2009/05/02(土)21:19
【鉄博アワー】国鉄クモハ101-902号電車
日付が変わりました。皆様、こんにちは。大宮・鉄道博物館の話題をお送りする「鉄博アワー」のお時間です。
今回は国鉄「クモハ101-902」号電車についてご紹介したいと思います。
この電車は1957年(昭和32年)に国鉄「新性能電車」の嚆矢(こうし)として、試作車10両が製造され、そのうちの「モハ90503」号車として国鉄大井工場で生まれました。
塗装は当時の国電の標準塗装だったチョコレート色から一転して明るいオレンジ色一色となり、その塗装から「金魚」とも呼ばれました。
この時代の登場の背景としては、ひっ迫する通勤・通学客をさばくために、従来の旧性能電車よりも速度面などの性能が優れた電車が必要となり、国鉄・各私鉄とも多様な新方式の電車が採用されていた、という事があります。
軽量構造の車体と、アルミサッシュを採用した広い窓、蛍光灯を採用した車内灯や扇風機などが採用され、ブレーキについても新時代のものが採り入れられました。
またこれまでの電車は各車両に機器類一式を全部備えて、1両の単行運転が出来るようになっていましたが、この90形電車では2両を電気的に1ユニットとして固定し、各機器やパンタグラフ等を集めて1組として主電動機(簡単にいえばモーターです)2両分の全8個を一括制御する方式を採用しました。この方式は、後まで「新性能電車方式」として応用されています。
試作電車であるこの「モハ90形電車」は、1ユニット2両ずつを車両メーカー4社と国鉄大井工場で競作して10両が出そろいました。
そして翌1958年から量産に入り、まずは中央快速線(東京~高尾間)から置き換え投入が開始されました。以降、山手線、中央総武緩行線(三鷹~千葉間)、南武線(立川~川崎間)、大阪環状線、片町線(片町~長尾間[電化当時の区間])など各線へ拡大し、国鉄の通勤・通学輸送の改善に大きな貢献をしました。
この「モハ90503」号車、後の「クモハ101-902」号電車は当初中央快速線で使用された後、南武線で使用されました。
引退後は生まれ故郷の大井工場で修復展示されていましたが、鉄道博物館の開館にあたり、こちらへ移設されています。
大井工場イベント(2001年度)での201系電車です
春の飯田濠沿いを走る201系電車です
中央線オレンジ色の電車今昔50年
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