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MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

Jan 27, 2008
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カテゴリ:映画鑑賞記録
只今、公開中です。
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"SWEENEY TODD: THE DEMON BARBER OF FLEET STREET"
監督・・・ティム・バートン
原作・・・スティーヴン・ソンドハイム、ヒュー・ウィーラー
作詞作曲・・・スティーヴン・ソンドハイム
出演・・・ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アラン・リックマン、ティモシー・スポール、サシャ・バロン・コーエン、エド・サンダース、ジェイミー・キャンベル・バウアー、ローラ・ミシェル・ケリー、ジェイン・ワイズナー、他。

・物語序盤・
掃き溜めの街、19世紀のロンドンへと一人の男が舞い戻って来た。
彼の名はスウィーニー・トッド。
若かりし頃、彼はベンジャミン・バーカーという名の、フリート街で美しい妻と赤ん坊の娘と共に暮らす、腕の良い理髪師だった。
しかし妻に横恋慕したターピン判事は、彼に濡れ衣を着せ、流刑にして追い払ってしまう。
それから15年の月日が流れ、漸く自由の身となったベンジャミンは、家族との再会と検事への復讐を誓い、ロンドンへとやって来たのだ。
かつて理髪店を営んでいた家屋の一階で、パイ屋を経営するラベット夫人と再会したスウィーニーは、妻がタービン検事に辱められた末に服毒自殺を遂げた事と、検事が一人娘を幽閉している事を聞き出す。
激怒したスウィーニーは、タービン検事を殺す為、再び理髪店を開き、ラベット夫人の協力を得ながら、復讐の機会が訪れるのを待つ。
ある日スウィーニーは、街で有名な理髪師ピレリと腕比べをして勝利した。
暫く後に彼の店を訪れたピレリは、自分がイギリス人で、かつてベンジャミン・バーカーの元で働いた事があると、スウィーニーを脅迫する。
咄嗟にスウィーニーは、ピレリの喉を切り裂き、口封じに殺害した。
これを見たラベット夫人は困惑するが、死体をミンチ肉にして、ミートパイにする事を思い付く。
その後、スウィーニーは殺人を繰り返し、夫人は人肉入りのミートパイを売って、店を大繁盛させるように…。

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スティーヴン・ソンドハイムとヒュー・ウィーラーによる、トニー賞受賞の同名ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品です。
そもそもの元ネタは、イギリスの都市伝説のような猟奇人肉嗜食事件みたいですね。
嘘か真か、嘘だと思うけど、巷の噂になったお話。
1997年にも一度、「スウィーニー・トッド」"SWEENEY TODD,THE TALE OF SWEENEY TODD"というタイトルで映画化されています。

私は、この伝説的事件についても、ミュージカルについても全く知りませんでした。
調べるまで、完全オリジナル作品と信じて疑わず。汗。
元がミュージカルなら、歌って当然なんですよね。(^_^;)

何度も書いておりますが、私はミュージカル映画が大の苦手…。
予告編を観た限りでは、たまに歌う程度かな?と思ったのですが、蓋を開けたら、思い切りミュージカル!でした。
オープニングから、歌います歌います。
正直、ぅわちゃぁぁっ…とめげそうに。

でも出演者全員、とっても歌が上手くて感心しました。
ジョニーったら、歌も上手いのね。(#^.^#)
ルックスもナイスだし、性格も良いって噂だし、素敵過ぎるぜ、ジョニー!
今作では卑劣な敵役ですが、私はアラン・リックマンも大好きなのです♪
他の出演者がすぐに歌い出すのに、彼だけはなかなか歌わず、ひょっとして彼だけ歌無し?と思いましたよ。
ミュージカル嫌いと言いつつ、こうなったら全員の歌が聴きたいじゃないかと焦れてきて、スクリーンに向かって、「アラン、貴方の歌を聴かせて~!」と強烈な念を飛ばしましたわ。
アラン・ファンの皆様、ご心配無く。
彼も確り歌声を披露してくれます。しかもジョニーとのハーモニーだぜ♪
そして、他の方同様、とても上手です。
更に、スウィーニーに思いを寄せるパイ屋の未亡人役を演ずる、ヘレナ・ボナム=カーター。
クリスティーナ・リッチもそうですが、彼女の顔立ちって、ゴシック・ホラーにピッタリですよね。
メイクで強調されていますが、落ち窪んだ眼と扱けた頬が、出てきただけでゴス&ホラー。

映画は、画面全体にゴシックな雰囲気がぷんぷんと薫り立つようで、色彩を抑えた映像も見事な迄に美しいです。
ファンタジックであり、ゴシックであり、且つ、グロテスクである。
その巧みな融合と調和に、流石はティム・バートンの世界だなぁと思いました。

物語としては、非常に悲しく救われないものでした。
この題材でハッピーエンディングになったら、逆に怖いですけど、あの結末は悲劇的過ぎて、報われないものを感じました。
実に私好みの終わり方ではありましたけど。
図らずも求め続けていた最愛の存在を傷付け失ってしまう点や、互いが大切な存在であると知らぬまま終わってしまうという点。
仏教的に表現すれば、犯した罪によって、愛別離苦の罰を受ける。
こういう皮肉な運命を描いたドラマやカタルシスが、私は好きなんですよ。
と同時に、ほったらかしエンディングでもあるんですけどね。(~_~;)
娘は一体、どうなるんだよ?と。
まあ、恐らく、あの若い船乗りと逃げ延びて、生きて行くのでしょうが。
しかし幽閉状態にあったとは言え、物質的に何不自由なくお嬢様な暮らしをしていた彼女に、あの一文無しの船乗りとの生活は耐えられるとは思えませんけど。ぶっちゃけた話。
金だよ、金。生きて行くのに、一番必要で重要な物は。
愛だの夢だの、そんなもん食って、人は生きてゆけませんから。笑。

グロテスク度はかなり高いです。
だから子供向けでは決してないし(15R指定だったわ…)、ゴア表現が苦手な人も観ない方が良いと思います。
剃刀で首をスパスパ、容赦も躊躇も無く、斬り裂いてゆきますから。
その度に、鮮血がドバドバ。
そしてスウィーニーお手製の、死体処理用に改良した床屋椅子で、遺体となった客達は、パイ焼き担当のラベット夫人の厨房に、ごろりんと頭から落下し、石畳の床に衝突してグシャッ。
機械的に行われる殺人には、何の感情もありません。
残酷シーンは、とても潔くテンポも良く、心地良くて見応えがありました。

ただ、ミュージカル映画嫌いな私からすると、この人間ドラマで延々と歌い続ける必要性が必ずしも感じられず、その点で手放しで絶賛できないのです。
もう少し、歌を減らして、普通の演技パートを増やしてくれたら良かったかなと。
この辺は個人的趣味の問題ですけどね。

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最終更新日  Jan 30, 2008 12:52:50 AM
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