映画
キャラクター、キャストなど [編集] ショーン・コネリー ウルスラ・アンドレス演ずるハニー・ライダーボンド役の候補には、ケーリー・グラントやパトリック・マクグーハン、後に三代目ボンドとなるロジャー・ムーアなどが挙がっていた。ボンドの初登場シーンは、ロンドンのアンバサダー・クラブ(Le Cercle,Les Ambassadeurs London)のカジノである。そして此処でボンドが言う、"Bond, James Bond" は、以後シリーズで恒例の名乗り方となる。ドクターノオは、原作者イアン・フレミングの従兄弟クリストファー・リーを意識して書かれたと言われている。そして、そのクリストファー・リーは、『007 黄金銃を持つ男』で悪役スカラマンガを演じている。その後、ドクター・ノオはパロディ版『カジノ・ロワイヤル』(犯罪組織の首領でル・シッフルの上司、ただし名前はノオではなくノア)、アニメ「JAMES BOND Jr.」(日本未公開)、海外製ゲームソフト「ゴールデンアイ ダーク・エージェント」などに再登場し、それぞれ対決相手として、引退したボンド、ボンドの甥、ボンドの元同僚で悪に転じたスパイと戦っている(部下の殺し屋にはオナトップなどがいるらしい)。ドクター・ノオの部屋に置かれていた絵画を見て、ボンドが驚く。この絵画は、ゴヤの『ウェリントン公爵の肖像』で、実物は1961年(映画公開前年)、ロンドンのナショナルギャラリーから盗まれていた。犯人はドクター・ノオだったというお遊び[7]。実際に盗んだのはケンプトン・バントン[8]という人物で、1965年になってこの絵を返還し、警察に出頭した。このシーンは本映画に冷淡だった批評家にも絶賛された[3]。この出来事のパロディなのか、ウェリントン公爵は第15作『リビング・デイライツ』の終盤ボンドの命を救う事になった。ウルスラ・アンドレス演ずるハニー・ライダーが白いビキニ姿で海から上がってくるシーンは、007シリーズを通しても有名なシーンの一つで、2003年にBBCのチャンネル4が行った投票では、「最もセクシーなシーン」に選ばれた[9]。このときアンドレスが着ていたビキニは、2001年2月にクリスティーズのオークションに出品され[10][11][12]、プラネット・ハリウッドの共同創業者ロバート・アールによって3万5千ポンドで落札された[13]。銃の専門家として、ピーター・バートン演ずるブースロイド少佐が登場する。ブースロイド少佐役は、映画第2作『ロシアより愛をこめて』からデスモンド・リュウェリンに変わり、次の『ゴールドフィンガー』からQと呼ばれるようになる。なお、ブースロイドの名は実在の銃器研究家ジェフリー・ブースロイド[14]から拝借したものである。この人物は、原作者のフレミングに手紙を書いて、「.25口径のベレッタは女性用の銃だ」と意見した。ボンドの銃が.32口径のワルサーPPKに変更されたのは、その意見が反映されたのだという[15]。CIAエージェントのフェリックス・ライターは、原作では第1作『カジノ・ロワイヤル』から登場し、しばしばボンドに協力する盟友であるが、実は『ドクター・ノオ』には登場していない。本作でライターを演じたジャック・ロードは、後にテレビシリーズ『ハワイ5-0』のスティーブ・マクギャレットが当たり役となるアメリカの俳優である。ライターは、映画版でも原作同様しばしば登場することになるが、俳優は毎回異なっており。二度演じたのは『死ぬのは奴らだ』と『消されたライセンス』のデビッド・ヘディスンと、『カジノ・ロワイヤル』と『慰めの報酬』のジェフリー・ライトのみである。原作では第2作の『死ぬのは奴らだ』もジャマイカを舞台にしており、ストラングウェイズやクオレルは、そこで一度登場したキャラクターであった。映画の『死ぬのは奴らだ』は製作順序が後になったうえ、舞台も変更されてしまったが、クオレルの息子クオレル・Jr.が登場する。空港に登場するフォトグラファーを演じているのは、マーゲリット・ルウォーズ。航空会社 BWIA の空港カウンター職員をしているところを、ヤング監督にスカウトされ出演が決まったが、実はミス・ジャマイカでもあった。ボンドを拉致しようとする運転手役のレジー・カーターは、彼女の義兄である。また、ボンドとライターが食事するバックで演奏している楽団は、ジャマイカのバイロン・リー&ドラゴネアズである[16]。リージェンツ・パーク ジャマイカの海岸 ウェリントン公爵の肖像初回上映時の邦題『007は殺しの番号』は、字幕を担当した映画翻訳家の高瀬鎮夫が進言して採用された[17]。ボンドはライターにスーツはどこの仕立てかを聞かれ、サヴィル・ロウ(ロンドンの高級仕立て屋街)と答えているが、実際に仕立てたのは、サヴィル・ロウに近いコンデュイット(コンジット)・ストリートに店を構えていたアンソニー・シンクレアであった。元もとは陸軍将校を顧客にしていたテーラーで、陸軍出身のヤング監督がその常連だったことから、撮影用のコネリーのスーツの仕立てを依頼された。また、コネリー着用のシャツは、ロンドンのジャーミン・ストリートに本店のある、1885年創業のターンブル&アッサー製。元もとはオーダー・メイドのシャツの店で、チャールズ皇太子やウィンストン・チャーチル御用達としても知られる[16]。呼び出しを受けたボンドが赴いたのは、某ビル内にあるユニバーサル貿易(Universal Exports)であった。これは、007シリーズの英国秘密情報部が使っている隠れ蓑の会社で、原作ではリージェンツ・パーク沿いのビルにあることになっている。映画では、ここでMが自分を MI7 (DVDの英語字幕では MI6 に変えられている)の部長だと述べており、実在のMI6ではない架空の組織となっている(映画で所属組織が MI6 となったのは、『ゴールデンアイ』からである)。ボンドはオフィスに入ると、自分の帽子を投げて奥にある帽子掛けに掛ける。これもシリーズ恒例のシーンとなり、帽子をかぶる習慣がすたれてからも、形を変えてしばしば登場した。1960年代中頃には、多くのバラエティ番組などで真似されたり、パロディ化されたりした。Mのオフィスを退出した後、ボンドの自宅のシーンがある。ボンドは、ドクター・ノオに1955年のドン・ペリニヨンを出され、1953年もののほうがいいと述べた(本映画シリーズで恒例となるスノビズムの始まりという指摘がある[3])。ドクター・ノオは、中国の実在の犯罪組織トング(Tong)の元メンバー。原作ではその後独立し、ソ連を商売相手にアメリカの誘導ミサイル実験の妨害を行う。映画では、架空の組織スペクターの幹部。スペクター(SPECTRE)とは、SPecial Executive for Couter-Intelligence, Terrorism, Revenge, and Extrotion (防諜・テロ・報復・恐喝を目的とする特別執行機関)の略。英単語のspectre(幽霊。米語ではspecter)に掛けている(小説でスペクターが登場するのは、『サンダーボール作戦』からである)。ドクター・ノオは、映画ではミサイルだけでなくアメリカの月ロケットの妨害も企む。本作公開前年の1961年にケネディ大統領が、1960年代中に人間を月に着陸させると声明を行い話題になっていた。しかし、劇中に出てくる映像は、前段階の有人宇宙飛行に過ぎないマーキュリー計画のものである。秘密兵器など [編集] ワルサーPPK サンビーム・アルパイン本作では、後の作品のような奇抜な兵器はほとんど登場しない。特殊装備を施したボンドカーも、まだ登場しない。ボンドはレンタルした1961年型サンビーム・アルパインで、カーチェイスを行う。ワルサーPPK(.32口径/7.65mm)。ボンドはベレッタM1919(.25口径/6.35mm)を使用していたが、前回の任務で作動トラブルため失敗を犯し、病院送りとなった。そのため、Mの命令で銃の専門家ブースロイドから、このワルサーを支給される。しかし、劇中でコネリーが使用していた銃はPPKではなく銃身の長いPPである(小道具担当はあまり銃器に詳しくないようで、スミス&ウェッソンがコルトであったり、PPKを持っているはずのボンドがデント教授をブローニングで殺害したりしている)。なお、前回の任務とは、原作では『ロシアより愛をこめて』のことなのだが、映画では製作順が逆になってしまったため、『ロシアより-』の結末は原作とは違っている。ガイガーカウンター。調査に必要となり、ロンドンから送らせた。何か他のものに偽装しているわけではなく、正真正銘のガイガーカウンターである。ドラゴン戦車。ドクター・ノオの島であるクラブ・キーを警備する車両。ドラゴンに偽装し、火炎放射器を装備している。ドクター・ノオは、島にドラゴンがいるという噂を流し、迷信深い漁師が近づかないようにした。デント教授を射殺するシーンで、ボンドの靴下の位置がシーンによって上下する。また、途中でワルサーPPKからFN ブローニングM1910に変化する。