2006/04/07(金)06:33
「連理の枝」(2006・韓国) 試写
4/15(土)より全国ロードショーです。
"連理枝"
監督、脚本・・・キム・ソンジュン
出演・・・チェ・ジウ、チョ・ハンソン、チェ・ソングク、ソ・ヨンヒ、他。
・物語序盤・
ゲームソフト開発会社の社長ミンスは、絵に描いたようなプレイボーイ。
しかしある雨の日、ミンスはバス停に居た女性ヘウォンと運命的な出会いをする。
ミンスの車のせいで、ずぶ濡れになったヘウォンを、病院まで送り届けるミンスは、いつもの癖でナンパをするが、ヘウォンは相手にしなかった。
その後、同じ病院に検査入院していたミンスは、ヘウォンを口説き落とそうと、院内を探し回るが、彼女自身も入院患者の一人だった。
タイトルの「連理の枝」とは、白楽天の有名な漢詩「長恨歌」の一節から取った言葉。
二本の樹の枝が成長するにつれて、寄り添うように絡み合い、恰も1本の樹のようになっていく様を表したものです。
さて、"涙の女王"と異名を取るチェ・ジウですが、私は彼女が演技をしている所を観るのは初めてでした。
あの「冬のソナタ」すら一度も観ていないのですから、流行モノには鈍感でございます。
でも彼女、韓国映画界では演技が下手な女優として見られているそうですね。
真偽の程は、韓国語が分からない私には、さっぱり判断できませんが…。
一方、涙のイメージがあるが、実はコミカルな演技が得意という話も聞きました。
今回の映画、観る前は、タイトルやチラシの写真のイメージから、シリアスな悲恋モノと思っていました。
「ある愛の詩」みたいな、「愛とは決して後悔しないこと」と観客の大粒の涙を誘う作品なのかと。
ところが、いざ上映が始まってみると、ずっこけてしまう位、おちゃらけた雰囲気でした。
主人公であるヘウォンとミンスも、妙に明るい遣り取りをしているし、二人のそれぞれの友人同士のカップルが、これに輪を掛けるように、お笑い路線に走っていました。
確かに各シーンだけ切り取って観れば、可笑しいし笑えるんですけど、悲恋モノにこんな笑いは必要なのかと、韓国との感覚のズレに悩みました。
韓国映画もそこそこ観てきましたが、やはり日本とは意識のズレがありますね。
日本でこの映画を撮ったら、終始一貫、シリアスで悲哀なムードな作品になったでしょう。
しかし韓国映画は、薄っぺらで軽い笑いを挿入する事で、まずは作品をライトな雰囲気にしておいて、終盤に掛けて、一気に悲劇的な展開に持ってゆく。
この感覚に慣れていないと、違和感が強くて、物語に馴染めません。
加えて、その悲劇にも、非常に無理を感じました。
難病を抱えて、チェ・ジウが余命幾許も無いというのは、普通に設定として許せるのですが、ダブルで来るのは如何なものかと…。
可哀想という以前に、あり得ね~!という気持ちが先行してしまいます。
あれで泣けというのも、かなり厳しいものがありました。
印象としては、韓国のメロドラマ全体に言える事ですが、一昔前の日本のテレビドラマみたいなベタな感じですね。
失笑してしまうような在り得ない設定に、悲喜の掘り下げが中途半端なドラマ。
古臭さを感じるような、陳腐な演出、など等。
こういうものにノスタルジーを感じる人なら、共感できるかもしれません。
少なくとも私には生理的に合わない映画でしたね。
チェ・ジウは綺麗でしたけど。
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