2005/12/24(土)17:53
「華氏911」(2004)
"FAHRENHEIT 9/11"
監督、製作、脚本・・・マイケル・ムーア
出演・・・マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ、他。
・物語序盤・
2000年の大統領選挙で、ジョージ・ブッシュは、激戦と混乱の末にゴア候補を破り、第43代アメリカ合衆国大統領に就任した。
選挙の裏側には、何やら怪しい裏工作があったようだが…。
2001年9月11日、ニューヨークとワシントンをハイジャックされた旅客機が襲うというテロが勃発。
テロの実行犯はオサマ・ビン・ラディン率いるアルカイダと判明した為、ブッシュ政権はアルカイダが潜伏するアフガニスタンを攻撃する。
しかしアルカイダの存在は何処かへ押しやられ、アメリカの矛先はいつの間にかフセイン政権下のイラクへと移ってゆく。
マイケル・ムーア監督作品を観るのは、「ボウリング・フォー・コロンバイン」以来2作目です。
公開当時大変話題になった作品ですが、思い出したように今鑑賞しました。
先日戦争の裏事情を描いた「ロード・オブ・ウォー」を観たので、これを観てみようと思い立ちまして。
序盤でブッシュとゴア候補の対決が描かれていて、そんな事もあったなぁと思い出しました。
あの選挙もかなり不透明な部分が多かったのですね。
もしゴア氏が大統領になっていたら、イラクへの派兵は行われなかったのでしょうか。
もしかしたら歴史が変わっていたのかもしれないと思うと、色々と考えさせられました。
さてこの映画、初めの方は結構展開が難しいです。
アメリカについて良く知っていないと、容易には理解できません。
描いている内容は、要するに、政治と戦争は表裏一体であって、その背中同士をくっ付けているのは金であるという事です。
国は正義の為になど戦争はしません。
多数の人々、企業、国家自体が儲かるから、戦争を起こすのです。
映画を観ていると、この基本的な事を、アメリカ国民のどの程度が本当に理解しているのか、とても不安になりました。
本気でイラクが悪いから戦争を起こし、イラクでの犠牲は当然だと信じている人達が大勢居るのかと思うと、ぞっとします。
戦争の構図というのも厭ですね。
犠牲になるのは、どの国でも貧困層であるという事実。
軍隊に入るしか、教育を受けたり、生活費を稼ぐ事ができない人々が、戦闘要員として駆り出されて行く。
一方で戦争を鼓舞している上層階級の子弟は、決して戦場に行かない。
まるで三文小説の筋書きみたいに、出来過ぎていて情けないです。
この映画を撮る事で、ブッシュ大統領の再選を阻止したいと願ったムーア監督ですが、どの程度のアメリカ人がこれに賛同したんでしょうね?
アメリカ万歳映画を観て喜んでいる国民なので、あまり期待はできません。
日本人も大概バカですが、やっぱりアメリカ人て嫌いだ…。
その"アメリカ人"というのも、何処から何処までが入るのか微妙ですけど。
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