いじめが少年犯罪に与える影響
若者による凶悪事件が、立て続けに起きた。茨城連続殺傷事件、JR岡山駅突き落とし事件共に、容疑者が自暴自棄になっていた特徴がある。私が注目するのは、岡山の事件で逮捕された少年(18)が、小学校から中学校の長期にわたりいじめを受けていた点だ。「いつか、やり返してやる」とも口走っていたという。いじめは被害者の自尊心をズタズタにする、精神的・身体的な虐待である。被害者がいじめの加害者、もしくはいじめの存在を許した社会に対して復讐の念や殺意を抱いても、決して不思議ではない。茨城事件の金川真大容疑者(24)も卒業した小学校を襲う計画だったというから、小学校時代に何らかのいじめに遭っていた可能性がある。教師が気づいていなくても。もちろん、いじめ被害の経験があるからといってこれらの事件を引き起こすことは許されない。だが、いじめがそれほどまでに被害者の心を深くえぐりとることを、加害者や学校、家庭は認識する必要がある。いじめと少年犯罪や引きこもりの関係について、詳しくは今夏発売予定の「ネットいじめの真実とネット・リテラシー(仮題)」で述べる。なお、金川容疑者はゲームにはまっていたとも報じられている。ゲームは人間の暴力的な言動に影響を与える。だが、それだけではない。詳しくは「オトナのメディア・リテラシー」【メディアと少年犯罪の関連性】にて。