カテゴリ:徒然のままに
あの、財団法人日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字一字の公募を日本全国より行い、その中で最も応募数の多かった漢字一字を、その年の世相を表す漢字として、原則として毎年12月12日の「漢字の日」に京都府京都市東山区の清水寺で発表する。昨年の一字は「新」だった。
では、2010年(平成22年)の「一字」をなんと予想するか。そんなことを考えながら、午前中に書初めをした。私が選んだ「今年の予想・一字」は『争』である。さて、この一字を書いてみると気づいたことがある。私はあの大東亜戦争を知っている最後の中学生である。菊花のご紋章が半分削られた「払い下げ」の三八銃を持った最後の中学生だった。鬼のような配属将校に学んだ「教練」を体験した最後の中学生でもある。 私が選んだ「争」は、戦争を知らない世代が人口の7割以上になっている、こんにちの日本であるから、まさか「争」の一字で「戦争」をイメージする人はあるまい。「争」を見て、何を思うか‥。そもそも「争」は、は、辞書によると「物をとりあって互いにゆずらない。優劣をきそう。うばいあう。あらそう」の意とある。その「争」の入った熟語には、争奪・争議・争論・争覇・争闘・争乱・競争・闘争・紛争・内争・戦争・力争・抗争・係争・党争・政争・論争などが挙げられている。 「争」の反対は「和」であろうか? 私は、この「争」を書いてみて、今年一年、日本はもとより、世界中で、いや地球上で、さまざまな「争」があると思う。小さくは、自分自身のいのちのなかで、家庭のなかで、社会のなかで、いろいろな意味の「争」があるように思う。もっとも「争」にはマイナスのイメージがあるが、必ずしも、それだけではない。「争」がなければ、発展や進歩もない。科学技術の進歩などは「争」から生まれると申しても過言ではない。 ただ、「争」が、人を傷つけたり、いのちを奪うことにつながってはならない。いい意味でみなが競い合うことが、私のイメージする「争」である。希望的観測でもある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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