テーマ:試写会で観た映画の感想(675)
カテゴリ:映画鑑賞記録
1/28(土)より全国ロードショーです。
![]() "千里走単騎""RIDING ALONE FOR THOUSANDS OF MILES" 監督・・・チャン・イーモウ、降旗康男(日本パート) 出演・・・高倉健、寺島しのぶ、リー・ジャーミン、チュー・リン、ジャン・ウェン、ヤン・ジェンボー、他。 出演(声)・・・中井貴一。 ・物語序盤・ 漁村で一人静かに暮らす初老の男・高田剛一。 彼には民俗学を研究する健一という一人息子が居たが、長年不和で音信不通の状態だった。 そんなある日、健一の妻理恵から、健一が病気で入院しているとの知らせが入る。 見舞いを和解の切っ掛けにと願う理恵だったが、健一は遠路遥々やって来た父親との面会を拒絶した。 その後、健一が末期癌に侵されている事を知った剛一は、息子が取り組んでいた中国の仮面舞踏の取材を完成させる事を決意する。 単身、中国へ渡った剛一は、健一が一年前に取材していた舞踊家の李加民を訪ねるが、なんと彼は刑務所に服役中であった。 どうしても加民の"単騎、千里を走る"を撮影したい剛一は、通訳を説得して刑務所へ向かうが…。 ![]() なんだか連続して、新進の子役が目立つ映画を観てます。 (「レジェンド・オブ・ゾロ」「オリバー・ツイスト」「単騎、千里を走る。」) 人種は様々ですが、どの子も愛らしくて芸達者で、甲乙付け難いです。 皆、将来が楽しみですね。 最近は「HERO」「LOVERS」など娯楽大作に傾倒していた張芸謀監督ですが、久々に昔ながらの作風が戻ってきました。 「あの子を探して」や「初恋の来た道」あたりの雰囲気です。 中国のまったりした時間を感じる事ができる作品ですね。 主役は高倉健さん。 張芸謀監督が昔、彼の出演作を観て以来、いつか一緒に仕事をしたいと希望していたようで、今回念願が叶ったという訳です。 高倉健さんは中国語がさっぱり判らない日本人役なので、台詞は全て日本語です。 最近は海外に進出して、慣れない外国語で演技している日本人俳優が多い中で、悠々と日本語で演じている高倉さんは、マイペースな人だなぁと思いました。(^^ゞ そういう役柄で演じさせてもらえるのも、高倉さんだからこそなのでしょうね。 映画としては、エピソード的に何か凄い事が起る類の話ではありません。 ただ、それぞれの人の思惑が微妙にずれていて、それが運命の皮肉を感じさせる脚本でした。 わくわくするような映画でも、泣けるような映画でもないのですが、素朴な人々の温もりは感じられました。 長年不和だった息子の為に、彼がかつて撮影を約束していた仮面劇を、単身中国へ渡って撮りに行こうとする父親。 しかし当の役者は刑務所の中で、外国人の父親は彼に会うのにも一苦労。 漸く会えたと思ったら、今度は息子に会いたいと泣き崩れる。 次から次へと困った事態が起ってきて、それでも父親は一生懸命に問題を解決してゆく。 仮面劇を撮るという当初の目的とは、かなり方向的にずれてしまったけれど、親子を対面させるという事も、彼にとってはとても大切な事と思えるようになっていたから。 ヤンヤン役のヤン・ジェンボーが愛くるしくて良いですね。 いかにも中国の田舎の男の子という感じで。 他のキャストも、敢えて素人の人々を選んだという事で、演技そのものは下手なのかもしれませんが、素朴な民衆の醸し出す空気は上手く出ていたと思います。 役名も全て役者さんの本名のままなのが面白いですね。 また、日本での撮影には、日本人監督を起用しているので、こちらも無難に撮れていました。 ただ声だけの出演の中井貴一さんが、病人のわりには元気溌剌な声で喋っていたので、そこはもう少し神妙な口調で演じてほしかったです。 ちなみに「単騎、千里を走る」は三国志の中の有名なエピソードです。 敵方の大将である曹操に囚われた関羽が、主君である劉備の元に帰るというお話。 三国志も随分昔に読んだきりなので、細かい所はすっかり忘れています。 ゆったりと流れる時間の中に、時折ユーモアが混じっていて、中国の田舎の長閑さと人々の優しさが感じられる1本でした。 ![]() ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。
最終更新日
Jan 23, 2006 10:20:53 PM
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