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女神たち

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May 28, 2024
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テーマ:S-Fマガジン(39)
カテゴリ:SF雑誌


特集は「BLとSF2」 2年前にも同じ特集が組まれたそうですが そちらは未読でした

そもそも LGBTQのジェンダー問題には 嫌悪感も拒否感もありませんが

そもそも「BL」の起源となったという 少女小説やコミックスに関しては

まったく触れてこなかったので この特集の解説やエッセイを読んでも

頻出する「オメガバース」等の用語や概念については 初めて出会ったものばかりで

読解するのにかなり手間取りましたが ひとつのジャンルの歴史として興味深かったです

しかし 特集の読みきり小説5作品については いずれもBL系の作家さんということで

初見の方ばかりでしたが 逆にBLというものを意識することなく

思ったよりしっかりとしたSFになっていて 面白かったです

​​『聖域 サンクチュアリ 』​​ 榎田尤利 作
 テクノロジーの発達により 快適な環境が保障された未来社会の とあるエピソード
 BLですけど ピュアなラブストーリーとして印象的でした
 こういう作品を読むと 人が人を愛するとは いったいどういうことなのか
 そこに 身体的な性別はどのように関係しているのか いろいろ考えてしまいます

​『ラブラブ☆ラフトーク』​ 竹田人造 作
 こちらも 人生の全てに関してAIがおすすめしてくれる未来社会
 そんななかで繰り広げられるのが シンデレラストーリー的なラブコメ
 面白いですけど これが可能になる前提条件である 同姓婚が完全に認められる社会が
 はたして いつになったら成立するかが 現在の問題なのですけど

​『監禁』​ 莫晨歓 作 楊墨秋 訳
 中華SF大好きだけど 中国に「BL」もあるんだという驚き
 中国の小説投稿サイト発ということも驚きの でもこれは BL?ホラー?SF?

​『テセウスを殺す』​ 尾上与一 作
 ジャンルSFの作家さんかと思ったほどの 上質なマインド・アップデータを深く考察し
 そこから 見事なサスペンスへと昇華させた 名作でした
 ただし これがBLである必然性を 逆に感じられなくなった気がします

​『一億年先にきみがいても』​ 樋口美沙緒 作
 地球を捨てた人々が 宇宙に拡散した遥か未来の物語
 変容するジェンダーを描いたという意味では 一番BL+SFなのでしょうか


特集以外の読切短編小説は3作品

​『幽霊屋敷のオープンハウス』​Opem House on Haunted Hill (2022)
 ジョン・ヲズウェル 作 鯨井久志 訳
 ホラージャンルなんだけど やさしくて楽しい作品でした

​『さいはての美術館』​ The Portraut of a Survivar,Observed from the Water
 ユキミ・オガワ 作 勝山海百合 訳
 まず 日本人でありながら英語で作品を発表されていることに 驚きました
 作品は いずことも知れない惑星の美術館で ただひとり美術品の修復を行い続けている
 ロボットと それを支援する謎の存在 不思議な感動でした

​『テーマ』​ 草上仁 作
 VRが進化した未来社会 様々な情報が提示されるなかで
 私たちが信じるべき真実とは何だろうとか 考えてしまいました

連載小説で読んでいるのは 一回目から読むことができた​『ヴェルト』​吉上亮作のみですが
これまで いつになったら そしてどんなSFになるのかと やきもきしていましたが
第一部完結という今回になって 壮大なSFの姿が現されました
ここからどんな展開になるのか 楽しみでしかたありません


連載の評論エッセイでは 偶然漫画家を扱った下記の2篇が面白かったです

伴名練「戦後初期日本SF・女性小説家たちの足跡」第12回
 レジェンド少女漫画家の小説世界 ― 萩尾望都

長山靖生「SFのある文学誌」第九十三回
 吾妻ひでお ― リアルと幻想のはざまに立って







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Last updated  May 28, 2024 08:59:26 PM
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