テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:カテゴリ未分類
4/8(土)より全国順次ロードショーです。
"FIGHTER IN THE WIND" 監督・・・ヤン・ユノ 原作・・・パン・ハッキ 出演・・・ヤン・ドングン、加藤雅也、平山あや、チョン・テウ、チョン・ドゥホン、パク・ソンミン、国分佐智子、真樹日佐夫、他。 ・物語序盤・ 太平洋戦争の頃の朝鮮半島。 チェ・ペダルは空から降ってきた日本の航空隊への勧誘のチラシに心惹かれる。 パイロットになる事を夢見て、日本行きの船に密航するペダル。 その後、航空学校へ入隊するものの、朝鮮人という事で差別を受け、結局パイロットにはなれず、そのまま日本で終戦を迎えた。 敗戦の混乱期に、相棒と共に露天商で食い繋いでいたペダルは、幼い頃、武術を教えてくれた師匠ボムスと再会する。 ペダルはかつて、強い格闘家になる事を夢見ていた自分を思い出し、ボムスに教えを乞うが彼はペダルを拒絶した。 そんな折、日本のヤクザとの確執が原因で、ボムスはヤクザに殺害されてしまう。 ペダルはボムスの遺した宮本武蔵の著書を読み、壮絶な修行の旅に出る事を決意する。 極真空手の創始者である“神の手”大山倍達ことチェ・ペダル(崔倍達)をモデルにした物語。 原作は韓国のベストセラー・コミック『風のファイター』。 日本で言えば、「空手バカ一代」も大山倍達を主人公にした漫画ですね。 ちなみにこの映画には、「空手バカ一代」原作者梶原一騎氏の実弟で空手家でもある真樹日佐夫氏が特別出演しています。 荒筋というか、置かれた境遇などは、先日鑑賞した「力道山」に似ていますね。 ただこちらは、原作がコミックというだけあって、全体に漫画っぽさが漂っています。 シリアスに徹して、時代背景なども忠実に再現していた「力道山」に比べ、こちらは漫画だけにツッコミ所も多いです。 主人公のペダルには、俳優でラッパーでもあるヤン・ドングン。 また序盤から登場する最大の敵役である加藤は、武術に長けた誇り高き軍人で、加藤雅也が演じています。 加藤の腹心の部下である龍馬という男が、先ず最初のツッコミ所です。 髪型が鬼太郎ヘアーなんですよ。 戦時下なのに、あの髪型は有り得ん…笑。 しかも日本語が微妙に下手で、韓国俳優である事がばればれ。 他、日本人ヤクザも全員が揃って、妙な発音の日本語を喋っており、真面目に作ろうという意思が見受けられません。 一応、日本が舞台という設定なのですから、端役にも日本人俳優を起用する位の意気込みは見せてほしかったですね。 敗戦後の日本のセットなども、どうも日本に見えなくて、外国を撮るに当たっての時代考証の好い加減さが目に付きました。 ペダルの恋人陽子役の平山あやは可愛いですね。 でもこの人も、設定が曖昧で、日本人が観ると変な感じがします。 最初に出てきた時は、「お嬢様」と呼ばれていたので、何処かの令嬢なのかと思っていたら、後で芸者さんだと判ります。 花柳界は日本人でも判り辛い世界なので、韓国の人に的確に描けと言っても無理でしょうけど、やはりこの辺も考証不足は否めません。 ツッコミ所は多々ありますが、龍馬の未亡人が凄い田舎の農民だったのには笑いました。 エリート軍人の妻子が、田舎で貧農なんかやってる訳ないでしょ…。 この辺も日本をステレオタイプなパターンでしか捉えられない異国の漫画という印象でした。 色々難癖は付けましたが、お話としては結構楽しめました。 朝鮮国籍故に、差別を受け、武道家としても正式には認められなかったペダルですが、重苦しい空気は映画にはありませんでした。 宮本武蔵の再来のように、単独で日本中を旅して歩き、道場破りを続け、満身創痍になりながらも、挑戦者達を倒し続けるペダル。 ただひたすら、己の武術の技を磨き、頂点に立つ為に…。 力の無い正義は無能であり、正義の無い力は暴力である、というような言葉は心に残りました。(記憶、曖昧です…。) アクションシーンは全てスタント無しで撮影されたようです。 挑戦者となった人達が、全員武術の心得のある本物だけあって、格闘シーンはなかなか見応えがありました。 そして主演のヤン・ドングンも獣のような男を熱演していたと思います。 本物の大山倍達の人生とは、全く違うストーリーだと思いますが、これはこれで漫画として楽しめたかなという感じですね。 でも飽く迄B級娯楽映画なので、その辺は誤解なきように。(^_^;) ↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 7, 2006 07:57:49 AM
|
|