したってんだよ!!」

勝手に何処へなりと行くがいいわ!!

こんな台詞が口から出た。
思ってもいないのに。
・・・でも、その頃はただ、ムシャクシャしてたので、そのまま私は部屋を出ていった。




――――――――そして後になって、あんな事言わなければ良かったと後悔した。


    あの言葉――――。

    『勝手に何処へなりと行くがいいわ』

      アレのせいだ――――。
             私があんな事を言わなければ――――



                     ――――乱馬は消えたりなんかしなかったのに。






















あの夜、乱馬は私の為に駆け付けてくれたのに―――――。

あの夜、乱馬は私のせいでに傷ついたのに――――――――――。

今も、私せいで傷ついた傷が治らずに苦しんでるのに―――――――――――――――。







::::::::::::::::

 「くっそー、あかねの野郎・・・。何なんだよ一体・・・。」

俺は起きあがり、誰ともなしに呟いた。
「助けにいってやったのに。
 ・・・ったく誰のせいでこんな傷受けたと思ってんだアイツ!」
一度声に出して言うと、次から次へと文句が口から零(コボ)れてきた。
「大体、悪いのは全部アイツじゃねーか!
 なんで俺が怒られなきゃ・・!!」


『かごめ様に謝れ犬夜叉。
            私がいい迷惑だ。』



俺は今自分の脳裏に映った映像に、目を見開いた。
「なっ・・!」
思わず声が漏(モ)れる。

「・・・何だったんだ?今の・・。かごめ・・?
 犬夜・・・。」

犬夜叉―――――と言おうとした時だった。
その時、俺の頭の中に一気に何かが流れ込んできた。

『犬夜叉!!』『あたしはかごめ、桔梗じゃないの。』『・・・そのかわり、殴らんと約束せい!』『無駄な殺生はいたしません。』『貴様が犬夜叉か!退治する!!』『犬夜叉。墓の在り処がわかったぞ・・・。』『犬夜叉様、お懐かしい!』『三日もあれば生えかわるわい。』『俺はかごめに惚れたんだ!文句あるか犬っころ!』『アタシは・・・何にも見てねえよ。』『犬夜叉、お前が居てくれた・・・。嬉しかった。』『お主を封印した桔梗の妹・・楓だよ。』  『アタシは又裏切るよ!琥珀は奈落の元へ居る限り!』     『なんでてめえ生きてんだ?桔梗は死んだってのによ。』 『お前等も行ってみるか・・?あの世とこの世の堺に・・。』   『・・・そんな事されたって、ちっとも嬉しくない。』  『感心に覚えていたか・・。この兄の顔を・・・。』『どうした犬夜叉。逃げてばかりじゃないか』   『悪い。お前はかごめの心を疑っとる。』  『奈落の下らん思惑に、乗りたくなかっただけだ・・。』
  



 「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

激しい頭痛の余り、俺は叫んだ。
どうしようもなかった。
ただ、痛みを堪(コラ)えるしか俺には出来なかった。
色々な奴の顔を見た。
俺の知らねえ、会った事すらねえ奴等の顔を・・・。
激しい頭痛に意識が朦朧(モウロウ)とする中、その中の一人が笑いかけながらこう言った。






      『俺は死にに行くんじゃない。奈落を倒しに行くんだ。』




奈落―――――――――――?
誰だ、奈落って―――――――――――――――――――。


 『ドクン』




そうだ――――――、『奈落』。

全てアイツが――――――――!!!





::::::::::
 「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
物凄い乱馬の悲鳴。
それを聞いた瞬間には私の足は、自分の部屋から乱馬の部屋へと走っていた。
もの凄く嫌な予感がした―――――――。
そして、乱馬の部屋の襖(フスマ)を思いっきり開け放った。
「乱馬、一体どうし・・・!!」

 え・・・? 嘘・・・。
    何これ―――――――?

お父さん達が後ろから走って来る音が聞こえた。
「乱馬君、どうしたんだね?!」
でも、その声もすぐに止(ヤ)んだ。
その部屋には誰もいなかった。








::::::::::

 ここは東京。
濁った空気の暗い月の下で、一人の少年が長い黒髪を風に靡(ナビ)かせ、歩いていた。
その少年は、月と同じぐらい濁った蒼い目をして誰とも無しに呟いた。

「奈落・・・。
  アイツだけは・・・・。」




















                                      続

:::::::::::::::
わー、2話目がやっと出来ました。
ってゆーからんま1/2でシリアスやったの初めてですv(犬夜叉は何度かあるけど
あー、でもヘボっ!!
駄目駄目ですね、マジで。
シリアスに見えねーーーーーーーーーーー!!!!
まぁまぁ、そこら辺は勘弁しておくんなせぇ。(誰
なんせシリアス初心者なものですから。(ギャグでも対して変わんねーだろーが!
・・・ちなみに最後の黒髪少年は乱馬が普通に髪解いただけです。
伸びてませんよ。



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